イリーナ先生が殺せんせーの暗殺を失敗した翌日、イリーナ先生はイライラしている様だった。
まぁ当然だろう。あんなにプロを自称してたのに油断して殺せませんでしたなど彼女のプライドが許さないのだろう。
現在は午後の英語の授業中の筈なのだが、彼女は授業をすることなくひたすらにタブレットを見ていた。
どうやら新しい銃と人員を探している様だ。
イリーナ「ああもう!なんでWi-Fi入んないのよこのボロ校舎!」
その気持ちはちょっと分かる。
業「必死だね~ビッチねーさん。あんなことされたらプライドズタズタだろうね」
カルマよ君は何故そうやって煽るんだ。
しかしこれは問題だ。彼女がこんな調子だからか自習をしてる皆んなの空気も悪い。
磯貝「先生」
イリーナ「何よ?」
それを見かねてか、クラスを代表するようにクラス委員の磯貝が発言する。
磯貝「授業をしてくれないなら、殺せんせーと交代してくれませんか?俺ら今年、受験なんで」
イリーナ「はっ!アンタ達、あんな凶悪生物に教わりたいわけ?」
残念ながら磯貝の言葉はイリーナ先生には届かなかった様だ。
それどころかイリーナ先生は憂さ晴らしでもするかの様に皆んなに対して毒を吐き続けた。
イリーナ「地球の危機と受験を比べられるなんて、ガキは平和で良いわね〜。それに、聞けばアンタ達E組って、この学校の落ちこぼれだそうじゃないの?勉強なんて今更しても意味無いでしょう?」
E組全員『ッ!!』
あーあ、なんでこの先生は自ら地雷を踏みに行くんだ。
イリーナ「あっそうだこうしましょ?私が暗殺に成功したら1人500万円分けてあげる。無駄な勉強なんかするよりもずっと有益でしょ?だから、黙って私に従い…」
コンッ
イリーナ先生は全てを言い切ることはできなかった。何故なら、彼女の隣を横切りながら消しゴムが黒板に当たったからだ。
???「出てけよ」
どうやらクラスの誰かがけしごむをなげつけたようで、それに続く様に皆んなからイリーナ先生への罵詈雑言が飛び交った。
前原「出てけクソビッチ!」
矢田「殺せんせーと代わってよ!」
罵詈雑言と共に消しゴムやら鉛筆やらがイリーナ先生に向かって投げられていく。
イリーナ「な、何よアンタ達その態度!殺すわよ!」
イリーナ先生も負けじと脅すが、怒り浸透中の皆んなには効果はない様だった。
菅谷「上等だやってみろ!」
茅野「そーだそーだ!巨乳なんて要らない!」
渚&響「「そこ!?」」
その後も暫くイリーナ先生への抗議の声(茅野に関してはただの私怨)は鳴り止まなかった…
イリーナ「何なのよあのガキども!」
職員室にて、イリーナは先程の生徒達の反抗的な態度にイライラしていた。
イリーナ「こんな良い女と同じ空間に居られるのよ?有難いとは思わないわけ⁉」
烏間「有難くないから軽く学級崩壊してるんだろ。彼等にちゃんと謝って来い。このまま此処で暗殺を続けたいならな」
イリーナ「何で⁉私は先生なんて経験無いのよ!暗殺だけに集中させてよ!」
もはや単なる我儘でしかないイリーナの発言に烏間はため息をつきながら、イリーナに『とある物』を見せることにした。
烏間「はぁ…仕方がない、ついて来い」
イリーナ「?」
〜響side〜
響「はぁ、予想通り…いやもっと悪い展開になってしまったな」
イリーナ先生の授業…と言うかただの学級崩壊の時間が終わり、途中5時間目の体育を挟んで6時間目が始まろうとしていた。
しかし、未だクラスの皆んなの空気は悪いままだった。
有希子「ねぇ響君、あの先生どうなっちゃうんだろう?」
響「…さぁな、結局はイリーナ先生次第だ。俺にはどうすることもできないよ」
と言うより、彼女は暗殺者として一つのことに囚われ過ぎている。この教室にいて分かったが、殺せんせーは先生とターゲット、クラスの皆んなは生徒とアサシンの両方を両立させている。イリーナ先生の場合は、先生と暗殺者を両立できなければ終わりだろう。
…最悪、このクラスを出て行くかもな、あの先生。
俺がそう考えていたその時、教室のドアが開かれる。
扉の先からは、たった今話題になり、そしてクラスの雰囲気を悪くした張本人、イリーナ先生が入って来た。
クラスの皆んなは何事かと話を中断して彼女の方を向く。すると彼女は黒板にとある英文を書いてクラスメイト達に読ませた。
因みに俺はそれがどう言う意味かはすぐに分かった。
意味は、『ベットでの君は、凄いよ』だった。いやなんて英文中学生に読ませんだ!
イリーナ「外国語を短い時間で身につけるにはその国の恋人を作るのが早いとよく言われているわ。相手の気持ちを知りたいから、必死で言葉を理解しようとするのね。私は仕事上、必要な時、そのやり方で、新たな言語を身につけてきた。だから、私授業では外国人の口説き方を教えてあげる。プロの暗殺者直伝の、『仲良くなる会話のコツ』。身につければ、実際に外国人と会った時に必ず役に立つわ」
成程、確かにそれは必要だな。…なんか別の目的で使おうとしてる者が2人ほどいるが…
イリーナ「受験に必要な勉強なんてあのタコに教わりなさい。私が教えて上げられるのは、あくまで実践的な会話術だけ。もし、それでもアンタたちが私を先生と思えなかったら、その時は、暗殺を諦めて出ていくわ。そ、それなら文句ないでしょ?……あと、悪かったわよ。色々」
ふっ、…どうやら心配はなさそうだな。
E組全員『あははははは!』
業「何びくびくしてんのさ、さっきまで殺すとか言ってたくせに」
前原「何か、本当の先生になっちまったな」
岡野「もうビッチ姉さんって呼べないね」
イリーナ「あ、アンタたち……分かってくれたのね」
片岡「考えてみれば先生に向かって失礼な呼び方だったよね」
岡野「うん。呼び方変えないとね」
ふむ、どうやらこれからはビッチねぇさんなんて失礼な呼び方ではなく、イリーナ先生と…
前原「じゃあビッチ先生で」
えぇ、前原よ、流石にこのタイミングでそれはないぞ。見ろ、イリーナ先生固まってんじゃん。
イリーナ「えっとぉ、折角だからビッチから離れてみない?ほら!気安くファーストネームで読んでくれて構わないのよ?」
イリーナ先生はそう言うが、前原達から無慈悲な言葉が飛び交う。
前原「でもなぁ、すっかりビッチで固定されちゃったし」
岡野「うん、イリーナ先生よりビッチ先生の方がしっくりくるよ」
陽菜乃「そんなわけでよろしく、ビッチ先生♪」
三村「授業始めようぜ、ビッチ先生」
イリーナ「キィィィィイ!やっぱり嫌いよアンタ達!!」
やれやれ、これからも賑やかになりそうだ。
因みに、俺はイリーナ先生呼びだ、流石に可哀想だからな。
次回、集会の時間