烏間「今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」
イリーナ「イリーナ・イェラビッチと申します♡皆さんよろしく!」
俺がホースファンガイアを討伐した次の日、烏間先生から新しい外国語の先生を紹介された。
名前はイリーナ・イェラビッチ、教師と言うにはあまりにも露出の多い格好をしている金髪の女性だった。
……そして何故か殺せんせー相手ににベタベタしていた。
烏間「本格的な外国語に触れさせたいと学校からの意向だそうだ。英語の半分は彼女の担当になるが、文句は無いな?」
殺せんせー「仕方ないですねぇ」
因みにだか、生徒といっても俺はファンガイアのキングなので、彼女の正体についても烏間先生から秘密裏に聞かされている。
茅野「何か凄い先生来たねぇ、しかも殺せんせーに凄い好意あるっぽいし」
茅野はそう言うが、俺からしたら胡散臭くて仕方がない。
しかし、あの殺せんせーが女性にベタベタされてどう言う反応をするのかは気になる。
そう思って殺せんせーに再び視線を向けると…
殺せんせー「ニュルフゥン♡」
……殺せんせーは顔をピンク色にしてメッチャニヤけていた。
しかも視線は胸の方に釘付けになっている。
イリーナ「あぁ。見れば見る程素敵ですわ。
その正露丸の様につぶらな瞳、曖昧な関節。私、とりこになってしまいそう…」
殺せんせー「いやぁ、お恥ずかしい///」
岡野(騙されないで殺せんせー!)
中村(そこがツボな女なんて居ないから!)
……まぁこの教室の殆どの生徒が、彼女を『殺し屋』だと見抜いているだろう。
因みにだが、彼女は俺の正体を知っている為、烏間先生に口止めを頼んでいる。
まぁ、裏の世界で生きる実力者は俺の事を知っている奴は多いが。
ホームルームも終わり、体育の時間、クラスメイト達は殺せんせー考案の暗殺サッカーを行っていた。
簡単に言えば、殺せんせーがボールを「ヘイパス!」と言って渡してくるので、そのボールを蹴り返したりしながら「ヘイ暗殺!」と言いながら先生を暗殺するという遊びだ。……遊び、だよな?
まぁ俺は参加してないんだけどな!
何で俺が参加してないかと言うと、俺は烏間先生に呼ばれてイリーナ先生に『キング』として、対面することになってしまったからだ。…ぶっちゃけ俺も暗殺サッカーやりたかった。
イリーナ「色々と接近する為のプランは考えていたけど。まさか色仕掛けが通じるとは思わなかったわ」
そう言いながら持っていたタバコに火を付けようとするイリーナ先生。
イリーナ「ふぅ、…あら?アンタ、タバコの匂い平気なの?」
響「えぇ、この程度の匂いなら全く気になりません」
イリーナ「へぇ、そうなの」
イリーナ・イェラビッチ。その美貌に加えて、実に10カ国語を操る対話能力を持ち、如何なるターゲットも魅了しガードの高い標的も至近距離から容易く殺す、潜入と接近の両方を高度にこなす暗殺者だと聞いている。
烏間「だが、ただの殺し屋を雇うのは流石に問題だ。表向きの為、教師の仕事もやってもらうぞ」
イリーナ「私はプロよ?教師の仕事なんて、やる間もなく仕事は終わらせるわ」
ほう、えらく自身がある様だな。
イリーナ「それにしても…」
そう言うとイリーナ先生は、俺の事をジロジロと見てくる。鬱陶しいからやめてほしいんだが…
響「…何ですか?」
イリーナ「いいえ、ただ、アンタが先生から聞いたファンガイアの王様だなんて、とても信じられないと思っただけよ。だってどう見てもただのガキじゃない」
先生?……あぁ、『ロヴロさん』のことか。
イリーナ「まぁ何にしても、私の邪魔だけはしないことね。もし邪魔をする様なら、あのタコの前にアンタから殺すわよ」
殺す、ねぇ。
響「ま、邪魔をする気はありませんから、ご自由に……あぁでも…」
イリーナ「?」
響「もし有希子に危害を加えようとしたら…
その時は覚悟してくださいね」ニッコリ
イリーナ「っ!(なんて殺気なの!この私が一瞬たじろぐなんて……これが、伝説に名高いファンガイアの王なの!?)ふ、ふんっ!威勢だけは良いようね!まぁ、頭の片隅くらいには入れといてあげるわ」
イリーナ先生はそう言い残して殺せんせーの方に向かっていった。
しかし、殺せんせーを殺す、か。
烏間「響君」
俺が考え事をしていると、烏間先生が話しかけてきた。
響「何ですか、烏間先生」
烏間「君から見て、彼女は殺れると思うか?あのタコを…」
響「…はっきりと言わせてもらいますね…………無理です」
烏間「…そうか」
そりゃあそうだろう。あの先生は確かに完璧ではない。テンパれば普通にバナナの皮に滑るし、今日だってイリーナ先生にデレデレとしていた…が、それでも無理だろう。
響「烏間先生はどう思いますか」
烏間「無理だろうな、彼女はあのタコを舐め切っている。そんなことで殺せるなら、中学生にまで頼ったりなどしない」
まぁ、そうだよな。
響「まぁ、黙ってみてましょう。直ぐに分かることですしね」
いや、思ってたより悪い状況だこれ。
何があったかと言うと、イリーナ先生は殺せんせーにベトナムのコーヒーを買う様に頼んだのだ。
なので授業をするのかと思いきや、案の定殺せんせーがいなくなった途端に本性を表し、適当に自習でもしてろと言ったのだ。
しかも渚にディープキスをかました後、男を3人連れてきて暗殺の準備を始めたのだ。
そして何とか教室に戻った俺達だったが、黒板にはデカデカと自習と書いてあるだけで、イリーナ先生はずーっとタブレットを見ているだけだったのだ。
前原「なぁー『ビッチ』姉さん。授業してくれよー」グサッ!
