外に出た神人は縁側に座っていた。しばらくじっとしていると、黒い小さな球体が飛んできた。それには一つの赤い目があり、神人はそれを過去に見たことがあったのだ。なんとそれはスキアーの研究室にいた時の姿だったのだ。
「く……かか……よう、神人……」
「お前スキアーか⁉︎そんなちっさくなっちまったのか⁈」
「馬鹿か……分裂したんだよ。意思はこっちにあるからな。あと、体をくれ。なんでもいいからよォ……」
「おぉ。わかった。
スキアーは創られたダークマターを喰って大きくなり、人型に変わった。しかし、見た目は赤い一つ目の黒い化け物で、しかもスキアーはさすがにそのままでは体が日光に当たりすぎて消滅してしまうため、人間の体も一緒に創る。スキアーにぴったりにすると、片目が無くなるため眼帯も一緒に創った。
「クカカ……いや、なんとかなったか。すまんな、助かった。奴の洗脳を解くのに手間取っちまった。」
「やっぱりお前は化け物だよ。なんでも負に変えて自分の一部に出来るんだからな。」
「誉めんな。照れるだろ。だが影崎は無理だった。すまないな。」
とりあえずスキアーは仲間になった。闇の様に黒い髪と、隻眼の赤い目が特徴だ。闇で作った黒いローブを羽織り、スキアーは神人と一緒に諏訪子の神社へ入った。
「あら、帰ってきたの?って誰よそいつ。」
「こいつはスキアーだ。こいつだけなんとかなったらしい。影崎は無理だったんだとよ。」
「ふーん……いやスキアーって人じゃなかったわよね。なんで人間に?」
「クカカ……こいつのおかげでな。ククリ刀がないのはかなり痛いがまぁ構わん。貴様らにいい事教えてやるよ。俺を洗脳してやがった野郎の情報だ。」
その男は次元神と呼ばれる神。そのうち平行世界を司っている神がいま、スキアーの体と影崎神を操っているらしい。名前はパラドクシス。あの夢と同じ名前だ。つまり次元平行神パラドクシスが今神人が倒すべき相手と言う事だろう。
「……次元神?何よそれ。そんな神知らないわ。」
「私も知らないよ?」
「……だろうな。今見せるこの力はその次元神の力だ。」
神人は右手に暗い緑のオーラを纏わせる。神人の次元神力の本質は『器』と『混沌』だ。神人は負に対して耐性がある。それの理由が先の本質である。
「クカカ……俺はパラドクシスから少し奪ってきてやったぜ。ほらよ!」
「あんたは青白いわね。どっちかっていえば神人の方がスキアーっぽい気もするわ。」
「うるせぇな。仕方ねえだろ?スキアー、それ逆探知されないか?」
「大丈夫だ。もう完全に俺の力に変えてやった。」
「流石だ。仕事が早いな。」
忘れているが、明日が諏訪大戦。だとすればその隙を狙って来る可能性もある。神人たちは豊魅の回復を待ちながら、準備を始めるのだった。
「ふふふ……気が付いてないと思ってるのかな?まぁいーけどさぁ……なめないでもらいたいものだ。」
黒いフードの男……パラドクシスは、影になり消えた。