コハルちゃんとは、えっち本を共有する仲なんです! 作:ペンギン3
コハルちゃんが家を出てっちゃった。私、知ってるよ。こういうのを別居って言うんだよね。
倦怠期で不倫する前兆ってえっちなマンガに描いてあったし、きっとこれからコハルちゃんは、ドスケベしにキヴォトス中を歩き回るんだ! 酷過ぎるよ!!*1
ふんだ、コハルちゃんがそのつもりなら、こっちにも考えがあるもん! 私にだって、元カノはいるんだからね!
「そういう訳でウイ先輩、私と不倫をしてくれませんか!*2」
「だ、誰?」
そうして、私は大好きで久しぶりなウイ先輩の元までやってきたのだけど、古書館にいた先輩は記憶喪失になっていた。なんかクマも濃いし、ずっとおにゃにーしちゃって記憶が飛んじゃったのかな?*3 私を見る目だって、なんか怖がってるし……知らない人を見る目になっちゃってるよね。
……あれ、もしかして今なら、恋人としての記憶を植え付けることもできちゃう? 元カノじゃなくて、今カノにウイ先輩がなってくれる?*4
……そうだね、元々ウイ先輩は私の彼女さんじゃないのがおかしいんだし、そっちの方が自然だもんね。か、彼女さんになってくれなかったウイ先輩が悪いんだよ!*5
「あなたの愛しの彼女さんの、春風メブキですよ? ウイ先輩……ううん、ウイは昨日ね、私とえっちしてる最中に気持ち良すぎて意識が飛んじゃったのと一緒に記憶も飛んじゃったの。性器のミステリーだね?」
「この厚顔無恥なまでの図々しさ……間違いなくメブキっ」
「あれ、ウイ?」
「よ、呼び捨ては厳禁、先輩は敬って。あと、メブキの彼女なんて煩くて耳が壊れるから嫌」
「あれれ?」
私の愛の力が伝わってしまったのか、先輩の記憶が戻っちゃった。いつもの、ちんちんしながら歩いてる猫さんを見たような、そんなウイ先輩の私を見る目。えへへ、なんか帰ってきたって感じがするね?*6
「私はウイ先輩の彼女ですよ?」
「う、嘘吐きっ。そもそも、最初に言ってた不倫してって言葉と矛盾してる。……メブキ、彼女できたの?」
猫さんを見る目が、ゴミを見る目に変わってる。そうだよね、不倫はダメってDies iraeでも言ってたしね。……マリーちゃんって名前の女の子は、全員聖女様の資格があったりするのかな?
「これからはウイ先輩一筋だから、安心してくださいね!」
「世界一信用できない上にいらない……」
「私だけじゃなくて、今ならなんと! このウイ先輩棒まで付いてきちゃいます!!」
「は?」
世界一のセールスウーマンマンの才能がある私はすかさず、とっておきの逸品を取り出した。──ウイ先輩棒、私の愛棒。きっとこれなら、私がどれだけ先輩を想っているか証明できちゃうよね!*7
「見てくださいこのつぶらな瞳! ウイ先輩の怠そうなおめめとはまた違った良さがありますよね!」
「こ、これは?」
「電気マッサージ器、ウイ先輩棒です。私のウイ先輩への愛が形になったんですよ!!」
「ご、ゴミ」
「ゴミじゃないよ!」
ウイ先輩に取り上げられそうになったウイ先輩棒を、必死になって抱える。私の愛をゴミにしようとしないで、ウイ先輩!*8
「ほら、先輩棒はちゃんと震えるんです、生きてるんです! スイッチ入れると……ほら、震えてますよね?」
「私は怒りに震えそう……」
「えっとね、先輩。えっちなマンガで読んだの、怒ナニーし過ぎると怒りを興奮と勘違いした身体が勝手にえっちになっちゃうって。淫乱になっちゃうんです、先輩は。だから、いっぱい怒っていいですからね?*9」
きっとね、そういう両想いのなり方もあると思うの。ウイ先輩、私はあなたのASMRを聞いた時に心が堕ちちゃったから。もう責任をとって、春風メブキ大好き委員会に入るしかないんだよ? ね、イマジナリーお姉ちゃん!*10
「はい、プルプル〜」
「あ、や、やめっ!?」
怒ナニーしようと、プルプル震えかけていた先輩をもっと震えさせようとして、私は背中にウイ先輩棒を挿入した。……膣に入らないから、挿入って言うとなんかおかしいね?
