コハルちゃんとは、えっち本を共有する仲なんです! 作:ペンギン3
早速ね、イヤラシお姉ちゃん探検隊になった私は、その夢に向かうための準備を始めたの。
「メブキちゃん、私の膝にどうぞ」
「わーい!」
まず寝ちゃうから、ハナコちゃんのお誘いで、私はそのお膝にごろんってしたよ! ハナコちゃんが枕になってくれるなんて、世界で一番なスヤスヤ枕さんになっちゃうね?
えへへ、ふわふわ〜。
ハナコちゃんに包まれてるって感じがして、お胸がキュンキュンってしちゃう!
「にゃーーん!」
もう我慢する必要なんてないから、私は精一杯幸せだよって猫さんの言葉で叫んだの。ハナコちゃんに膝枕される私は、実質ハナコちゃんの妹みたいなものだよね?
お姉ちゃん、ハナコちゃんが長女だから、お姉ちゃんは次女になっちゃうんだよ?
妹階級社会で、一緒にハナコちゃんにスリスリしようね!
「メブキちゃん、おめめがキラキラしてます」
「だってね、大好きなハナコちゃんに膝枕してもらって、それでえっちなお姉ちゃんと先生が見られるんだよ! すごいことなんだよ、それって!」
ハナコちゃんの言葉に、うんってする。
うん、私ワクワクしてる。
ギュッて、熱い気持ちを手に握りしめちゃう。
本物のえっちなんて、見ちゃうのは初めてだから。なんか不思議な、えっちな夢を見たような気もするけど。
でも、ちゃんと意識して見れちゃうのは、今日が初めてなの!
だからね、きっとね、先生は1Lくらいお姉ちゃんにビューってしちゃうし、お姉ちゃんもそんな先生のお射精にビクンビクンってして、潮吹き狐さんになっちゃうの。一大スペクタクルだね!
お姉ちゃんは、潮吹きして海でも生きていける両生類狐さんになっちゃうの。
……海辺の生き物ですまないって言って、海に還っちゃダメなんだよ? ずっとずっと、私のお姉ちゃんじゃなきゃダメなんだからね!
「発情期のセイアちゃんと、それを慰める先生。どう考えてもエッチですからね。二人の勇姿、ぜひ後で報告してください♡」
「うん!」
そうして、私はハナコちゃんに頭を撫でられて、スヤスヤメブキになっちゃう……筈だったの。
でもね、困ったことに気がついちゃったんだ。
それはね──ハナコちゃんのお膝が素敵すぎて、中々スヤスヤできないってこと!
「ハナコちゃんどうしよう……。私の身体がね、ハナコちゃんのお膝でにゃんにゃんしたいですって言って、寝たいのに寝ちゃえないの」
「うふふ、今日のメブキちゃんも可愛いですね」
「今日のハナコちゃんも素敵だよ!」
ハナコちゃんはニコニコのまま、私の頭をなでなでしたの。それから、お口に人差し指を当てて考えて。
「えいっ」
そのおっぱいを、私の顔の上にペチャってしたの。フニャってしたにゃんにゃんな感触が、私のお顔いっぱいに広がったんだよ。
──ハナコちゃんがおっぱいを、私のお顔にぱふぱふしてる!?
「に"ゃ"あ"あ"あ"あ"んっっ!!!」
ふにゃふにゃで、やわやわで、ポカポカなおっぱい。それをお顔で受け止めちゃった私は、幸せなハナコちゃんでいっぱいに満たされたの。
ビリビリって、頭に何か走っちゃう。
それでね、頭にぽわーって何かが広がったの。
空、宇宙、星、銀河。
コハルちゃんの謎の線、お姉ちゃんの横乳、ハナコちゃんのスク水。
そんな世界を垣間見ちゃって、私は確信した。
──ハナコちゃんこそが世界を救うメガハナコちゃんで、赤ちゃんな私のお母さんだったんだってことを!
