なお、ブルアカで書いてるみたいなイチャイチャを期待すると大火傷じゃすまないぜ。
あらすじに書いてある通り、主人公のメンタルを粉々にするために結構ハードめの内容になります。主人公は死なないからね。死なないギリギリまで痛めつけて、今回は心をぶっ壊す。代わりに、チートスペックあげたから許してくれるよね☆
悪夢のはじまり
「おかーさん!はやくはやく!」
「もう、そんなに慌てたら転ぶわよ?」
古い家屋が並ぶ通りを母子が歩いていた。子供は二人おり、一人は母親と手を繋いで歩いていたが、もう一人の子供はやんちゃな性格なのか母親の手を離れ、急かすように先を歩いていた。
「へーきだって!―――あ!?」
そうやって油断していたことが災いしたのか、その男の子は道の出っ張りに足を引っかけて転んでしまい膝を擦りむいてしまう。
「いてて……」
「ユウヤ!もう、だから言ったじゃない!ああ、どうしよう……今薬が手持ちに……」
「へ、へーきだって。こんくらいツバつけときゃ治るよ」
「あの、大丈夫ですか?……ちょっと見せてください」
狼狽える母親とは裏腹に男の子は平気だと強がる。そこへ何かあったのかと一人の少女が母子へ声を掛けた。桜色の髪の少女は特異な装いをしており白と赤の着物をしていた。
「うん、これくらいなら」
そう言って少女が男の子の膝に手を翳すと、少女の手から淡い桜色の光が溢れみるみるうちに膝の怪我が治っていく。数秒後には、元から怪我などしていないかのように綺麗な足に戻っていた。
「うわーすげー!さすがにーちゃんだぜ!」
「あぁ……巫女様、ありがとうございます!」
「いえ、オレが治せるくらいの軽い怪我で良かったです。それと巫女様はやめてくださいって言ってるじゃないですか」
「ふふ!ごめんね、巫女様って言うと反応が面白いから、つい」
少女と母親は旧知の仲の様に軽く言葉を交わす。すると、母親の手を握っていた方の小さな女の子が少女の服を摘まむ。少女はそれに気が付き、小さな女の子に視線を合わせるようにしゃがむ。
「ん?どうしたの?」
「おねーたん、にーたんをたすけてくれてありあと」
「うん、どういたしまして。治してあげたのにお礼の一つもないお兄ちゃんと違っていい子だね。でも、オレこんな格好をしてるけど男なんだ」
「??おねーたん?」
「うーん、まだ難しかったかー」
このくらいの年頃なら仕方ないと思いつつも、勘違いされたままというのも複雑な気分の少女改め少年。見目麗しい少女の見た目をしているし、男性から告白されたことは両手足の指でも足りないが、れっきとした男である。
「ベ、別に治してくれなんて頼んでねーしっ!」
素直じゃないのか単に照れ屋なだけなのか、少年の発言に少年巫女は「はいはい」と流す。
「へんっ!にーちゃんなんてその辺の男に手籠めにされちまえばいいんだ!」
「こら!ユウヤ!そんな言葉どこで覚えてきたの!」
「べーっ!」
舌を突き出し、少年はどこかへ走り去ってしまった。少年巫女は"そんな言葉"を言ってそうな人物に心当たりがあったが、黙ってることにした。
(まぁ、すぐにバレるだろうけど。イチカさん、今の内にご冥福を祈っておきますね)
少年巫女は耳年増な知り合いの顔を浮かべ、苦笑いしていた。
「こら待ちなさい!ごめんねサクラちゃん、後でアレにきつく言っておくから」
「あはは……ちゃんはやめてください」
「あら、それは無理ね。あなたが母親の胎内にいる頃から知ってるもの。あなたのおしめを変えたことだってあるんだから!」
「へ、へぇー」
それはもう耳にタコが出来るくらい聞かされた。あの頃から物心ついてたサクラからすれば、消し去りたい思い出だ。
「あ、もう行かなくちゃ。じゃあまたねサクラちゃん、あんまり無理しちゃだめよ」
「おねーたんまたねー」
「はい、ハナさんも。リリちゃんもまたね。神櫻様のご加護がありますように」
母子と手を振って別れ、サクラはふぅっと一息つくと踵を返し町の中を進む。まるで明治時代の日本に逆行したかのような町並みに、しかしサクラはここが日本では無いどころか地球ですらない事を知っている。
「……異世界転生ってホントにあるんだなぁ」
上を見上げると、空を覆うほど巨大な櫻の樹がそびえ立っていた。
―――
例に漏れずサクラにもその特徴がハッキリ出て、アニメみたいな桜色の髪も桜のアザもある。しかし、神櫻様は変な趣味をお持ちなのか、アザがへその下あたりに現れてしまい大変恥ずかしい思いをした。