ついでに、ひしっと抱きしめてスリスリもする。久しぶりのウイ先輩、相変わらずコーヒーと紙の匂い。なんか落ち着く、年上系彼女の匂いだぁ……*11。
「ウザすぎる、早く離れて!」
「ウイ先輩は、存在してるだけで私を誘惑しちゃうんだよ?」
「さ、最悪すぎ……久しぶりに帰ってきたと思ったらこれ、以前よりも酷くなってるっ」
「あとちょっとだけ、こうさせてください!」
「……はぁ、好きにして」
「ウイ先輩を好き勝手にしていいの!?」
「っ、やっぱり離れて!」
「あ、ウソです! 代わりに、私の体を好き勝手にする権利あげるから許して!」
「全部全部、ゴミ箱行き!!」
そうして、ウイ先輩の背中で存分にスリスリが終わった私は、ウイ先輩棒のスイッチを切った。本当は、お股に当てるのが正しい使い方だけど、ウイ先輩に嫌われたくないから我慢したよ!
「ふへへ、ふへへへへ」
「笑い方までキモい……」
「ウイ先輩に籠絡されちゃった!」
「無実の罪までこさえないで」
でも、ウイ先輩のお顔は何だか微妙な感じ。……やりすぎちゃったかな? 先生に、マリーちゃんにべちゃべちゃしすぎちゃダメって言われたのに、おんなじ間違いブチ犯しちゃったの?*12
「あ、あのねウイ先輩。私ね、ウイ先輩のことがたくさん好きで、全然会えてなくて寂しくて、会えて嬉しくてスリスリしちゃって、気を引こうと思ってウイ先輩棒を使ったの。……ウザくてごめんなさい」
最近、直ぐにはしゃぎすぎちゃう。ダメだって分かってるのに、調子に乗っちゃうの。……こんなの、変身ヒロインモノの竿役だよ、私。
「……メブキの悪いところは、直ぐに自己完結してしまうところ。まず、相手の話を聞くところから始めてみて」
「ウイ先輩?」
気怠そうに、けど優しく。ウイ先輩は私にこうだよって教えてくれた。ナデナデもしてくれるかなって頭を差し出すと、そっと押し戻される。私って、クーリングオフできちゃう生物だったんだね。イマジナリーお姉ちゃんは、シマエナガちゃんをクーリングオフしちゃダメだよ?*13
「メブキはウザいし、人の話は聞かないし、頭が悪い」
「すごいね、何一つ良いところがないや!」
優しくされたと思ったら、先輩は直ぐに私を刺しにきた。DV? ウイ先輩とは、お付き合いじゃなくて結婚してたの? 私、何が現実か分からなくなりそうだよ!
「でも、居ないと……少しだけ、寂しい。静かな方が良い筈なのに」
「先輩……」
そう言われて、なんか心がこしょこしょした。ウイ先輩のASMRを聞いた時みたいに落ち着かなくて、ぎゅーってしたくなる感じ。何というか、嬉しいって気持ちが溢れてるの*14。
「あのね先輩、ぎゅーしても良いですか!」
「シミコ相手にでもやって」
「シミコちゃんにもするよ!」
「……はぁ」
凄い深い溜息を吐かれちゃったけど、コーヒーを入れてくれてる間だけ、ウイ先輩はぎゅーを受け入れてくれてたよ。やっぱり、持つべきものは年上系元カノ先輩だね!
