スキアーが霊那を連れ去った頃、神人は大和の国に着いていた。もちろん後ろから着いてきた小裁に教えて貰ったのだが。ちゃんとノアも居る。今、八坂神奈子の居る建物へ向かっているのだ。ただし、門前払いを食らうのは目に見えてるので若干次元神力で威圧をしながら歩いている。
「着いたか……」
「ほぇー、でっかい。ここにガンキャ……八坂神奈子が居るのね。」
「霊銃の準備は出来てるよ。」
「殺る気満々のところ悪いが戦争しに来た訳じゃないからな⁉︎」
ノアはちぇっ……と仏頂面になる。しかし銃型兵器などぶっ放されたらたまったもんじゃない。それこそ戦争になる。軽く一撃で、森を吹き飛ばせるパワーも撃てるのだから。
「おーい。神奈子ー。いるかー!」
「全く、私はお前に呼び捨てされるほど仲良くないだろう。」
「ちょーっと話があるんだが。」
〜少年相談中〜
「ふむ……つまり一騎打ちにしろと。私は構わないぞ。部下は連れて行くが、傍観者として連れて行く事にする。」
「分かってくれたか。なら用事は済んだな。」
そうして神人が帰ろうとした時、クリエイターがいきなりテレパシーで話かけてきた。その内容は驚くべきことだった。霊那が攫われたのだ。さすがの神人も焦っていた。
いきなり何ィ⁈と、怒鳴ってしまった。
「あ、悪い。いきなり怒鳴って。」
「あ、あぁ。何があったんだ?」
「諏訪子の神社に居た小さい女の子が攫われた!すぐに戻る!」
神人は来るときのスピードの比ではない速度で、元来た場所……では無くクリエイターからの指示に従い進んだ。
その先にいたのはスキアーだった。しかし神人が最後に見た姿とは少し変わっている。翼が生えており、フードが取れて両手の甲に、赤い目玉が浮き出ている。
「ヨォ……遅かったな。妖 神人。お前が欲しいのはこいつだろ?」
そう言ってスキアーは霊那を神人に投げつけた。神人が受け取ろうとしたその瞬間、スキアーはククリ刀を投げつけ霊那を串刺しにしたのだ。目の前で、霊那を殺された。ただ、その一つの動作が意識の中の銀の扉の鍵を一つバキン!と壊す事になった。
「ククク……ハハハハハハハハハ!」
「な⁉︎バカな、こんな力感じた事がないぞ⁈」
さすがのスキアーにも焦りが出始めた。周りの大地や木々が歪み始める。壊れた鍵は『狂気』。禍々しいまでの妖力が神人から漏れ出しているのだ。
「モウイイ、コノ世界ガドウナロウト知ッタコトカ。スベテヲゼロ二!『グランドクロス』ッ!」
「させると思うか?ザ・パラドックス!」
時間がスキアーがククリ刀を投げた前まで戻る。しかし、このザ・パラドックスには欠点がある。それは死者が蘇らないこと。つまり、霊那は死んだままだ。よって投げつけられたのは、霊那の死体という事に変わる。
「ふぅ……あぶねぇあぶねぇ。もうすぐ消し炭になるとこだったぜ。」
「……霊那を。よくも霊那を!」
そしてもう一つ。ザ・パラドックスは神人の意識内の壊れた鍵に干渉は出来ない。しかし、壊れた事実だけしかのこらないため神人は狂気には犯されなかった事にされる。
それが不味かった。今度は『怒り』の鍵を壊したのだ。これではどちらにせよ、拉致があかない。次元神達は次元神界から神人を見ていた。
「さあ、引き出すんだ。僕達の力を!」
「ふぁぁ……じゃあちょーっち手助けしてくるわ。」
「え?ユグドラシルどこへ?」
「あの扉のとこ。私がやらなきゃならない仕事があるでしょ?」
ユグドラシルは何処かへ消えていった。あの扉とは神人の意識内の扉の事だ。そして、ユグドラシルがその扉に触れると、美しい草木の紋様が現れて緑色に輝いた。その変化は神人にも現れた。神人の服は緑に変わり、扉と同じ紋様が現れ、髪が緑に変わった。更に驚くことに、神人の後ろにいきなり樹海が誕生したのだ。
「ユグドラシルフォース。」
ーーさぁ、やってやるよ。