五等分の花嫁 ~家庭教師の助手~   作:I-Ris

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「上杉さん!ここ教えてください!」

「ん、どれどれ・・・」

 

 

らいはちゃんとおててを繋いでデートし、課題を取って戻ってきた。

らいはちゃんの髪どうなってんだろ。真上に立ってるけど。張りがあるね。

風太郎の髪もそうか。四葉くんのリボンみたいだし。上杉家の血筋だな。

親父さんはそう言うのないからお母さん似なのかな。

 

こたつで仲良く7人で勉強している。

 

 

「上杉先生。この課題わかりません。」

「お前は自分で調べろ・・・・」

「けちー」

 

教えてくれないらしい。課題にしては結構難しいんですけど。

こんなん良く終わったね君達。

 

 

「ナギくん。今大丈夫ですか?」

 

「ああ、五月。どこだい。」

 

「これなんですが・・・」

 

「鼓 だね。つづみと読む。楽器の太鼓、心音である鼓動、耳の器官である鼓膜

などに使われるよ。音に関するもので良く使うという事を覚えておくといい。」

 

「ありがとうございます。よくわかりました。」

 

課題をやりながら適度に教えていく。

風太郎に丸投げしても良いんだが、俺の名前を呼ばれたら俺が対応するようにしている。

鼓って高校生で出てくる漢字か?結構前だったと思うけど。

 

 

 

「フータロー。ここ・・・」

「どれ・・・」

「!?」

 

お、風太郎と三玖の距離が近い。

さっきの福笑い事件のせいか三玖がかなり意識している。お顔が真っ赤です。

行け!やれ!討ち取れ!

2回目のチャンス!殿!お覚悟を!お命頂戴!

 

 

「・・・・サイコロは奇数だから・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

ダメだぁ。動かない。ハードルが高いかぁ。

二人きりならなぁ。みんないるからな。

でも見ただろう?さっきの四葉くんを。あれだよあれ。

 

「・・・・・・・・・何。」

「・・・・いや?なんでもないわ。」

 

二乃が三玖をじっと見つめていたようだ。

そういえばキミ風邪ひいてないね。良かったね。

 

 

「ナギ君。ここは?」

「はーい・・・・ん。一花、大丈夫?眠くない?」

「え・・・まあちょっと、眠いかな。でも、大丈夫だよ。」

 

「前より仕事増やしてるもんね。無理しないで、少し寝てても良いのよ。」

「生活費、払ってるもんね・・・・」

「二人に教えてもらえるのも、一花のおかげ。」

 

「あの・・・私たちも働きませんか?」

「い、いいよぅそんな無理しなくても。」

「お金絡みの話だ。俺は大事なことだと思うよ。」

 

一花は遠慮気味。

でもここはしっかり議論をした方が良い。

 

 

 

「ほう・・・・・・・・今まで働いた経験は。」

「あ、ありません。」

「勉強と両立できるのか・・・・赤点だらけのお前らが。」

「うっ」

 

面接官上杉登場。バイトまみれの風太郎くんはちょっとしたプライドがあるらしい。

 

 

「・・・・そ、それなら、私もあなたのように家庭教師をやります。」

「いや無理でしょ」

「ナ、ナギくん・・・・」

「ごめん。つい本音が出ちゃった。」

「余計タチ悪いわよ!」

「凪の言うとおりだと思うぞ・・・」

 

だってねぇ。何考えてるのさ。申し訳ないけどそう思う。

確かに家庭教師始めてから俺は点数上がってるから副産物はあるけどさ。

その成績でやったら逆に生徒に教えてもらうまであるぞ。

 

 

「二乃は・・・料理系かい。やっぱり。」

「そうね。やるとしたら、ね。」

「女王様じゃないの・・・・?」

「なによ。それ?」

「だって二乃は自分のお店を出すのが夢だもんね!」

「へー。」

「・・・・子供のころの戯言よ。本気にしないで。」

 

なるほど。だからあちこち食べに行ったりしてるわけだ。

いいね。目的のある行動は素晴らしい。

 

俺もバイト代をこつこつ貯金してるけど、

何か買いたいものがあってやってるわけじゃないからなぁ。

ちなみに別で小遣いは両親から貰っている。

 

 

「私、おいしいケーキ屋さんを知ってますよ!」

「風太郎の店かな。」

「え・・・・・・・ぃいやああぁぁ・・・・・」

 

何かを想像したのか二乃は部屋の隅で両手をつき何かに絶望している。

なにその反応。頭の中見せてくれ。気になるから。

 

 

 

「俺も様々なバイトを経験してきたが・・・・

どれも生半可な気持ちではこなせなかった・・・・」

「結構やってるんですよこの人。ピザ屋の出前とか。」

「器用なんですね。意外です。」

 

 

何気にバイクの免許あるんだよね上杉先生。

勉強以外も結構ハイスペック。体力がないだけで。

俺もバイク乗ってみたいな。けど免許があるだけで風太郎はバイクを持ってない。

 

