コハルちゃんとは、えっち本を共有する仲なんです! 作:ペンギン3
私とヒフミちゃんがおしっこから戻ってきたら、砂浜にビックリするくらい大きいお城が建ってたの。しかも砂なのに、全然崩れなさそうなやつ。そして、そのお城から、ドヤ顔でアズサちゃんとマシロちゃんが私達を見下ろしていたの。
私がヒフミちゃんのおしっこの音を聞こうと、音姫と必死に戦ってた間にこんなの作っちゃうなんてビックリ*1。砂上の楼閣って、すごく立派なお城って言葉だったんだね!
「アズサちゃん、一体どうしてこんな大きさに!?」
「戦闘は高所を取っている方が、優位に進められる。それに、巨大化させたことで遮蔽物にもなる。もしバラバラになったとしても、ランドマークとして使える要塞だ」
「いま要塞って言いました! お城じゃありません、間違っています!」
「いいえ、城塞とも言えますので、これが正解です」
「マシロちゃんまで乗っちゃったんですか!」
「ふふっ」
「楽しそうですね!?」
ヒフミちゃんがツッコミの達人になってる間に、キョロキョロと辺りを見回す。ツルギ先輩も一緒して、集合写真撮らないとだよ。これだけおっきいと、集合写真はいい感じになるかな? 映えってやつだよね、確か。盛るとか何とかって耳にしたけど、胸をデカパイにして撮影できちゃうのかな?*2 ツルギ先輩も早く見つけて、デカパイ撮影会しないとだよ。あ、先輩また海泳いでる!
「ツルギせんぱーい、またまたお射精でーす!*3」
「メブキ、お写真って言い直して」
「ツルギせんぱーい、タマタマお写真でーす!*4」
先生に訂正されて、お写真ってちゃんと訂正したのに、先生は仕方ないなぁって幼馴染系ヒロインみたいなお顔になってた。先生、ヒロインは私だから勝手に女の子になったらダメなんだよ!*5
あ、ツルギ先輩、本当に耳が良いね。ちゃんと聞こえてくれてたみたいで、バシャバシャって凄い勢いで戻ってきてくれてる。そんな先輩に驚いた海水浴に来てた人達が逃げてるのは、やっぱりサメだって思われちゃってるんだね。
サメって死んじゃうとアンモニアが身体中に巡って、オシッコのにおいになっちゃうんだって。先輩は、ヨボヨボおばあちゃんになって天国に行った後、オシッコのにおいになっちゃうのかな?*6 そんなの絶対ダメだから、何とか人間さんに戻ってもらわないとだよ*7。
私も今から、老後とか死んじゃった後とかについて、何かと気をつけとかないと。前世では、何か書いとこって気持ちで、麻酔で頭がぼぉっとしながら遺書をカキカキしてたから、何書いたかもう分かんなかったし。遺書ってね、元気なうちから書いといた方がお得だよ!*8
私は多分、お兄ちゃんにパソコンのハードディスクを破壊してください、後生だからとか書いたのかな? エロゲーの他に、ポエムとなろう小説の原稿を溜め込んじゃってたもんね。
ちゃんと破壊しててくれないと、私が作品を発表した時に著作権法違反で訴えられちゃうよ。そうなったら、お兄ちゃんを竿役にしちゃうくらい許せないよね。お家に帰ったら、早速書いちゃっとこっと*9。
「ツルギ先輩、戻ってきてくれてありがと! あのね、アズサちゃんとマシロちゃんが、おっきなお城を作ってくれたの。一緒に集合写真撮ろ? 手、繋いでも良いかな?」
「あぁ? 何故」
「仲良しっぽくて、青春があるから!」
「せい、しゅん。せいしゅぅぅぅん!!」
「ツルギ先輩、テンションアゲアゲだね!」
ツルギ先輩は、楽しくなるとちょっぴりお顔が怖くなっちゃうみたい。多分、装甲悪鬼村正に出演するつもりなんだよね。でも、優しい先輩があの作品に出演するのは許せないから、ちゃんと青春して劔冑が必要ないようにしないとだよ!
