東方次龍神   作:ゆっくり無色饅頭

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修行開始

輝夜が土下座してまで頼んだ事。それは月からの使者から自身を逃がすことだった。しかし神人は乗り気ではない。月の人間を相手にするとなると色々面倒になりそうだからだ。彼らの科学技術を前に、自分のコントロールが上手く出来ない次元神力のみで戦えるかと言われれば不可能だろう。一撃必殺で決めなければ動けなくなった所を捕まえられてしまう。

 

「……だが、昔のよしみだ。助けてはやるが……作戦が必要だな……後、人手と修行出来る場所が欲しいな。」

「それなら私が知り合った妖怪に頼めばいいわ。紫、居るかしら!」

 

輝夜が虚空に叫ぶ。すると何もない場所が裂けて、気味の悪い空間が現れた。そこから上半身のみを出したのは金髪の美女。彼女は八雲紫。スキマ妖怪と言う固有の妖怪である。

 

「何かしら。あら、お客様が居るのに顔出ししてるなんて珍しいわね。」

「はじめましてだな。龍妖怪の妖神人だ。」

「人造人間のノアです。」

「ご丁寧にどうも。私は八雲紫。人間と妖怪の共存を目指してるわ。」

「紫、彼をあなたのスキマ空間で修行させてあげて。スキマ空間なら問題ないでしょ?」

「へっ?いや、構わないけど……あまりおすすめしないわよ?」

「構わねぇよ。死なねえから。」

 

神人は神威を置いて、スキマ空間へ入れてもらった。神威を振り回してスキマ空間内をズタズタに引き裂くわけにもいかないからだ。

 

「さて……次元神力フル開放ッ!」

 

神人はここで初めて次元神力を完全開放した。その瞬間、ほんの一瞬だけ、服が真っ白になりローブのようなものに変わって髪が腰の位置まで伸びた。が、しかし一秒ももたずに元に戻った。

 

「……?今のはなんだ?てか、疲れるな……うし、もっかいやるか……」

 

またもや一瞬だけ、姿が変わった。神人の次元神力とクリエイターの次元神力が混ざりあってさっきの姿に変わっているのだ。強いていうならモード最高神であるが、神人は気がついていない。それが最高神本人の力であることに。

 

「……やっぱり変だ。確かに姿が変わってるけどなんかたりねぇ……受け止める型が違うみたいな感じだ……」

(やぁ、久しぶり!クリエイターだよ。)

「うぉっ!?なんだいきなり!」

(一度次元神界に強制的に来てもらうよ。話さなきゃならない事がある。)

「え?ちょ、待t」

(えいっ!)

 

掛け声が頭に響いた瞬間、スキマ空間から神人の姿が消えた。紫が異変に気がついた時には既に神人は次元神界に送られたのだ。

だから神人は知らなかった。自分達が来て、しばらくした後に海月小裁が来ていたことを。

 

「で、肝心の神人は逃げちゃった訳?」

「えっと……私を置いて行くとは考えづらいし何せルーミアをあのまま放置はしないと思うんだけど……」

「まず、スキマからの脱出経路がわからないわ。まるで誰かが引っこ抜いたみたいに居なくなっちゃったんだもの。」

「まさか……神人に絡んでるとしたら特殊な物で考えて次元神……の誰かがやったとしか考えられないわね……」

 

小裁とノアとの2人しか理解できないワードが出てきた為、紫、輝夜は首を傾げていた。

いくら考えても無駄なのだが。次元神にまつわる書物等は存在せず、尚且つ彼らは信仰で成り立ってはいない。神を超えたナニカであり、神とは名ばかりの存在であるからだ。異常な強さもそのせいである。また、彼らの操る次元神力がこれ以外のあらゆるエネルギーを阻害するのも、この世界のものではないからだ。

 

「ま、まぁ神人ならふらっと帰って来るからその間作戦を考えましょう!」

「そうね。不死身だし。」

「えっ?彼、蓬莱の薬でも飲んだの?」

「元かららしいわ。ま、別にどうでもいいけど。」

 

一方次元神界では神人がクリエイターの前にワープさせられていた。

 

「……で?なんなんだ話って」

「そうだね……さっきの力の事。一度僕の次元神力を返してくれない?」

「えっ?あ、あぁ。」

 

神人の体から、光と闇の珠が出てくる。しかしそれは最初に渡された時よりも闇が減り、輝きを増していた。

 

「やっぱり……器の次元神力が創造の次元神力から闇を奪ってるんだ。もう私の次元神力は使わない方がいい。貴方がたまに凶暴で残虐な性格になる時があったでしょう?」

「……言われてみれば。」

「闇のせいだよ。貴方が力を制御出来ないのも次元神力が別の力である闇を妨害しようとしているから。だから上手く力を配合して使えなかった。」

 

簡単に説明すると、神人が妖力を使えなかった理由は次元神力による妨害。しかしそれは闇による過剰反応によるものだったというのだ。

 

「君から創造の次元神力を抜いたから創と滅を司る程度の能力が使えなくなっちゃったかもね。」

「まじか!?困るぜそれは!」

「だから……君にはコレを受けてもらうよ!たぁ!」

 

いきなり巨大な次元神力の弾丸が神人に向かって放たれた。彼は器の次元神力で受け止める。あくまで受け止めるだけであって、かき消すのは不可能。しかしこの力は受け止めたものを一部自身の力とする事ができる。

 

「う……おぉぉぉらぁ!」

「嘘ォ!?全部受け止めれるなんて……」

「へっ、多少なりとも戦闘経験はあるんだよ!ほぼワンパンだったけどな!」

「君なら……出来るかもしれないよ。いや、出来る!君なら最高神の技『オリジンバースト』が使えるよ!」

「お、オリジンバースト?」

「早速修行だ!いくよ!」

 

神人は右手を引かれながら修行場へ連れていかれたのだった。

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