原作を全巻買って現在読破中です。
アパート時は個々に寝室があるという認識だったのですが、
原作では一部屋に5人でした。勘違いしていました。
18時までに修正が間に合わず上手い話の展開も思いつかなかったので、
一人一部屋という設定でいきます。
この設定はオマケ程度でしか使っていませんので、ご了承頂ければ幸いです。
12月26日。クリスマス翌日。
朝から、元中野家のマンションで出待ちをしている。
カードキー返却の為だ。マンションの管理人に渡すのではなく、
中野父か江端さんのどちらかに渡して、アピールをしておきたい。
俺は、あなたたちの敵ではありませんと言うために。
昨日も朝から待ってたんだが、現れなかった。有坂 凪は孤独のクリスマスでした。
イブはみんなと一緒だったけどね。
江端さんの連絡先を知らないから仕方ない。中野父の番号はわかるが、
掛けたところで忙しくてどうせ来ないだろう。
出てきたところを捕まえるしかない。それに、現実的なのは中野父より江端さんだ。
家庭教師を辞めることを伝えた時に連絡先を聞いておけば良かったな。
たまたまマンションの前ですれ違っただけだから、口頭で済ませて終わりにしてしまった。
しかし姉妹が家出をするとは思わなかったし……
思いのほか、俺達の存在は彼女達にとって大きかったようだ。
嬉しくはあるが……もう少し自分達の事を大切にして欲しい。
・・・・来た。あのリムジン。間違いない。
幾ら高級マンションでもあんなものを使っているのは、この家庭だけだ。
姉妹がいないせいか、中野父が帰ってきているのだろう。
運転手は江端さんのはず。行ってみよう。
つーか一人でもリムジンかよ。
運転席に近づいて、窓をノックする。
「これは・・・・有坂様。お久しゅうございます。」
「お世話に・・・ん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、江端さんですか?」
金髪なんだけど。肌黒いんだけど。アロハシャツ来てるんだけど。
だれこの人。見たことあるけど。
・・・・・・・・・・・・あの履歴書の人じゃないか!江端さん、65歳ですか。
「朝早くから、どうされましたか。」
「こちらをお返ししておきます。彼女たちの持っていたカードキーです。」
「これは・・・ご丁寧に、ありがとうございます。」
「四葉くんが全部投げ捨てたので、こちらで回収しました。」
カードキーを渡した。ついでに俺が五月から貰っていたものも混ぜる。
ここ。今の会話がポイントだ。
姉妹は捨てたけど、俺はちゃんと拾って返しに来ました。
そう思わせるのが良い。
中野父サイドと五つ子サイド。その橋渡しができる人物がいた方が良い。
彼女たちが帰ってきやすくなるように。
風太郎は中野父に言いたい放題言ったので無理。俺がやるしかない。
あいつらしいが。
「・・・お嬢様たちは、お変わりありませんか。」
「ええ。今日も風太郎が勉強を教えることでしょう。ご心配なく。変わりありませんよ。」
「そうでしたか。・・・・やはり、大きく、強くなられました。喜ばしい事です。」
「良いですよね。古くから知っている人の成長を見るのは。自分の事のように嬉しくなる。」
「ええ・・・・。」
「上杉様も逞しく家庭教師をされておられましたが・・・・有坂様が居てくれて、とても安心しております。
しばしの間・・・・私達の代わりに、お嬢様たちをお願いいたします。」
「融通の利く人間を目指してるんですよ。・・・江端さん。連絡先を教えてくれませんか。
彼女たちに何かあったら、相談させてください。中野さんの電話番号は知っていますが、あなたの方がフットワークが軽い。」
「勿論でございます。・・・・メル友ですね。」
ズッ友だょ。
「では、江端さん。ありがとうございました。失礼します。」
