コハルちゃんとは、えっち本を共有する仲なんです! 作:ペンギン3
ヒフミちゃんって免許持ってたんだね。実は、ちょっと無免許運転だと思ってたから、素直に驚いちゃった。キヴォトスって、子供でも車の免許が取れるんだね、私もマジックミラー号を運転するために、免許取ろっかなぁ。
「メブキちゃん! アズサちゃん! 海ですよ、海!」
「うーーみーーーーっ!*1」
そうして、ヒフミちゃんが運転するクルセイダーちゃん(戦車、性別ふたなり女の子)に乗って*2、私達はとっても青い世界へとやって来たの。
気がつけば、あげあげテンションなヒフミちゃんと一緒に、私もいっぱい大声で叫んじゃってた。海、あれほど待ち望んでた、もう補習前には無理じゃないかなって思っちゃってた海!
ザザーって聞こえる波の音、夏って感じの空気とにおい、クソアツなお日様。全部が全部、知ってそうで知らなかった夏景色! 海岸にいる人たち全員水着だし、ヒフミちゃんやアズサちゃんもカワカワ水着! 最高な一夏が始まっちゃったね! 凄いね!
「ほら、アズサちゃんも叫ぼ? 嬉しいことも楽しいことも、えっちな単語だって海は聞き入れてくれちゃうの。
イマジナリーお姉ちゃん、クスコーーーッ!*3」
「うん、海だ」
海に来て、テンションお魚になりかけている私と違って、アズサちゃんはいつも通りのままだった。こんなにフリフリで可愛い水着を着てるんだから、先生チュッチュってくらい叫んじゃえば良いのに。もしかして、こっそり緊張しちゃってるのかな?
だったらね、とっても良い処方箋があるよ!
「せんせー! アズサちゃんに、可愛いねって言ってあげて!」
「っ、メブキ!?」
「うん、アズサは可愛いよ」
「せ、先生……」
ふふ、勝ったよ! お澄ましアズサちゃんが、そっとほっぺを赤くしたもんね。ちゃんと照れてる、アズサちゃん可愛いなぁ*4。
「メブキもヒフミも、それにツルギにマシロもね。みんな素敵な水着だよ」
「わ、私たちもですか!?」
「えへへ、先生ありがと! コハルちゃんと選んだやつだから、可愛さも二乗なんだよ!」
私やヒフミちゃんも、先生に褒められてキャッキャって喜んじゃう。先生は女心をよく分かってるね、ハーレムポイントが10くらい加算されたよ。目指せ、モテモテえちハーレム!*5
それから、私達以外のもう片方。正実(コハルちゃんはいない)の二人組は、先生の言葉を聞いてね……喜んでる、よ?
「な、なんだか暑いですね。夏の日差しのせいでしょうか?」
片方はマシロちゃんって子。普段からスカートが短くて、屋上にいた頃に一生懸命パンチラを見ようとしてたの。でも、何故だかマシロちゃんのスカートは重力に囚われてて、全然見えなかったんだ。いま考えると本当に犯罪だし、見えなくて良かった!*6
「はぅ? 可愛い? 先生が? 私に!?
ふふ、うふふふふふ──きゃあああああ!!!」
とっても可愛らしい悲鳴をあげながら、海に飛び込んで行ったのは正実部長の剣先ツルギ先輩。まるでサメみたいに、超高速で水飛沫を上げながら泳いでる。なんかスペクタクルを感じちゃうね?*7
テイルズサガクロニクルで苦戦した、海マップのサメさんを思い起こさせられる光景。これは勇者だって沢山死んじゃうよ。戦闘の途中で、一般通過ドラゴンを捕食してパワーアップした時は、どうしようかと思っちゃったよ。
ドラゴンの弱点も吸収しちゃったことに気が付いて、コハルちゃんが逆鱗に塩を塗りたくらなかったらどうなっていたことか*8。
「そ、それで、私たち、このリストに書かれた通りのことを実行しないといけないんですよね」
そんなシャークなツルギ先輩の泳ぎにヒフミちゃんは声を震わせつつ、色んなことが書かれたリストに目を落としてる。それは、ハスミ先輩さんから渡された予定表。例のしほー取引の内容、それはそのリストをツルギ先輩達と実行すること! 色んなことが書いてあるけど、要するに海でする素敵なことリストだよ!
