コハルちゃんとは、えっち本を共有する仲なんです! 作:ペンギン3
「母音ってさ、あ行だけ子音が無いよね?」
「だから何よ」
「それってさ、母音は文字通りお母さんって意味だよね? か行からわ行に至るまでの子供を産んだってことにならないかな?」
「ま、まぁ、そう言えなくも、ない、の?」
「だってさコハルちゃん、KとAが合わさって”か”って一つの文字になるんだよ? 実質的に子作りだよ!」
世界の真理を、また一つ見つけてしまったかもしれない。五十音順であ行だけは大人で、その他の行はおせっせして誕生した子供なんだって思うと、何だかワクワクするよね? あれ、どうしたのコハルちゃん、そんなに真っ赤になって。文字同士の交尾に思いを馳せてるの?
「へ、ヘンタイ過ぎ! エッチなのは禁止、死刑!!」
「そうだよね、文字列えっち過ぎるよ」
「アンタに言ったの、ヘンタイメブキ!」
私の性器の発見に対して、コハルちゃんは地団駄を踏んで悔しがっていた。多分、私の方がドスケベ文字列配列学会での序列を上げてしまったことを、とても悔しがってくれてるんだよね。でも安心して、コハルちゃん。この学説は、コハルちゃんと連名で発表したいなって思ってるから。
「誰もこんなこと、思いついてないと思うの。でも、この答えに行き着いたのは、コハルちゃんが何時もえっちで居てくれたお陰。だから、ありがとうコハルちゃん!」
「な、なぁ!?」
猫さんみたいなコハルちゃんのお目々が可愛くて、頭ナデナデしようとしたらシャーされちゃった。どうしたの、発情期? ネコハルちゃん、怖くないから警戒しないくてもいいんだよー。
「ネコハルちゃん、しーしーする?」
「お外でするのはアンタだけ! 一緒にしないで!!」
「あ、そんなこと言っちゃうんだ。ならコハルちゃんもおもらしして、親友でしょ!」
「嫌に決まってるでしょ、バカ!」
身構えるコハルちゃんに対して、私は懐から紙パンツを取り出した。そうだよね、直におもらしなんてこの世の終わりみたいな気持ちになるよね? 私は優しいから、コハルちゃんに紙パンツを穿かせてあげた上で、カフェイン塗れにしてあげるね。……紅茶ばっかり飲んでたら、おしっこの色も紅茶色になるのかな?*1
「コハルちゃん覚悟~!」
「なんで紙パンツ持って突っ込んでくるのよ、死刑!」
30秒後、そこにはコハルちゃんに押さえつけられて地に伏した私の姿があった。やっぱり、コハルちゃんは強いね。でも、今回はタダでやられたんじゃなくて、ちゃんと戦果を上げたんだよ!
「ふへへ、よく似合ってるね」
「フザケないで! なんで頭に紙パンツ被せたのよ!」
「お股に穿かせるより、難易度が低かったから?」
「ば、バッカじゃないの。何か生暖かいし最悪!!」
取り押さえられながら、私はコハルちゃんの頭に紙パンツを被せた。ヘンタイさんっぽくはないけど、おマヌケさんな格好なのは間違いなくて。写真が取れたら、スマホの待ち受けにだって出来ちゃうくらい、今のコハルちゃんの頭は悪そうだった。
「今のコハルちゃんのIQは5くらいだね」
「メブキなんてIQ2の癖に!」
「私のIQ、射精してる男の人と同じなの!?」
「永遠に補習してなさいよ」
否定したいけど、小テストだけみても成績はとっても悪い。じゃあ私の頭、本当に常に射精しちゃってるの? 勉強して知識を得る度に血流が脳に溜まって、寝ている間にビクンビクンして翌日に全部老廃物として知識が消え失せちゃってるのかな……。
じゃあ私の心の中に住んでるイマジナリーお姉ちゃんも、一緒にビクンビクンしちゃってる? もしそうだったらごめんね、イマジナリーお姉ちゃん*2。
「コハルちゃん、頭の射精を止めるのって、どうすれば良いの?」
「女の子なのに、そんなことできる訳ないでしょ。ヘンタイ」
「え、でも、私のIQが2だってコハルちゃんが」
「なんでそれでアンタの頭がずっと射精し続けてることになるのよ! それなら賢者タイム? とかいうやつで、もっと賢くなってるはずじゃない!」
「あ、確かに!」
そっか、男の人は出す度に賢者タイムってのになって賢くなるらしいしね。私の頭が悪いのは、ずっと頭が知識を老廃物として射精してるからじゃなくて、単純に私の頭が悪かったんだ。あー、良かった!
……あれ、それって余計に救いが無くなってる?
「コハルちゃん、私の頭が悪すぎておかしくなりそう」
「アンタの頭なんて、何時だっておかしいじゃない。あほあほメブキ」
私は釈放されて、コハルちゃんの頭に被さっていた紙パンツはそのまま押収された。さようなら紙パンツくん、いつかコハルちゃんを助けてあげてね?