「宜しいのですか?まもなく旦那様がいらっしゃると思いますが・・・・」
「うーん。ちょっと俺が中野さんにどう思われてるかわからないので。ここでお暇します。」
「承知いたしました。有坂様が鍵を返しに来たことは、私の方からお伝えしておきます。」
「流石。良い仕事です。ありがとうございます。」
俺も気を利かせる自信はあるが、江端さんもやはりすごいな。
なんで俺がこんなことをしているか察してくれた。よし。帰ろう。
「・・・・にほんばれ。」
江端さんにカードキーを渡した後、河川敷を歩いて中野家アパートへ向かっていた。
あの一件の後だからまだ朝早いが、
快晴だった。冬にしては珍しい。乾燥するんだ。こういう日は。
一昨日の事で気になるのは、風太郎に助けられた二乃の顔が赤かったこと。
風邪でもひいていなければいいが。
アパートに到着。
さて。誰か起きていればいいんだが。まだちょっと朝早い。
とりあえずドアノブを捻る。・・・開いている。
「お邪魔しまーす。」
「ナギ、早いね。おはよう。」
「やあ三玖。おはよう。朝早くから悪いね。」
起きていたのは三玖だけだった。
「それは・・・・ドキュメンタリー?」
「うん。関ヶ原の真実。」
「・・・・そう。」
とのことだ。このための早起きか。
「ナギもテレビみる?」
「どんな内容なの?関ヶ原はあんまり詳しくないんだよね。
やっぱ信長好きだからさ。その後の事は微妙で。」
「どのくらい知ってる?」
「小早川秀秋がやらかしたことくらいしか知らないなぁ・・・・」
「・・・なら、見ない方が良いかも。
このテレビ、かなり細かい所を説明してるから。ある程度知ってる人むけ。」
「そーですか。」
「・・・・ナギ。」
「うん?」
「こんなことになっちゃったけど・・・・
二人は、私達の家庭教師、まだ続けてくれる?」
「別に良いよ。気にしなくて。
風太郎も、きっと同じ気持ちのはずさ。多分照れ隠しでなんか言うけど。」
「ありがと。・・・・そうそう、ナギ。」
「はい。」
「一花、起こしてきてくれる?」
「あいよ。一花を起こしてくれば良いのね。」
立ち上がって部屋に向かう。
んー。参ったな。どれが一花の部屋なんだろう。
まだわからんぞ。旅館みたいに宿泊者の名前を書いたプレートをだな。
・・・・・・・・・ちょっと待て。
「三玖さん?」
「なに?」
「たった今俺になんて言いました?」
「一花を起こしてきて。」
「なんで俺?」
「わたしはテレビで手が離せない。ナギしかいない。」
「そうだね。でも今から起こすのはちょっと早いんじゃないかね。」
「・・・・・でもナギはこの時間にここに来てる。」
おい。なんだよ?今の間は。さてはキミ何か考えてるな?
おのれ敵将、中野 三玖。
貴様の謀り事、看破してくれるわ。
関ヶ原はまさに天下分け目の戦い。このこたつは戦場と化した。
「女性の寝室に勝手に入るのはデリカシーが無いだろう。」
「・・・一花はいつもお寝坊。たまにはお灸を据えたい。寝起きドッキリ。」
「それは仕事で夜遅いから仕方ない事じゃないか?」
「・・・・・・・・・・昨日はクリスマスで仕事はなかった。だから今日は早く起きれるはず。」
「そんなに生活リズムをすらすら変えられる人は居ないんじゃないかな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うるさい。テレビに集中できない。早くする。」
「いや三玖さん?」
「・・・・・・・・・・・・・」
ダメだコリャ。計略でもなんでもねぇ。兵力差のゴリ押しじゃないか。
強引に話を打ち切られた。なにもわからない。
起こすしかないらしい。
「どこさ。寝室。」
「そっち。」
「ここね・・・・・」
「・・・・・・いつもの・・・・・」
なんか三玖が呟いていたが、わからなかった。
部屋に入る。絶対怒られると思う。
