50話に到達しました。
残り62話ですが、ここまでの文字数が21万文字程度でした。
いつしか70万文字と書きましたが、そこまでの物量は無かったようです。
話のテンポが良すぎたのかなと少し反省しております。
だからこそ、追加挿入話を考えています。
100万文字を目標としていました。厳しそうですね。
「新年おめでとうございまーす。さーわたあめいかがですかー」
「くーださーいなー」
「はーいいらっしゃーい。少々お待ちくださいねー 200円でーす。」
元旦。あけましておめでとう。
良い天気だ。いっつも晴れている気がする。
新年を祝う年なのだ。天照も手心を加えてくれているのだろう。
「はーいどうぞー。あけましておめでとうございまーす。」
「ありがとー!」
元気のいい子供だね。
ああ言うのを見ると幸せな気持ちになる。
子供の遊ぶ声がうるさいなんてクレームを入れる人もいるようだが。
「あれ?有坂くん!あけましておめでとう!」
「よお!あけましておめでとう有坂!」
クラスのアイドルこと川村さん。そしてその彼氏である葛城君が現れた。
「やあ。川村さん。あけましておめでとう。彼氏と初詣かい。いいねえ。
葛城くんも林間学校から仲良さそうで何よりだ。」
「ッカー!やっぱバレてんのかー!」
「そらキャンプファイヤーの担当俺だもん。何でも知ってる。
まあ、クラスの連中にはなんも喋ってないよ。」
「ふふ。気が利くね。」
あらー振袖着て。ノリノリだね川村さん。
彼氏の葛城君もにっこり。
「わたあめ売ってるの?一つ貰おうかな。」
「まいどー」
「有坂はなにしてんだ?バイトなのか?」
「彼はいろんなのやってるの。」
「時にはオバケ、時にはゆるキャラ、時には屋台、たまにヒーローになります」
「・・・・リンから話は聞いてたけど、本当にやってんだな・・・・」
「はいよ。お二人さん。仲良く食べな。お代はまけとくよ。」
「良いの?」
「どうせ200円さ。」
「やったー!ねえねぇ、一緒に食べよ?」
「ああ、俺が持つよ。サンキュー有坂!」
「落とさないでよー?」
ああ、彼氏が右手に綿あめ持って左右からつついて。
わたあめが小さくなるとどんどん顔が近づくわけだ。
妬ましい。まあ知り合いなら良いよ。キミたちは以前から知ってるからな。
「あーお兄ちゃん!ナギさんがいるー!」
「見つかっちゃったー」
「あけましておめでとーございまーす!」
「はいおめでとーらいはちゃーん」
風太郎とらいはちゃんが来た。
「凪。早朝ぶりだな。」
「ああ。待ってたよ。」
「一つもらおう。」
「あいよ。待ってな。」
「ナギさん見てみてー!お兄ちゃんからお年玉貰ったんだー!」
「あらーいいねぇ。よかったねぇ。そんならいはちゃんには俺からもお年玉をあげよう。ほら。」
「わー!!お兄ちゃんお年玉増えたー!ナギさん、ありがとうございます!」
「凪、いいのか?」
「ああ。準備してたよ。その代わりここの200円は払ってもらおうか。」
「・・・・恩に着る。ありがとな。」
「良いってことさ。」
らいはちゃんが来るのはわかっていたので、準備しておいた。
正直、来なかったら渡すつもりはなかった。来てしまったので贈呈です。
あいさつできてえらい。有坂ログインボーナス。
「あいつらは見なかったか?」
「今のとこ見てないねぇ。さっきクラスメートを見かけたくらいかな。ほれわたあめ。」
「そうか。来ないうちに退散しよう。助かる。」
「お兄ちゃんおみくじひこー!」
「わかったわかった。またな、凪。」
「あいよ。」
中野姉妹は来ていないらしい。
意外だな。ただ、花火の時はこんな会話をした後に五月が現れたような・・・・
「あー!有坂さんが居ます!」
ほら来た。
「ナギ君。あけましておめでとう!」
「あけおめ。またバイト?・・・本当、アンタ何でもやるわね。」