 

「有坂さんのバイトはどうなんですか?楽しそうです!」

 

「楽しいけど・・・あれ安定しないからね。日雇いだよ。仕事がある日もマチマチ。」

 

「そうなんですか?」

 

「アンタ、色々やってるけど、一番つらかった仕事とか無いの。」

 

「なんだかんだティッシュ配りはきつかったな。

受け取ってもらえないのって意外と心に来る。あと立ちっぱなし。」

「なるほど・・・・」

 

「あとは薄めのヒーロー着ぐるみで交流。子供に割とボコボコ殴られる。厚めの衣装なら良いけど、薄いとパンチが腹に届くから、腹筋が鍛えられる。」

「あはは、正義の味方もたいへんだね?」

 

 

「とにかく!今は勉強だ。仕事舐めんなよ!」

 

 

prrrrr

 

 

「悪い。・・・・その仕事先から電話だ。ちょっと外に出るよ。」

 

 

 

 

 

外に出て、部屋の前で電話に出る。

 

 

「はい。有坂です。」

 

「有坂くん。お疲れ様。」

 

「どうも佐野さん。北条さんは今頃神社の片づけですよ。」

 

「ふふ。そうかもね。急なんだけど、明日って出れるかな。」

 

「明日・・・ええ、大丈夫ですよ。なんですか。」

 

「撮影スタジオからの依頼なんだ。機材を運ぶんだけど、人手が足りないらしくて。

一人だけ午前中寄越してって連絡が来たの。」

 

「明日の午前中・・・了解です。現場と時間をメールしてもらえますか。」

 

「うん。やっとく。じゃあ、宜しくね。」

 

「はい。失礼します。」

ピッ

 

 

とのことだ。撮影スタジオね。

前に1回だけあったな。帰りは現地解散になるんだよな。

 

あ。昔、確か酷い目にあったな。今度は解散って言われたら早く帰ろう。

 

さて、部屋に・・・・

 

 

 

「ぬお」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

後ろを振り向き部屋に戻ろうと思ったらドアの前で正座させられている風太郎が居た。

 

 

 

「どうした。今度は何をやらかした。」

 

「・・・・・俺、この仕事舐めてたぜ。」

 

「は?」

 

「電話が終わったなら、早く戻ってくれ。お前が居ないと一花が寝る。」

 

「俺が居ても変わらんだろ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。バイト現場に来ている。

 

「おつかれさまでーす。」

 

「バイトの子?おつかれ。時間通りだね。じゃあ早速これらを車に運んでくれ。」

 

「はい。」

 

 

スタジオから機材を運搬し、車に乗せる。

こういうものはまあ、高い。かなり気を遣う。

そして結構重い。当然応援とのことなので、本来のスタッフとの共同で行う。

初対面の人との共同体制となる。

 

昨日、風太郎は一花が寝ぼけて服を脱ぎだしたため、一時部屋を追い出されたらしい。

ウケる。

 

 

「これ、そっち側、持ってくれる?」

 

「はい。触れてはいけない場所はありますか。」

 

「あ。えーと・・・下にあるこの部分は触らないで。」

 

「承知しました。持ち上げます。」

 

「良いよ。・・・・キミ、慣れてるね。」

 

「昔1度だけ経験があります。スタジオから機材を運び出す仕事。」

 

「なんだか手慣れてる感じだな。頼りにしてるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーいお疲れー。じゃあ撮影準備に入りまーす。

バイトの子、よく頑張ってくれたね。今日はもう解散で良いよ。」

 

「はい。お疲れ様でした。」

 

 

スタジオから運び出して、現地に機材を納入し、解散となった。

なったんだが・・・・・・・・

 

「まさか・・・この店とは。」

 

そう、風太郎のバイトしているケーキ屋、REVIVALである。

折角なので顔出しに行こう。

 

 

「どうです!俺の作ったパイ、店長のにそっくりだ!これで給料上げてくださいよ!」

 

「こんちわー」

 

「すみません、今日は・・・・おや、有坂くん。」

 

「ご無沙汰してます。撮影機材運搬のバイトだったんですよ。」

 

「なるほど。ここがばれてしまったんだね。

有坂くん。コレ、食ってみてくれないか。」

 

「わーいやったー」

 

アップルパイを手渡される。

 

 

 

 

「いただきます。・・・・・うお。なんすかこれ。

今日店長調子悪いっすね。コレ売りもんになりませんよ。」

 

「そういうことだ、上杉くん。」

 

「なんだと・・・凪!そのアップルパイの何が問題なんだ!」

 

「お前も食えば?」

 

「よこせ!・・・・・うえぇぇ・・・・なんか生っぽい・・・・」

 

「風太郎が作ったのか。意外とセンスないんだな・・・・」

 

 