そして、立派な巫女になる為として親元から離され先代巫女の元で厳しい教育を受けた結果、どこに出しても恥ずかしくない巫女に成長したのが今のサクラだ。
唐突だが、サクラには前世の記憶がある。地球の日本で生まれ育った記憶だ。そこで大学生をしていたサクラは、ある日目が覚めると赤ん坊になっていた。当初はまさか異世界転生したと思わず、長い夢を見てるんじゃないかと現実逃避したりもした。……結局覚めないままなので、これが現実なのだと受け入れることになった。
そんな経緯もあり、いざ親元から離れることになっても精神だけは成熟していた為、特に抵抗することも無く親元から旅立ち、巫女の教育も素直に受けていた。
(普通はもっとぐずるらしいけど、流石にそこまで童心には帰れなかったね)
(おかげで神童扱いだ。神童なんて近所の幼馴染にマウント取るくらいしか使い道なかったぞ)
その幼馴染と言えば、数年前に騎士になりたいと町を出て行ったきりだ。元気にやってるだろうか。
その後、代々女性しかいなかった為巫女装束を着せられ、やってる事と言えば神社のお仕事と……。
―――コンコン。
「町長さーん、サクラです。体を診に来ましたよー」
「おお、サクラくん。よく来てくれた、よろしく頼むよ」
こうして外へ出て、医者の真似事をするくらいだ。玄関から出てきた小太りな中年男性の案内で彼の私室へ行く。
「じゃあ、早速服を脱いで横になって貰っていいですか?」
服を脱がせるけど別にえっちな事はしない。町長の腰に手を当てて意識を集中させると、先程少年の傷を癒やした時と同じように、桜色の光が手の平に集まる。
サクラがこの世界へ来て一番ファンタジーを感じたのはこの力だった。この世界には魔法があるのだが、本来必要な呪文も詠唱も必要とせず相手を癒やす力を使える。治せると言っても軽い怪我に限り、欠損なんかは治せないし死者蘇生なんて以ての外だ。
こうして町長のギックリ腰を治すのだって、数日に分けないといけないほど弱弱しい力だ。……まぁ、町長の腰の治りが遅いのは治した傍からまたギックリ腰になるせいなのだが。
「……ふぅ、終わりました」
「はは、ありがとう助かったよ。いつもは先代にお願いしていたんだが、先日とうとう旅立たれてしまったからね」
「先代も高齢でしたからね。それにあの人がこなした仕事くらいはできないと怒られちゃいますから大丈夫です」
そう、自分に厳しい巫女修行をつけた先代巫女は先日亡くなられてしまった。元々、彼女の元に引き取られた数年前からおばあちゃんではあったのだが、正直まだ死にそうにないほど元気だったのに。
厳しい人だったとはいえ、サクラにとっては親代わりでもあった人だ。情も湧くし、亡くなった時一番悲しんだのもサクラだった。
サクラの暗い顔を察してか、町長は無理に話題を変える。
「いやぁ、しかしサクラくんも美人になったねぇ。どうだい、うちのせがれでも」
「あ、あはは結構です」
見た目は女の子でも、心まで女の子になったつもりは無い。町長も本気で言ったわけでは無いのだろう。心臓に悪い冗談はやめてほしい。でも、心配してくれてるのは正直嬉しい。思えば、ハナさんやユウヤもサクラのことを心配して気を遣ってくれてたのだろう。
町長の家を後にし、神社へ戻る道の途中。色んな人に声を掛けられる。
「おーう!サクラちゃん!これ採れたての野菜だよ!栄養満点だ!」
「サクラちゃん!今日は川釣りでいい魚が釣れたんでねぇ。一尾やるよ!」
「サクラちゃん、これいい肉仕入れたんだ。うまそうだろ?これ食べて元気だしな!なーに、人生谷あり山ありだ、色んなことがある。とりあえず腹いっぱい食ってから後の事を考えりゃいい!」
背中をバンバン叩きながら、サクラへ貢物の様に渡していく町民たち。嬉しい、嬉しいが食べきれない。
「あ、あのお気持ちは嬉しいんですが、流石に食べきれないというか……」
「なぁに、肉や魚は干物にして、野菜は漬物にすれば日持ちするだろう」
神社の境内に干せと?まぁ、食べ物を粗末にする方が一大事ではあるが。そんなこんなで神社に戻る頃には両手いっぱいのお土産。いくら日持ちすると言ってもこの量は困る。仕方ないので、たまに……いや頻繁に様子を見に来る両親にいくらか押し付けよう。