「先生、写真の方はよろしくお願いしますね」
「うん、任せて」
ツルギ先輩とマシロちゃんは何か忙しかったみたいで、今回私達と一緒に来たのはバカンスなんだって。ハスミ先輩さんが、そう言ってたの。ちゃんと休んだか、楽しめているのかを確かめるために、証拠写真を取らなきゃいけないんだよね。
先生はカメラマンさんとして一緒に来たんだよ! 先生はモテモテだし、海なんだから水着AV撮影だって出来ちゃうね! 竿役には、ウイ先輩棒を是非によろしくお願いします!!*9
「みんな、浮かれすぎている。私達は正実に監視されている、いつ後ろから撃たれてもおかしくない」
「え、にゃんで?」
「私達は彼女たちと敵対行動を取り、それなのに今はこうして外にいる。それは、法に頼らずに確実に始末するため──流れ弾は、後ろからだって飛んでくる」
「私達、ツルギ先輩とマシロちゃんに、お尻を狙われてるってこと!?」
「いえ、そんなつもりは全く……」
「マシロちゃん、本当に正義実現委員会はお尻えっち過激派じゃないの?」
「本当にエッチな意味合いで聞いていたのですか!?」
私はウイ先輩棒のスイッチを押して、マシロちゃんを威嚇する。もし、二人が私達のお尻を開発して、シリアナード・レイを名乗るように強要してきたのなら*10、お死りを覚悟してウイ先輩棒が遂にその童貞のヴェールを脱いじゃうんだよ!*11
「待ってください、本当に冤罪です!」
「……お尻じゃなくて、前ってこと?」
「もっとダメです! エッチなことは、正義に反しています!!」
もしかして、正実は全員が”えっちなのはだめ、死刑!!”ってマインドなのかもしれない。マシロちゃんも、ハスミ先輩さんも、ツルギ先輩も、全員そうなんだ。正実の人たちは全員がコハルちゃんだなんて、頭がおかしくなっちゃいそうだね?*12
「メブキ、その調子で消耗させていって」
「? よく分かんないけど、分かったよ!」
「あはは……程々でよろしくお願いしますね、メブキちゃん」
ヒフミちゃんは、"きへへ"や"きひゃひゃひゃ"と笑いながら泳いでるツルギ先輩を見ながら、遠い目をしちゃっていた。大丈夫だよ、ヒフミちゃん。もしツルギ先輩が野生のサメに還っちゃっても、正義を実行するサメさんになるはずだから大丈夫……だったら良いなぁ*13。
「それで、リストはどれからするの?」
先生に促されて、いっぱい書かれてる一覧に目を落とす。流石はハスミ先輩さん、楽しい夏の過ごし方をよく分かってるね! あ、これって私も書き足して良いのかな?
「ねー、ヒフミちゃん。フランクフルトを先生の前で食べて、ベトベトしたお口を拭いてもらうって書いていい?」
「良いですけど、メブキちゃんがそういうこと言うと少し勘繰っちゃいますね」
「べ、別にお口いっぱいに頬張ったフランクフルトがえっちくて、ベタベタを拭いて貰うのがやらしく見えちゃうなんて、そんな気持ちは微塵もないんだからね!*14」
むふんと告げたら、ヒフミちゃんにメッされちゃった。私の内なるえっち心を読み取っちゃうなんて、ヒフミちゃんは春風メブキ検定一級を目指せちゃうね?
「ヒフミもメブキも先生も、油断しすぎてる。全然なってない」
「アズサちゃん、ですがクルセイダーちゃんは正義実現委員会に貸与してもらったんです。そのお陰で、海に水着、陽射しに戦車が揃いました。アズサちゃんやメブキちゃんに楽しんでもらいたかった夏が、こうして始められたんです。だから、ここまで来たら難しく考えずに、あちらも巻き込んで楽しんじゃいましょう?」
心配性なアズサちゃんに、ヒフミちゃんは笑って手を差し出して。ちょっと口元をふにゅっとさせたアズサちゃんは、その手を取ってたの。せ、青春!