「……ところでコハルちゃん。私ね、今から夏の思い出を作っておきたいんだ」
「まだテスト前なのに?」
「テスト前だから、だよ」
さっきの会話で、一つ決めたことがあった。そう、それは今の内に、遊び倒しておかなきゃってこと。どうせ夏休みは赤点補習で全部消えちゃうから、みんながお勉強してるこの間に私は遊んじゃう。
ちょっと寂しいけど、そうじゃないと私の夏は勉強に寝取られた挙句に、私が先に好きだったのにってされちゃう。せめて寝てないと、寝取られって言わないからね。……あれ、私が勉強に寝取られてるのかな? うーん、言語って難しいねイマジナリーお姉ちゃん*3。
「そういう訳でね、コハルちゃんも一緒に遊ぼ?」
「ふーん、何するの?」
「海に行ってー、かき氷食べてー、花火見てー、お祭りするの!」
「こんな時期にやってる訳ないじゃない、海とかき氷だけね」
コハルちゃんは何を言ってるんだろう。そんな筈ないよね、世界はあなたが思ってるより、ちょっとだけ優しいらしいし。きっと私にも、補習前の優しさを分けてくれるって思うんだ!
「きっと何とかなるよ、一緒に行こう!」
「面倒くさい」
「ひどいよ!?」
あまりに素っ気なく、興味もなさそうなコハルちゃん。多分、ついてきてくれなさそうな雰囲気。まるで、攻略を終えたヒロインには興味を無くしちゃうエロゲーマーみたい。酷すぎるね?
ふーん、ふーーん! コハルちゃんがその気ならもう良いもん。私にだって、友達は沢山いるんだからね。後で私の方が先に好きだったのにって言っても、もう遅いんだから!
「コハルちゃん、私がコハルちゃんのモモトークに、アヘ顔ダブルピース送っちゃっても知らないんだからね!」
「いらない」
「信じて送り出したメブキちゃんが、コハルちゃん以外の友達に変態調教されてアヘ顔ダブルピースレターを送ってもいいって言うの!!」
「いらないって言ってるでしょ! 死刑!!」
私は激怒した。彼の邪痴淫虐のコハルちゃんを、必ず後悔させてあげないと気が済まないくらいに。キラキラ青春してる写真を送りつけて、コハルちゃんの勉強の邪魔だってしちゃうんだからね!
『シミコちゃん、一夏のアバンチュールをしに海に行こうよ! あと、帰りに足湯に寄ってペロペロさせて?』
『メブキさん、テスト勉強は大丈夫なんですか?』
『諦めたから、今の内に遊ぶんだよ!』
『諦めちゃダメです、頑張って夏休みを迎えましょう。私も勉強してますから』
『無理だよ』
『諦めるのはメッ、です!』
『……にゃあん』
ふ、ふへへ、シミコちゃんは真面目さんだね? でもしょうがないね、シミコちゃんテスト勉強中だし。無理強いするのは、酷いことだしね。きっと次は大丈夫な気がするし、次だね次!
『ウイ先輩、キラキラ美しい青春がある海に行きましょう! 先輩の身体も天日干ししてあげますから!』
『テスト前』
『先輩は勉強しなくても大丈夫ですよね?』
『メブキが大丈夫じゃない』
『この夏最後の思い出作りです!』
『嫌、外に出たくない』
『ウイ先輩、元カノのよしみで来てください』
『付き合ってる事実自体無いから』
『先輩のせいで、脳が破壊されてバカになっちゃったんですよ!』
『メブキの頭はずっと悪かった』
ウイ先輩はあまりに非情なメッセージを最後に、返事を返してくれなくなった。ちゃ、着信拒否とかされてないよね? きっと大丈夫だよね?
ごめんネコってスタンプを送ると、気をつけてとだけ返ってきた。ちょっと一安心、ウザくてごめんね?
『マリーちゃんの可愛い水着が見たいから、海に行こうよ!』
『メブキさんは、どうして私に水着を着せたがるのでしょうか?』
『お清楚なマリーちゃんの素肌が見たいから』
『メブキさん、不埒なのはいけないことなんですよ』
『イケナイのは可愛すぎるマリーちゃんだよ?』
『困ります……』
『あ、ごめんね。困らせちゃうのはダメだよね』
『いえ、困らせられる種類といいますか。不埒なこと以外では、メブキさんの助けになれればと思っていますよ』
『えへへ、じゃあ困った時にマリーちゃんに助けてって言うね?』
『はい、その時は解決の一助を担えればと思います』
ほのぼのした気持ちで、メッセージのやり取りを終える。マリーちゃんのお陰で、私の破壊されてた脳も大分回復してきたよ。これなら、勉強しなくてもテストで満点取れちゃうね。もし補習を免れたら、マリーちゃんの銅像を聖堂に建てなきゃだよ。スク水マリーちゃんの銅像、みんなで崇める日が楽しみだね!
