黒狼鳥女のヒーローアカデミア 作:極限獰猛傀異克服歴戦王辿異種黒狼鳥
3ヶ月もあっという間に過ぎて、遂に試験当日。私はつまらない筆記を突破して、遂に実技まで辿り着いた。目の前に1年近く待たされた
ウサギのお姉さんと闘りあうのも悪くないんだけど、同じ相手を何年も続けてたら流石に飽きが来ちゃうんだよなぁ(ウサギのお姉さんもまだまだ本気じゃないし)。
そんな事を考えながら説明会場で待っていると、10分程してようやく壇上に司会(っぽくない)男が出てきて、興奮も沈黙もまとめて吹っ飛ばしかねない声量で話し始める。
『受験生のリスナー!! 俺のライブにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!』
(説明まだかな……1秒でも早く闘いたいんだけどなぁ……)
司会の男は沈黙している場の空気にも一切動じず、ハイテンションなまま説明を始める。私はちょっとイライラしてきた。勿体ぶらずチャチャッと話して欲しい。
『……こいつぁシヴィー!!! 受験生のリスナー! 実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!! アーユーレディ!? ……YEAHH!!!』
そんなつまんない事してないでさっさと話して欲しいんだけど、ルール違反で落とされるなんてたまったものじゃない。仕方ないから黙って聞こう。
『演習場には仮想敵を三種多数配置してあり、それぞれの攻略難易度に応じてポイントを設けてある!! 各々なりの“個性”で仮想
(なるほど、つまり全力でぶっ壊していいワケだ)
私の場合、個性の関係上対人戦はバトルスタイルに制限をかけなきゃならない。
だけど、今回倒す対象として出されたのは命のない無機物。モノが相手なら相手の生死とかケガへの配慮とか、とにかくあれこれ考えなくていい。攻略難易度に応じてポイントが変わるとか言ってるけど、結局は全部ぶっ壊すのが1番いいんだから、どれを狙うかも考えなくていい。
私がプリントにある仮想
「質問よろしいでしょうか!?」
音のした方を見ると、いかにもな真面目メガネがいた。
頭から爪先まで真面目が詰まってそうなソイツはプリントを持ちながら許可を待たずに質問を言い始めた。
「プリントには四種の
『受験番号7111番くん、ナイスなお便りサンキューな! 四種目の敵は0ポイント! そいつは言わばお邪魔虫! スーパーマリオブラザーズやった事あるか!? レトロゲーの! アレのドッスンみたいなもんさ! 各会場に一体、所狭しと大暴れしている『ギミック』よ! 倒せない事は無いが、倒しても意味は無い! リスナーには上手く避ける事をオススメするぜ!』
マジメガネが何やら言っている間にプリントを見直してみると、本当に4種類いた。
続いて司会の説明も聞くと、さっき説明に含まれてなかった4種類目の仮想
司会は『倒しても意味ないから避けた方がいい』なんて言ってたけど……そんなの知るもんか。その前に倒せない事は無いって言ってるから倒す。というか仮に倒せないって言われてても私は0Ptを倒そうとしてる。
『俺からは以上だ!! 最後にリスナーへ我が校“校訓”をプレゼントしよう! かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った! 『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えて行く者』と!! “Plus Ultra”!! それでは皆! よい受難を!』
……それって、いっぱい格上と闘えってことじゃん。そんな校訓があったなんて……もっとここに入りたくなってきちゃった!
試験会場Gに連れてこられた私は、普段からしている個性の
会話に適した形のクチバシは対話能力を削り敵を貫く為だけにしゃくれ、より鋭く。耳は硬質化して尖り鋭敏な聴覚を取り戻し、首元に銀色の鬣が生える。鈍く輝く棘が三又に生えている尾からは、普段は抑えている毒腺が再び活動して毒々しい紫に染まり、脚は細く、それでいてより強靭になり、遂には全身が鱗と甲殻に包まれた。
この身体はちょっと気を抜くと人の姿からかけ離れていく。意識しなくても抑えられるようになるまではものを掴むことさえできなかった。この姿を忌々しくさえ思っていた。
だけどそれは昔の話。闘う事においてこれ程素晴らしい姿は無いの。
(さぁ早く闘わせてよ! まだ? まだなの!? じれったい!!)
この姿は闘争心も増幅させる。普段の姿なら些細なトラブル程度だと出てこないアドレナリンの津波も、この姿は僅かなきっかけで押し寄せてくる。
感覚の鋭敏化で視界がクリアになっていく。まだだ。まだ始まったとは言われてない。
『ハイスタート!! ……おいどうしたァ!? 実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!! もう賽は投げられてんぞ!? ボーっとしてねぇで走れ走れぇ!!』
声が聞こえた瞬間、私は全力で地面を蹴り飛ばした。空を飛ぶだけでなく地を駆ける事にも適している個性を持つ私は、トップスピードを維持したまま目と耳が知らせる仮想
『標的補足!! ブッコロス!!』
『───────!!!!』
仮想
激突する瞬間、私は翼を巧みに動かし宙返りするように浮き上がる。バク宙するように回転して、その威力をもって尾を叩きつければ、仮想
(アハハハハハッ!!!! 次は……お前だあぁぁぁ!!!)
まだ闘いは始まったばかり。こんなつまらないザコを1個壊して満足するような私じゃない。興奮のあまりクチバシから炎を漏らしつつ、とにかく目につく仮想
『ガ、ガガ……』
どれも脆い。つまらない。もっと強い仮想
他の仮想
募るイライラを解消するように仮想
火球を吐いて仮想
『───────!!!!』
遂に来た事への感激のあまり、私は小さな子どものようにピョンピョンと跳ねてしまう。やっとまともそうなのが来た!!
どう倒そうかワクワクしながら考えていると、0Ptが殴りかかってきた。いいね、そういうのは嫌いじゃないよ!!
羽ばたく事で避けて、私は脚に力を溜める。相手は巨体のせいで動きが遅い。力を溜める余裕が十分にある。0Ptが腕を振り上げた。まだ、まだ溜めれる……。いよいよ頂点まで振り上げ切り、奴が私を叩き潰す準備が整った。力はもう溜まったけど、まだだ……。大質量を活かして振り下ろしてきた。今じゃない。もう少し先……!
──────今だっ!!!
『───────────!!!!!!!』
叩き潰される寸前、私は溜めた力を解き放つ。殆ど跳躍に近い蹴り方で加速したまま、翼を動かしてきりもみ回転する。
距離が近づくにつれて、跳躍の勢いは僅かにだけど落ちていく。その代わりに回転は増していって、銃弾のように飛んでいく。弾頭は貫く事に特化した私のクチバシだ。
0Ptに避ける暇も与えずに胴体を削り、砕き、吹き飛ばす。
こいつは一つ一つの動きが遅い。だから、強力な一撃をこんな簡単にたたき込める。
0Ptを貫き、そのまま勢いを殺さずに周囲の仮想
『終〜〜〜了〜〜〜〜〜!!!!』
まだ動いていた仮想
こんだけ暴れておいて、まだまだ全力じゃないですコイツ。
烏姫ちゃんの狂気度足りてる?
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過剰だよ。こわ……
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ちょうどいいわ……
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ちょっと足りなくない?
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大丈夫? (狂気の)粉塵揉む?