神人がルーミアを気絶させて、数時間後。歩き続けていると、開けた土地に出た。そこは、昔月に行った人々がいた場所。元都があった場所は草一本すら生えておらず、荒れ果てた更地のままだった。しかし真ん中に誰かがいる。そいつは何かを植えているようだ。
「……妖怪か?」
「さぁ?ま、少なくとも人間じゃないのは目に見えてるわ。」
「霊力が感知出来ない。妖怪よ。」
ノアの目が赤くなっている。この時の彼女は霊力妖力さらには神力等、色々な力を測ることが出来る様になる。因みにこれは、彼女の能力の応用で、動物の危険を予知する感覚器官をフル活用して感じ取っている。
その女性は、ニコッと笑うと日傘をさすとこちらへ歩いてきた。
「どうも、貴方達は?」
「俺達は旅をしてるんだ。しかし、何をしてたんだ?」
「花よ。花を植えてるの。私はこの更地を花で埋め尽くしたいのよ。」
そう彼女が言った。それを聞いた小裁はノアにある事を聞いた。この土地の残留放射性物質の量だ。何故かというと核爆弾が投下されたこの地は、植物等が育つ為にはまだ時間が必要なのではと思ったからだ。
「まだかなり残ってる。これではいくら種を植えても無駄に終わる。」
「……何?私がやる事が無駄?どうゆうことよ。」
一瞬にして、空気が凍りつく。強力な妖力によりノアが威圧されている。しかし、ノアには妖力が効いていない。なぜならば、ノアは妖怪と戦うために作られた人造人間。妖力に対する耐性は人間の比ではない。
「神人、こいつを抑えても?」
「構わねぇが……やり過ぎんなよ。別段悪い奴じゃねぇ。」
「理解した。これより拘束を開始します!」
「へぇ……誰を拘束するって?」
ノアは花妖怪と距離を取る。しかし、その距離は一瞬で詰められ、凄まじいパワーで日傘が振るわれる。地面が弾け飛び、ノアの体力を奪って行く。
「霊双銃アダム&イヴ。モード拘束……発射!」
「な、何よこれ!」
発射したのは霊力のトリモチ弾。当たると妖力に反応し、動きを止める。相手の妖力が強ければ強い程粘り気と強度が増し、動けなくなる。
「くっ……このぉ!」
彼女が右手から強力なレーザーを発射した。後にマスタースパークと呼ばれる様になる、強力な妖力レーザーだ。しかしそれと同時にトリモチが反応し動きをさらに制限した。ノア自体はマスタースパークを霊銃アダムを最強出力にし、完全に弾き返した。
「悪いけど……私はこの程度の妖怪にやられる程弱く作られてはいません。」
「なめやがってぇぇ!クソォォ!」
「品がありませんよ、花妖怪さん。」
「煽るなノア。すまねぇな、名前なんていうんだ?」
「風見……幽香よ。」(何こいつかっこいい……///)
「外してやるよ。」グシャッ!
