視える人 作:mk
これを問われた瞬間頭の中に浮かんだ「ソレ」こそが私の、あなたの青春であり、人生です。
金野火織は提言する
あなたが今熱中している「ソレ」は
あなたの青春であり
あなたの友達であり あなたの人生をかけるに値するものである
えっ……ゆこま温泉、府中からバスで1時間なんですか?(友人サポカヒト女将を凝視しながら)
トレセン前で営業中の販売車へウマ娘達が集う。
「はちみー固め濃いめ多めで!」
「テイオーちゃん、ホントはちみー好きだよね」
「私もテイオーさんと同じものを!」
「キタちゃん、さっきもお菓子食べてたよね。流石に食べ過ぎじゃないかな」
「じゃあ、二人ではんぶんこしようよ」
「うん!」
そこへ通りがかる二つの人影があった。
シンボリルドルフとエアグルーヴだ。
「やあ、テイオー」
「カイチョー! あとエアグルーヴ」
「あとは余計だ」
シンボリルドルフは一団にいるマヤノトップガンの存在に気が付くと、幾許かの逡巡の末に尋ねる。
「マヤノトップガンか……少々不躾なのを承知で聞かせてもらうが、調子はどうだい?」
マヤノトップガンは脚へ向けられた視線へ不敵な笑みを返す。
「へえ……会長さん分かっちゃった? でも、
返答を聞いたシンボリルドルフは思案顔だ。
「どうしたのカイチョー考え事?」
「少し気になる人物がいるんだ。話を聞きたいのだが連絡先も分からなくてね」
「えっ、誰だれ?」
「例のパドックで引き摺られていた人だよ」
「うゎ、アレかぁ……うーん、ちょっと待ってね」
トウカイテイオーはポケットから取り出したスマホを操作するとシンボリルドルフとエアグルーヴへ向けて画面を見せる。
「音ゲーのプレイヤーネームでウマッターを検索したら出たよ」
「何なのだこれは。毎日々々リズムゲームのことばかり。他にやることはないのか?」
「これが本人とは限らないんじゃないか?」
「でもリザルトの写真が被せられた曲と一致してるから合ってると思うよ」
ここで、静観していたマヤノトップガンが動いた。
「……テイオーちゃん、学生服とか体操服で検索してみて」
2nd-temple @toycidervillage
学生が学生服を着ても普通じゃないですか 成人女性に学生服を着せるべきでは?
2nd-temple @toycidervillage
娘の学校の制服を母親に着せろ 良く言いますよね
2nd-temple @toycidervillage
ええっ!? ママに体操服を着せて夜の運動会を!?(退勤後の社会人にダート1400m走らせる暴挙)
「絶対に本人だと思う」
マヤノトップガンの目にハイライトは無かった。
一方、サトノダイヤモンドは自分のスマホで件のアカウントのウマートを無言でスクロールし続けている。怪訝に思ったキタサンブラックは様子を伺う。
「ダイヤちゃん?」
「やっぱりおかしい」
「うん」
何一つ否定する余地は無かった。
「この人、見境なくリズムゲームをしてるのにサトノのゲームが見当たらない」
「そこ!?」
サトノダイヤモンド @diamond
返信先:@toycidervillage さん
どうしてサトノのリズムゲームをしていないんですか?
2nd-temple @toycidervillage
返信先:@diamond さん
店に置いてないからですが
サトノダイヤモンド @diamond
返信先:@toycidervillage さん
最新の写真は府中のゲームセンターの物ですよね。その店舗にも設置されているはずですよ。
2nd-temple @toycidervillage
返信先:@diamond さん
こんな一般人の垢に絡むような変な労力の使い方してるからサトノはゲームハード事業から撤退することになったんじゃないですか?
