青く透き通ったソラに、導きの星を   作:新人しくじり先生

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アビドス廃校対策委員会編
「アビドスとB.L.A.C.K」


 

 

連邦生徒会・連邦捜査部シャーレ各位

 

 

 

拝啓

先の対ビナー・アビドス防衛戦以降、救援に来て下さった青薔薇部隊を含め、平素より連邦生徒会環境室各位には大変お世話になっております。

単刀直入に申し上げさせて頂きます、現在我が校を含めアビドス自治区は非常に追い詰められています。

 

アビドス領内の砂漠化は現在進行形で悪化の一途を辿っており、北部市街地は既に砂漠に飲まれ、防衛戦復興の象徴でもあった第二次砂漠横断鉄道敷設事業もAE社とセイント・ネフティスの共同出資を受けていながらも計画通りの建設作業が行えていない状態です。

 

また近頃、治安の悪化を加速させる様に不良生徒の集団や正体不明の武装組織による本校舎や市街地への襲撃が多発しており、地元企業であるBAWS社やネフティスの支援はあるものの武器弾薬のみならず飲み水や医薬品も不足する状況に陥りつつあります。

 

既に北校舎は半壊、現在は砂漠化していない南側市街地や校舎中央棟を中心に防衛戦を展開していますが、我が校はただでさえ在校生少なく負傷者も増え続けている状況でもはや一刻の猶予もない状況です。

 

連邦生徒会長失踪中の今、連邦生徒会が多忙であることは重々理解しております。ただそれでもどうかSRTか青薔薇部隊の派遣を、それか連邦捜査部シャーレ「先生」の助力をどうか一刻も早い救援をよろしくお願い致します。

 

 

 

アビドス高等学校生徒会

        アビドス廃校対策委員会

        アビドス復興委員会

対ビナー・アビドス解放戦線      一同

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

赴任後に「先生」が書類の山に埋もれること数日、ある日シャーレに届いたアビドス高等学校の生徒会から届いた書状に書かれていた救援要請を受けてアビドス自治区へと向かった先生。

 

アビドス高等学校

 

かつては広大な自治区と膨大な生徒数を誇ったマンモス校の面影はなく、近年急速に進んだ砂漠化によってその領土の大半を砂漠によって覆われ、その対策費用の増大に伴う莫大な借金といつからか現れた正体不明の巨大敵性兵器「ビナー」の出現と度重なる市街地への襲撃により経済活動は麻痺し生徒は流出。生徒数の減少による治安維持能力が低下したことで更なる生徒数の減少に拍車が掛かり、地区全体の衰退は進み今や在校生を含む住人は残りわずか。その僅かに残った在校生や企業を含む住人たちも借金返済と対ビナーとの生存競争のための出稼ぎや対策に明け暮れている。

 

───既に()()()()()()()()土地、アビドス

 

連邦生徒会の、特に環境室からは砂漠化対策に強い支援を受けているものの既に連邦生徒会行政委員会や他の自治区からは既に廃校一歩手前と目されているアビドス───だがそこで生きる生徒たちは、今もなお確かにそこに生きていた。

 

“そのショットガン……”

「ん〜?おじさんのこのショットガンがどうしたの?」

 

アビドス市街地や校舎に対する度重なる不良生徒集団──ヘルメット団の襲撃を撃退した直後の一幕。

 

“ここに刻まれた「B.L.A.C.K」の刻印……何故ブラックの装備を君たちが?”

 

かつてはB.L.A.C.Kで使用されていたらしい今はS.C.H.A.L.E所属となったV-22オスプレイを用いて緊急空輸した武器弾薬と医薬品により補給を行なっていた彼ら彼女たちであったが、その補給の最中にふと目に付いたとある銃器──小鳥遊ホシノが折り畳み式防楯と共に持ち歩いている大型のフルオートショットガン、そしてソレに刻まれた──どうやら一度消そうとして消せなかったらしい──「B.L.A.C.K」の刻印について先生は尋ねていた。

 

「このショットガンは……まぁ、昔ちょっと色々あってアビドス生徒会に連邦生徒会から軍事物資供給プログラム(レンドリース)の一環で渡されたっていうか……置き去りにされたものだよ。うん」

 

先生からの問いに、視線を彷徨わせつつ何処か後ろめたい様子で答えながらも逃げる様にしてその場を去ったホシノ。ショットガンを隠す様にしてその胸に抱え大切そうに、それでいて誰にも触れられたくない過去を秘するかのように去った彼女の後ろ姿に、先生は果たして踏み込んで良いものかとその背を追うのにしばし躊躇ってしまった。

 

「──先生」

“ん?ノノミ?”

 

ホシノに逃げられた瞬間の体勢で固まってしまった先生、そんな先生に対し声を掛けて来たのは先程まで愛銃であるミニガンを手入れしていたはずの十六夜ノノミだった。

 

「先生には詳しく説明すべきだと思いまして、あの……2年前の話はホシノさんは答えにくいかと」

“あの話?”

 

ひとまず木陰へと移動した2人。あえて多くの者に周知させる話でもなければホシノ自身でないならば無為に語るべきではないかも知れない内容故にシロコや後輩から離れた場所へと移動したノノミは唯一、この場にいるアビドス生で過去を──2年前にこのアビドスで起こった事件の概要を知る者としてホシノが負った心の傷について話し出す。

 

「2年前、アビドスで開かれた最後の砂祭りに起こった……あの悲劇の話を」

 

青い空を舞う砂塵を見上げ、彼女は語る。

 

 

 

 

広大な大地に広がる熱砂と鉄路、そこで開かれるハズだった祝祭とそれをぶち壊した大災害

 

そして───

 

 

 

───それに抗った、黒い鳥と1人の生徒会長の話を

 

 

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