青く透き通ったソラに、導きの星を   作:新人しくじり先生

4 / 13
「星見が導きの星になった日」

 

 

私の名前は「統星(とうせい)プラナ」、ぶっちゃけマジで死んでも絶対に転生したくない転生先として種や種死の連合に並ぶ透き通った青春の物語(ブルーアーカイブ)の世界へと転生した元社会人の転生者である。

最初に自分が転生者であることに気付いたのは自分が中等部へと入学した頃。いつも通りにふと見上げた空には原理不明の幾何学模様が走り、街中を歩く動物やロボット頭のサラリーマンに頭上に円形の「天使の輪」を浮かべた少女たち。キヴォトスでは当たり前のはずなのに、何故か記憶の中では猛烈な違和感を感じるその光景に私は思わず自身の制服のポケットに入っていた通信端末を取り出していた。

 

「統星…プラナ……?」

 

液晶に映る自身の素顔は自分のものである感覚と同時に強い既視感を感じる。その既視感を認識した瞬間、私の脳裏には前世の記憶──この現世を物語として観測しそれを楽しんでいた上位観測世界の住人としての記憶が蘇り、そしてこの世界が透き通った青春の物語であり自分の容姿がたった半年でサービスが終了してしまったとあるスマホゲーのキャラの容姿と瓜二つなことに気付いた。

 

───統星プラナ

 

空色の 短髪(ショートヘア)にちょこんと乗った制帽らしき帽子とその下から覗く碧い瞳、蘇った記憶が確かなら自身の容姿はサクラ革命の敵役こと大帝國華撃団B.L.A.C.Kトップスタァ「統星プラナ」。ゲーム性やその内容はともかく、彼女のキャラ絵に惹かれて始めたソシャゲだったのでその容姿は鮮明に覚えている。ただゲームでは16歳のはずの彼女だったが、どうやら今の自分はそれより3年程若い13歳位らしい。それにだ──

 

「これは……天使の輪(ヘイロー)……?」

 

本来の彼女には無かったはずの、己の頭上に浮かぶ二重の輪。渦を巻く様に、幾つのも光の線が重なった様にできたそれはシンプルだが何処かエヴァ初号機の天使の輪に似た形状をしており僅かにだが光を発している。試しに触れないか頭上に手を彷徨わせるが触れない以上、それはそこにあってそこにない正体不明のナニカなのだろう。

 

 

「……おい、何やっているんだ?お前」

 

 

「……ぁ、尾刃」

 

 

振り返った先、そこにいたのはやたら不機嫌そうな……というかやたら強面な薄い金髪の少女。記憶が確かなら彼女は寮では同室の娘、気になる点といえばやはりその彼女の頭の上に浮かぶ青い天使の輪(ヘイロー)……ではなくピンと突き立ったケモ耳の方だろう。

 

「何だよ……そんな捨てられた子犬みたいな顔して……入学早々、教科書か宿題でも忘れたか?」

「……いや、なんでもないよ。それに……」

 

捨てられた子犬と称された私は気を取り直して制帽の位置と、そして腰の横と後ろに付けられたホルスターに差し込まれた慣れない重さのソレ──2丁の拳銃(マテバとコンテンダー)の位置を改めて確かめつつ笑う。

 

()()は君の方だろう?尾刃カンナ君?」

「お前なぁ……」

 

クスリと笑う私──プラナとやや呆れ顔のカンナ。青い青い透き通った空の下、2人は未だ満開に近い桜の花弁が舞う学園都市を歩き出す。

 

 

それが、6年前の出来事。

 

 

 

─── 6年後

 

 

R.A.V.E.N(レイヴン)、連邦生徒会から依頼が入っています》

 

空を行く大型輸送ヘリ「V-22」オスプレイの機内、その格納庫にて。

 

「誰から?」

《主席行政官……いえ、今では生徒会長代行でしたか?彼女からです》

「リンね、内容は?」

 

赤色灯に照らされた庫内にて響く声に、凛とした別の声が答える。レイヴンと称された声から問われた問いに、庫内に響く声──おそらくオペレーターは依頼人とその内容について答える。

 

《要人護衛任務です。報酬は前払いで2000万クレジット、近頃首都圏での治安が徐々に悪化しつつあることもあり「先生」なる人物を連邦生徒会のあるタワーから郊外にあるS.C.H.A.L.E(シャーレ)なるオフィスのあるビルに護送して欲しいと》