「にゃーん…………」
世界の真理を垣間見た私は、頭がハナコちゃんのおっぱいでパンパン(えっちな音じゃないよ!)になって、そのまま意識をなくしちゃったの。
おやすみなさい、ハナコちゃん。
起きたら、赤ちゃんメブキにおっぱいをいっぱいください。
「ふふ、おやすみなさいメブキちゃん。……メブキちゃんはやっぱり、エッチなことを話してる時のキラキラしたおめめが一番ですね」
そうして、私は気が付いたら夢の世界でパチクリしたの。前までの病室のベッドじゃなくて、みんなで青春した合宿所のベッドで。
昔は病室だった私の内面は、今ではみんなとの思い出の場所になってたんだよ!
転生した私が、自分の居場所だーって思ってる場所がここだったんだね。えへへ、私ってばみんなのことが大好きすぎるね?
来年はお姉ちゃんも一緒して、みんなで楽しく合宿しようね!
「えっとね、これをこうして、あーして……」
今ね、テレビのリモコンを片手に、ぽちぽちってお姉ちゃんの意識にチャンネリングしてるの。これで上手く繋がったら、テレビ越しにお姉ちゃん視点で色々と見れちゃうんだよ?
テレビなのは、それが他者の主観を他人というフィルターを通して見るのには最適だから、なんてお姉ちゃんは言ってたの。
難しいことはよくわかんないけど、いっぱいお話を聞いたらちょっとは分ったんだ。
要するに、これって前世の噂に聞いたことがある、VRなAVをお姉ちゃん視点で楽しめるってことなんだよ!
「あっ、繋がったよ!」
それでね、ぽちぽちしてるうちに、やっと繋がったの。
お姉ちゃん視点での、二人のえっちが!
お姉ちゃんはね──ベッドの上から先生を見上げてる、誘い受け狐さんをしてたんだよ!
「しかし何故、キミがここに……失礼、私から頼りを出したのだったね」
部屋に先生が来た、来てくれた。
私の拙い、"先生、キミに会いたいんだ。来てくれるかい?"なんてメッセージで*1。
そのことに、胸の奥からこそばゆい感触が湧き上がってくる。喜びと気恥ずかしさが綯い交ぜになった甘酸っぱさで、窒息しそうになってしまう*2。
「セイア、今日はどうしたの?」
「実を言うとね、本当にキミに会いたくなっただけなんだ。足労してくれたのに、すまないね」
そう、本当にメッセージ以上の意味はない。
先生の顔が見たくて、先生の声が聞きたくて、その実存を近くに感じたかっただけ*3。
……いや、言い訳か。
それなら、私の方から会いに行けば良い。
いつもの通りに、踊る足取りで。
でも、そうはしなかった。
しなかった理由は……。
「謝らないで、セイアに呼ばれたのならいつでも来るよ」
先生なら、こう言ってくれると信じてたから。
ドクンと胸が高鳴る。
木の芽時のような、何かが芽生える感触。
何かが始まってしまいそうな、そんな淡い予感*4。
そう、予感だ。
もう私は、預言者としての能力はない。
だから、知ったような差出口も挟めない。
全部、そうだったら良いのに。
なんて思っている、私自身の願望に過ぎないんだ*5。
けれど──。
「そう言ってくれて、安心している。……いいや、喜んでいるんだね、私は」
期待、していた。
何かが起こるかもと、そんなことを。
この胸の高鳴りが、その何よりの証左だった。
淡くて、儚くて、なのに確かにあるんだ。
──人はこれを、トキメキと言うのだろうね*6。
「キミと交わす言葉に惹かれている。……いや、違うか。私は──」
キミが隣りにいる、キミと同じ空間に居られるだけで、喜んでしまうんだ。
これでは、まるで。
私は、やはり先生のことを──*7。
「私は?」
意識が、思索の海から浮上した。
先生のオウム返しで、途中で言葉を区切ってしまっていたことに気がついたのだ。
思わず苦笑する、何をやっているのだろうと思って。
