五等分の花嫁 ~家庭教師の助手~   作:I-Ris

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「全国模試も無事終わったという所で、修学旅行の話に本格的に入りたいと思います。

当日は、班ごとの行動。一班の定員は5人までです。」

 

平日昼間の学校。

上杉学級長によるわかりやすい説明が入った。

修学旅行が近い。京都である。

 

一班5人まで。さあ、どういうメンツになるかな。

四葉は二乃三玖×風太郎を狙っているはずだが。

 

 

 

 

 

「凪。他の人員はどうする。」

「あと3人か・・・・」

 

 

拳を差し出し、風太郎と軽く突き合わせる。

 

休み時間。廊下で風太郎と話をする。

事前に何も話していないし、打ち合わせもしていない。

 

だが、俺達は一緒の班。向こうもその認識。いつも通りだ。

 

 

 

「姉妹の誰かは?」

「・・・・折角1クラスに5人が固まったんだ。

あいつらは、5人セットにしておきたい。他から選ぶぞ。」

「まあ、そうかも。今は俺としてもそっちの方が良い。」

「・・・・何かあったのか?」

「ちょっとね。」

 

 

中途半端にばらけるよりはその方が良いだろう。

俺としても、今は一花、五月とは少しやりづらい。助かる。

 

 

「よお、有坂、上杉。班決まってんのかコラァ」

「前田。まだこの二人だけだ。」

「おし。じゃあ一緒につるもうぜ。」

「良いね。楽しそうだ。」

 

 

前田くんがすんなり合流。あと二人。

別に3人班でもいいが。

 

「上杉くん!まさかこの僕を忘れてはいないだろうね!」

「武田。お前もくるのか?」

「勿論さ!前田くんと有坂くんもいるのかい?よろしくお願いするよ!」

「おう」

「うん。よろしく」

 

 

武田くんも合流。

風太郎は割とウェルカムムード。別に統一模試からいざこざは無い様だ。

 

 

「4人だね。どうする。」

「別に4人でも良いんじゃねぇーの?」

「そうだな。」

 

「・・・あら。有坂くん。ここにいたのね。前田くんも」

「ん。毛利さん。」

「修学旅行の班、空きがあれば私も入れてくれないかしら。」

「お。マジか。」

 

毛利さんが来た。意外。紅一点になるけど。

 

 

「毛利、良いのか。お前だけ女子一人になるぞ。」

「構わないわ。むしろそちらの方が楽よ。同性といると私は目立つから。」

 

「タッパあるしな。毛利なら俺は別に良いぜ。」

「僕もだ。キミとは一度ちゃんと話をしてみたかった。」

 

「あら。嬉しい事言ってくれるわね。でも残念ね。私の推しは有坂くん。彼一筋なの。」

「その発言どうにかなりませんか?」

 

毛利さん合流。

定員5人。中野姉妹の入る余地なし。

これで姉妹は姉妹同士で組むだろう。

 

 

うーむ。これ三玖のパン作戦どうしよ。決めた後で思い出してしまった。

まあ、姉妹はこちらについてくると思うから、適当なタイミングで二人きりにするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

 

「と言う訳よ!ナギ、あんたも協力しなさい!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

二乃に呼び出され修学旅行の作戦を聞かされていた。

1日目にお弁当を作ってフー君と一緒に食べるらしい。

・・・・・丸被りである。これぞ五つ子。

自由昼食のタイミングは初日しかないからな。

 

 

「残念ながら姉御。」

「なによ?」

「三玖さんが全く同じことを考えていらっしゃいます。」

 

「はぁ?あの三玖が!?あいつの作ったもん食べたらフー君が腹壊すわよ!」

「その辺は多分大丈夫じゃないかな・・・・・・パン屋で相当練習してるし。」

 

「パン屋で練習・・・!中々手ごわそうね。ナギ!アンタはどっちの味方なのよ!」

「言ったじゃないですか。自分レフェリーなんで中立っす。」

「ぐっ・・・・他に協力者が必要ね・・・・」

 

 

そこばっかりは贔屓できません。

でも味の方は二乃に軍配が上がるだろうなぁ。ただし三玖は今までのギャップがある。

不意打ちオムライスならぬ不意打ちクロワッサン。

料理対決ふたたび。

 

 

「こうなったら両方食べてもらってはっきりさせるわ!」

「なるほど。良いんじゃない。頑張ってください。」

 

しかし折角旅行に来たなら現地の物を食べたいもんだが。

夕飯じゃダメなのかな。それはどうせホテルのメシだし。

まあ作ってから時間は経っちゃうけど。

 

 

 

 

 

 

 

「お。今日は全員いるな。」

「さぁ、勉強を始めましょー!」

 

ある日の図書室。

勉強会を始めようとしていた。が。

 

「その前に・・・・修学旅行の話がしたい。」

「「「「・・・・・・」」」」

「修学旅行ね。・・・・・・・・・え?何この沈黙は。」

 

三玖の話を皮切りに場の雰囲気が変わった。

 

 

「フータローとナギは・・・・誰と組むか決めた?」

「俺達は「待って!四葉が話したいことがあるって。」

「うええええぇぇ!?」

「奇遇ね。あたしもそう言おうと思ってたところよ。」

 

 

一花と二乃が四葉に話をさせたがっている。

二人して何か考えがあるらしい。

誰と組むか……班決めのようだが。しかしもう遅い。

 