「それで、今日は本当にあの馬鹿馬鹿しい理由だけで来たの?」
「えーとね、本当はお中元をウイ先輩に届けに来たの」
「…………あのふざけた電気あんま器、早く渡して」
「? ウイ先輩、欲求不満なの?」
「スクラップにするから」
ウイ先輩は、中々にファックなファッションセンスをしてるね。ウイ先輩棒をストラップにするなんて、先輩棒が本来の使い方をされなくて泣いちゃうかもしれないよ?*15
「ごめんね、先輩。これはとっても大事なものだから、大切にしてくれてもあげられないの」
「め、名誉毀損で訴える」
「……自分なら、もっと上手に女の子を気持ちく出来るってこと?」
「そういうところ!」
ウイ先輩の言うことは、賢い人だけあって難易度が高めなことが多いね。でもね、何があってもウイ先輩棒は愛棒なので渡せないの。だから、私は代わりにウイ先輩のお耳にイヤホンをつけた。今回私がお歳暮として持ってきたのは───ASMRなんだよ*16。
「え、な、何?」
「ウイ先輩、先輩は私の恋人さん……そう言う設定で聞いてね?」
「訳、わかんない」
「大丈夫です、ちゃんと分からせられますから!」
イヤホンと繋げたスマホの画面を押して、ASMRを開始する。ゆっくり私の恋人になって、戻ってきてね?
『君と恋人になって、もう一年だね。今日はね、恋人記念日として学校はお休みなの。権力の味ははちみつの味、プーさんも大好きな理由が分かっちゃうね?』
「?」
『今日はね、君のためにローションプールを拵えたんだよ。一緒にヌルヌルしようね! ほら、スク水に着替えて着替えて! なんでスク水かって? ……それはね、メガハナコちゃんを讃えて、水着はスク水以外取り扱い禁止になっちゃったからだよ?』
「??」
『今日は私がお弁当を用意してきたの! 本当はカレーにしたかったけど、お弁当には向かないかなって思ってね。うんしょ……はい、これ、鰻のタレご飯だよ。これを食べて、性欲沢山つけてね?』
「???」
『にゃんっ♪ 君のなでなで気持ち良すぎて、わたし猫になっちゃう! 君、猫になった私に何させるつもりなの? ねこ喫茶はね、ねこ版のキャバクラだから、そんなところで働かせたらダメなんだよ! 月一で行ってる私が言うんだから、間違いないんだよ! あ、だめっ、気持ち良すぎてキャバクラで働いちゃう! にゃーーーーーん!!!』
「????」
ウイ先輩は、静かにイヤホンを外した。感想なんて言ってくれるかな、ちょっとドキドキしちゃうね!
「分かってくれましたか、ウイ先輩」
「私と同じ言語を喋ってる筈なのに、何一つ分からなかった」
「……哲学的なお話ですか?」
「確かに哲学的だった……こっちが意味を探させられるという意味合いでは」
ウイ先輩は、とっても賢い女の子だった。先輩に楽しんでもらいたいと思っていたASMRで、深淵な思索へと旅立っちゃうなんてね。なら今度は、もっと頭が賢しこする内容の方が良かったのかもしれない。ちゃんと、ウイ先輩のレベルに合わせたものを作らないとだよ!
「次は頑張りますね!」
「……やる前に、一回台本持ってきて。一度赤ペン入れるから」
「ほえ?」
どうしたんだろう、先輩。……もしかして、自分で創作する気持ち良さに目覚めちゃったの? だったら、ちょっと楽しみだね。ウイ先輩がエロゲーのシナリオライターとかしてくれたら多分、天使の羽根を踏まないでっ、みたいな作品が出来上がるだろうし。
「えへへ、先輩の台本、世界で一番えっちに読んであげますね?」
「赤ペンって言ってる! 自分で作ってから、持ってきて!!」
こうして、私はウイ先輩との共同作業のために、魂の台本を作ってまた古書館を訪れたよ。台本を受け取った先輩は、凄い勢いで台本に赤で消したり書き足したりしていく。ウイ先輩ってば、こんな風なセリフを私に言って欲しいんだね。すごく参考になる、先輩の性癖開示展だよ、今日は*17。
「それで……いつから、百合園セイアと繋がりができていたの? 身体、乗っ取られて問題ない?」
イマジナリーお姉ちゃんが日記に、お菓子を持っていきなさいと書いてあったから、スーパーで買ったベビーカステラをもぐもぐしつつ、お話もしていた。お姉ちゃんのこと、ウイ先輩も気になってるの?
