元人間な覇竜の滅竜魔導師がオラリオに出戻るのは間違っているだろうか? 作:匿名さん
オリ主の昔話だよー
「一一一改めてベル君をありがとうアカム君。キミのおかげで大事な家族を失わずにすんだよ」
そう言ってベルの主神、『ヘスティア』が頭を下げる。
教会の外でベルが帰るのをずっと待ってたようだし余程心配だったんだろうな。
ちなみにベルは自室のベッドでぐっすり寝ている。
「ベルには困ってるところを助けてもらったからな。それにベルがああなっても見てただけだし礼を言われる筋合いはないさ」
「見てただけと言うけれど、もしもの時はベル君を助けてくれたんだろ?じゃなきゃこうしてベル君をボクのもとまで送ることはしないさ。だからありがとう」
『一一一ありがとう、アカム』
「ッ!……ああ。どういたしまして」
ヘスティアに最期までお人好しだった『彼女』の姿が一瞬重なる。
あのカオスな時代には稀有過ぎるほど善人だった『彼女』を思い出す程、ヘスティアも負けず劣らずの善人……いや、善神なんだろうな。
「ウンウン。神の好意は素直に受け取ってくれたまへ。……そうだ!さっきは聞き忘れてたんだけど、キミはどの神の眷属なんだい?ファミリアの主神として一言お礼をいいたいんだ!」
「あー話すと長くなるからとりあえず今は省くんだが。率直にいうと俺はどこの神の眷属でもないし恩恵とやらをもらった冒険者でもない」
「……んん?それは一体どういうことだい??」
「俺は今から約1500年前。つまり今でいう『古代』と言われる時代に生きた元人間だ」
ヘスティアなら話しても大丈夫だろう。……てか聞いた反応が知りたい。
一時期は【英雄】と持て囃され、後に【怪物】へと堕ちた一人の男の話を。
「1500年前?元人間??アカム君、キミはいったい?」
「昔々こことは違う別の世界にごく普通な一人の男がいました。男はごく普通の家庭に生まれ、自衛隊……この世界でいうところの兵士として働き、特に大病になることもなく平和にその生涯を終えました」
「別の世界だって?」
「ああ。戦争は稀にあれど、モンスターなんて御伽噺や創作物くらいでしか存在しない至って平和な世界だ。……さて。そんな生涯を終えた男でしたが、気がつくと『アカム』と名付けられた赤ん坊としてこの世界に生まれていました」
閻魔大王とか死後の世界とか存在するのか少し楽しみにしてたからそれが確認出来なかったのは残念だったなぁ。
「生まれた当時、人々は〝大穴〟から現れるモンスターと存続をかけた戦いを繰り広げており、その男も物心ついた頃から他の子供達と一緒に訓練を受けたり、時には大人達と混ざってモンスターと戦っていました」
「そんなある日。倒した竜種のモンスターの魔石を見た少年はふと思いました。『この魔石食ったら魔法とかドラゴンの力とか使えるようになれんじゃね?』と。そう。男は前世どころか今世でも厨二病を拗らせていたのです」
「いやいやいや!?何をどうしたらそんな考えになるんだよ!?」
「いやな?前世で読んでた漫画...物語でドラゴンの力が込められた水晶を身体に埋め込んだり血肉を食べたらドラゴンの魔法や力が使えるようになるってのがあったからさ。ワンチャンいけるかなって」
エルフとかドワーフもいる異世界転生だし可能性はあると思ったんだよねー。
「思い立ったが吉日。少年はその魔石を飲み込んでみました。するとあら不思議、1週間くらい生死をさまよいましたが見事自分の中にある魔力を認識することが出来るようになりました」
「ええー」
「それからというもの、少年は修行がてら魔力を使った身体能力の強化を使ってモンスターと戦い、竜種の魔石が手に入っては体内に取り込んでいきました」
魔力は「気」に近いようなもんだと思ってたら以外と直ぐに扱えるようになったんだよな。
読んでてよかったドラ○ンボール。
「様々な竜種の魔石を取り込みながら試行錯誤すること数年。遂に少年は前世で読んでた漫画に出てくる魔法っぽいものを生み出すことに成功し、それを『滅竜魔法』と名付けて自らを『滅竜魔導士』と名乗るようになりました」
『アカム』って名前にちなんで『覇竜の滅竜魔導士』ってな。
「~の」とかいってるけど俺以外には居なかったよ?俺っていう成功例がいても皆怖がって真似しなかったからね。
「経緯はどうあれ『滅竜魔法』を習得した少年の活躍は見事なもので、それまで人々が苦戦していたモンスターを怒涛の勢いで倒しまくり、いつの間にか少年は周りから【英雄】と持て囃されるようになりました」
「少年も【英雄】と持て囃された事に調子に乗り、『滅竜魔法』を使って多くのモンスターを倒して倒して倒しまくりました。……少年が知っているものでなく、自分で開発したオリジナルだったからこそ駄目だったんでしょう。少年は『滅竜魔法』を使いすぎることにより起こる