三玖の料理とどっこいどっこいだった。

見た目が良い分こっちの方が悪質かもしれない。食べてびっくり的な意味で。

サプライズアップルパイ。ドッキリに使えるな。ワサビ寿司と一緒だ。

 

「じゃあ、自分帰りますんで。お疲れっした。」

 

「また来てくれよ。有坂くん。」

 

 

 

 

ケーキ屋の店の前で一息つく。

現地解散なのでもう自由。さて、何をするかな。

 

「・・・・キミは!」

 

「・・・あれ。・・・・社長じゃないですか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店の前で一息ついてたら一花のプロダクションの社長と出くわした。

織田社長だ。

 

「ってことは、一花がいるんですか。ここに。」

 

「そうだよ。今日は映画の撮影でね。」

 

「映画・・・・仕事増やしたっていってたもんなぁ。大きい映画ですか?」

 

「いや、はっきり言ってそこまでではないね。

ただ、一花ちゃんならこの仕事をやり遂げてくれると信じているんだよ。」

 

「?・・・難しいんですか?」

 

「彼女のイメージには、合わないだろうね。

だが、これが今後の演技につながると思うんだよ。」

 

「なるほど。経験値ですか。」

 

「その通り。やはり君はよくわかっているね。

どうだい、今からでもウチに。」

 

「勘弁してください。・・・・帰ろうかと思ってましたが、

一花が居るならちょっと見せていただきましょうか。」

 

「構わないよ。気に入ったら是非に」

 

「無理ですって。」

 

 

 

 

 

 

撮影準備が淡々と進んでいる。

もうすぐ始まるのかな。一花は・・・・いた。

テーブル席に4人の女性が座っており。そのうちの一人だ。

カメラとマイクを向けられているので、このテーブルを撮影するのだろう。

一花は俺には気づいていないようだ。

 

「シーン37の4・・・・アクション!」

 

始まった。

 

 

「ここのケーキ屋さん、一度来てみたかったのです~!」

 

 

・・・・そういうキャラなのね。

 

「たま子、そんなこと言ってる場合じゃないよ!」

 

「え~?なんの話です~?」

 

 

大変だな。女優って。確かにいつもの一花のイメージには合わない。

今後の仕事を左右しなければいいが。

こういう役をやった人 という外側からのイメージは付きまとうからな。

マイナー映画で見る人が少なければ良いんだが。

 

 

 

 

 

 

 

1シーンを見せてもらった。

スタッフたちの声が聞こえてきた。

「シーン45なんですが・・・エキストラが・・・・・」

 

 

うわ。きた。前と同じだ。

三十六計逃げるにしかず。退散。風太郎に投げよ。

急いでかつばれないようにゆっくりその場を逃げ出した。

 

 

 

 

 

「織田さん。体調不良でエキストラが一人足りなくて。誰でもいいので誰かいませんか。」

 

「エキストラが・・・・・丁度いい!有坂くん・・・・居ない!?」

 

「社長、来てたんですか。」

 

「一花ちゃん!有坂くんを見なかったかい!?」

 

「ナ、ナギ君が?ここに来てたんですか?」

 

「そうだよ。先ほどまで撮影を見ていたんだが・・・・・どこかに消えてしまった。

次のシーン、エキストラの代役をやってもらおうかと思っていたんだが。

午前中、ここに機材を運ぶバイトをしていたみたいなんだよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぶねぇあぶねぇ。助かった。」

 

急遽人が足りないのでエキストラ役をやってくれ。

昔のバイトでもあった。本当に無理なので風太郎にお願いしよう。

 

 

なにかを演じると言うのは得意だし好きなんだが、それを撮影して後で見返すのが地獄。

自分の格好つけてる姿なんて見たくない。恥ずかしすぎる。

しかし、それを見ないと自分の欠点がわからない。

だから将来的にその仕事では大きな活躍ができないはず。

社長、俺に俳優は無理です。

 

ほとぼりが冷めた頃に店にちょっと寄ってみた。

撮影自体はもう終わっているようだ。よし。助かった。

 

窓から店内を見てみると・・・・風太郎と一花が居た。

 

 

 

 

 

一花が、風太郎の肩によりそい、仮眠をとっているようだ。

あれまー。女優さんお疲れだね。やはり慣れないキャラクターは疲れるんだろう。

 

 

・・・・ん、薄目を開けてるぞ。寝たふりだ。流石は愛の伝道師一花、あなた出来る子ね。

 

風太郎も寝てると思い込んで肩に手を回してます。いーや、こーれね。素晴らしいですよ。

何故三玖の時にそのイケメンっぷりを出さないのか。

 

 

 

良い雰囲気だし邪魔したら悪いな。帰ろ。

一花も風太郎の事が好き・・・・なのかね。

風太郎も寝ていなかったらあんなことしてないだろうし。策士だな。

よくわかってる。流石恋愛強者。これぞ愛のストーリーテラー。

 

 

 

 

 

良い時間だ。その辺をぶらついて、帰るとしよう。

 

 





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