両親とは離れて暮らしてはいるが、心配性なうちの親はよく神社に顔を出しに来る。自分達の仕事もあるだろうに、親バカめ。
神社から町を見渡す。神社が建っているのは、神櫻樹の麓。この町で一番高い所にある。
和っぽい世界観なのかと思えば、近くの大きな街へ町長と一緒に領主に挨拶しに行った時、普通に西洋風の街並みでよく分からない世界だけど、サクラは割と今の暮らしが気に入ってる。
確かに最初こそ"異世界"、"ファンタジー"、"魔法"、というワードに浮かれたりもしたが力には相応の辛さも痛みも怖さもある。今の幸せな生活を崩してまで求めるものではないなとサクラは思ったのだ。人間、分不相応な望みを持てば破滅一直線なのは間違いない。特にこの世界、普通に魔物が居る世界なのだ。神櫻様のおかげで村の周囲は安全だが、一歩外に出れば危険に満ち溢れている。
痛いのは嫌だ。怖いのも嫌だ。そんな思いを押し退けて冒険に出る勇気があるなら、前世でもっと成功してる。
「さて、お仕事済ませたら商人さんにおすすめしてもらった本でも読もうかな」
ゆったりとした時間の中で優しい人たちに囲まれて、生活も特に不自由無く、毎日神櫻様に感謝を捧げる。それだけでいい。
あれから数日が経ったある日。夜になって寝室で眠りに就いた後の事だった。
ふと、外が騒がしい事に気が付いて目を覚ます。屏風の隙間から見える外が妙に明るい。もしや、また町のみんながお祭り騒ぎでもしてるのだろうか。娯楽の少ない町であるが故、こうして偶の夜にどんちゃん騒ぎ起こす。そして、サクラに怒られるまでがセットだ。明日に差し支える為、サクラは注意しようと起き上がり戸を開けた。
「もう、仕方の無い人たちなんだから……」
「え―――?」
しかし、そこに映った思いも寄らぬ光景に言葉を失う。
眼下に広がる赤。町の至る所から火の手が上がり、怒号と悲鳴が響き渡る。
「なん―――」
あまりに非現実的な光景に声が出ない。一体何が。まさか魔物が入って来たのか?だが、この町は神櫻様によって守られてる。魔物が入って来られるはずがない。そう思って神櫻様を見上げる。
「な、あ―――!?」
神櫻様が燃えている。バカな、ありえない。淡い輝きを放っていた桜の花弁は、今は赤く燃え上がっていた。
「そ、んな……神櫻様が……」
衝撃的過ぎる光景にとうとうその場にへたり込んでしまう。そこへ追い討ちを掛けるように町中から火矢が飛んでくる。魔力で作られたその火の矢は神櫻様に突き刺さり、炎を撒き散らし爆発する。
「あ……あ……!?」
撒き散らされた炎は町に降り注ぎ、更なる災厄を招いていた。
外からの害に対しての強固さは、裏を返せば内側の脆さを示していた。
「ど、どうしよう……どうしたら……!?そ、そうだ町のみんなは!?助けに行かないと!」
このような状況を経験したことが無い彼は、なんとか必死に自分の出来る事を考え実行に移そうとする。
―――しかし、サクラの行動は実行に移されることは無かった。
ガシャガシャと金属の擦れる音が神社の階段の下から聞こえてくる。その音はどんどん近づいてきており、階段を上がってきた。そこにいたのは、鎧を纏った招かれざる客たちだった。そして、その先頭にはよく見知った顔が立っていた。
「―――ショウ?ショウ……だよね。どういうこと……ねぇ、答えてよッ!」
「……最優先目標の巫女を発見した。回収しろ」
幼き日、かつて笑い合った友はサクラの声に耳を傾けず、近くの兵士に指示を出す。抵抗する術を持たないサクラは、あっと言う間に地面に組み伏せられてしまう。
「ぐぅ……!?離して!くっ!離せ!離せよ!ショウ!!なんで何も言わないんだよッ!!」
先代巫女に矯正される前の口調が出る程にサクラは目の前の男に怒りを覚えていた。サクラは拘束を抜け出そうと何とか藻掻いて暴れる。
「隊長、どうしますか?」
「……多少傷付けても問題ない。暴れるなら大人しくさせるまでだ」
そう言って隊長と呼ばれた金髪の男、ショウはサクラに近づく。
「ショウ……!」
「……おい、そいつの尻をこっちに向けろ」
「ぐっ……!な、なにを―――」
ショウはサクラの巫女袴をずり下げると、おもむろにズボンの中から男性器を露出させる。
「は―――?おまえ……なにやって……?―――ひっ!?」
ペタリとショウの男性器がサクラの尻を撫でる。
「ま、まさか―――おまえ!?」
「昔から女を大人しくさせるならこれに限る」
