ユメ?「何で分かるのかな」 パカ   作:パカパカメロンパンナちゃん

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色つくの早ない?みんなメロンパンのこと好き過ぎるでしょ


1年後のアビドスでまた会おう

 

「ゔお゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙っ゙っっっ…」

 

 いきなりの吐瀉音に驚いたかな。私だ。ユメだよ。

 

「いや、中々強烈。だけどまあこの程度か」

 

 何をしていたのかと言うと、生徒、ひいては私の耐久試験だね。通常攻撃に対する加護にも近い耐久性は周知されているが、その実効果にはかなりのバラつきがある。それに、物理的な衝撃はともかく、毒物や有害物質の摂取には比較的弱い。

 

 学生時代の五条悟の様に、体内へ摂取するもの全てにそのようなことをしていては疲れる…ということか?

 

 体外への刺激ではなく内臓器官から攻撃してくるものに対しては脆い。正しく、表皮にまとっている様な状態なのかな?

 

 ふふ、神秘を廻せばそれも早まるみたいだね。

 

 何故こんな無茶なことをしたのか。それはこれから話すことにも関係している。

 

 まず、姿を隠して色々と考察してみたところ、この神秘というものの個々人の差が著しいことがまず挙げられた。

 呪力のように強弱による差が広がるのなら、その特質なども理解できる。実際、トリニティの噂では重傷を負っても翌日にはケロッとしていた…なんて生徒もいるらしい。生徒は生命力も再生力も高いとは言えその中においても異常の域に入る。

 つまりはその仕組みを把握、或いは手中に収めることによって自身の治癒や身体能力の向上ができないか、ということだ。

 

 ユメの感覚ではまるで分からなかったが、元の私との差異を一つ一つ確かめていく内に、出力の調整が可能なことに気付いた。

 

 身体能力のセーブや活性化。そういったことが出来るのなら、そのサイクルを早めるよう集中すれば腕の治癒も可能かな、と思いつきで試してみたけど、これが意外や意外。結構上手くいったんだよね。

 

 何でだろうね。元の私にはヘイローも神秘も無かったからその差異を知っていることによる脳の意識によるものかな。それとも、一度死を経験したこの体が特異的に対応したのか……。

 それに、急激に治すのにはやはり虚脱感が凄まじく、腕を治した時点でかなり消耗してしまった。

 体力とはまた違った感覚だったが、この物理法則を超越した現象。恐らく神秘と呼んでいるものによるもの。

 うーん、このザマじゃ呪術廻戦の様に治しながら戦闘行為は難しそうだ。神秘の絶対量の変化があるかは分からないが、回復を早める手段も探してみるのも一興かな。

 

 こうして、意識的に神秘に携わる事柄を操作できた。これもまだまだ考察の余地があるけど、まあ、感覚的なものだからあまり言えないかな。少なくとも、普遍的なものでないことは確かだけど。

 

 その一環で、神秘によって毒物などへの抵抗力も調べてみたけど、こっちは肉体ほど芳しくないね。こんなところまで反転術式と同じとは、中々共通点があって面白い。

 

 さて、最低限の検証も済んだし、取りあえずは人里目指そうかな。

 

 アビドスはナシだ。はっきり言ってまだ調査出来る段階ではないし、あの光線によってユメの主武装である盾も拳銃も失ってしまった。

 

 幸いアビドスは限界集落みたいなもの。名前くらいは知っていてもその役職や人物、顔なんかは一部の組織の人物以外にはまず知られていない。

 

 ほら、分かるだろ? どこの国ともしれないとこの首長だって言われても、政治に興味のない人物なら心当たりすらないだろう?

 

 そんな訳で、意外と街に溶け込むのは楽だった。大体私が死んだと知っているのもほんの一握りだろうから、普通に出歩いても不審に思われることはなかった。

 

 さて、まず困ったのは銃器の確保だ。

 

 ここキヴォトスでは銃を持たない生徒というのはまず居らず、どれだけ気弱で大人しそうな者でも最低限の武装はしている。それもほぼ例外なしに、だ。

 

 キヴォトスで見ても過酷な地で銃器すら持っていない、というのは南極へ何も持たず全裸で徘徊するようなものだろう。

 

 っていうか、全裸で徘徊している生徒の方がまだ多いって、つまりそれ以上のマイノリティだって思われるってことだろ?

