気を失った神人は小裁とノアに回収され、諏訪子の神社へ運ばれた。神人の倒れていた周りに何故か草が生えていた。理由はユグドラシルの力を少し手に入れたためだ。神人には『植物を繁栄させる程度の能力』が追加された。しかしこれはユグドラシルの劣化能力にすぎない。ユグドラシルの力の本質は侵食と繁栄。この内の繁栄の部分しか使えないわけだ。しばらくして、神人は目が覚めた。目の前には木の天井と、心配そうに顔を覗き込む諏訪子とノア。隣には豊魅が寝ていた。
「う……霊那はどうなった?」
その質問に、小裁が答える。しかし顔には疑問が見られた。
「霊那は居なかったわ。前から若干気になってはいたけど、何故妖怪のあんたが人間にそこまでするの?」
「俺はもう失いたくないだけだ。これ以上何もな。」
「そんな独りよがりが通用すると思うの?馬鹿馬鹿しい。だからあなたは誰も守れない。それどころか奪う始末なのよ。」
言われっぱなしの神人の代わりに諏訪子はそれに対し反論する。
「小裁……それは言い過ぎじゃ」
「いや、諏訪子。小裁の言うとおりだ。俺は子供だった頃の小裁から両親を奪った。」
「え……それってどうゆう」
「諏訪子、思い出したくないの。」
小裁は声を低くして言った。つまり半分キレている。誰にでも思い出したくない事はある。小裁の両親は確かに朧蒼に殺された。その事実は変わらない。その時両親を殺した凶器は神威。両親の遺体は粉々に切り裂かれていたそうだ。小裁の記憶にあるビジョン。倒れた両親を見下ろし、血塗れの服のまま、神威を床に突き刺し涙を流しながらずっと遺体を見ていたそいつ。青白い光を放ちながら神威を回収しその男は消えた。その時だ、小裁が決心したのは。親を殺した奴に復讐すると。数年後その男が平気な顔して都にいたのには驚いた。しかも妖怪だと?なんで妖怪が都に居られるのだ。さらに怒りは増える。特別待遇されている以上手は出せないからだ。怒りを他の妖怪にぶつける。小裁は戦果をあげ昇格する。しかしあの男も同じように昇格する。気にくわない。さらにぶつける。昇格する。これを繰り返し、いつしか小裁は兵士長になった。しかしある日それは変わった。八意永琳に呼ばれ、蓬莱の薬の実験台になり成功した。その後、親の敵が作った日本刀型の兵器『天羽々斬剣』を手にし、都の人々がロケットで逃げる時、妖怪を惨殺する事になる。核爆弾が降ってくる事になるとは思ってなかったが。
「……悪い。少し外の空気に当たってくる。」
「……あっそ。」
(……だめかな。ツッコミたい。あんたら冷めきった夫婦か!ってツッコミたい……)
ノアはずーっとうずうずしていたが空気を読んで言わなかった。
あれ?最後ネタになっちゃった。