「使いすぎるデメリットだって?……元人間……ッ!まさか」
「そう。『滅竜魔法』のデメリット。それは過度に使いすぎるとやがて
いや本当にあの頃は楽観してたよね。
「少年から青年になったある日のこと。いつも通り『滅竜魔法』でモンスターを駆逐し終わった青年の顔を見て仲間が言いました。『アカム。お前、その顔……』。仲間にそう言われた青年が鏡を見ると、そこにはひび割れた顔の下から黒い鱗が現れている自分の顔が写っていました」
「青年は自分の身に何が起きているのかを直ぐに察しました。青年が参考にした物語に登場する『滅竜魔導士』と同じ現象が自分にも起きたのだと。青年の身に起きた異変は直ぐに人々に広まり、青年を処分しろという声が多く挙がりました。青年がどうやって『滅竜魔法』を使えるようになったのかを知っており、やがて青年もモンスターと同じ怪物になって自分達の敵になるのではと思ったからです」
「青年本人も仕方ないと諦める中、仲間内の一人の少女だけが青年を庇いました。『アカムは皆が思ってるようなことは絶対にしない!』と。」
彼女とは子供の頃からの付き合いでモンスターとも一緒に戦った戦友であり、俺の初恋の幼馴染だった。
魔石食べて死にかけた時も毎日看病もしてくれた。
「その少女の説得もあり青年はなんとな処分されずには済みましたがその日以降、人々の青年を見る目は恐怖と侮蔑がこもっていました。それでも青年はそれまで通り人々の為に戦いつづけました。ただ一人自分を信じてくれる少女の想いをうらぎりたくなかったからです。……しかし一一一」
一旦区切り大きく深呼吸する。
ヘスティアもこの後の展開を察したんだろう。
表情がこわばっていた。
「一一一ある日。〝大穴〟から突如現れた強大なドラゴンの襲撃により、少女は青年の目の前で命を落としました」
「そのドラゴンはとても強く、青年の『滅竜魔法』をもってしても殆どダメージを与えることが出来ませんでした。少女はそのドラゴンに敗れ、トドメを刺される青年を庇ってドラゴンに食べられ命を落としたのです」
「ッ」
『一一一アカム。ありがとう。……大好きだよ!』
あの時程自分の無力さを恨んだことはない。
守るべき存在を守りきれなかったどころか自分のせいで失ったんだからな。
「気がつくと青年の前には元は巨大な何かと思われる肉片と血溜まりと、遠くから青年に武器を向けながら恐怖に顔を染めた人々の姿がありました。近づいて何があったのか問いかけようとした青年でしたが、直ぐに視点が高すぎることに気がつき自身の身体をみると、そこには見覚えのある黒い鱗が生えた巨大な身体がありました。何があったのかを全て察した青年……いや、ドラゴンは人々に問いかけるのをやめ、その巨体をゆっくりと動かし〝大穴〟から去っていきました」
「その後ドラゴンはかつて〝大穴〟から地上へと進出したという他のドラゴンを探しては殺し、やがて当時地上にいたドラゴンの全てを絶滅させました。そのドラゴンが訪れた地では大雨や干ばつといった異常気象が起きたこともあり、人々はドラゴンを〝災厄〟の意味である『アカムトルム』と呼ぶようになりました。やがて人の姿に変化する術を習得したドラゴンは人里離れた山奥にある洞窟におもむき、深い深い眠りにつきましたとさ。おしまい」
話が終わりコップの水を飲み干す。
我がことながらクソみたいな話だ。
「とまぁ俺は自分勝手な行いの結果、沢山の人に迷惑をかけた『怪物』ってワケだ。だからヘスティア、俺はお前が思っているような---っ!?」
「一一一それは違うよ『アカム』君。
突然ヘスティアに優しく抱きしめられ、まるで子供をあやすかのように言われた言葉が理解出来ずに困惑する。
俺が……心優しい???
「話をちゃんときいてたか?俺は一一一」
「何度でも言うさ。キミは心優しい一人の人間だよアカム君。だってキミはドラゴンになっても皆のために、この世界のために戦い続けてくれたじゃないか」
『悲しいことや辛いことも沢山あるけど。私はこの世界が大好きなんだ』
「ッ」
「大丈夫だよアカム君。例え世界中の人々がキミを怪物だと言ったとしても、ボクはキミの味方さ」
『大丈夫だよアカム。もしも世界中がアカムを敵だと言っても私はアカムの味方だから!』
「……ありがとう、ヘスティア」
『リーシャ』。この時代にも、キミみたいな
オリ主は幼馴染がいたのでアイリーンやアクノロギアのようにはなりませんでした。
あと誤字報告はありがたいですが、セリフはアニメのものをそのまま書いてたりしますので大丈夫ですとだけ。