 

 笑っちゃうよね。

 

 普通に買おうにも、あの当時の荷物から財布なんてなかったし、口座を使おうにも使用履歴からバレてしまう。

 

 ま、そこは簡単だったよ。意外と多いものだね。型落ちの武器の廃棄は。

 

 これも銃器が蔓延っているキヴォトスならではだね。捨てられた銃器も、色々とパーツを組み替えてやれば意外と使えたりする。

 

 まずは手に馴染むハンドガンを解体し、ジャンク品なんかで補強する。知識としては脳裏に焼き付いているので、ぱっぱと組み上げて、最低限の抵抗は出来るのだと牽制目的に身につける。

 

 あと、慣れている戦い方としては大盾が欲しいんだけど……。流石にそれは捨てられてないか。

 

 そうやって、裏路地で色々と漁っていると、一昔前のスケバンのような姿の生徒たちが群がってきた。

 ま、予想はしてたよね。ここって割りと治安悪くてね。そりゃ絡まれるのは分かってたよ。

 

 そして、次。強力な神秘を内包する生徒がより高い耐久力を誇っていることが分かっている訳だけど、それは銃撃戦でおいても発揮される。

 

 だって考えても見なよ。アサルトライフルを何十発と撃たれても気絶で済むような生徒にハンドガンでもダメージを与えられるんだ。ゲームじゃないんだから、耐久力という観点で見れば相当な威力の差があるのに。

 

 要は、キヴォトスの住民は防護にも攻撃にも無意識下で神秘を回して強化しているということ。

 じゃなきゃ戦車の砲撃に耐えれてたかが携行火器程度の火力に耐えれないはずがない。

 

 おっと、話が長くなったね。まあ、私が言いたいことは伝わったと思う。こんなジャンク品のハンドガンでも、秘めた神秘が大きければ十分な武器になる、ということ。

 

 いやぁ、ユメの神秘が中々高くて助かったね。

 

 似たような具合で体術にも応用できた事だし、最低限戦闘の基礎は出来たかな。不良達には感謝しないとね。

 まあ、銃が見えないようにして誘ったの私だけどね。まさか5分も経たないうちに引っ掛かるとは思ってなくてちょっとウケる。

 

 さて、色々と興味惹かれることはたくさんあるけど……まずは、仲間集めでもしようか。

 

 意外だった? いやいや、何やるにしても仲間は必要だよ。人手が増えるだけで有り難いし、それぞれ役割分担や私じゃ顔を出せないとこでも介入できる時点で儲けものさ。

 

 私の目標や興味を満たすためにも、それは必要不可欠。それに、私の同類がいないとも限らない。

 仮にいれば私の好奇心を満たす一助にもなるだろうことは確かだからね。探求ついでに探ってみるとしよう。

 

 さて、では私は羂索らしく、暗躍タイムといくかな。

 

 それじゃあ、暫しのお別れだよ、ホシノちゃん。

 

 1年後のアビドスで、また会おう。

 

 

 

 

-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 

 

 

 

 

 その日は、何てことのない当たり前の日だった。

 

 人通りのある交差点の前に、人混みに紛れて四人の人物が立っている。

 

 一人は高身長で緑がかった薄い水色を膝ほどまであるロングヘアーの穏やかな笑みの似合う見慣れぬ制服を着た生徒、ユメ。

 一人は160cm程で茶髪の狐耳に、黄色に茶の斑模様のパーカーを羽織り、キセルを吹かせる生徒。

 一人は生徒としては非常に大柄で、額から一対木のような角を生やした瞳を閉じた生徒。

 そして最後は、彼らと比べても非常に低い身長で、120cm程だろうか。頭には白いフードを、顔にはタコのお面を被っており、その様相を伺うことはできない。

 

 そんな特徴的な集団の彼女たちだが、信号待ちをしている間に漏瑚と呼ばれた狐耳の少女がユメに話を仕掛ける。

 