「女!?おい!ショウお前知ってるだろ!オレは男だぞっ!!ふざけるなよ!!」
ショウが何をする気か気付いたサクラは、先程よりも必死になって暴れる。しかし、屈強な兵士数人掛かりで押さえ付けられては、例え力自慢の成人男性であったとしても拘束を抜け出すのは困難だっただろう。
「なに、これだけ見た目が良ければ男だろうと女だろうと同じだろう」
「ははっ、確かに隊長の言う通りですね。正直見た目は女と変わらないし、隊長がやらなかったら俺がやりたかったくらいですよ」
「僕が終わればお前達にも使わせてやるよ」
「お!さっすが隊長!話が分かるー!」
狂ってる。サクラは自身の上で繰り広げられてる会話に戦慄する。同時に、自分が今地獄の窯に突き落とされようとしてる瀬戸際なのだと理解させられる。
ショウは自身の男性器を、毎日綺麗にしてるのだろうサクラのピンク色の菊門に擦り付ける。
「おや、隊長慣らさないんで?」
「必要無いだろう。それに女の初めてだ、痛いほうが思い出に良く残るだろう?」
「隊長、今までそれで何人の女泣かせてきたんです?」
体を押さえ付けられ、耳を塞ぐことも出来ず、只々その恐ろしい会話に耳を傾ける事しか出来ず、数瞬の後に訪れる自身の末路を幻視し―――。
「―――だ」
「うん?」
「嫌だいやだ嫌だヤだ嫌だぁッ!!!?なんでなんでなんで!?オレがこんな目に!?やだ!だれか助けてぇ!!神櫻様!!神櫻様ぁ!!!たすけてぇ!!!!」
耐え切れず、狂ったように泣き叫ぶサクラ。そんなサクラを見て兵士たちは大声で笑い始める。
「―――っぷ、ハハハハハハハハハッ!!」
「おいおい巫女さんよ、よく見ろよ。お前たちの大切な神サマ、目の前で燃えちまってるんだわ」
悪夢だ。そうに違いない。今見てるのはただの夢で、きっと現実では寝坊助な自分を心配した両親が起こしに来ていて、ハナさんは呆れていて、ユウヤはからかってきて、リリちゃんはいつも通り笑顔が可愛くて、村長さんは申し訳無さそうにしていて、畑仕事をしてる夫婦、仕事をサボって川釣りに行くおじさん、口が上手くて商人さんからお肉を安く仕入れるお兄さん。みんな、みんなみんなみんな―――。
「お前の初めては僕だ。それを体に刻め―――」
「やだいやだ!?やめろやめろやめろ―――!?」
「―――こちら回収部隊。無事、巫女の回収が完了しました」
ショウは少し離れた場所で四角い石に話しかけていた。通信魔石と呼ばれるもので、魔力を込めることで通信魔石を持ってる相手と会話することが出来る。
『ご苦労―――何やら後ろから物音が聞こえるようだが?』
「あぁ、暴れるので少々大人しくさせているのですよ」
『やれやれ、またかね。まったく―――戻ってきて私の分は残っているのだろうな?』
「えぇ、まだまだ楽しめると思いますよ」
そう言ってショウはいまだ犯されているサクラを流し見る。屈強な男たちに組み伏せられ、抵抗も出来ずに上にも下にも白濁液を流し込まれる。その姿を見ると、ショウのモノがまた熱くなってくる。とはいえ、今は報告をしなければ。
『それで、樹は燃やしたか?』
「ええ、滞りなく。町民も捕らえてあります」
『ならばよし』
「あの、それより……」
『あぁ、巫女か。安心しろ、何回か使ったらお前にくれてやる。信仰する神を失った巫女など用済みだからな。それに、いつも仕事を頑張ってる部下には褒美をやらんとな』
通信魔石の向こうでガハハ!と大笑いする声が聞こえる。
「あ、ありがとうございます!」
『しかし、あれだけ特定の個人に固執しなかったお前がそんなに強く欲しがるとはなぁ。知り合いか?』
「えぇ、幼馴染です。ずっと昔から、大切な」
『……成程なぁ。ま、こちらからはちゃんと仕事をすればそっちの関係にとやかくは言わん』
「はい、ありがとうございます」
『言っておくが、帰るまでが任務だ。それを忘れるんじゃないぞ』
それだけ言うと通信魔石の魔力が切れる。
「……サクラ、これでもう君は僕の物だ。もう離さないから―――」
「―――永遠に」
ショウはそう言い昏く嗤うのだった。
いつもの解説
神櫻
なんかめっちゃでかい桜の木。主人公のサクラに力を与える。基本役に立たない。
世界観
『神櫻の巫女~どこまでも堕ちていく私のカラダ~』という架空のエロゲが舞台。主人公は知らない。
町
吾輩は町である、名前はまだない。神櫻がある。
ショウくん
変態。主人公の幼馴染。