夜、それは人など殆ど歩かぬ時間。
昔の日本では、妖怪や幽霊などが外を出歩く時間だと言われていたとか。
しかし、幽霊など現実にいるはずがない。こんな話も、ただのオカルト話しだと、普通の人ならそう考えるだろう。
……しかし、もし本当にそんな人ならざる者が存在するとしたら、貴方はどうしますか…。
女性「はぁ!はぁ!はぁ!」
彼女は逃げている。恐ろしい『何か』から。
ことの発端は数時間前にまで遡る。
この女性は、数日前からストーカー被害にあっており、何者かに跡をつけられていたのだ。
怖くなった女性は警察に通報したが、証拠が無いためまともに対応してくれなかった。
彼女は不安な気持ちになりながらも、仕事から帰っていたのだが、遂に犯人が自らの目の前に現れたのだ。
最初は文句の一つでも言ってやろうかと思っていた彼女だったが、男の顔を見てその気は失せてしまった。
何故ならその男の顔には、ステンドグラスの様な模様が浮かび上がっていたからだ。
そして男は、女性を見ながら舌舐めずりをすると、こう言ったのだ。
男『今日のディナーは君に決めたよ』
男はそう言うと、次の瞬間その姿を異形な物へと変えた。
その姿は、まるで青い馬の様な怪物だった。
それを見た女性は、一目散に逃げ出したのだ。
怪物『おやおや、追いかけっこですか?』
怪物はそう言うと、ゆっくりと女性を追いかけた。
女性は逃げた、逃げて逃げて逃げて逃げ続けたが、遂には廃工場の方まで逃げたが、すぐに追いつかれてしまった。
怪物『さぁ、追いかけっこは終わりだよ。……君と言う女性に、乾杯』
女性「っ!キァァァァアッ!」
そして女性はあまりの恐怖に気絶してしまった。
怪物『おやおや、気絶してしまったか。まぁ良い、君のライフエナジー、美味しくいただいてあげるよ』
がその時、バイクのエンジン音があたりにこだました。
ブォン!ブォン!
怪物『何だ?』
すると、赤いバイクが怪物に向かって掴んできて、そのまま怪物を跳ね飛ばした。
怪物『グワァ!』
そして、バイクに乗った人物は、怪物を跳ね飛ばした後バイクを止めてバイクから降り、怪物が吹き飛ばされた方角を見た。
怪物『…おのれぇ!貴様、何者だ!この私を跳ね飛ばして、タダで済むと思うなよ!』
怪物は殆どダメージなど見せずに立ち上がると、先程までバイクに乗っていた人物に指を刺しながら激昂した。
???「……今まで散々人間のライフエナジーを吸ってきたんだ。これくらいの罰じゃあ軽いくらいだろう?」
男はそう言うと、被っていたヘルメットを外し、その素顔を晒した。
そこにいたのは……
怪物『……子供だと?』
そう、そこにいたのは中学生くらい子供……紅響だった。
しかし、相手が子供だと分かると、怪物は子供に翻弄されたことに怒りを感じ、再び激昂しながら響に対して雄叫びを上げた。
怪物『お前の様なガキが!この私の食事の邪魔を「『双子のペテン師が夢見る、誠実と憂鬱』」っ!」
響「それが貴様の真名だろう?『ホースファンガイア』」
怪物、ホースファンガイアは驚愕していた。何故、目の前の子供は自身のしんめいを知っているのか、何故、この男を見ていると身体が震えて仕方がないのか…。
響「まぁ、良い……お前はファンガイアの掟を破り、罪のない人間を殺した。よって……」
男はそう言うと、左手につけていた手袋を外し、ホースファンガイアに見せつけた。
そして、その手のひらには紋章が浮かび上がっていた。
響「『王』の判決を言い渡す…死だ、キバット!」
男がそう言うと、空から金色の蝙蝠…キバットバット三世が飛来してきた。
キバット『しゃあ!キバッて、行くぜ!』
すると響はキバットを右手で掴むと、その口を開かせる。
キバット『ガブッ!』
そして自分の左手を噛ませると、響の顔にステンドグラスの様な模様が浮かび上がり、その腰回りに鎖が巻きつき、赤いベルトへと変化する。
響「…変身!」
そして響は、キバットを逆さまにした状態でベルトへと装着する。
そして、響の身体を銀色の膜が包み込み、次の瞬間には鎧へと変化した。
つり上がった黄色い複眼、所々が鎖で覆われている鎧、その姿はまさに、王そのものだ。
ホースファンガイアは知っていた。その鎧の名を、そしてその鎧を纏うことを許された存在を…
ホースファンガイア『何故、何故貴方様がこの様ところに!……『キング』!」
次回、キバの時間