「おい、どうなんだ?わざわざあのような連中に接触してまで確かめる必要はあったのか? ゲマトリアと言ったが、信用出来るんだろうな」

「ま、中途半端な作業よりも効率的だからね。知識だけはあっても変わり映えのしない砂漠じゃ意味がないからね。それなりの収穫はあったさ。それに、相手もここじゃ“大人”さ。そういう契約を結んでる以上、私達の情報は欠片も零さないよ。真人も言ってたでしょ?」

「……ふん、奴らの罠に嵌ってないことを祈るぞ」

「………」シュッシュッシュッシュッ

「貴様は喋れるであろうが!? わざわざ伝わりにくい手話で遊ぶんじゃない!! 無駄に速いせいで何を言いたいのかまるで分からん!!」

 

 そうやり取りをする内に待ち時間が終わったのか、鳥の鳴き声と共に歩行者用信号が青に変わる。

 

 彼女たちは同時に歩みだし、向かい側の路地にあるファミレスの中へと入っていく。

 自動ドアを潜ると、オートマタ店員の元気のいい挨拶が聞こえてくる。

 

「いらっしゃいませ。4名様のご案内で宜しいですか?」

 

 その問いに、指を4本立ててユメが笑顔で答えた。

 

「はい。4名です」

「喫煙席だぞ?」

 

 学生の身分ながらにキセルを吹かせた少女に戸惑った店員だが、その少女の威圧に竦んでしまい見ないふりをして通してしまう。

 席についた4人は取り敢えずのメニューを頼みつつ、本題である会話に移った。勿論、周囲の人目と盗聴の可能性を完全に確かめてからだ。

 

「それで、連邦生徒会長が失踪したというのは本当のことなんだろうな?」

「ああ、それは既に確認している。真人の言うように、数週間もしない内にキヴォトスの行政は乱れてシャーレの先生が派遣される」

「本編とやらの開始か」

「その時はアビドスも関わるからね。私も出るよ。新しく出来た後輩も気になるしね」

「む? ホシノとかいう生徒とは会わないのでは無かったのか?」

「あはは、でも本命は別。正直、土地関係を洗い出すのに手間取ったけど、お陰で推測も出来た。カイザーを泳がせといて良かったよ」

 

 現時点で、連邦生徒会しか把握していない会長の失踪を言い当て、まるでこの先に何が起こるか分かっているかのように話す。

 

「…そういえば、肝心の真人はどこだ?貴様といっしょに動いていたはずだろう?」

「真人はまた()()()()()の所。やっぱり呪術廻戦見てないって嘘でしょ。一回で治せるのにほんの少しずつ治して、たまに無駄に痛みを与えて、その時だけちょっと効果上げてるんだから性質が悪い」

「む、むぅ……。抑えてはいる方だが…。人体実験をしていないだけマシか…?」

 

 本題も終わったのか、緊迫した雰囲気も霧散し、出た名前に漏瑚が頭を抱えて鬱憤を晴らすようにキセルに口をつける。

 

「まあまあ、そんなに吸うと体壊すよ? 外的要因による危害はともかく自ら接種した有害物質は完全には防げないんだから」

「ええい!誰のせいだと思っている!吸わなきゃやってられるか!」

 

 漏瑚が堰のきれた様に立ち上がると同時、爆音が上がり店内に火柱が上がる。

 

「う、うわぁぁあ!!」

「に、逃げろー!」

 

 燃え盛る炎に怯えた住人達が出入り口目掛けて押し寄せる様を片目に、呆れたようにユメが呟いた。

 

「あのねぇ、いくら原作が好きだからって本当に燃やすことないでしょ」

「違わいっ! 別件だ別件! 貴様分かってて言っておるだろう!!?」

「知ってるよ。さっきロケラン飛んできてたし、フライヤーの油と引火したのかな。じゃ、私達も出よっか」

 

 悠々と、我が物顔でゆったりとした歩みで燃え盛る店内を歩いていく。

 

 そのチグハグな外見の集まりと、余裕の表れから、如何にも大物の組織もかくやという印象を抱かせる。

 

 

 

 その正体は、みな羂索(ユメ)と同じく、別世界からの来訪者。まあ、肉体が生徒のものではあるが、モチーフ元の存在と似通った能力を持っている。

 