先生、尊いやつだね、これ! あ、先生ってば、すかさず写真を撮ってる。あとで分けてね、私とコハルちゃんの水着写真送った恩があるもんね。あの写真で沢山ムラムラしてくれたと思うし、いいよね?*15
「それでは……まずはこれからしちゃいましょう。砂のお城と砂風呂作り、海でしたいことランキングに入っちゃうやつです!」
「なるほど、油断したところを生き埋めにする。流石はヒフミ、よく考えてる」
「物騒なのはダメです、純粋に楽しみましょう」
みんなで集まって、始めにすることが決まったんだね。なら、ツルギ先輩も呼びに行かないと。えっと、大声を出せば聞こえるかな?
「ツルギせんぱーい、一緒に砂遊びしましょうよーーーーっ!」
結構遠くまで泳いじゃってるツルギ先輩に呼び掛けるけど、聞こえてるのかな? ……わ、凄い勢いでこっちに戻ってきた!? 凄いね、サメさんなのは伊達じゃないね!*16
「呼んだか?」
「一緒に遊びましょう! お砂で城作り、ヒフミちゃん達とどっちが上手く作れるか、勝負しちゃいましょう。マシロちゃんも呼んで、作戦会議です!」
ツルギ先輩は、すぐに頷いてくれた。見た目がちょっと怖いけど、本当は優しい人だって私、気付いてたんだよ? やってて良かったDies irae。首に傷がある女の子は、とっても聖女様で優しいの。エロゲーの経験則で、全部知ってるんだからね!
「マシロちゃんもこっち来て。一緒に、お城作ろ!」
あっちでは、正実の人はアズサちゃんがシャーしちゃいそうだし、まずは私が二人と仲良くなって、大丈夫だよって伝えないとね!
「ところで二人とも、お城って作ったことあるかな?」
「ない」
「ありません」
正実二人の黒のビキニは、何だか大人っぽく感じちゃう。でも、私はなんか黒が似合わないんだよ。おかしいね?*17
「じゃあ、簡単にお山から作ろ? よく分かんないけど、それを削ってお城っぽくしていけば良いと思うな」
みんなで頷き合って、ベタベタと泥になった砂に手を伸ばす。なんか、冷たくて気持ちいね? 海に入るのは疲れちゃうけど、身体を冷やしたいなって時に触ってたいかも。
うんっしょ、うんっしょ……うん、出来た!
「メブキさん、この化け物は?」
「ハメドリくんだよ!*18」
「ハメ……え?」
「青藍島ってところに生息してる二足歩行の鳥類で、時速85kmで腰をヘコヘコすることができるかもって思ってるよ!」
「……えっと、一部界隈で話題の、モモフレンズと言うものですか?」
「そうかもしれないね!」
マシロちゃんは、とても難しそうなお顔で黙っちゃった。時折、モモフレンズ、正義、執行、しかし……、みたいな言葉が聞こえてくる。多分、正実のマスコットキャラクターとして、起用を考えてくれてるんだね。でもね、ハメドリくんは青藍島外では犯罪鳥だから、幾らヘコヘコするのもされるのも上手くても、許されないって思うな*19。
「出来た……」
「わっ、凄い!」
そんな中で、ツルギ先輩は殆ど一人でお城を作っちゃってた。想像してたよりも立派な、お姫様が住んでそうな可愛いの。ツルギ先輩って、結構乙女さんなんだね!
