五等分の花嫁 ~家庭教師の助手~   作:I-Ris

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アニメは前話、38話からが二期でしたね。
継続して見ていたため、いきなり風太郎の眼が黄色になって、
五つ子の眼が大きくなったので、最初はびっくりしてしまいました。




39

 

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 

日曜日の昼下がり。

鬼軍曹上杉は退院し、家庭教師のため、中野家に居た。俺もいる。

そして・・・・5つ子と風太郎は今、にらめっこをしている。

姉妹はいつもと髪型を変え、ちょっと似ている。

風太郎が口を開き、指を指した。

 

 

「・・・・五月!三玖!四葉!二乃!一花!」

「なんでだよ」

「一花!四葉!五月!三玖!二乃よ!!!」

 

二乃からの鋭いダメ出しが入る。一人も合ってない。

ホントになんでだよ。わかるだろ。相棒。お前どうしちまったんだよ。

せめて三玖だけは当ててほしい。ほっぺたプクーってなってるから。かわいい。

 

 

林間学校の時の劇場版 上杉 風太郎はどこに行っちまったんだよ。

風邪にならないと本気が出ないのか?水風呂ならすぐ作れるぞ。氷風呂は時間をくれ。

 

確かに髪型が似てるけど髪の色が違うんだから、今は俺でもわかる。

あの時はゴーグル、マスク、フードの3点セットで分からなかったけど。

 

 

 

「今日は家庭教師の日じゃなかったの・・・・?」

「何だ、二乃らしくもない発言じゃないか。」

「そうだねぇ。だって三玖だもん。」

「二乃はアタシよ!!」

 

ということで、風太郎は五つ子当てゲームをしていた。

どうしてこんなことをしているのか。話は少し前にさかのぼる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初日からあまり飛ばし過ぎない方がいいよ?」

「何を言う。期末試験だって近いんだぞ。」

 

マンションの風除室で中野姉妹を呼び出す。

三玖が通話に出た。

 

「フータロー、ナギ。おかえり。入っていいよ」

 

扉が開く。

 

聞いた?今の。おかえりだってさ。

愛されてるな相棒。三玖だからお前だぜ。

 

エレベーターに乗る前に・・・・ちょっと寄りたいところが出来た。

 

 

「どうした、凪。」

「自販機。炭酸が飲みたくなった。先に行っててくれ。」

「わかった。・・・逃げるなよ?」

「なんで俺が逃げるのさ。」

 

 

エレベーターをスルーして奥の通路を進む。自販機を吟味していた。

いいなー。家に自販機があるの。ホテルですよホテル。

強炭酸の気分じゃないな。微炭酸。こっち。

今求めているのは、さわやかな刺激。強烈な衝撃じゃない。

 

 

エレベーターに乗って30階に向かう。

 

いつの日だったか。林間学校の後、五月が家のカードキーを作って、俺にくれた。

これで中野家へ不法侵入が可能になった。ナギくんなら問題ありませんと言っていた。

信頼してくれているのは嬉しいが、俺が紛失したらどうするんだろう。

鍵は持っているものの、人の家に入るわけなので、

風除室での通話のやり取りは欠かさない。

 

 

部屋のチャイムを押し、カードキーを使って家に入る。

リビングに向かうと・・・・・しゃがみこんで、何かの書類を確認している風太郎がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話によると・・・・バスタオル姿の誰かを目撃し、変態とののしられ、紙袋を投げつけられた。

紙袋の中身は小テストの答案、0点のテストが5枚。

名前の部分が切り取られており・・・・・・・・誰のテストかわからない。

またバスタオルの人物が誰かもわからない。頭にもタオルを巻いており、その状態で部屋に帰ってしまった。

 

風太郎はテストに意識を引かれてしまい、どの部屋に帰ったのがわからない。

バスタオルの人物は何者なのか。テストの持ち主は誰なのか。

それを特定するために、風太郎は五つ子当てゲームをしていた。

 

 

それにしても、風呂上りを目撃とは。うらやましい。なんで風太郎ばっかり。

俺も真っ直ぐ部屋に向かえば良かった。

相棒。お前も一回滅んどくか?

 

 

 

 

 

「全教科0点・・・・・」

「ご丁寧に名前が破られている。・・・バスタオルでわからなかったが、犯人はこの中にいる!

・・・・・・四葉。白状しろ。」

「当然のように疑われてる!?」

「まあ・・・・一番出来ないからね。」

 

あんまり指摘したくはないが、非常なる現実を突きつける。

名探偵、ホームズ上杉の第一候補は四葉くんらしい。

その助手であり旧友、ワトソン有坂はこう判断する。

 

 

これまでのエピソードや経験を考えると、可能性の順から、バスタオルの人物は。

同率で二乃、五月がトップ。

次点で四葉、一花。

一番無いのは三玖。

だと思う。

 

三玖の場合、バスタオル姿を見られても無反応の可能性がある。

ちょっと前、俺が部屋に居るのに着替えだしたからな。

勉強も姉妹の中では一番できる。

テストの事だけはちょっとわからない。

 