……実は先輩が劔冑で、だからツルギってお名前とか、そんなことはないよね? そうだったら、強すぎる理由が理解できちゃうのが嫌だね?
「はい、撮るね」
先生に促されて、私と先輩、ヒフミちゃんはお城の下で。アズサちゃんとマシロちゃんは上で写真を撮ったの。なんか、ツルギ先輩が隣に来たヒフミちゃんはビクってしてたけど、怖くないよーっておててをみんなで握ったの。ヒフミちゃんも、おめめをパチクリさせてけど、ツルギ先輩と距離を詰めてたし作戦成功だね!*10
「先生どう?」
「うん、良い感じ」
多分、普通にキラキラの写真が撮れたんだね。良かったって思うのと一緒に、ごめんねって気持ちにもなっちゃう。みんなの水着でムラムラを溜め込んでる先生に、無理させちゃってるから。
先生のためにえっちな感じの写真も撮られてあげたいけど、みんなで撮る写真がえっちだと清楚感が無くなっちゃうからね。あとで二人になった時に、ジュニアアイドルごっこしてあげたら先生喜んでくれるかな? 清楚系えっちっちアイドルメブキだよ!*11
「ふへへ、この調子でいっぱいお写真撮ろうね? 終わったら、先生にご褒美たくさんあげちゃうね」
「……変なこと以外でお願い」
「うん!」
えっちなのは、生物学的に変じゃないの。ヘンタイじゃなかったら、人類は滅びていたってネットに書いてあったよ! だから、別に先生とえっち写真ごっこがしたいだけなんだから、変なことなんて勘違いしちゃダメなんだよ!!
「じゃあ次はね──」
ヒフミちゃんの持ってるリストを覗き込もうとした、その時。また、銃声が聞こえてきちゃったの。……にゃーん。
「三時の方向、多数のスケバン発見!」
「私達が上から狙撃する、ヒフミたちは城塞を盾に応戦して!」
「え、えぇ!?」
私とヒフミちゃんがお目々を回してる内に、不良さんたちは段々と近付いてくる。さっき会った時は二人だったのに、精一杯出産してきたのか、今度は沢山になっちゃってる!*12
「クソッ、絶対に許さねえぞ。さっきは散々コケにしやがって、ショバ代だけじゃ済まさねえからな!」
「負け惜しみ、躾のされていない犬の遠吠え」
「んだとぉ! よっぽど分からせられてぇみたいだな!?」
不良さんの怒りの声に、アズサちゃんは平然と煽り返してた。え、ラップバトル始まっちゃってる?
「舐めやがって、絶対に分からせてやるぞ!」
「あ、アズサちゃんが大変です!」
「助けないとだね、みんなで」
私とヒフミちゃんは頷き合って、ツルギ先輩もとってもこわこわお顔で戦闘準備は出来てるみたい。アズサちゃんやマシロちゃんも上で準備万端で、先生もお城の上に登って指揮準備完了。よし、これならきっと、アズサちゃんを守り切れるね!
「絶対に許さねぇぞ──そこのエロチビィ!!」
「ふぇ?」
辺りを見回しても、コハルちゃんはどこにも居ない。首を傾げてると、アズサちゃんとマシロちゃんの狙撃で不良さん達がバタバタ倒れてる中、銃弾が飛んでくる。……なんでか、私の周りにたくさん*13。
「め、メブキちゃん!?」
「な、なんでぇ!?」
ビックリしてても、銃弾は全然減ってくれない。私に当たりそうな弾は、全部ツルギ先輩が叩き落としてくれてるけど、それにしたって恐すぎるよ!
「な、なんでこんな酷いことするの!!」
「お前のせいで、あたしらはレズな上に性欲を持て余してるって動画付きでモモッターに投稿されて、何かバズっちまってるんだよ、それが!*14」
「……そうだよね?」
「そうじゃねえよ! どこからそうなってんだよ、本当に!!」
不良さん達の、私達はレズじゃ無いって唱和が、砂浜中に響き渡る。でも、えっちしにきたことは否定してないから──本当の狙いは、先生のおにんにんってことなの!?*15
「せ、先生を襲いにきて、えっちぃことしに来たってこと!?」
「あ、先生? ……そこの大人が?」
不良さん達の意識が、一瞬お城の上の先生に逸れた瞬間、不良さん達のリーダーがツルギ先輩のアッパーで砂浜に沈んじゃってた。容赦ない一撃、周りの不良さん達は、”リーダーが!?””引けぇ!”って声と一緒に、倒れた仲間の人達を担いで帰っていってる。……助かったの?