 

「ほら。四葉?」

「どうしたの四葉?言ってあげなさいよ。」

「ふ・・く・・・・ううぅ~・・・・」

「どうしたんだい四葉。落ち着いて。」

 

 

なんか板挟みになってる。同じバランサーとして気持ちはわかる。

なんとなく状況はわかった。一花と二乃が四葉に何らかの根回しをしたんだ。

そしてどっちを優先すればいいかわからず四葉コンピュータがショート。

 

 

しかしどういう事だろう。少しわからない。

二乃は風太郎と組みたいはず。一花は・・・俺だろう。

班を二つにわければいいのでは。

まだ俺達が既に班を組んでいることは知らないし。

 

 

「・・・うう。」

「四葉は喋れないみたいだよ。一花、二乃、キミたちの口から言ってみたまえ。」

 

 

「ナギ君はどうせフータロー君と一緒でしょ?

だから・・・・ナギ君、フータロー君、わたし、三玖、四葉で一班ってのはどう?」

「はぁ!?何言ってんの?

フー君、ナギ、あたし、五月、四葉で一班よ!」

 

 

「・・・・そういうことね。」

 

一花は三玖とタッグ。二乃は五月とタッグ。

委員長で中立の四葉をダシにどっちが取ろうか という事か。

・・・・・参ったな。こんなことになるとは。また姉妹喧嘩になってしまうぞ。

 

 

風太郎と俺が絡んでるから前回より根が深くなるかもしれん。

・・・・既に組んでおいて正解だったようだ。

 

 

「ちょっと一花!あたしがフー君を好きなのは知ってるでしょ!

どうしてそんな編成になるのよ!」

 

「フータロー君を好きなのは、二乃だけじゃないかもしれないよ?」

 

「い、一花・・・」

 

「・・・・仕方ないわね!じゃあフー君とナギが分かれるしかないわ!

フー君とあたし、二人きりで班を組むわ!ナギは五月と組みなさい!」

 

「二、二乃。それはいくら何でも・・・」

 

「そ、そうだよぅ。5人全員が一緒じゃなきゃ。」

 

 

 

「えー。審判員の有坂です。

大会審査委員長の上杉大先生からお言葉があります。

上杉先生、どうぞ。」

 

「なによ!いま真剣な話を」

「俺達・・・・・もうクラスの連中と班を組んだんだ・・・・すまん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書室のいざこざは終わり、教室内。

 

 

「ハンチョー誰がやんだコラァ」

「この僕を差し置いているまい!」

「じゃあ風太郎が副班長だね。」

「勿論いいとも!よくわかっているね!有坂くん!」

「勝手に決めるな・・・・」

「ふふ。面白いわね。あなたたち。・・・・ところで、有坂くん。」

「なんでしょう。」

 

「向こうからの視線が痛いわ。」

「女子一人なんで。ご愁傷様です。」

 

 

 

 

 

 

「も、もう班を組んでいたなんて・・・ナギ君は友達多いんだもんね……」

「なんでこうなるのよ・・・・!」

「結局いつも通り・・・」

「また5人一緒だね!」

「そうですね。あの頃と同じです。」

 

 

教室で修学旅行の相談中。

中野姉妹は無事に5人で固まった。

とりあえず難を逃れた。当日がまたちょっと不安だが。

毛利さんは女性なのでちょっとだけ敵視されているようだ。

 

 

「そういえば、風太郎。あの子たちの誕生日プレゼント返したのか?」

「プレゼント?あいつら誕生日なのか?」

「・・・・・・・・・もう過ぎてるよ。」

 

・・・・5月5日だったはずだぞ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあやらなくても。

つーかあいつらからも遅れてもらったし。

そもそもあいつらから言わないってことは」

「えー、皆さん。

上杉学級長が中野姉妹から誕生日プレゼントをもらったのにお返しをしないそうです。」

 

 

「コラァ!上杉!そんなんだから一花さんに振られんだよ!」

「上杉くんらしいといえばらしいけど、女性の気持ちを踏みにじる行為だよ。」

「上杉くん・・・中々鬼畜なのね。」

「お、お前ら!わかった!わかったから!」

 

密告者有坂。班内から集中攻撃にあう巨悪、風太郎。悪は滅びた。

貰ったんだから返せや。俺のアイマスクは別に良いから。

そして前田くんの頭の中では風太郎は一花に振られているらしい。

 

 

 

 

「俺だって少しは考えている!前田。修学旅行当日にちょっと手伝え。」

「俺が?有坂じゃねぇのか?」

「凪はちょっとあいつらと近すぎる。お前の方が良い。」

 

「なにすんの?」

「修学旅行中、あいつらの写真を撮ってくれ。それでアルバムを作る。」

「ほー。いいねそれ。確かに俺だとバレそうだ。」

 

「しょーがねぇなぁ。一つ貸しだぞコラァ」

「頼むぞ。気づかれないようにな。」

 

「私は・・・・この体だから、厳しいわね。」

「僕も目立ってしまうからね!」

「武田くんはそのキラキラ消せないんだね・・・一応、俺もカメラを持っておこう。」

「有坂くんは私が撮ってあげるわ。」

「いやいいです・・・・」

 

 

 

こうして、修学旅行は風太郎のプレゼント大作戦を兼ねることとなった。

風太郎が五つ子で班を組ませたかったのはこういう理由もあったようだ。

 

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