俺も鉄拳制裁くらうのかぁ。初めてだなぁ。
「お邪魔しまーす・・・・」
「・・・・・・・zz・・・・」
当然のように一花は寝ている。
うわー散らかってる。来て何日も経ってないでしょ。
話は聞いてたけど、この散らかった状態を見たのは初めてだな。
早いってこの状態になるの。起きてないし少しだけ掃除する。
まあ散らかってる服をたたむくらいかな。
下着まで落ちてる。別に下着なんて見てもな・・・・別に俺は。
下着姿なら話は変わるかもしれんが。
これ・・・便利収納グッズじゃないか。その辺に投げるなよ。
買った意味がねぇ。むしろ買うことによりマイナス。
使わせてもらおう。へー。便利だな。ちょっと欲しいんだけど。
「はぁ。終わったけど。まだ起きない。」
「・・・・・・zz」
10分くらい時間が経っているんだが、当たり前のように起きない。
いい加減起こすか。そろそろ他の姉妹も起きてくるかも。
この光景を見つかったら面倒だぞ。
ステップ1。カーテンを開けて光で起こす。
「おらー。」 シャー
「・・・・・・・・zz」
はい駄目。
ステップ2。声を掛ける。
「おねーさん。時間ですよ。起きてください。」
「・・・・・・・・zz」
ダメ。次あんまりやりたくないんだけど。
ステップ3。体を揺する。
「・・・・うわ。この下は何も着てないのか?嫌だなぁこれ・・・・・」
かろうじて見えてはいない。布団をかけ直した。
恐らく裸で寝てるぞ。今12月だぞ。何考えてんだ。
絶対起きた時に何か言われる。
恨むぞ三玖め。なんたる仕打ち。
「・・・・・・・・・はーい起きてくださーい。」
「・・・・・・・ううん・・・・・」
ゆさゆさと体を振って起こす。
流石に起きてくれるだろう。
「ん~・・・・もう、いま、なんじ・・・・・ナ、ナギ君!?」
「はーいナギくんでーす。」
「ちょ、ちょっと!なんでこの部屋に入っちゃってるの?」
「いや起こしてこいって言われて・・・・」
「誰が!」
「三玖が。」
「三玖!?もう~~!」
そう言って布団をかぶったまま出ていこうとする一花。
目を背けながら会話する。
「待った待った。その状態で出て行かないでください。」
「え?・・・・ああ!」
「流石になんか着てください。出ていきますんで。」
「そ、そうだね・・・・あれ?この辺にあった服は?」
「片づけました。あの収納グッズに。あと簡単に掃除したよ。
まだ引っ越してきてちょっとしか経ってないのに散らかり過ぎですよ、おねーさん。」
「う、うぅ。は、はずかしい・・・・」
「何をいまさら。キミがそういう人だと言うのは風太郎や四葉くんから聞いているよ。」
「そ、それでも、ナギ君には見られたくなかった!」
「なんでよ。良いじゃない。風太郎も見てるんだから。ケチケチせんでも。
じゃあ出ていきますんで。着替えてくださいねー。」
「う、うん・・・・」
部屋を後にした。一花は相当焦っていた。
殴られなくて良かった。
・・・・あれも妹かもな。
「もう~!三玖!なんであんなことしたの!」
「いたい・・・・」
こたつに入ってテレビを見ている三玖をポカポカ叩く一花。
仲が良いねぇキミたちは。二人ともかわいい。
「ナギ。」
「ん?」
「次、五月起こしてきて」
「は?」
その後、理詰めで三玖を説き伏せることが出来たので、
五月の部屋は丁重にお断りした。1勝1敗にしといてやろう。
ざっくりと原作を読んでいますが、
9巻の武田くんは2年次に一花とクラスメートだったという文を見て、
私はがっくりと項垂れました。全く存じ上げませんでした。
2年次もほぼ終わりに近いですが、武田くんは3年になるまで一切出てきません。
この時は主人公に興味が無かったので会話もしていない
という脳内補完をして頂くことになってしまいます。申しわけありません。
やはり原作未読の状態で作るものではありませんね。痛感しております。