「び、ビックリしたぁ」
その場で、ヘナヘナと座り込んじゃう。だって私、集団でボコボコにされかけてたもん。あのままじゃ私、全身くすぐられながら”こっちはレズじゃねぇ、お前がレズだって全世界に告白しろ!”って動画を撮られちゃって、屈服した私の姿がモモッターに流されちゃうところだった。
そうなってたら、私のくすぐられえっちは瞬く間に再生されて、清楚系アイドルから清楚系えっち女優に鞍替えすることになっちゃってたかも。清鼠径部系アイドルデビューみたいなパッケージで*16、えっち動画として売り出されちゃってたよね。あの人達、お金欲しがってたし。本当に、本当に助かって良かったよ……。
「メブキ、後でちゃんと謝りに行こうね」
「せんせー?」
お漏らししてないかお股を確認してると、先生がタブレットを触りながらメッてしてきた。因みに、先生はモモッターで”冤罪です”と不良さん達の動画に注意喚起をしてた。
「メブキも、えっちな女の子だと全世界に紹介されて、それが本当だってなったら嫌だよね?」
先生に言われて、考えてみる。私がえっちな世界線、みんなからどう見られるかを。
『まあ、あれはエロエロメブキさんではなくて?』
『なんでも、ご自身の愛液をローションとして販売しているそうですわ』
『あな怖ろしや、下民はこれだから嫌ですわ』
『退校処分ですわー』
絶対に嫌だよ!?
大好きなトリニティを退学させられた挙げ句に、イマジナリーお姉ちゃん共々えっちな民として各地を流浪することになるなんて! えっちなのは、あんな服着てるお姉ちゃんだけなのに!!*17
「先生、私いまからごめんなさいしに行くね?」
「それは待って、メブキ。多分、直ぐに行っても火に油を注ぐだけだから。向こうの頭が少し冷えてから、謝ろっか」
「うん……あ、でも、先生が行ったらリンカーン国際交流会が開始されちゃうよ?」
私の心配に、先生はポンと頭をナデナデしてくれた。それで、優しい声で、ゆっくりと伝えてくれる。
「エッチなことはされないから、安心して。一応、ツルギにも付いてきてもらうから」
「お、お願いします」
伝えてくれた先生は、なんかいつもよりもお兄ちゃん度が高めで。ツルギ先輩は、ジーッと私達のことを眺めてたの。……先輩も、頭ナデナデしてほしいのかな?
「砂風呂かぁ、セメントで固めるとえっちになったりしないかな? 緊縛壁尻プレイの亜種的なやつ*18」
「砂風呂セメントをえっちな目で見るのはダメだよ」
「でも先生、砂風呂に固められて動けなくなった女の子が、うにゃうにゃしてるのって可愛くないかな?」
「それは可愛いと思う*19。でも、褐色の女の子が、それは一番似合うから」
「そっかー」
先生に砂風呂してもらいながら、砂風呂の前について話したり。
「泳ぎを習得するとありますが、この中で泳げない人は?」
「はーい、私泳いだことないよ!」
「メブキちゃん、泳いだことがない……?」
「うん、ぜん……じゃなくて、昔は身体が弱くて、全然動かしたことなかったから!」
「そうなのか、なら私の出番。一時間で泳げるようにできる」
「アズサちゃん、よろしくお願いします!」
泳げるように、アズサちゃんに必殺の犬掻きを教えてもらったり*20。再び来襲した不良さんたちを、どんぶらこさせたり。
「海の家ってあれだよね、えっちの人妻さんが経営してるの!」
「あ、先生に……確かメブキちゃんだっけ?」
「えっと、美食研究会のイズミさんだったよね!」
「そうだよー」
「イズミも、ここに食事をしに来たの?」
「店主さんが寝込んじゃっててね、私が代わりに店番してるの」
「人妻さん枠だ!」
「腕によりをかけて作るから、何でも注文してねー」
「じゃあ、このチョコミントカレーをください!*21」
「ん? ガキどもか……メシの時間は、一時休戦しね?」