大切な先生が来てくれているのに、自分の中に没入するべきではない。
そんなこと、いつでも……はメブキがいるから出来ないが*8、そんな時間など幾らでも作れるのだから。
今は眼前にいる先生、その存在に心を預けたい。
衒わずに言ってしまえば、甘えたいと言い換えられる。
──メブキのことが頭によぎったからか、文字通り脳内に魔が差した。
『お姉ちゃん、お姉ちゃんは甘えん坊の赤ちゃん狐さんだったんだね? 赤ちゃんはね、キチンと紙パンツ穿かなきゃダイレクトお漏らしで全てが終わっちゃうんだよ? 明日からは、アンモニアお姉ちゃんだね?*9』
時折、私の頭の中でメブキが囁きかけてくることがある。そして、許されない一人語りをしてから、そっと消えていく*10。
私はこれのことを、魔が差すと呼んでいる。
これはメブキ本人ではない、妄想だ*11。だが、そうなると信じ難いことに、この妄想を生み出しているのが私の頭だということになる*12。
違う、違うんだ先生。
私は! こんな! バカなことは! 思考しないんだ!!*13
……出来ない、ハズだったんだ。
「セイア、どうしたの? 顔色が、急に悪くなったみたいだけど」
「あぁ、先生。すまない、今ちょっと脳内にメブキが……」
「……話しかけてきているの?」
「いいや、覗き見は出来ても念話なんて出来ようがない。私たちは人間だからね」
「じゃあ、どういうこと?」
「私の脳内に住み着いている、イマジナリーメブキ*14がね」
「イマジナリーメブキ……」
おかしい、先生が私を見る目が、何か生暖かくなっている。さっきまで存在した、何かが起こる予感が微塵もなくなり、消し飛んでいた。
「待って欲しい先生、違うんだ。メブキならこう言うと頭が勝手に主張しているだけで、私が妙なことを毎秒考えているわけではないんだ!*15」
「うん、分かってるよ」
先生は、あまり理解していなさそうな、そんな微笑ましそうな表情を浮かべていて。完全に、先生と生徒の距離感(それも低学年に対するもの)に空気が弛緩してしまっていた*16。
先生を呼び出した私の目論見は、最早完全に頓挫したとしか言えない状況だ。
「先生は私の何を、どの様に理解した気でいるんだい?」
「セイアは、メブキが大好きなんだってこと*17」
「むぅ」
この状況では、どうにも否定し難かった。
……実際、事実でもあるわけではあるし*18。
あの子は、ふと人の意識に勝手に入ってくる。
気が付けば、あの子ならこう言うのだろうなと考えてしまっている。
ずっと、あの子のことを考えていたから。
ずっと、あの子の幸せを願っていたから*19。
もうそれが染み付いてしまっていて、消えないスティグマの様になってしまっている。
少し人当たりが変わったと、ナギサやミカは言う。
今のセイアちゃんも好きですよ、とハナコは言う。
……私自身も、そんな私が嫌いではなかった*20。
「そこはかとなく、何かに負けた気分だよ」
「メブキにじゃないかな?」
「先生、それは違う。姉である私が、愚妹に負けるわけがないんだ*21」
「セイアはお姉ちゃんだしね」
そんな困った妹のせいで、今日も先生から上手く逃げられてしまった。相変わらず、距離感が近いのに遠い。
……だからこそ、安心してこんなことができるのかもしれないが。
「先生、悪いが起き上がるのを手伝ってくれないかい?」
「いいけど、体調が悪いならそのままでいて」
「体調は悪くない。心配をかけてしまった様だね、すまない」
先生の手を取りつつ、ゆっくりとベッドから起き上がる。そして、そのまま、先生のその手を握ったままでいた*22。
「……セイア?」
どうしたのと問い掛けてくるその瞳は、相も変わらず真摯な色合いで満ちている。いつも頼りにしている、いつも通り安心できる目だ。
「少し、ね」
そんな彼を、私は今少し困らせるかもしれない。