「依頼内容としては破格ね、そういうのは「便利屋」に回した方が安くつくのに」

《その代わり道中撃破した個体に応じての報酬の増減は無しとのことです。どうしますか?》

 

護衛任務に前払いで2000万クレジットはまさに破格の依頼、幾らアームギアを運用する独立傭兵が金の掛かる機動戦力なのだとしても相場よりかはずっと高い。いくら依頼人が依頼人(連邦生徒会)なのだとしてもそれに間違いはない、つまりそれだけ念には念を入れた重要な依頼ということでもある。

 

「受けるわ、()()。輸送機の進路変更、D.U.に向かって」

 

─── それに、私も「先生」とやらを見てみたかったし……ね

 

《分かりました、レイヴン。アセンブルはどうしますか?》

「右腕はLR-036AR KARTIS(リニアライフル)、左はBB-78LA HAIRUI(ビームブレード)で右肩がEL-PW-01 TRUENO(ニードルミサイル)、左の方はVP-60LCS(レーザーキャノン)で」

 

依頼人がリンなのもあるが、その依頼内容にも興味があったレイヴンは迷わず依頼を受ける。そんな彼女の決断に出撃準備を始めた機内であったが、急遽入った連絡によって輸送機は速度を上げつつ急激に降下を始めた。

 

《……レイヴン、緊急事態です。D.U.にて暴動が発生、詳細は未だ不明ですが依頼人から急ぎ合流して欲しいとのことです》

 

輸送機の機体後部のハッチが開く。ハッチから差し込んだ光に照らされ庫内に鎮座した灰色の機体、そしてそれをその身に纏った1人の少女の姿が顕になった。

 

 

 

メインシステム、戦闘モード起動

 

 

 

「全く……始まる前から散々ね。レイヴン、STRIKER01出ます」

 

 

 

拘束具(鳥籠)から解放され、輸送機(止まり木)から投下された(飛び立った)彼女(黒い鳥)は、黒煙立ち昇るD.U.の煤けた空を駆け抜けて行った。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

連邦生徒会最高機密【抹消済み】

 

統星(とうせい) プラナ

所属 連邦生徒会(元ヴァルキューレ警察学校)

部活 連邦生徒会長直属特殊作戦部隊「B.L.A.C.K」

学年 3年生

年齢 17歳

誕生日 4月8日

身長 160cm

趣味 読書、ソラを見上げること

 

兵装

コンテンダー PLANA.T.MODEL 00

マテバ PLANA.T.MODEL 04

30年式銃剣 PLANA.T.MODEL 05

四四式騎銃 PLANA.T.MODEL 06

 

基本情報

元連邦生徒会所属、元連邦生徒会長直属特殊作戦部隊「B.L.A.C.K」隊長

 

かつてはヴァルキューレ警察学校所属であったが、中等部から高等部に上がると同時にプラナの信念──犯罪に対して常に攻性であること──に共感した連邦生徒会長のスカウトによって連邦生徒会に移籍し結成された特殊部隊「B.L.A.C.K(ブラック)」の隊長に就任する。ブラックは機動兵器(アームギア)を身に纏った少数精鋭の実力部隊であり、その隊員は完全な実力主義。よって他の自治区の生徒を引き抜きもしくは司法取引によって刑期短縮を対価に連邦矯正局から仮釈放された囚人により構成された連邦生徒会所属の外人部隊であり、異常犯罪やサイバー犯罪などの国民に与える影響の大きな犯罪の捜査、テロリズムの抑止・検挙、暗殺などのカウンターテロと、それに伴う警備又は要人警護も担当する超法規的執行部隊である。

ただブラックは連邦生徒会長失踪事件後に以前からプラナに対し反感を持っていた一部の行政委員会役員らによって部隊予算が審議凍結に追い込まれたため、隊長権限で即日部隊は解散。隊長であったプラナも連邦生徒会に退部届(辞表)を叩き付け一介の生徒としてのに降ることとなる……その生徒会役員らの汚職の証拠をばら撒いてから。

なお、解散後の部隊予算と一部専用装備や部隊員を除き大半の装備や人員は全て連邦捜査部「S.C.H.A.L.E(シャーレ)」へと引き継がれた模様。

現在はアームギアを駆る独立傭兵「R.A.V.E.N(レイヴン)」として活動中。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。