「ナギ、あけましておめでとう。」
「ナギくん、あけましておめでとうございます。・・・・・一つください。」
「おめでとーございます!」
「はいみんな。おめでとうございます。ちょっと時間頂戴ね。
・・・振袖、似合っているよ。」
「ねえねえ!ナギ君は誰が一番好み?」
「うーん・・・・・・・四葉くんかな。
いつも緑のリボンをつけているからね。黒の振袖は意外性がある。ギャップだね。」
「うぇ!?わたし!?あ、ありがとうございます!」
上杉先生残念。今日も生徒たちは居ます。良かったね。
「おう!有坂!交代の時間だぞ。・・・お。中野さんたちじゃないか!」
「北条さん。遅刻っすよ。」
「悪い悪い!それにしても初めて見たな!生中野さん姉妹!」
「5人同時は初ですか。その話を佐野さんにすると機嫌が悪くなるのでやめた方が良いですよ。」
「なんでだ?」
「・・・・・・・・・・・・はい、五月。出来たよ。お代は結構。」
「ありがとうございます。」
佐野さん大変そうだな。これが相手かぁ。
うちの相棒より強敵かもしれないぞ。
「じゃあ北条さん。あとはお願いしますね。」
「おう!友達と楽しんできな!」
「有坂さん!一緒に来れるんですか?」
「うん。タイミングが良かったね。ご同伴しよう。」
「フータローはきてないの?」
「ついさっき見たよ。おみくじ引くって言ってたな。」
風太郎とらいはちゃんを拉致して中野アパートに来た。
俺も拉致された。何か忘れているような気がするが、まあいいや。
覚えていないってことは多分どうでもいい案件だ。
ちなみに風太郎のおみくじは大凶だったらしい。俺は引いてない。
「・・・・・あれ?どうしたのらいはちゃん?」
「中野さんのおうちはお金持ちって聞いてたから・・・・・」
「色々あったんだ、らいはちゃん。」
事情を知らないからね。小学生には難しいお話。
「全く・・・・なんで連れてきたんだ。
お前ら本当に大丈夫か?こんなところで。」
「言ったでしょ。あたしたちは昔こういう所で生活してた。だから慣れっこ。
・・・・で、なんでそんなとこ座るのよ。」
「え?いや別に。」
「ほら、こたつ入んなさい。」
何故かはしらないが、
風太郎は部屋の隅のカーペットも敷いてないフローリングの上に座っている。
何を遠慮してるのかね。
「・・・・じゃあらいはを。」
「ほーら。遠慮しないで!・・・そうだ、マッサージしてあげるよ!
お疲れでしょ~?」
「え・・・・別に疲れてないが・・・・」
「はーい、らいはちゃんこっちにきましょうねぇ。」
「わーい!ナギさんのおとなり!」
殺気を感じたのでらいはちゃんを避難させる。
モテるねぇ相棒。
「いや・・・別に疲れてない・・・・」
「一花だけずるい!」
「早いもの勝ちー!」
「じゃあ腕とった!」
「私は足を揉ませていただきます!」
風太郎もみくちゃ。五つ子に体中を揉まれている。
当の本人は複雑な表情してる。男の夢だぞ。ハーレムだぞ。泣けよ。
ああ妬ましい。ただ、俺があの立場ならちょっと嫌だけど。
「お兄ちゃんが急にモテだした!」
「おめでとうらいはちゃん」
「お母さん・・・・お兄ちゃんに一足早い春が来ました・・・!」
「おめでとうらいはちゃんのお母さん」
「お前ら・・・・にゃんのつもりだ。」
「ネコかな?」
顔を揉まれながらしゃべるから。
にゃにを言ってるんだか。
「な、なんでもないですよー!」
「そうそう、日頃の感謝の気持ち・・・」
「いつもお疲れ様!!」
「怪しすぎる・・・・」
「わ、私のエクレアをどうぞ~・・・・・」
「怪しすぎる・・・・・・・・・・・」
まあ怪しいよな。ちなみにお疲れ様と言ったのは二乃である。
素晴らしい笑顔だった。にこーって感じ。
食品サンプルのようなリアリティのある作り物の笑顔。
「お正月らしく、福笑いを作りました!