けど、我慢できるほどに、私はまだ大人ではないから。
「いつもメブキを甘やかしている分、キミに甘えたいと、そう思ってしまったんだ」
私は、都合よく大人と子供を使い分けている。
今は──先生の前では、存分に子供でいたかった*23。
「許して、くれるかい?」
そうしていることで、キミが構ってくれるのを知っていたから。……メブキの構って欲しがりが、私に移ってしまっていたのかもしれなかった*24。
「もちろん、お姫様」
先生のからかいに、私は思わずはにかんで。
「では、相応に扱ってもらうとしよう」
負けじと、先生に甘えてしまうことにした。
……あの時の、惜しかったことを思い出して赤面しながら。
先生、姫を起こす時は口付けをするのが、物語における常道だよ。次、起こす時の参考にして欲しい*25。
「メブキちゃん、おはようございます。……お顔が真っ赤で、途中からにゃーと鳴いていましたが、大丈夫でしたか?」
「おはよぉ、ございます、ハナコちゃん。……うん、大丈夫だよ」
私、起きちゃった。
あれ以上、見るのはよくないって思って。
だってね、お姉ちゃんの気持ちが、すっごく伝わってきちゃったから。キュンキュンって、胸のドキドキまで伝わってきちゃったから。
えっちなことはしてなくても、お姉ちゃんはエロゲーのヒロイン並みに恋しちゃってるって分かっちゃったんだ。
だからね、えっちは見たかったけど、人の大切な気持ちを盗み見ちゃうのはイケないから、戻ってきたの。
きっと、あの気持ちはお姉ちゃんの宝物だって、分かっちゃったから。
「メブキちゃん、どうでしたか?」
おでこにおててを当ててくれながら聞いてくるハナコちゃんに、私はね。
「お姉ちゃんは、世界で一番可愛いお姉ちゃん狐さんなんだって、気がついちゃった」
胸がドキドキしちゃうのをギューって上から押さえつけて、にゃんとか私は答えたよ。
「そうですね、セイアちゃんは可愛いです」
ハナコちゃんは優しく笑って、私を甘やかしてくれたの。
だからね、そのお膝にお顔を埋めて、真っ赤っかになったお顔を隠しちゃった。今は、ハナコちゃん相手でも、お顔を見られるのが恥ずかしくて。
……恋って、こんなに甘酸っぱいんだね。
エロゲーで沢山女の子見てきたから知ってるって思ってたけど、お姉ちゃんのドキドキを共有したら、自分で恋愛するともっともっと甘酸っぱいんだって分かっちゃった。
「えっち、していましたか?」
「して、なかったよ」
「そうでしたか。……では、メブキちゃんが照れている理由はなんでしょう?」
「えとね……ないしょ」
そう伝えると、ハナコちゃんはナデナデする手が、もっと優しくなって。
「なるほど、そういうことですか。……メブキちゃんは、本当に可愛いですね」
「にゃーん」
いっぱい、ハナコちゃんの家猫さんとして可愛がられちゃったんだ。お胸がいっぱいで、ちっぱいがデカパイになっちゃいそうだったから、助かったよ!
……私も、こんなに甘酸っぱさで胸いっぱいになれたなら、将来はデカパイメブキになれるのかな?
「ハナコちゃん、ハナコちゃんは先生、大好きかな?」
「──はい」
チラッとハナコちゃんを見ながら聞くと、ハナコちゃんは優しい笑顔のまま答えてくれたの。
でもね、それが恋かどうかは分かんなかった。キュンキュン狐のお姉ちゃんと違って、ハナコちゃんはいつも通りだったから。
もしかしたら、ハナコちゃんのおっぱいがおっきいのは、先生への気持ちが胸いっぱいになって、女性ホルモンをドクドクしちゃったからかなって思ったけど、違うかもしれなかった。
「にゃーん」
「にゃーん、です」
ハナコちゃんとにゃーんってし合いながら、甘酸っぱさとデカパイメブキのことを考えたの。
私も将来、あんな気持ちになれるのかな。
なれたら、きっと素敵だね。