五等分の花嫁 ~家庭教師の助手~   作:I-Ris

14 / 130
12

「そうそう。ナギ君、これ。」

「ん?」

 

登校中、一花さんから茶封筒を受け取る。

 

「家庭教師のバイト代、ナギ君の分ね。」

「ああ、これはどうも。」

 

封筒を開けると1万円が入っていた。

 

「一人2000円を5人分。1回1万円ね。」

「・・・一人2000円だと?俺と額が違うぞ。」

「こっちは助手だからね。安くて良いって言ったのさ。

そもそもバイト代出ると思ってなかったし。」

 

素人の家庭教師でこれだけ稼げるんだから悪くはない。

ありがたく頂いておこう。

 

 

 

 

 

「凪、中間試験が近い。あれから一花は勉強に協力的になったが、

あと2人、二乃と五月がまだだ。試験前には協力を取り付けたい。」

「あいあいさー」

 

上杉大先生にご説明頂いた通り中間試験が近い。

進級に関して試験の成績は切っても切れない関係にある。

期末で赤点を回避しておけば大丈夫だとは思うが、中間も良いに越したことはない。

 

 

「五月はダメだった。二乃の方へ向かうぞ。」

「諦めるの早くない?」

また教室でケンカしたのだろうか。詳しい話なんも知らないけど多分風太郎が悪いと思う。

 

 

 

 

 

「二乃!・・・お前、中間試験は?」

「ゲ。・・・・・みんな、行こ!あいつらあたしのストーカー。」

「ストーカー?元カレかなにか?」

 

 

階段で二乃を見つけたが、ゲ ときたもんだ。

まだ引っ張ってるよストーカーの事。良い加減忘れてほしい。

周りの取り巻きに元カレと勘違いされている。

 

 

「二乃!俺は諦めないぞ!祭りの日、一度は付き合ってくれただろ!

考え直してくれないか!あと一回だけ!一回だけでいい!

お前の家で、知らないことをたくさん教えてやる!」

「ふふふ・・・・」

 

 

この人何言ってるんですか。あかんわろてまう。

決して声に出して読みたくない日本語。二乃の隣にいる2人に絶対勘違いされてると思う。

ん?これもしかして俺も仲間だと思われてる?

 

 

 

「あんたね・・・・誤解されるでしょうが!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「あぁぁぁぁ・・・・・口内炎がぁ・・・・」

「そんなに痛かったのか、凪。」

「なんで俺までビンタされてるんだ・・・・・」

 

二人して二乃から手痛い一発を食らってしまった。多分口ちょっと切れてる。

一花裁判長、これ冤罪ですよ冤罪。

 

 

 

 

 

 

「問題でーす!今日の私はいつもとどこが違うでしょーか!」

「リボンが違うねぇ。」

「正解です!有坂さんには四葉博士の称号を差し上げまーす!

トレンドのチェック柄を入れてみました!」

「四葉くんはいつも元気だねぇ。でもここ図書室なんだよねぇ。」

 

「お前の答案もチェックが流行中だ。良かったな四葉・・・・」

「さーいせーんたーん!」

 

 

図書室でショートコントをやってはいけません。

四葉くんと風太郎は仲が良いねぇ。

博士になったので呼び名をちゃんからくんに変更してみる。

四葉くんはいっつも無地の緑のリボン。今日は緑のチェック柄を付けている。

 

 

 

「中間試験まで一週間だ!徹底的に対策をするぞ!

だから三玖も日本史以外を・・・英語・・・だと!」

 

「おお、良いね。こないだのところ出来てるじゃない。えらいえらい。」

 

「・・・少しだけわかってきたの。」

 

「凪!お前が教えたのか?」

 

「うん。合間合間を縫ってね。英語は俺得意だから。」

 

 

三玖にはちょくちょく呼び出しを食らって個人授業をしていた。

やる気があるのは良いことだ。お陰で基盤が出来てきている。

積み上げ教科と言われる英語では、大事なことだ。ただテストに間に合うかどうか。

 

「その調子だ!では張り切っていくぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に放課後になった。

「疲れた~!」「一刻も早く帰りたい・・・・・」

 

 

「凪・・・・このままでは放課後だけだと時間が足りん。」

「そうだね。しかし詰めすぎるとね。逆効果になる。時間の増加よりは、

効率が上がるやり方があればいいんだけど。」

量は足りていると思う。質はどうだろうか。

珍しく真面目に勉強方針について話し合いをしていたら。

 

 

 

フー

「☆!?▲!?×▼!!」

一花さんが風太郎の耳に息を吹きかけていた。

すげぇな。声にならない声だった。

 

 

「一花!?なんだいきなり!」

「そんなに詰めなくてもいいんじゃない?中間試験で退学になるわけじゃないんだし・・・・

私たちも頑張るから!じっくり付き合ってよ。」

「・・・そうかもしれないね。風太郎。」

 

 

 

進級して、卒業出来れば良い。

期末試験で合格ラインまで持っていければいい。今は土台を固めるべきか。

 

「ご褒美くれたら・・・もっと頑張るんだけどな?」

「じゃあ駅前のフルーツパフェにしましょう!」

「私は抹茶・・・」

「・・・・今から行かない?食べたくなってきちゃった。」

そういう流れになったようだ。

 

「二人とも!早くしないと置いてっちゃいますよ!」

 

 

 

 

 

「誘われたね。行こうか。」

「いや俺はいい。」

「え?」

「帰って自分の勉強をする。お前だけで行け。」

「・・・・・・はい。」

そうか、こういう奴だった。キミぶれないねー。

男一人だが、付き合ってあげようか。

勉強に対するモチベーションを下げないことが、一番大事だ。

 

 

「有坂さん!上杉さんは?」

「先生は自分の勉強があるそうですよー。」

「あはは。フータロー君はそうだよね。」

「ざんねん・・・」

「有坂さんは来てくれるんですか?」

「俺でよければお付き合いいたしま、あぶねぇ!!」

 

視界の右から俺の腰めがけてタックルが飛んでくる。

殺気を感じて何とか避けた。いや危ないってホント。シャレにならん。

こんなことをしてくる奴は一人しか知らない。

 

 

 

「凪センパイ!何してるんすか!一緒に帰りましょう!」

 

陸上部の後輩、朝倉 茜だ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。