神人は全く力が纏えない右手と、次元神力でコーティングした左手でトリモチを破壊した。元は霊力で出来て居るので次元神力を浴びせれば破壊できる。次元神力はそれ以外の力を無力化する事が出来るため、このトリモチを破壊するのに向いている。
「助かったわ。それでこの土地が無理ってどうゆう事なの?」
「まぁ……なんていうか土が汚れてるのさ。そーだな、何とかできる奴がいれば良いんだが……」
(私がやろう。私は次元地神ガイア。大地を浄化するなど片手間で出来る。)
「おっ、丁度良いのが居た。シンクロ開始……ガイアフォース!」
神人の髪が茶色に変わり、服が若草色のローブに変わる。更に地面から緑の宝玉が二つ現れ、腕の形をした地面が宙に浮いて神人の左についた。
「さて……始めましょうか。」
「姿が……変わった?」
「これが次元神を纏った神人……。凄いパワーを感じるわ。」
次元神力が極端に上昇している為、地面が少し震えている。しかし、良く見ると右腕だけ変化しておらず、腕も浮いていない。やはり、右腕には力が行かなくなっているのだろう。
「解析不能。やはり次元神力とは未知のパワーのようね。」
「ノア……いい加減戻せば?普通にしゃべれるでしょ?」
「どうしても力を解析しようとするとこーなるんで。仕方ないですよ。」
神人が大地の腕を地面に叩きつける。すると、地面にガイアと神人の次元神力が流れこみ全ての異常を解消していった。
「こんなものですかね……しかし、放射性物質とは中々科学的なものを浄化したものだ。では私はこれで。」
神人の姿は元に戻った。かなりグッタリしている。まだまだ神人は次元神力の扱いには慣れていない為、無駄に使い過ぎている所があるようだ。
「つか……れた……」
神人はそのまま倒れこみ、眠ってしまった。
目を覚ましたのは3日後の朝の事。小裁は自分の目的地、博麗神社に向かった為既に居なかった。神人が寝かされていたのは、幽香の家だ。
「う……あれ?寝てたのか。……うわぁっ!」
神人が驚いたのは隣で寝息を立てて同じベッドに潜り込んで居た半裸の幽香を見たからだ。現状理解が出来ない。大地を浄化した後に運ばれたのは分かるが何故隣で幽香が寝ているのかが分からない。状況把握をしようとしていると、ドアが開きノアが入ってきた。
「あ、目をさましたの神……人。何してんの。」
「一番俺がコイツに言いたいよ全く。」
「いい加減縄を解きなさい!」
ルーミアも目を覚ましていたようだ。縄を解けとうるさい。あれ?じゃああいつは3日ぐらい縛られたままだったのか?そんな疑問よりもまず、幽香に
「さて……材料が無いから無駄な使い方だが能力を使う。これからキッチンには来るなよノア。
数時間後、もう完全に昼になっている。幽香はキッチンに来て驚いた。神人が料理をしているからだ。
「貴方料理出来るの?」
「ああ。一つを除いて大体は出来る。」
「そう、神人の
「いや、それ食べ物なの?」
「カレーできたぞ。ほれ。」
出てきたのはいかにも美味しそうなカレー。イイ香りもする。幽香はそれを一口食べて……一言こう言った。
「水ゥゥゥゥゥ!!」
神人カレー。神人以外が食べられるところを見たことがないくらい辛いカレー。これを食べてポーカーフェイスを保つなど不可能である。
「さて、気絶した俺を介抱してくれた事には感謝するが……なんで俺の隣で寝てた?」
「ひゃれれなひはよ!からしゅぎよはれわ!なんなのひったひ!」
「俺特製殺人カレー。その名を神人カレー(永琳命名)。隠し味にジョロキアパウダーと俺が開発した植物からとった成分を入れたのさ。」
「その植物の汁はジョロキアの何千倍もの辛さの数値を叩き出してバイオ兵器になってたわ。」
「別に俺は美味いと思うがな。」
「味覚障害乙。」
「ノア!?」
あちゃーノアの機嫌が悪い。朝のが一番やばかったな。と、神人は一瞬で対処出来なかった自分を責めた。ノアは神人に色じかけしてくる奴に何故か容赦ない。そんなことがある度にノアの機嫌が悪くなって悪い時は口も聞いてくれない。旅仲間が口も聞いてくれないと精神的にまいってくる。
「う……死ぬかと思った……まだ舌が痛い」
「人間には食べられないだろうな。」
「永琳、病院に搬送されたもんね。」
「あれ?記憶戻ったか?」
「部分的です。」
ルーミアがまだうるさかったのでルーミアにも神人カレーを口に突っ込んで気絶させた。そこまで行くとは神人も思ってなかったが、涙流しながら気絶した。一瞬口から火が出たようにも見えたが。拷問もいいところである。
「……あ、そうだ。もう行かねぇとお前に迷惑をかけることになりそうだから出ていくよ。」
「えっ!?せめてあの殺戮兵器だけは持って行って!お願いだからあれを一人で処理させないで!」
幽香の懇願により神人カレーの入った鍋を貰い、神人とノアとルーミアは旅を再開した。
神人カレーが残ってる間、妖怪が全く寄って来なかったのはこの際余談だ。
あまりの美味さ(意味深)に舌が死ぬ!
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