 

恐らく同一人物のテストではない。彼女たちにも得意教科がある。

全ての教科で完全な0点を取ることはないと思う。このテストは全て科目が違う。

つーかそんなことやられたら泣く。

風太郎がいない間がんばって教えてた俺っていったい。

 

 

四葉くんのテストが3枚くらいあって、他2枚は別の人物。ではないかと思う。

テストを書いた人とバスタオルの人物は別。かもしれない。

 

 

 

「凪、お前はどう思う。」

「バスタオルの人とこのテストの持ち主は違うんじゃないかな。

四葉くんのテストが2,3枚はあると思うけど。」

「有坂さんまでぇ!」

 

仕方ないでしょ。千羽鶴なんか作ってるのが悪い。

結局あの時、四葉くんには代表の1作だけ持っていかせた。

風太郎はあきれながらもちょっとだけ喜んでた。

風太郎も俺を見習え。もう少し素直になってくれ。

まあそこがいいんだけどね。

 

 

「・・・・・・・なんでお前らは顔だけで姉妹の判別がつくんだよ。」

「なんでって・・・・・こんな薄い顔、三玖しかいないわ!」

「こんなうるさい顔、二乃しかいない。」

 

軽めの口喧嘩が始まった。相変わらず相性良くないねぇ。

ナギおにいちゃん今後が心配です。

 

「上杉さん。お母さんが昔言ってました!愛さえあれば、自然とわかるって!」

「道理で分からないはずだ・・・」

 

以下同文。

ウィッグつけられて全員同じ髪型になったら俺も一生わからないと思う。愛だなんて。

風太郎はそのうちわかるんじゃないか。俺より姉妹の事を理解しているし。

 

 

 

「もう髪型戻していいかな?今日はどうしてそんなに真剣になってるの?」

「あれ、戻しちゃうの。残念。」

「残念なんですか?」

「うん。とっても。」

 

一花がそう言いながら髪をいつものように戻す。他の姉妹も戻し始めた。

あー。折角みんな髪短かったのに。綺麗な首が見えてたのに。

 

 

「ん?・・・・・・シャンプーの匂い・・・・・・・・これだ!

お前たちに頼みがある!俺を変態と罵ってくれ!」

「変態。」

「お前には言ってない!」

「あんた・・・・・・手の施しようのない変態だわ・・・・」

「そ、そういうガチな反応はやめてくれ・・・・」

 

 

急にどうしたんだよ。流石にそれで判別は無理でしょ。

みんな引いてるし。二乃も引きながら喋ってた。

 

 

 

「ほくろで見分ける事なら出来るけど・・・・」

「お手軽!どこにあるんだ!見せてくれ!」

「えっ・・・・」

 

風太郎の剣幕に押され、三玖がソファに倒れこむ。

 

「フータローになら・・・・見せても良いよ……」

「ダメです!そもそもほくろを見てないと意味がないでしょう!」

 

 

五月に止められる。風太郎と三玖、なんか昨日からいちゃついてんな。

見せつけやがって。ちょっとムカついてきた。過剰だと滅ぼすからな。

こういう成分は適度に摂取したい。

 

 

 

「二人とも・・・・・もしかしたら犯人はいないのかもしれないよ?」

「ど、どういうことだ。」

「私達には・・・・・6人目の姉妹、六美がいるんだよ!」

「「な、なんだってー!」」

「んなアホな。」

 

いきなり一花が何を言い出したかと思えば。しかし気になることが一つある。

 

 

「一花、なんかいつもと雰囲気が違うね。」

「え、そ、そう?」

「うん。その服を着てるの違和感がある。」

 

 

いつもと来ている服が違う。長く大きい白いニットを着て下を履いていない。

スカート代わりにしている。薄着だ。その恰好で外には出れないな。寝起きかな。

前はワイシャツ1枚だったし。

 

 

「ややこしい顔しやがって・・・・・もうわからん。最終手段だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎の提案で各々再テストを受けることに。

0点の人が犯人。しかしどうだろう。復習しているかもしれない。

むしろ復習していると嬉しい。復習していてほしい。期末試験も近いんだ。

さっきまでは皆でワイワイしてて気にならなかったが・・・・・

 

 

 

 

テスト時間中の静かな間に……俺にある現実が襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし・・・・0点。0点が5枚かぁ。

・・・・・へこむなぁ。俺教え方下手なのか・・・・」

「全くだ。お前のやり方はぬるい。」

「風太郎はさすがだわ・・・俺ちょっと自信ない・・・・」

「ごめんなさい有坂さん・・・・」

「こいつらの勉強嫌いは一筋縄ではいかん。あまり気にするな。」

「はぁ・・・・・0点て・・・・マジで給料泥棒じゃん俺・・・・・」

 

 

これから家庭教師を続けられるか自信がなくなってきた。

風太郎がいない間は俺が教えてたので、その成果という事になる。それが0点5枚。

 

あーあ。結構ショック。

現時点で5枚だぜ?もしかしたらまだあるかもしれない。

 

 

「いい気味ね。勉強なんてくだらないわ。」

 