「不良さんたち……オッケーだよ! それと、先生が教えてくれたの。不良さんたちはえっちじゃないって、本当にごめんなさい!*22」
「モモッター見たよ。ちゃんと誤解も解けてたし、この件は許してやる。先公、あんた竿だけってウワサだったけど、ヤルじゃん」
「それも君たちと同じく、誤解だから!?」
「はーい、料理持ってきたよー」
「わーい、いっただきまーす」
「おっしゃ、食うぞーって何じゃこりゃグワァ!?!?」
人妻イズミさんのご飯を食べて、なんか不良さんたちと一緒に集団食中毒を起こしたり*23。
「ヒフミちゃん、スイカ割りってこんなんだったっけ?」
「えっと、違うはずなんですけどね……」
「500メートルオーバー、無事に射抜けた」
「やりますね、ですが負けません!」
「そっちもやる、互角と言ったところか」
「こらーっ! 食べ物を粗末にしちゃダメだよー!」
「た、確かに! 二人とも、スイカ割りのスイカは、割ったのを食べなきゃダメなんだよ!」
「なるほど、ローカルルールか」
「因みに、スイカをお腹に隠して妊婦さんごっこをするときは、冷えたスイカでやるとお腹壊しちゃうらしいよ? だから、やる時はスイカの代わりに私がお腹に潜るから、ちゃんと言ってね?*24」
「スイカ割りにも、地域によって特色があるんだな」
「流石に違うような?」
スイカをスナイプする、シン・スイカ割りの最中に、イズミさんがすごい正論を言いながら乗り込んできたので、二人を説得してみんなで爆散したスイカを拾いながら食べたり。
「ビーチバレーかぁ……えっとね、ツルギ先輩、ぴょんぴょんって一緒にしよ?」
「あ? こうか?」
「うん、仲良しぴょんぴょんだね!」
「なか、よし……クヒヒッ、アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
「ツルギも楽しそうだね。メブキ、ツルギのこと、気にかけてくれてありがとう」
「べ、別にツルギ先輩のお胸がおっきいから、ぴょんぴょんしたらボールが三つになっちゃうねって思っただけなんだからね、勘違いしないでよね!*25」
「ツルギ、今すぐに跳ねるのを中止して。メブキがえっちな目で見てるよ」
「えっ、ち? 先生の口から、えっちって……はわぁ、キャーーーーーー!!」
「違うツルギ、戻ってきて!!」
「先生、ツルギ先輩はピュアピュアなんだから、本人に言うのはマナー違反なんだよ?」
「違うよ!?」
先生がツルギ先輩にセクハラして、ツルギ先輩が自然界に帰ろうとしたりしたの。あと、また不良さんたちがやってきたりもしてたよ。
「おい、今度こそお前らをなぁ!」
「あ、不良さんたち! あのね、ツルギ先輩がサメになっちゃって海に帰っちゃったんだ。だから一緒にバレーボールしてくれませんか!」
「クソ、舐めてんのか? ……いや待てよ、正攻法でやってもボコボコにされ続けてきたし、これはチャンスか? よし、やってやる。だが、負けたらショバ代払ってもらうかんな」
「うん、不良さんたちが勝ったら、幾らでも先生のおにんにんをナメナメして良いからね?*26」
「良い訳ないです! メブキちゃん、先生の大切なものを景品にしないでください!」
「……おい先公、本当に竿で事件を片付けてきたんじゃないだろな?」
「してないよ!!」
不良さんたちとバレーボールをして、アズサちゃんの必殺サーブが不良さんの顔面に直撃したり、私の顔面ブロックで不良さんのスパイクを阻止したりして無事に勝てたよ! ……痛いね、破瓜の痛みって、こんな感じなのかな?
そうして、気が付いたらもう夕方。時間が過ぎるのって、なんか早くてビックリしちゃう。まだまだ遊びたいのに、タイムリミットは段々と迫ってる感じ。なんか、夕暮れの海って、キラキラ光ってるのに寂しいね?