『ヒフミちゃん、あのね、海、一緒に来てくれるかな?』
『メブキちゃん、どうしたんですか?』
『夏の思い出作りがしたくて』
『そうなんですか、それならテスト明けに一緒に行きましょうか』
『えっと、テスト前じゃダメかな?』
『え、どうしてでしょう?』
『多分、赤点取ってずっと補習してると思うから、今の内に遊びたくて……』
『メブキちゃん、やる前から諦めるのはどうかと思います』
『そうだね、うん、そうなんだけどね……。あ、ごめんね』
『め、メブキちゃん?』
ちょっと気まずくて、ヒフミちゃんとのモモトークを一旦中断する。そうだね、勉強して足掻いておくのが正しいって、分かってはいるんだ。でもね、ちょっとずつの積み重ねが勉強なら、私はその積み重ねを全然してきてないから。もういっかって気持ちになって、現実逃避だってしちゃう。
これでトリニティの偉い人の大事なところをペロペロするだけで単位がもらえるのなら、全然ペロペロしちゃう……のは、流石に気が引けるね。やっぱり足舐めが1番なんだよ。
『ヒフミちゃん、ありがとう。これからペロロ様に倣って、偉い人のえっちなところを舐めに行こうと思うの』
『ペロロ様はえっちなところを舐めません、舐めないで下さい!』
『でもネットの掲示板で、ペロロ様はあの長い舌を使って偉い人に取り入り、主役の座を手に入れたって書いてあったから……』
『それアンチ掲示板です! あんなの見てたら心を病んじゃいますから、見ちゃだめです!』
確かに、その掲示板ではペロロ様の悪口が沢山書かれていた。思わず読み込んでムカついちゃったから、"ペロロ様はクンニが君たちより100倍お上手。ここにいる全員ペロロ様の舌姉妹の癖に、お生意気に悪口で性欲を発散されているのかしら? 偶にはお一人でお股をお擦りあそばせてはどう? ま◯こ"とカキコしてそのまま逃げた覚えがある。くしょがよぉ……*4。
『うん、辛かったからもう見ない』
『メブキちゃん、今度ペロロ様のペロペロ交流会がありますから、一緒に行きましょうね。嫌なこと、全部それで忘れちゃいましょう!』
『ヒフミちゃん……うん、ありがとう。色々考えてみるね』
『はい、困ったらいつでも呼んでください。勉強で分からないところも、精一杯サポートしますから』
ヒフミちゃんも、私に優しかった。手伝ってくれるって言ってくれてるし、ヒフミちゃんは約束を守ってくれる女の子だから。
でも、どうしよっか。このまま素直に勉強始めると、コハルちゃんに笑われた挙げ句、勉強と寝た女の子扱いされかねない。しかも勉強した上で赤点だったら、ウマシカ呼ばわりされて永遠の晒し者になっちゃう。もしそれで退学になったらね、私エロゲソング歌手として生きていこうって思うんだ。イマジナリーお姉ちゃんも、一緒にデュエットしながら活動しようね?
『ウキウキキツネちゃん、勉強してもバカにされない方法って知ってるかな?』
『こちらウキウキキツネ、マンチカンの問いに応答する。勉強して馬鹿にされる意味が分からない』
『えっとね、コハルちゃんって友達に勉強なんてしないって言っちゃったんだけど、やっぱりすることになっちゃって』
『嘘を吐いたことになるから、後ろめたいということ?』
『うん、そうかも』
『なら、反意した旨を伝えればいいと思う』
『でも、アヘ顔ビデオレターを送る約束、しちゃったから……』
『何、それ?』
『こんなの!』
アズサちゃんに、前に練習していたアヘ顔ダブルピースの写真を送ると、それからお返事が返ってこなくなっちゃった。え、アズサちゃん、もしかして脳破壊されちゃったの?
本当は私のことが好きで、なのに素直になれなくて、急にこんな写真を送られてビックリしちゃったのかな。でも、もしそうなら誤解を解かないと。私はまだ処女で、彼氏も彼女もいないんだからね。彼女さんになりたいなら言ってね、私は私のことが好きな人が好きなんだからね!*5
『アズサちゃん、アズサちゃんと一緒にアヘ顔ダブルピースしようって思ってるから、勘違いしちゃヤだよ!』
よし、メッセージ送信。これで、もしかするとアズサちゃんが、プロポーズしてくれるかもしれないんだね。恋してないのに失恋したばっかりだから、今度こそは幸せになりたいね!
あ、携帯に着信だ。えへへ、アズサちゃんったら即決だね!
「もしもしアズサちゃん?」
「残念だけど、私だよ」
「あれ、先生?」
スマホを見ると、ちゃんと先生のモモトークから掛かってきている。そっか、いいタイミングだから勘違いしちゃったね。
「メブキ、今すぐシャーレに来れる?」
「ふぇ?」
「きっと、メブキの力になれるから」
「あ、ごめん先生。いまね、アズサちゃんともしかしたらダブルピースするかもしれないの」
「……メブキ、それは変態的な行為だと先生から聞いた」
「あ、アズサちゃん!?」
どうしてだか、先生の携帯からアズサちゃんの声がした。え、なんで? どうして?
「アズサもこっちにいるから、一緒にお話しよう」
「せ、先生……わ、分かった。今すぐそっちに行くね」
声が震えて、身体もバイブの様に震えてた。だって、だってこれ――。
ね、寝取られ展開だよね、絶対!!*6
狂いそう!