イグアスがオールマインドにTSさせられるけど頑張る話 作:宮沢タフ
『協力に感謝します。では、次の出撃の際、指定する座標に到達してください。連絡をくれれば、我々が貴方を回収します。』
そう言われると、座標データが送られ、通信は切られた。
言い切ってしまった―
これで俺も、レッドガンを捨てていくことになるのだ。
しかし、五花海やオールマインドも言っていた「レッドガン壊滅は時間の問題」というのも間違いではない。
ここで抜けるのは仕方がない事なのだ―。
自分への言い訳を探しつつ、次の出撃が待ち遠しいような、来ないでほしいような、複雑な気持ちで数日を過ごした。
そして―
その出撃の日がやって来た。
同時に出撃するのは複数のMTと、五花海だった。
ヤツは俺に秘匿通信を送って来た。
『私は今回で抜けます。追わないでくださいよ。』
「ああ、分かってる」
そして出撃後、探索中―
『くっ、また封鎖機構の無人機か!?一体何機いるんだ!』
『おい、あっちからも!』
『クソっ、あまり芳しくない状況だな…あっオイ!五花海、どこへ!?」
『私はあちらの敵を片付けます。皆さんはこちらを』
『オイ!待て!五花海!一人で突っ走んな!』
戦局は泥沼だった。
やはり離反の決意をしてよかったかもしれない。
「俺が五花海を追う!お前らはここで待機してろ!」
そう言うと、アサルトブーストを点火させる。
『おい待て!イグアス!勝手な行動は―」
五花海が消えた穴を追いかけ進んだ。
『…イグアス、追いかけるなと言いませんでしたか?貴方は抜けないのでしょう?』
周囲に機影がいなくなったところで、前にいた五花海が通信をつないできた。
「いや、気分が変わった。俺は抜ける。だが、アーキバスにも付かん」
『一人でここから脱出するつもりですか?入り口は既にアーキバスに塞がれてますよ。』
「なに、考えはあるさ。」
と言い、指定された座標に機体を向ける。
これでそのまま迎えがこなかったら、野垂れ死ぬことになる訳だが…
あそこまで手の込んだ勧誘をしておいてそんなことはないだろう。ないと信じたい。
「じゃ、アーキバスに行っても達者でな。五花海。」
そう言って俺はその場を後にし、指定された座標へと向かう。
ベイラムの奴にも、アーキバスの奴にも合わないように。
しかし、流石に前線の方とだけあって、他の機影はほとんど見当たらなかった。
そうして、無事に指定されたポイントまで付く。
…ここからだ。
ここから先は、もう後戻りは出来ない。
ただ、俺は決めたんだ。
あのクソったれな野良犬を倒して、自分の優位性を証明する。
そのためにはなんだってする。
少なくとも、ヴォルタを犬死にさせたベイラムの元で一生飼い殺しに遭うよりかはよっぽどマシだ。
再度決心を固め、俺は通信装置に手を伸ばす。
番号は、前回と同じ。
番号を違わず入力し、回線を開く。
『……イ……ス、聞こ…ま…か?こ…ら、オールマ……ドです。イグアス、聞こえますか?』
「…ああ、聞こえてる。イグアスだ。とっとと俺を迎えに来てくれ…。
そして… その"力"とやらを授けてみせろ。」