「イマジナリーお姉ちゃんはね……」
「い、イマジナリーお姉ちゃん?」
「イマジナリーお姉ちゃんは、イマジナリーお姉ちゃんだよ!」
「…………分かった、理解しようとしない。話を進めて」
「うん!」
エロマンガ島に旅行に行く下りに全部赤ペンされ、悲しい気持ちになりつつ答える。せめて、チンチンという乾杯の挨拶が消されないことを祈りながら*18。
ずっと、イマジナリーお姉ちゃんとは一緒だったこと。私は、イマジナリーお姉ちゃんの妹なこと。身体は時々眠たいだけで、今日もカレーを沢山食べてきたこと。最近、晩御飯を食べないで、イマジナリーお姉ちゃんにご飯を代わりに食べてもらおうって計画して、すっごく日記でお説教をされちゃってたこと。でも、美味しいよっていうのも一緒に書いててくれたこと。
なんか嬉しいことも多いから、交換日記始めて良かったって思ってる。イマジナリーお姉ちゃん、これからも沢山書くからよろしくね!*19
「最初から……それも妹。でも、春風メブキと百合園セイアで名字が一致していない。それは、どうして?」
「えーとね、うんっとね……」
実は私、転生者だったんです! これは、コハルちゃんにだって話していない秘密。もし明かしちゃうなら、コハルちゃんが一番最初って決めてるし、大好きなウイ先輩でも言えないこと。だから、私はね……。
「お姉様なんです、イマジナリーお姉ちゃんは!*20」
「は?」
私はイマジナリーお姉ちゃんに手篭めにされて、妹にされちゃったというカバーストーリーを打ち立てることにした。にゃんにゃんされすぎて、ねこねこメブキにされちゃったんですとも添えて*21。
「元々、私とイマジナリーお姉ちゃんはロリ狐同好会に所属していて*22、あっ、これは図書委員会ともドスケベ文字列配列学会とも違うんですよ?」
「図書委員会を一緒に並べないで」
「それでね、ロリ狐同好会会長の座を巡って、私とイマジナリーお姉ちゃんは戦ったんです。勝った方がお姉様、負けた方が妹だって約束を交わして*23」
「疲れ切った日に見る悪夢か何か?」
「そうしてね、私はイマジナリーお姉ちゃんとの淫語ラップバトルに負けて、屈服されられちゃったの。それが妹になった経緯だよ!*24」
「まともな情報が何一つないっ」
全てを語り終わった後、ウイ先輩は頭を抱えて蹲っちゃってた。
頭が良すぎると、脳が地球の公転ぐらい回っちゃうのかもしれない。そんなにグルグルしたら、頭がパーンってなっちゃうよね。私も合宿中に何回かなったことあるから、ウイ先輩も気をつけてね*25。
「QED、ドスケベ証明だね」
「一から十まで嘘つき、メブキにまともな答えを求めた私が間違ってた……*26」
何故か私の語ったストーリーがウソっ子だって、ウイ先輩には見破られてた。名探偵なのかな、凄いね?
でも、真相はイマジナリーお姉ちゃんが持ってて、これ以上私に聞いても"シスコン過ぎるお姉ちゃんは私のことが大好き過ぎて、家まで買ってくれる狐な件について 〜私の妹は宇宙一可愛い猫なんだ〜"の内容しか出てこないよ! イマジナリーお姉ちゃん、その内この本を自費出版するかもしれないから、お小遣いちょうだいね!!
「……一応聞かせて、メブキ。百合園セイアに取り憑かれて、問題はない?」
「うん!」
みんなが聞くように、ウイ先輩も尋ねてきた質問。それに力強く返事をすると先輩は、それ以上わたしとイマジナリーお姉ちゃんのことについて聞いてこなかった。ふぅ、なんとか誤魔化しきれたね!*27
「コーヒー飲んで、今日は帰って。この後、すごく嫌な用事があるから……」
疲れたってお顔で、ウイ先輩はそんなことを言う。お砂糖どばーっとしながら、ちょっと首を傾げちゃった。そういえば先輩、合宿中に変なモモトークを送ってきてたもんね。……先輩、変な間男さんに身も心も開発されてたりしないよね?
