神人は修行を受けている。しかし、相手は自分が力を借りたことのある次元神。ユグドラシル、アレス、ガイア、クリエイターだ。四対一であるにも関わらず神人は戦いを止めない。
「行くよ、樹海神槍ディガルグ!」
「闘☆魂☆注☆入ゥゥゥ!」
「テラ・マーテル!」
「ザ・グランドクロス!」
四神の必殺技とも呼べる強力な技が神人に向けて発射される。しかし彼は動かない。全力で次元神力を展開し、あの姿になり、継続できれば成功だ。だが、今回は異常だった。真っ黒なローブと闇に染まった髪、更には黒いリングが頭の上に現れた。
「ガァァァ!」
「うわっ!弾かれた!」
「くっ……ハァハァ……なんだ今のは……」
「失敗だけどおかしかったね。やっぱり闇がある以上あの姿になるのはやらない方がいいかな。」
「じゃあよ、オリジンバーストはつかえねぇのか?」
「うーん……君がもしアレなら使えないのはおかしいんだけどね……」
アレとは最高神の力の事である。ちなみに神人自身は自分が次元最高神の半身で力の部分である事には気がついていない。記憶と精神の部分はクリエイターが持っている。
分裂なんてことは普通の次元神にはできる芸当ではない。
今回が初めての事象だから神人が一体どういう経緯で意思を持ったのかが不明なのだ。
「まぁ、力を扱いやすくはなったでしょ?」
「馬鹿でかい妖力をいきなり上手くは使えねぇけどな。元々こんな強くなかったし。」
「中級の下の方だったもんねー」
「う、うるせぇ。」
「今となっては大妖怪も真っ青だし、名前のない次元神なら倒せるんじゃない?」
名前のない次元神は山ほどいる。ただ、彼らはたまたま次元神力を持っただけであり、化物のような力はない。逆に名前のある次元神はこの世のものとは思えない力を持っている。名前の無い者達は弱いとはいえ大妖怪程度ではやられないし、強力な兵器等でも殺せはしない。あくまで次元神内での話だ。
「よし、オリジンバーストの練習と行くか。」
「いってらー。あ、ガイア。地上で神人の代わりになっといて。依代は用意しとくから。」
「へっ!?わ、私ですか!?ちょ、ユグドラシルの方が強いじゃないですか!」
「ダメだよー。大事な時に限って寝られたら誰が起こせるのさー。」
「うっ……ユグドラシルを下手に起こして不機嫌になられたらそれこそ大変……分かりましたよ行けば良いんですよね私が。」
「よろー♪」
依代を使う事で力を制限され、時間の制限を無くす事ができる。彼らが地上でそのまま行動すると10分間しか居られないため、仕方なくする方法だ。
ちなみに次元神が降臨する際には空が裂ける。
「はぁ……なんで私が……」
「うわっ!誰あなた!」
「あ、どうも。蓬莱山輝夜、ノア、八雲紫、海月小裁の四人であってますか?」
「あってるわ。で、誰?」
「私は次元地神ガイア。妖神人の代わりに、蓬莱山輝夜の護衛をする事になりました。」
「「「「じ、次元神!?」」」」
彼女から発せられた強力な次元神力により、大地が喜んでいるようにも感じる。純粋に次元神力のみを発しているため、凄まじい力で押さえつけられて居るような錯覚にも陥る。
「さて、作戦を聞きましょう。妖神人が来るまで、私が力を貸します。」
小裁は凄まじい者が味方についたなと内心ため息をついた。