「はぁあああああああ?????? 言っちゃいけないことを言いましたね!!!! この人は!! サトノの!! 敵です!!!!!」
「ダイヤちゃん落ち着いて」
「放してキタちゃん!!!」
サトノダイヤモンド @diamond
返信先:@toycidervillage さん
だいたい何なんですかDDRって。そのゲームの名前はどう略してもDDRにはならないでしょう?
2nd-temple @toycidervillage
返信先:@diamond さん
これはDDRだ、誰が何を言おうとDDRなんだ 私がそう判断した
「な、何なのこの人……」
サトノダイヤモンドは名状し難い表情でわなわなと震える。
「会長、止めませんか? こんな人間に関わるのは」
エアグルーヴの提案は無言の頷きと共に満場一致で可決した。
「テイオー、先に桐生院トレーナーの所へ行っているよ。エアグルーヴは来客対応の準備をしておいて欲しい」
「承りました」
「分かった! また後でね、カイチョー!」
☆
キラキラしたものに憧れていた。
ここに来ればきっと自分もそうなれると思っていた。
メイクデビュー2着。
悔しさはあれど、確かな手ごたえはあった。
未勝利戦を突破。
勝ち取ったセンター。キラキラの世界に手が届いた気がした。
1勝クラス。
突きつけられた現実。掲示板にすら入れなかった。
そして、若駒ステークス。
――本物のキラキラを知った。
あれから、レースには出走すらしていない。
トウカイテイオー、強気で、自信家で、自分が負けるなんて考えたこともなさそうな、誰もが認める主人公サマ。
皐月賞。
天へ掲げた一本指。誰もが伝説の再臨を予感した。
私は観客席で眺めることしかできなかった。
日本ダービー。
絶対の煌めきは眩しすぎ、直視できずに逃げ出した。
私はモニター越しに見るのがやっとだった。
きっと彼女は届くのだろう。頂点の輝きに。
きっと彼女は成すのだろう。伝説の再演を。
「あっネイチャいたいた~ちょっと一緒に来てよ~」
そんなアンタがアタシを何処に引き摺り出そうというんだ。
届かなくて、眩しい。
次回、第九話『冥』
昨日の私は徹夜明けで「感想返信で胡乱な話をして読者を混乱させましょう! あっ返信って編集は出来るけど削除はできないのかどうしよう……とりあえず笑ってごまかしとくか」などと言い出す反逆者でしたが、今日の私は完璧で幸福な市民です。
主人公:異世界転生したら前世の音ゲーが無かったため別物のダンスゲームをDDRだと思い込むことで自我を守っている。(主人公に悲しき過去)
この世界にはゆっくり解説が無いと言ったが、東方projectも無ければMTGも無いし、実はコナミデジタルエンタテインメントも存在しないんだ。特にコナミはCygamesと係争中だったからね。
コイツは誰にも通じないのに前世のネットミームを垂れ流し続けてる異常者なんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。
トレセン学園インターネットリテラシー講座:インターネットの異常者に関わってはいけません。サトノダイヤモンドさんは入学したら受講するように。
マヤノトップガン:史実勝鞍『菊花賞』
そのゲームセンターは、閉店後にも関わらずフロアの一角が消灯されていなかった。
客のいない店内は空虚な明るさとは裏腹に重苦しい空気に満ちている。
「店員への聞き取りと筐体の確認はしましたが設定を弄った形跡は無く通常のままでした。監視カメラの映像を何度確認しても不審な行為は見つかりません」
「ログを見ても異常なし。明らかに異常が起きてるのに何故だ……」
「どうやってもバグを再現できませぇぇぇん!!」
「誰かこのふざけたマスクを被った奴を捕まえてこい!!」
一見今後の展開の参考にしてそうなアンケートだが、実際は別にそんなことはない。本当にそんなことはない。
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何事もなく帰り着いたぜ ヨシ!
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ハイパー レス・バトルの時間だオラァ!!
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旅行といえば……温泉!!
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目覚時計が鳴った気がした(ムジュラの仮面
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ナニカサレタヨウダ