「せんせー、写真撮ってーっ!」
手をブンブン振って、先生にアピールする。気が付いた先生がこっちに来てくれて、お城を見てびっくりしたねって感じで声を上げる。うん、分かる。素敵だもんね、このお城。
「凄い立派だね、これはメブキが……メブキはそっちだね」
「いつかシャーレにも、一匹ハメドリくん持っていくね?」
「遠慮しておくよ」
「貼り紙の下に、ちゃんと飾るね?」
「……やっぱり、メブキの仕業だったんだ。あれから、ちょっと大変だったんだよ」
ニコニコしてた先生が、ちょっとだけムスッとしちゃってた。でも、これは私悪くないもん。かろーしライン? 越えちゃってる先生が悪いんだもん!*20
「先生がお仕事ストレスで、毎晩遅くまでおにゃにーしちゃうのが悪いんだよ?」
「先生が!?」
「マシロ、私を信じて。メブキの言うことは、ファンタジー設定が多分に含まれてるんだ*21」
「夜中にみんな、先生のおにゃにー見に来たよね?」
「働き過ぎないように、様子を見に来てくれてただけだから!」
必死に言い訳する先生は、まるで不倫現場を見つかった旦那様みたい。一生懸命で、かわいいね?*22
「メブキ、私のためだったのは理解するよ。でも、嘘をつくのはダメなんだ」
「……先生がお仕事をしてて、ずっと一人えっち出来てないから欲求不満だって書いた方が良かったの?」
「捏造しちゃダメ」
「でも、そっか。みんなの水着を見ておっきしてないから、ちゃんとぬきぬき出来てるんだね。男の子のマナーを守れて、先生は偉いね」
「セクハラもしちゃダメ!」
一気に捲し立ててる先生は、実はちゃんと水着を着てる。大人しめな、トランクス型の水着。優しい感じで安心できるけど、えっちさが足りてないのはとっても残念なの。先生の誕生日プレゼントは、Tバックな水着にするね*23。
ほえ? なんかツンツンされたから振り返ると、ツルギ先輩が凄い顔をして私を見てた。まるで、マンチカンがちんすこうで致してるのを見ちゃったみたいに。どしたのかな、お生理?*24
「先生と、いつも……こんな会話を?」
「うーんとね、時々?」
「メブキが良い子の時と、えっちな子の時で変わってくるかな」
「私はえっちじゃないよ!」
「そうであって欲しいから、頑張って我慢しようね」
……確かに、最近気持ちが緩んじゃって、みんながえっちに見えてる気がする。お勉強さんと行為を続けた弊害が、こんなところに出ちゃってる。先生の言う通り、お勉強さんに教唆されちゃってるとはいえ、我慢して桃色メブキから春風メブキに戻らないとだよ*25。
「先生、ごめんね?」
「えっちな話も、大人としては注意しないとだけど、友達とするには悪いことじゃないから。人によって、対応を変えましょうねってこと」
つまり、先生とえっちな話をするには、先生をショタ薬で子供に戻さないといけないんだね。古書館に調合レシピがあるのか、今度探しに行かないとだよ*26。
……よくよく考えたら、先生は元からお友達だから問題ないのかな? もしかすると、みんなの前だと恥ずかしいから二人っきりの時ってことなのかもしれないね? 先生のえっち!!
「うん、それじゃあみんな、お城の周りに集まって」
そうだったよ、先生は猥談するために来てくれたんじゃなかった。私たちはツルギ先輩を真ん中にしてお城を囲む、お写真撮らなきゃだね。でも、マシロちゃんはニコッと可愛いけど、ツルギ先輩は緊張しちゃって厳ついお顔になっちゃってる。こういう時はね──先生、何とかして!
「せんせー、ツルギ先輩を褒めてあげて! お城じゃなくて、水着とか」
「え?」
「ツルギはスタイルが良いから、スポーティな水着がよく似合ってる。かっこいいね」
流石は先生、ツルギ先輩の緊張がほぐそうとしてるのをすぐに分かってくれて、スラスラと胸キュンセリフが飛び出てきちゃってた。私も言われたいね?*27
でも、ちょっとそれだけだと足りてない。女の子の水着にかっこいいは嬉しくなっちゃうけど、あんまり照れちゃえないから。だから、もう一声なんだよ、先生!
「可愛いって言ってあげて!」
「それは私も照れるけど……でも、いつもと違って新鮮で、可愛いって思うよ」
どうかなって振り返ると、ツルギ先輩は真っ赤っかになって、固まっちゃってた。でも、さっきよりも素敵な乙女顔! マシロちゃんも、びっくりしたみたいにツルギ先輩のお顔を見てる。
「先生、今だよ!」
「うん、撮るよー」
「マシロちゃん、ツルギ先輩のおてて繋ごう!」
「え、あっ、はい!」
カシャって音がして、先生が頷いてる。ちゃんと撮れたみたい、良かった!