「ツルギ先輩、マシロちゃん、今日楽しかった?」
「急ですね、メブキさん。……ええ、私はオマケみたいなものでしたが、いつも正義を胸に刻んでいるはずなのに、今日だけはそれが薄らいでしまいました。不覚です」
「私、最初は初対面の二人がいて、どうしよっかなって思っちゃってた。でも、二人とも可愛いし、水着はえっちだし、優しくしてくれたり、遊んでくれたよね」
「メブキさん、ヘンタイは正義に反していますよ。……でも、あなたが悪い人でないことは、今日一日付き合って分かっています。あなたは、そういう会話をコミュニケーションの手段にしているんですね」
「私はえっちじゃないよ! でも、マ◯コが一にお口がお漏らししちゃってたなら、それはね──きっと、二人と仲良くなりたかったからだよ?*27」
「万が一です……私も、メブキさんのことが少し分かりました。スケベですけどヘンタイじゃない、ちょっとエッチな女の子です」
「……ちょっとだけなら、許されるかな?*28」
今日はわちゃわちゃしてて、マシロちゃんとゆっくりお話できるって状況じゃなかったけど、私もマシロちゃんのこと、少し分かった気がする。
正義の味方、そうあれるように頑張ってる女の子。でも、可愛くて、えっちくて、キラキラ青春もできてる子。きっと、エミヤさんみたいにはならないタイプだから、そこはちょっと安心だね?
「──楽し、かった」
「だったら、私も嬉しいです!」
ツルギ先輩も、ボソッとだけど私に答えてくれて。なんかニコニコしちゃってると、マシロちゃんに手を繋がれる。ルート分岐、入っちゃってるのかな?
「メブキさん、ちょっと花火を買いに行った二人を手伝いに行きましょう」
「マシロちゃんったら、私とデートしたかったんだね! 仕方ないから、付き合ってあげるね? 初デートは、海でキャッキャウフフかな?*29」
「ごめんなさい、メブキさんと恋愛してる姿が想像できません」
マシロちゃんに10秒で振られた私は、引き摺られるようにその場を後にする。あっ、さっきまで仏頂面だったツルギ先輩が、先生に話しかけられてテレテレしてる!
そっか、俗に言う、あとは若い二人に任せてってやつだね。それじゃあマシロちゃん、一緒に仲良くデバガメしようね? あれ、そんなに離れたら、二人の会話聞こえないよ。マシロちゃん、おーい!*30
「あ、不良さん」
「んだよ、エロチビかよ」
「私はえっちじゃないよ!」
「どの口が言ってんだか」
そうして、マシロちゃんが本当に手伝いに行っちゃって、私はデバガメに舞い戻ろうとしてた矢先。なんか海を眺めてぽやーってしてた、不良さんたちのリーダーを発見したの。なんか、哀愁が漂ってるから、まるで失恋した直後みたいだね?*31
「不良さん、先生に告白して、振られちゃったの?」
「お前、マジで妄想の中に生きてるのな」
「因みに、私はさっきマシロちゃんとお付き合いしようとして振られたよ?」
「お前がレズだったのかよ、こえーよ」
なんか分かんないけど、一緒に隣に座って私もぽやーってする。夕暮れの海を見てると、何だか隣の人に優しくしちゃいそうになるね?
「多分バイじゃないかな?*32」
「更にこえーよ、見境なしかよ」
ざざっと距離を取られちゃう意味がわからないけど、でもお話できてる。これが、夏の魔法ってやつだね。海っていうママの腕の中にいると、みんな赤ちゃんみたいなものだしね。
「大丈夫、バブバブできるから」
「夏の妖怪か何かかよ、オメーは。言葉が通用しない恐怖ってあるんだな、マジで」
更に距離を取られちゃう、おかしいね? 私の善性に慄いて、浄化されかかってるのかな?