五つ子バージョンです!」
「うわむっず。なにこれ」
「ナギさん一緒にやろー!」
四葉くんからお手製の福笑いを受け取る。
なんだこれ。絶対わからねぇ。口とかどうやって見分けるんだよ。
こうしてみるとまだ目は違いがあるけど。
「フ、フータローにちょっとお願いが、」
「その話はまだ早いよ・・・!」
「みんな?隣の部屋行こっか?」
そういって姉妹は隣の部屋に隠れてしまった。
うーんなんだろう。多分給料の件かな。
俺は別に要らないけど。三玖に言った通り。
「凪、これ一花だと思うんだが。」
「いやマジで・・・・口はわからん。目ならまだわかるかも。」
「これが四葉か?」
「いやーそれ違う。五月。」
「五月さんはこれだよー」
「あれー?そうかなぁ。1回実物見よう。」
意外と楽しい福笑いを楽しんでいたら姉妹たちが部屋から出てきた。
五月の目を確認しよう。
「お。来た来た。五月、ちょっとじっとしててくれる。」
「え・・・はい?」
「んー髪がちょっと邪魔だな、動かないでね。」
両手でがっちりと顔をホールドし、確認。
「ナ、ナナナギ君!!?」
「もうちょっとだけ待って・・・・むー。」
「ちょ・・・・・や、やややややめ・・・・!!」
「動かないでくれ。こっちは真剣なんだ。」
「ナ、ナギ君!?ダメだよ!?」
「ナ、ナギ!?」
「有坂さん!?」
そうなんだよ。五月はこの眼なんだよ。
なんか上手く言えないんだけどさ。よくわかった。
・・・・あれ?この態勢。合法的に顔を至近距離まで近づけられるな。
使えるかも。ありがとう五月。まさに目からうろこです。
「よし。ありがとう。よくわかったよ。」
「え・・・あ・・・はい・・・」
五月を解放。
さて、計画を実行しよう。
「いやーらいはちゃん。それやっぱり違うよ。コレが五月の眼だ。
それは目頭の角度が違う。」
「え!そうなの!」
「これが三玖の眼だと思うんだけどなー。相棒、実物チェックしてくれよ。」
「任せろ!三玖、動くな!」
「フ、フータロー!?」
「う、上杉くんまで!?」
「上杉さん!?」
風太郎が三玖の顔とゼロ距離まで近づく。よし、狙い通り。
やっちまえ相棒。三玖でもいいが。後ろに色々いるけど。どうして俺が眼を指定したか察しろ。
眼で眼を見れば、顔は自然と同じ高さのはずだ。当然、唇もな。
「・・・・・フ、フータロー・・・・・・・」
「・・・・・や!は!り!! これが三玖の眼だ!!」
・・・・三玖くぅん。そこまで来たら行かなきゃ。
この人絶対そういうことやらないからキミから行かないとダメだよ。
後ろにめっちゃ観客いるけど。
まあでもごめん。俺が悪かったかもしれない。若気の至りだ。許してください。
三玖には厳しいかね。
「えー!?それ二乃さんだよぉ!」
「チッ 四葉くんだと思ったんだが。」
やべ。思わず舌打ち出ちゃった。割と良い作戦だと思ったのに。
「あー!五つ子ゲームやってくれてる!」
「四葉、チェックを頼む。」
「はーい!・・・あ。上杉さんほっぺにクリームついてますよ!あむ」
「「「「!!!」」」」
「な、何!?四葉くん・・・・・だと!」
大穴の四葉くん、風太郎のほっぺたのクリームをなめとると言う甘美な行為。
さっき五月から貰ったエクレアのクリームがついたままだった。
こーれね。三玖さん激おこです。後ろで第六天魔王みたいな暗黒オーラ出てるもん。
これは比叡山焼き討ち待ったなし。
「い、今のほっぺにチューが家庭教師のお礼という事で・・・・」
「へ・・・・?は・・・・・?ぃ・・・・?」
「四葉先生、上杉くんフリーズしてます。
しかし・・・・お礼ね。」
「そう。・・・今の私達には充分な報酬を差し上げられない状況でして・・・」
「・・・・なんだよ、そういう事なら早く言え。
・・・俺がやりたくてやってんだ。給料の事は気にすんな。」
「「「「「え?」」」」」
「出世払いで結構だ。」
「は?」
「ちゃんと集計するぞ!一人1日5000円!1円たりともまけねぇからな!!」
「そういえばこういう奴だったわね・・・・」
「俺はその辺気にしなくていいよ。
家庭教師のお陰で成績上がってるからね。」
ふふふ。面白いなこいつ。
素直じゃないやつめ。流石の俺もわかるぞ。今のは照れ隠しだって。
「丁度5人揃ってることだしな!今から冬休みの宿題を片付けるぞ!」
「冬休みの宿題ですって?・・・・なめられたもんね。」
「フータロー、課題・・・みんな終わってる。」
「おーすごい。先生俺まだ終わってないです。」
「お前はバイトのやり過ぎだ・・・・じゃあ、普通の勉強会だな。」
このままいつも通りの勉強会をするらしい。
じゃあ俺は課題取ってこようかな。
「お兄ちゃん!お邪魔しちゃ悪いから帰るね!」
「お、おう。」
「あー待った。らいはちゃん送ってくよ。」
「ナギさん!大丈夫だよ!」
「いやついでなんだ。俺も1回家に帰って課題とりにかないとだからさ。」
「あ・・・じゃあ、お願いします!」
「はい。よろこんで。お供致しましょう、お嬢様。」
らいはちゃんを送って自分の課題を取りに行くことにした。
「すいませーん!凪センパイがいるって聞いたんですけど!」
「おう嬢ちゃん!ナギ・・・有坂の知り合いか?
あいつ友達が来たから昼に帰らせたんだ!ごめんな!」
「えぇ~!!折角来たのにー!」
「まあまあ!わたあめ食ってきな!」