本当は、私が写真を撮る時はダブルピースする掟を決めてたけど、いきなり私がアヘ堕ちしたらツルギ先輩もマシロちゃんもびっくりしちゃうだろうからね。仲良しおてて繋ぎで、今日は可愛く写っちゃった。
「……変ですけど、悪い子じゃないんだ」
「? マシロちゃん、何かあったかな?」
「いいえ、メブキさんはメブキさんの正義を守っているんだと思っただけです」
「性技? コハルちゃんには負けちゃうかな」
「確かに、コハルはいつでも真面目ですね」
うんうんと二人で頷き合うと、何だかマシロちゃんと仲良くなれた感じがする*28。大好きを共有すると、距離が近づくのはエロゲーの定番だからね。やっぱり、エロゲーは人生を教えてくれてるよ。実質、コハルちゃんもエロゲーヒロインだね。
「メブキちゃん、上手にお城できましたね!」
「私はこのハメドリくんの泥像を作ったの、これはツルギ先輩が作ったんだよ?」
「剣先先輩が!?」
「メルヘンなお城に、モモフレンズのキャラクター。これはこれで、悪くない気がしてきましたね」
「──は? 今、なんと?」
ヒフミちゃんが話し掛けてくれて、ツルギ先輩を褒めていたら、唐突にマシロちゃんが爆弾を放り投げちゃってた。モモフレ大好き人間に、ハメドリくんはモモフレンズだよなんて言うなんて、マシロちゃんはどうしちゃったの?
そんなこと言ってたら、過激派モモフレファン達に何度も絶頂潮吹きをさせられて、ペロロ様みたいなお顔になるまで調教をやめてもらえなくなっちゃうよ? やっぱり働きすぎの過労で、疲れちゃってるのかな……*29。
「……違うのですか?」
「こんなえっちなお顔で可愛くない鳥さんが、モモフレンズな訳ないじゃないですか!」
「え……でも、メインキャラクターの白い鳥も……」
「ペロロ様は可愛いです、一緒にしないでください!!」
「は、はい!」
アワアワしてるマシロちゃんの肩を、背伸びをしてポンってする。世の中、色々難しいよね。でもね、良いことは急にやってくるから、安心しててね。果報は寝て待て、姫始めって言うからね!*30
「……騙しましたね、メブキさん」
「騙してないよ、そのうちに仲間になれるよ!」
「なりません! メブキちゃんは、その鳥を野生に返してください!!」
「遺伝子汚染が起きちゃって、キヴォトスでハメドリくんが空を飛ぶようになるけど良いの? 全羽でBWLAUTE BEIRRDを歌いながら、これが本当の性春って言い出しちゃうよ?*31」
「モモフレに関わらないなら、もうそれで良いです!」
「そっか、分かったよ。ハメドリくん、海にお還り。そうしていつか、また産まれておいで。今度はモモフレンズとしてね」
そっと、ハメドリくんの泥像を海に沈める。波に攫われて、ほろほろと崩れていく姿は、ハメドリくんも地球の一部だったねと私に教えてくれた。今度はシャーレに、木彫りのハメドリくんを持ってくから、それまで待たね!
「ふぅ、それじゃあそれぞれのお城を──」
比べ合いっこしようかって言おうとした時、マシンガンが火を吹く音が聞こえてきたの。ヤな予感に襲われながら振り返れば、木っ端微塵になった私達のお城と、不良学生さん二人組が笑いながら銃を乱射してる光景が広がってたの。ひ、ひどいよ!
