なんかこう…フウカちゃんと密室に閉じ込められるなりなんなりして飢餓状態に陥りたい。水と道具はあるけど食材がない空間に居たい。最初の方は水だけで頑張るんだけど、それも限界が来ちゃうんですね。だからある日、俺は言うんだ。
「俺の腕、食べてください。」
極限状態でも必死に理性を働かせて、フウカちゃんは首を横に振るし、なんなら「それなら私が!」って言いだすんだ…でもキヴォトス人は頑丈だし、そんなことしてほしくないから、「フウカさんが腕を落としちゃったら、誰が料理できるんですか?」って意地悪な返しするんだ。
その後も揉めに揉めるんだけど、結局押しに弱いフウカたんは俺の腕に包丁をあてがい、切り始めるんだ…食材の解体なら慣れてるけど、人間なんか切ったことないからもたつくんだ。俺は布を噛んで必死に声を抑えるけど、「ん゛ぐっ…ヴぅう!」みたいな声が出ちゃって、その度焦って早く切ろうとするけど、結果もっと長く苦しめることになるんだ。
切り落とした跡は謎パワーで塞がって、出血とかで死ぬことはないんだ…
初めて食べる人肉。それも目の前の大事な友人の肉。
気持ち悪くなるけどそれ以上に空腹は最高のスパイスとはよく言ったもので、申し訳なさからくる涙というより『美味しい…!!』っていう涙がとめどなく流れるんだ…
そんなこんなで月日は流れ、遂に残りの部位、右足まで切り離され、ダルマ状態になる俺。それでもまだ出れなくて、今更フウカたんの身体を使うとなっても俺はもう手がないから何もできないから…つっていつもみたいに身体を差し出すんだけど、もうほとんど食べるところなんか残ってないんだ。ほっぺの肉とか腹の一部とかをちょっとずつ、ちょっとずつこそぎ落としては食べるの繰り返し。ある日俺は言うんだ。言っちゃだめだけど、一生フウカたんに呪いを残してしまうと分かっていても。
「俺を、殺してください。」
って。でも俺はよく頑張ったよ。今の俺の姿、人間かどうか怪しいもん。
何度も何度も何度も何度も繰り返した、友人の身体を切る行為。急に気持ち悪くなって吐いちゃうフウカたん。うえぇって吐き出したのはほぼ完全に消化された俺の身体の残骸。
「うぁ…ごっ!ごめんね、ごめんねぇ!…うぅ、うええぇええ!!!」
死を目前にして、やっと恐ろしさに気付いて、手がぶるぶる震えだすフウカたん。
そりゃそうだよ。ゲヘナには似合わない優しい子だもんねフウカたんは。
それからは、必死に空腹に耐えるんだ。耐えて耐えて、今までの思い出とか、出たらまずは何する?みたいにお話するんだ。
でも俺は多分もう死んじゃうし、出られたとしてもなんにもできないような身体だから、諦めはもうとっくについてるんだ。
ある日、返事が返ってくるのがすごく遅くなったフウカたんに危機感を覚えた俺は、芋虫みたいに無様に食器棚に突撃、包丁を喉に突き立てるんだ。絶対に死ねるように、何度も何度も何度も何度も。フウカたんを起こさないように必死に声を抑え、一人で死にゆくんだ。
死んでしまったら部屋の謎回復機能は発動しないんだ。むせかえるような血の匂いで目覚めたフウカたん。そして慟哭。まあ声もカッスカスなんだけどね…
なんで?なんで?なんで?なんで?ってもうほとんど機能停止してる脳で考えるんだ。
「ーーーーあぁ、私のせいか」
気づくのは早いんだ。あの時私のエゴで彼を生かしたから、彼は自らの手で終わらせたんだ。何度も包丁を突き立てて。痛かっただろう。苦しかっただろう。
逝くときも誰かのぬくもりの中死ぬのではなく、食器の冷たさに包まれ、孤独に逝ったのだろう。
そこまで考えて、特大の後悔を抱えるんだよね。
すぐに自分も逝こうと思っても、腕に力が入らない。死ぬのは怖いし、飢餓状態だからそもそも力が入らない。
ならダイブしようと思っても、ヘイローのおかげで軽傷で済むし謎システムのせいですぐに回復しちゃうんだ…
俺の最終回は、自殺した俺をフウカたんが泣きながら調理して終了。
謎部屋に残ったのは可愛いフウカたん、食器、俺の骨。
それからは毎日俺の骨に話しかけてくれるんだ。ありがとう、でも俺もうそこにいないよ…
それからまたしばらく経って、「あぁ、もう駄目だな」って悟るフウカたん。穏やかに死を待っていると、どんだけ頑張っても出られなかった忌々しい壁が壊れ、何か月ぶりかの外の空気に触れるんだ。
「フウカ!生きてる!?」
みんなの希望、先生登場!!with美食
そこで意識を手放せば、次に目覚めたは病院のベッド。あーあ、ギリギリ生きちゃったかぁ…寂しいけど、俺の分まで幸せになってねフウカたん♡
あ、あれ?なんで泣いてるの?なんで暴れてるの?なんで病院食食べないの!?
まあ美食の友情パワーでなんとかなるでしょう。めでたしめでたし!
これがきっかけでカニバニズムに目覚めてくれても美味しいけど流石にそこまでは趣味じゃないかもしれない(小並感)