「今日は楽しかったよ、ありがと!」
「さっきから取り留めなさすぎだろ。……ま、久しぶりに青春できたかね」
なんか、二人でしんみりする。お昼はあんなに楽しかったのに、今はこんなに染みちゃうなんて、海って不思議だね? お昼は友達、夕暮れは人妻なんだね。夕方の海で遊べば、実質人妻パコ放題のハメ割り。携帯会社の新プランだよね*33。
「私、海ともう少し遊んでくの。みんなと花火、キラキラするんだ」
「バッカ、花火はバチバチするもんだよ」
「そっかー」
ピチャピチャと、押してくる波に足を預けると、なんかくすぐったい。ふにゃーん、だよ。
「──あのね、私ね、きっとそのうちにまた生まれ変わるの」
「あん?」
「そうなった時、今の私が私か分かんないけど、でも私なんだよ?*34」
「意味わからんが?」
「不良さんなら後腐れなさそうだから、ちょっと言ってみただけ。ヤリ捨ててごめんね?」
「キショいなぁ」
何となく二人で笑ってから、不良さんは"テキトーに頑張れば? 知らないけどさ"って応援してくれたの。だがら、うんって頷いて。なんか遠くから声が聞こえたし、誰かに見つかる前に解散することになったの。
もし私達がお付き合いしてるってみんなに思われたら、今日一日のどんちゃん騒ぎが、自作自演レズイチャイチャだって勘違いされちゃうし、それは困っちゃうもんね?
「それじゃあね、不良さん。また来るね?」
「二度と来んな、エロガキ」
「えろじゃないよ!」
ヒフミちゃんたちが買ってきてくれた花火が、パンパンってお空に打ち上がる。すごい、まるでお空を孕ませてるみたい! パーンって弾ける花火が、そういう暗喩になっちゃってるね?*35
「綺麗ですね……」
「うん、これが海なんだ。来てよかった」
向こうでは、不良さんたちも花火を打ち上げてる。花火大会には届かないけどお空が賑やか、大乱交大会だね。みんな、本当はえっち心を隠してて、こういう場で発散してるの。そういうことかもしれないね?*36
「ねー、せんせー」
「どうしたの、メブキ」
「今度は、コハルちゃんやハナコちゃんと一緒に来ようね?」
「……メブキは今日、みんなに目を配ってくれてたよね。みんなが仲良くやっていけるようにって。お陰で、みんな楽しめていたよ、ありがとう」
「えへへ、どういたしまして」
先生の言う通り、実は今日はね、ちょっとだけセーブしてたの。精一杯楽しむぞーって感じじゃなくて、みんなでワイワイしようねって感じ。正実の二人と仲良くなれるかなってツンツンしながら、ヒフミちゃんやアズサちゃんの水着にキュンキュンする。そんな日にしようかなって、ここに来る時に思ってたんだ*37。
「海、どうだった?」
「楽しかったよ!」
「うん、それなら良かった。メブキ、少し寂しそうに見えたから」
先生の言葉に、首を傾げる。
私、寂しかったの? イマジナリーお姉ちゃん、私ってそんな風に見えてたのかな?*38 うーん、そんなつもりなかったけど、分かんないね? ……でも、今度は補習授業部のみんなで来れたら嬉しいって、そんな気持ちは確かにあるかも。
「何度だって、夏が来たらまたみんなで海に行こうね、先生」
「そうだね、今の内に来年の予定を立てて、鬼を笑わせちゃおう」
ちょっと先生のおててを握ると、暑いのに冷えてた手があったかくなる。とっても落ち着くの、何だか眠いね……。
「せんせーも、一日カメラマンお疲れ、様。きっと、いちりゅーカメラマンになれて、AVだって撮れちゃう、ね……」
「うん、おやすみメブキ。あと、そんなものは撮らないよ」
「先生」
「イマジナリーお姉ちゃん、メブキは寝ちゃったんだね」
「ああ、そうだね。今日一日、図太いこの子にしては緊張の連続だったみたいだ」
砂浜で、モクモクと花火合戦に興じるみんなには混じらず、煙にセイアは軽く咳き込みながら先生と会話する。今日一日、頑張っていたメブキを可愛く思いながら。それはそれとして、あれで遠慮気味だったと言う事実に苦笑も混ざって。