「先輩、苦しかったら言ってね? 私、ウイ先輩のことが大好きだから、いっぱい力になるよ。えっちなこと以外!!」
「メブキは居ても足手纏い」
「先輩、お腹ポンポンする? なんか、しんどそうで……」
「大丈夫……でも、ありがとう」
代わりみたいに、私の頭を先輩はポンポンしてくれた。アニマルメブキセラピー、できてるかな? 少し、しんどいのどっかに行ってくれたら良いけど。
「先輩、ASMRの収録が終わったら、また来るね!」
「ちゃんと台本通りに読んで、余計な喘ぎ声を入れたら許さないから」
甘くなったコーヒーをごっくんして、私はウイ先輩にバイバイする。手は振り返してくれなかったけど、遠回しにまたねって言ってくれてる辺り、ウイ先輩はツンデレさんだね。
私の周りには、コハルちゃんにウイ先輩とツンデレさんが多くて困っちゃうね。私がエロゲーを通して、人並み以上の読解力を得てなかったら、どうしちゃってたんだろうね、ほんと*28。
そんなことを考えながら、古書館を出る時のこと。
「こんにちは」
「あ、え? えっと、こんにちは……」
何だかとっても胡乱な笑みを浮かべたシスター服のお姉様が、古書館前に立っていた。多分、ウイ先輩に用事があるんだよね。
「春風メブキさん、あなたの一日が平穏でありますように」
え、なんで私の名前知ってるんですか? そんなことを聞く暇もなく、スルリとその人は古書館の中に入ってっちゃった。……な、なんか、不思議な人だったね?
……ウイ先輩が言ってた嫌な用事って、あの人関係のことなのかな? もしかして、あの胡乱なお姉さまに、ウイ先輩は調教されて妹にされようとしてるの?
──ま、まさかね、ウイ先輩は先輩で、年上彼女属性がとってもあるもん。あのお姉さまに屈服させられて、年上系妹にされちゃうなんてあり得ないもんね!
……一応、シミコちゃんにモモトークしてから帰ろうかな*29。
◯月◯日
今日はウイ先輩に、完成したASMRの台本を見せに行ったところ、およそ九割にも及ぶ改訂が行われました。それにショックを受けなかったと言えば嘘になりますが、実質的にウイ先輩の手作り台本だと考えるとウキウキメブキになってしまいます。
私がこれを読み上げて完成した作品は実質上のウイ先輩との愛の結晶、子供と言っても過言ではないでしょう。ずっと待ちかねているだろうアズサちゃんには、このASMRを持っていこうと思います。ウイ先輩はシャイなのでイヤラシさは足りませんが癒し成分は十分だと思いますし、ピュアなアズサちゃんにはこれくらいがちょうど良いのかもしれません。
イマジナリーお姉ちゃんにおかれましては晩御飯を抜くのはNGとのことで、イマジナリーお姉ちゃんが食事を取れないことに申し訳なさを覚えますが、代わりにお菓子でも作る練習をしてみようと思います。近いうちにシャーレに赴いて、フウカたんとコンタクトが取れればと思っています。お菓子、楽しみに待っててくださいね。
あなたの愛する妹より ち◯ぽ
◯月◀︎日
君のお菓子を楽しみにしてること、友達と仲良くしてるようで微笑ましく思っていること、カレーばかり食べていて心配なこと、様々書きたいことはあるけれども最初にこれだけは指摘させて欲しい。手紙の最後に添える言葉はかしこであって、男性器を添えるべきでは断じてない!! 前に女性器ではないと書いたら次は男性器、君は語感だけで言葉を選んでいるのか!
出来ればこんなこと、君と心を通い合わせられるコミュニケーションの場で書きたくはなかった。誠に反省して、一から作法を学び直して欲しい。
それはともかくとして、君にプレゼントの選択を任せた私が愚かだった。こんなことならば、素直に日頃の感謝を手紙に認めて送れば良いと指示すればよかったと後悔している。文字の方が、まだウイも可愛げを見出してくれるだろうからね。
今日は先生に会ってきた。私もすっかりカフェオレをご馳走になっているので、君から私が美味しかったと言っていたことを伝えて欲しい。毎日先生とカフェオレを飲めたら、コーヒーも苦手ではなくなりそうだよ。
君の日常を見守ってる姉より
追伸:耳かきをしなさい