中村「そうだよ『ビッチ』姉さん」グサっ!
菅谷「一応ここじゃ先生なんだろ。『ビッチ』姉さん」グサッ!
うわー、皆んなグサグサと言葉の針を刺してるー。
イリーナ「ああもう!ビッチビッチうるさいわね!まず正確な発音が違う!アンタら日本人はBとVの区別も付かないのね!」
俺はついてるんだけどな、最近までロンドンにいたし。
「正しいVの発音を教えて上げるわ!まず歯で軽く下唇を噛む!ほら!」
イリーナ先生がそう言うので、皆んな下唇を軽く噛んだ。え、俺?教科書盾にして顔隠してるからやってないよ。
イリーナ「そうそう。そのまま一時間過ごしていれば静かでいいわ」
この時、全員が心の中で思っただろう…
E組全員『何なんだこの授業!』
と。
そして暫くして殺せんせーが帰ってきた六時間目。今は体育の授業、烏間先生の授業兼訓練で、今日は銃で的を撃つ訓練だ。
三村「おいおいマジか。二人で倉庫にしけこんでいくぜ」
三村の言うとおり、殺せんせーはイリーナ先生と一緒に倉庫に入って行くのが見える。
菅谷「な~んかがっかりだよな。殺せんせー。あんな見え見えの女に引っかかって」
片岡「烏間先生。私たち、あの人のこと好きになれません」
クラス委員の片岡がそう言うが、烏間先生は申し訳なさそうに言う。
烏間「すまない。国の指示でプロの彼女に一任しろとのことでな。だが、僅か一日で全ての準備を整える手際。彼女が一流の殺し屋であることは確かだろう」
…確かに、あそこまでの用意を1日で終わらせるのは相当な手際と人脈が無ければ不可能。実力自体は本物と見て良いだろう。
すると、倉庫の方から銃の乱射音が聞こえる。
…この銃声は、M61、M134、M249か。しかし、まさかイリーナ先生『実弾』を使っているのか?
有希子「どうしたの?響君」
有希子がそう聞くので俺は少し微笑みながら言う。
響「いや、何でもない」
すると倉庫の方からイリーナ先生の叫び声が聞こえる。
イリーナ『いやぁぁぁあああああああああああっ!?』
ヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌル
しかもヌルヌル音も聞こえてきてるし、中で一体何が起こってるんだ?
岡島「めっちゃヌルヌルされてる」
前原「行ってみようぜ!」
前原を筆頭に俺達は皆倉庫に向かう。すると、中から殺せんせーが出てきた。
殺せんせー「いやーもう少し楽しみたかったですが、皆さんとの授業の方が楽しみですから」
…何を楽しんでたんだ殺せんせーは?
遅れて出てきたイリーナ先生は体操着にブルマーという健康的でレトロな格好で出てきた。
そして聞くところによると、イリーナ先生は僅か一分足らずで肩と腰のこりをほぐされたり顔のマッサージされたりしてこの格好にされてしまったらしい。
渚「殺せんせー何したの?」
渚が少しジト目になりながら聞くと、殺せんせーは真顔になりながら言う。
殺せんせー「さぁねぇ、大人には大人の手入れがありますから」
渚&響「「悪い大人の顔だ!」」
思わず俺もツッコんでしまった。
殺せんせー「さぁ、教室に戻りますよ」
この場に来ていた生徒『はぁーい』
そうしてグラウンドに俺達だったが…
イリーナ「許せない、こんな無様な失敗初めてだわ!この屈辱は、プロとして必ず返す……!」
どうやらイリーナ先生は諦めてはいない様だった。
次回、大人の時間二時間目