「また、忙しくなる。秋が近づけば、楽園の扉を叩く。私たちは叩こうとしている、内側に潜む闇を知りながらも。もしかすると、楽園というのは誰かにとってのもので、私達にとってのものではないのかもしれない」
先生が頷くのを確かめながら、彼女は空に視線を向けた。楽しい日常の時間は、もう直ぐ終わってしまうのだと思いながら。
「だから、創り上げるのさ、私達のエデンを。……未来は未定だが、予定も想像図もあるんだ。君にも、手を貸してもらうことになると思う。頼りにしていいかな、先生?」
「任せて」
その言葉に安心して、少女は少し甘えるように先生に寄り掛かる。きっと、全部上手くいく。そんな期待を胸に仕舞い込みながら、夏の暑さに混じる先生の体温に、彼女は身を沈めていた。
◯月★日
気が付いたら、私はクルセイダーちゃんに乗せられて家まで送ってもらってました。ヒフミちゃんも疲れてるのに、しっかり運転して家まで送ってくれて感謝しかありません。お礼に、今度はヒフミちゃんには私に騎乗位してもいいよって伝えたら、代わりにモモフレ布教活動しましょうって言われました。なので、代わりに私がペロロ様に騎乗位しようと思います。ペロロ様は、モモフレえちえち研究所の解析の結果、おにんにんが無いので推定メスなのです。なので、私が孕ませられることはないので安心です。
今日は初めて海に行って、沢山のことをして、思い出を沢山作りました。初めてがいっぱいで、情報が多すぎて、感情が追いついてないところもありましたが、とっても楽しかったです。ただ、残念なことに、私はおっぱいを鑑賞できても、高嶺の花の如く触ることができませんでした。まん丸でもありますし、実質お月様と言っても過言ではないでしょう。いつか、誰かのお月様に手を伸ばせる、そんな時が来るかもしれませんね? 個人的に、ツルギ先輩やマシロちゃんと少しは仲良くなれた気はしますが、もっと仲良くなれる余地はあると思いますので、それは次の機会にお月様測定をすることで、叶えられたらと思います。
あなたの愛する妹より いと犯しこ
◯月✴︎日
君が海を満喫したこと、やっぱり着替えを持っていかなかったこと、ひっそり銃撃を浴びせられて股下が僅かに湿っていたのを海のせいにしたこと、様々書きたいことはあるけれども最初にこれだけは言わせて欲しい。すこここはどこに行ったんだ! 君のそれは、形状記憶かしこなのか!? 第一、何かと混ざってる上に間違ってる! いとをかしは、可愛らしいや趣あると言った意味であって、君の考えてるような狂気の宴ではないんだ!
こんなふざけたこと、君と心を温め合うこの場において言及なんてしたくはなかった。そもそも、君がカスみたいな思い込みを頭に毎日流してくるせいで、こんな分かりたくもないことを理解できてしまっているんだ! 誠に反省して、一から作法を学び直して欲しい。
君も待ち望んでいた海であったと思うが、予定と違い正実の二人も一緒で驚いていたようだね。お陰か、君もいつもよりは大人しく(当社比でだ)過ごせていたようで何よりだ。君の場合、夏と水着と海が化合すると、セクハラに走りかねない怖さがあったからね。その調子で、日々清楚とまでは行かずとも、えっちさを少しずつ制御できるようになっていこう。
君の体も疲れているから今日は何もしなかったが、次はハナコに会う予定を立てている。残り少ない夏休み、出来うる限りのことをしておきたいからね。そのせいで、君とハナコの予定が中々合わせることができなかったのが、私にとっても不覚ではあった。最近、会う度にハナコがねちっこく詰ってくるんだ。"メブキちゃんはどうですか? そうですか、セイアちゃんはいつも一緒ですからね。立場を変わって差し上げてもいいんですよ?"と。
恐らく、いいように使いすぎて、フラストレーションが溜まってしまってる。なので、君と会う機会を設けるから、どうかいつも通りにハナコに接してあげてくれ。そうすることが、ハナコの鬱憤を晴らすことに繋がるはずだから。よろしく頼むよ、メブキ。
君に日焼け跡が残っていないか心配している姉より
追伸:君の成長が、私は日々嬉しいよ