「わ、私たちのお城がぁ!?」
「あー、お前達、誰の許可もらってここで砂遊びしてるワケ?」
「ここ無為ヶ浜は、あたしらのシマなんだけど? シャバ代払ってから遊んでねぇ」
キャハハハって笑う声が、とっても悪党な感じを醸し出してる。え、本当にどうしよ? 私、すっごく楽しみにしてた夏なのに……このまま、この人たちに極悪えっちされる夏の思い出に変わっちゃうの? 私だけじゃなく先生まで捕まっちゃって、二人で子作り強制されちゃうの?*32
「あぅ。み、みんな、どうしよ……う?」
頭がグルグルして、もう終わりだぁってなりかけてお顔を上げたら……なんか、想像してなかった感じの光景が広がってたの。
「──お城、おしろぉーーーーーっ!?!?!!」
「うわなんだよ、この怪力女!?」
「──よくも、ヒフミのお城も壊したな。許せないっ、協力するよ、正義実現委員会の委員長!」
ツルギ先輩とアズサちゃんが、不良さん達を一方的にボコボコしてちゃっていた。そう言えば、二人はつよつよウーマンマンなので、並のヘンタイさんはグーパン一つで沈められちゃうんだ! ……よしっ!
「不良さん達、聞いて? あなた達は、夏のアバンチュールがしたくて、私たちにえっちなちょっかいをかけてきたんだよね?*33」
「するかぁ、そんなこと!!」
「でもね、二人ともスタイル良さげなえちちな身体をしてるから、人に頼らなくても一人でだって気持ちくなれるはずだよ?」
「ボコボコにされてる私たちにかける言葉か、それ! というか、お前もなんなんだよ、ちげーよ!!」
「ちゃんと一人でえっちして! おにゃにーは他の人を巻き込んじゃダメなの!!」
「大声で何叫んでやがる!? ま、周りの視線が……く、くそぉ!!」
不良さん達二人は、ツルギ先輩やアズサちゃんにボコボコにされすぎて、泣いちゃいながらどっかに旅立って行った*34。残されたのは、共闘したことで仲良さげになってる武闘派二人組。それと、ジトっとしたマシロちゃんの視線。
「不良さん達、怖かったねマシロちゃん」
「本当に悪意とか、そういうものが見られない。本気で言ってるんですね……」
首を傾げる私に、続いて先生がダメでしょって声を掛けてきたの。ダメなのは、さっきの私と先生をえっちさせて、それをダシにおにゃにーしようとしてた二人組なんだよ?
「大声であんなこと言ってたら、メブキが誤解されちゃうよ」
「五回? 私、そんなにえっちなことされちゃうの?」
「誤った解釈って言葉の方。メブキは良い子なのに、あんなことを大声で叫べるのは、日頃からえっちなことしてる子なんだって」
「マリーちゃんの次くらいに、大清楚な私が!?」
「清楚要素、ありましたか?」
「あるよ!*35」
マシロちゃんの失礼な茶々を粉砕しつつ、私は頭を抱えた。確かに、大声でおにゃニー禁止令を出した私は、はたから見れば我慢に我慢を重ねて、欲求不満を溜め込んで解き放つ準備をしているように見えちゃったかもしれない。
そうして、いざ一人でえっちして潮吹きメブキと化した私は、クジラさんにジョブチェンジして、さっき沈めたハメドリくんを産み直すって、周りからそう思われてるってことなの!?*36
「私はクジラさんになって、ハメドリくんを産んだりしないよ!!」
「クジラは鳥類を産めないのでは?」
「そうだったね!」
マシロちゃんは賢かった、生物のことをよく分かってる。生物が得意ってことは、多分えっちの勉強も得意になる才能があるかもしれないね?
「分かってくれたかな、メブキ?」
「うん!」
先生の問い掛けに、私は元気よく頷いた。
先生はきっと、私がえっちなことを口に出し続けてたら、最後には精液と愛液まで出されちゃうようになるって、私に注意したかったんだよね。淫果応報、えっちにはえっちな報いを受けちゃう。確かに、先生の言う通りだよ、気をつけなきゃ!
「みんな、お手洗いでおしっこしてからお顔、洗ってくるね?」
「メブキちゃん、おしっこは言わなくて良いですから!」
「でも、全て水に流しちゃうって言葉があるよね?」
「メブキ、それは慣用句であって、本当に流さなくて良いんだよ」
「顔を洗って出直してくるし、ついでにって感じだよ!」
そうして、私とヒフミちゃんは一緒にトイレに連れ立ってった。連れションだね、一緒の個室にヒフミちゃん、入れてくれるかな。音姫係は任せてね!
──追い出されたよ!*37