な、何を言ってるか(割愛)
次元地神ガイアが降臨し、作戦を立てている頃。都に近づく巨大な闇があった。そう、スキアーだ。だんだん近づいて来ていたが、スキアーはもうすぐというところでとある妖怪にその足を阻まれていた。
「クカカ……てめぇは確か……」
「蟒蛇毒牙よ。あんたを神人のとこには行かせない!」
「てめぇの能力は既に頂いたんだよなァ……仕方ねぇ、邪魔をするってならぶっ殺す!」
闇の剣を振り回し、毒牙を切り刻もうとしてくるが毒牙はもとよりそこそこ強い妖怪。この位ならば当たりはしない。更に、毒を吐きかけて反撃する余裕もある。
「若干強くなったか……?」
「恋する乙女は強いのよ!」
「なんの話だ……。」
「喰らえ、死毒玉ァ!」
致死量を超える猛毒の玉がスキアーに直撃する。あまりに至近距離だったため、かわせなかったのだ。しかし全く効いてない。
「クカカカカ!俺に毒が効くかよォ!死ね、ディザスター……」
「あたしの力を甘くみるなァ!奥義、竜頭蛇尾!」
巨大な毒レーザーを放つ。レーザーの先端部分が竜の頭の形をしている。ディザスターレイズを撃つのをやめ、スキアーは影になりかわす。
「消えた!?」
「後ろだバカめ!」
スキアーは影になると同時に、毒牙の影に紛れ込んで後ろに回ったようだ。ククリを振るい、彼女の背中を斬りつけた。
「あぁっ!」
「フン……ざまぁねえな。所詮はこの程度か。パラドクシス。コイツ、殺すべきか?」
(殺っちゃえば?神人にちくられたら鬱陶しい。)
「つーことだ。死んでもらおう。」
毒牙の首に冷たい刃が当たる。そしてスキアーがククリを振り上げ、勢い良く切り落とそうとした時、ククリの刃は何処からともなく現れている手に掴まれていた。
「誰だ!邪魔をしやがった奴は!」
「フフフ……あらあら、随分な趣味をお持ちのようね?」
「チィッ!何者か知らんが、出てきやがれ!」
「嫌よ。切られたらたまったもんじゃないわ。」
そう言って、毒牙を回収しようとしたその手をスキアーは闇で払い自分の中に収納し逃げてしまった。
「あら残念。逃げられちゃった。」
八雲紫はスキマから手を引っこ抜いて、そのまま話の輪の中へ再度入っていった。
毒牙は次の日に、無惨な姿で血塗れにされ死んでいた。紫はそれを見てこう言った。
「貴女は本当にそれで良かったの?」
と。これは別に神人の為に戦った事を指している訳ではない。そのまま死んでしまう事を言っているのだ。
「良いわけ無いわよ!もー!絶対神人に嫌われるぅー!」
「あぁ……そう。」(別に好きとも思われてないって言えない……)
そう、毒牙。なんと彼女は神人への思いが強過ぎて幽霊になったのだ。片方はズタズタの死体、片方ピンピンしている幽霊。あまりにシュール過ぎる。
「こうなったらあのヤローをぶっ飛ばしてやる!今のあたしなら攻撃なんか効かないハズよ!」
世の中そんな甘くない。いくら幽霊でも普通に攻撃は食らう。何故なら、スキアーの能力は負を操る程度の能力。負の存在とも言える幽霊に触れない訳はない。
「はぁ……全く。貴女も手伝いなさい。」
「へ?ちょっと!なんで掴めるの!?放しなさいよー!」
紫は妖力を纏った手で、毒牙を引っ張って行った。
その後、ちゃんと毒牙の死体は埋められた。が、幽霊自体は残ったのは言うまでもなかった。
最早悪霊である。