「・・・・何も知らない癖に。やってもいないキミがそれを言うのか?」

 

「なっ・・・!」

 

「・・・・凪。」

 

 

まずい。口に出てしまった。

謝らないと・・・・最初の一言は完全に余計。

 

 

「・・・・・・悪い、ごめん。二乃。今のは完全に俺が悪い。

申し訳ない。許してほしい。」

 

 

「え、・・・えぇ。」

 

 

「・・・ありがとう。良かった・・・」

 

 

危なかった。・・・・間違いなく失言。

二乃が気を配り、大人になってくれたのがわかる。

キミにまで心配させてしまったか。すまない。

だが・・・安堵した。良かった、許してくれた・・・・

 

 

「・・・・ちょっと外出てくる。一人にさせてくれ・・・・」

「あ、ああ。」

「ナ、ナギくん」

 

 

ベランダに出た。

今の状態でここに居てはいけない。予想以上に良くない。

 

 

 

 

 

 

 

ベランダで一人、物思いにふける。

 

先ほど買った炭酸を飲みながら色々考えていた。

これから先どうしようかな。給料を貰っているからな。

成果を上げられない仕事をやるのは俺の性に合わない。

やるからには学力を向上させたい。最低でも維持はさせたい。

 

 

だって今俺がやってること酷いぞ。金だけもらって放置。

それとなんら変わらない。

0点なんだもん。実績0。存在する価値ナシ。

放置ならまだいい。やれば上がる可能性がある。

真面目にやってコレだ。救いがない。

やめることも真剣に考えるレベル。俺マジでいらないかも。

 

 

 

・・・・元のバイトの方、数増やそうかな。

・・・・あっちの方が向いてるし。

今週金曜の午前中はそっち入れてるけど、土日どうしよう。

平日は・・・何回か陸上部に顔を出そう。茜にお土産も渡さないとな。

 

 

いや・・・期末試験があるからな。真面目に続けたところで、結局赤点でクビかもしれない。

教師の頻度を減らしてゆっくりとフェードアウトするという選択肢もある。

続けても意味がないんじゃな・・・・

 

 

 

 

 

 

 

待て・・・・・落ち着け。

俺は風太郎に頼まれてここにいるんだぞ。

あいつの了承なしに抜けてはならない。

 

 

それに、あのテスト。

まだ誰のとわかってはいない。

勉強をしていない二乃の5つという可能性もなくはない。

教科は全てバラけているんだから。全て1人の物という可能性がある。

そこに望みをかけてみよう。

 

 

テスト、終わったかな。

部屋に戻ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一人ずつ0点の犯人じゃねぇか!」

テストは終わっていた。犯人もわかったようだ。

 

そして風太郎の今の発言を聞いた瞬間、心の中の何かが崩れた。

 

 

 

 

 

「やあ、終わったのかい。」

 

「ああ!バスタオルの犯人は一花だ!

そして、テストは5人全員の物だ!」

 

「・・・・・そうか。やっぱりな。ちなみに何が決め手だったんだい。」

 

「この文字を見ろ!この筆記体は一花しか書かない。

二乃は門の書き方が異なるのが特徴だ!

三玖は4の書き方が違う!

四葉はこの送り仮名!

五月はこの「そ」の書き方!すべて特徴が出ている!」

 

「・・・・流石だな。・・・・・見せてくれ。」

 

 

破かれたテストと今のテストの内容を見比べる。

風太郎の言うとおりだ。ちゃんと内容を見れば、誰のものかわかる。

彼女たちには癖が・・・・ある。

 

 

「俺は・・・・・この癖も、知らなかったのか・・・・・

・・・・本当に何もわかっていないんだな・・・・・」

 

「ナ、ナギ・・・?」

 

 

 

「ありがとう。風太郎」

テストを帰す。

 

 

帰り支度をする。

 

 

「ナギ君・・・・?」

 

「一花、今日はバイト代にカウントしなくていいよ。俺は今日なんも仕事してない。

風太郎、悪い。今日は気分が乗らない。帰らせてくれ。」

 

「・・・・ああ。また来週、頼むぞ。」

 

「悪い。それも少し考えさせてくれ。一人で考える時間が欲しい。

今の俺はダメだ。ちょっと・・・・やられてる。放課後も行けない。」

 

「あ、有坂?どうしたのよ・・・・」

 

「何でもない。二乃。さっきはすまなかった。全部俺が悪い。」

 

 

早く家に帰りたい。ダメだ。ここに居ては。

また何かやってしまいそうになる。一人になりたい。

 

 

 

「ナ、ナギくん!」

「なんだい、五月」

「・・・・また来週、来てくれますよね・・・・?」

「・・・・・・・・・・・わかった。来週は必ず来るよ。

今、俺は・・・・ここに居てはいけない。帰る。風太郎、あとは任せた。」

「ああ。帰って・・・・休め。」

 

 

この日はもう風太郎に任せて、俺は切り上げた。

・・・・悪い。察してくれて助かる。

逃げるように、帰らせてもらった。

 

 

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