 狐耳の少女、漏瑚は暗躍中に百鬼夜行の一生徒として発見。大柄な花御は緑化活動の指針として開発中だった土地で出くわし、タコ面の陀艮はこちらを先んじて発見し、ネットワーク越しに接触を図ってきた。

 

 もう一人、真人と呼ばれている人物がいるが、彼女は弱気な生徒相手に悪知恵を仕込んでいる所を止める形で合流した。

 

 どれも一癖も二癖もあるが、キヴォトスではそのインパクトも薄れる。

 

 彼女たちの目標は色々あれど、ユメの元に集う以上、大目標はアビドスの復興を主としている。

 当然他にも色々と思惑はあるが、概ねその認識で活動していると言えよう。

 

「……そういえば、貴様は先生とやらには何もせんのか?」

 

 それは一応と言う体で問われたものだった。

 

 漏瑚としては、知らない知識なだけに興味の度合いも測りかねている、ということだったが、こと興味がこの世界そのものに向けられているユメにとっては主人公というのは重要な筈だ。とも。

 

「……うーん、実はあんまりね。個人では何の力もない、生徒を導く大人。そりゃ当事者にしてみれば頼もしい味方になりうるだろうけど、私の目的とは一致しないからね。後色々と地雷も多そうだし…私はパスで! ま、安心してよ。そっちは真人が立候補してたからさ」

「……そっちの方が心配なんじゃが」

「あははは、そこは君が調整してあげなよ」

「……ふう、先生というのも災難だの」

 

 コロコロと変わる表情を呆れたように見つめた漏瑚は、一度頭が痛いというような仕草を挟んで、再び紫煙を燻らせたのだった。




簡易キャラ紹介

ユメ(羂索):ユメの体を乗っ取っている羂索っぽい人。神秘へのアプローチを確かめるため、ゲマトリアとも接触を図っている。
性格は羂索から悪辣さや意図的な悪意をオミットしたもの。常識も倫理観もユメ譲りのものがあるが、それ以上に好奇心と興味が強い。仲間よりはアビドスのほうが好き。ブルアカのことはマジで知らない。

漏瑚:本名は違うが立場的にもコードネームとしてそれぞれのモチーフの名前を名乗っている。 
火の術式、儂、等の一人称から何故か狐耳和風美少女になった。それをするなら化身玉藻前だろ。この中では最も呪術廻戦が好きでロールプレイ度合いは最も高い。高速アタッカーで火力はかなり高く、強い。
百鬼夜行連合所属で呪術研究会の部長。普通に常識人なので苦労人気質。キセルが手放せない。基本的にブレーキ担当。仲間は好き。
趣味は特異現象やオーパーツ集め。

花御:目の枝が角になった。俗世にあまり興味を持っておらず、好奇心は薄め。キヴォトスは文明が進んでいる分自然も少なめになってしまうので、常識的な範囲で緑化活動を行っている。
学籍はあるがそもそも学校にあまり通っていない。ミレニアムのことは嫌いではないが科学の発達した土地ということで好きではない。目を常に閉じているが盲目というわけではないし普通に開く。手話を用いるが手話で返すと目を閉じているため伝わらない。
めっちゃ硬いタンク。仲間は好き。

陀艮:何故か海洋の海ではなく電子の海に傾倒していた。顔と声にコンプレックスがあるため双方隠している。仲間は好き。

真人:外見は女体化させた真人。ブルアカは一部知ってるが呪術廻戦は知らない。嘘こけ。
虐められている生徒にちょっかいかけているところを捕獲された。
最近は体の悪いオカルト好きな少女の体質改善に精を出している。ちなみに一回で治せるのに色々と理由をつけて細かく分割しており、またわざと痛みを強くしたり、一時的に完全に感覚を遮断したりして反応を楽しんでいる。どれだけ優しくやっても肉体の変容から痛みは伴うので「そういうもの」として騙している。尚そういうときに限って治療の効果は高くしているため質が悪い。仲間は好き。
仲間内からも要注意人物として見られている。まだ人を殺してないだけマシ。
呪霊特有の要素を抜いたジェネリック真人
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