とりあえずがんばって書いてしまおう
朧蒼は、死んだはずだった。
薄れゆく意識の中発動した可能性を操る程度の能力。
その力で無意識に扉を開いた気がする。
その扉にはなんとも言い表せないほど美しい模様があった気もする。
目が覚めた時、心配そうに少女が顔を覗き込んでいた。
その少女を朧蒼は何処かで見たような、そんな感覚がした。
まるで昔は自分とともにいたような、それで居て離れた。そんな悲しい感覚である。
「俺は……生きてるのか?」
「いいや、生きていたらここには居られない。だってここには生の概念も死の概念も無い世界だから。」
少女はそう答えた。
少女の名はクリエイター。
その昔、この世界を創った最高神の半身らしい。
そのうちの創造の部分がクリエイターの体となって居る。
「そうだ!スキアー!あいつは何処に⁈核爆発があったから逃げられないはずだ!」
「落ち着いて。貴方はこの世界にいる限りそこに干渉は出来ないの。」
「じゃあ俺はダチを救えないままここでぼーっとしてなきゃならねえのかよ!」
「最後まで聞いて。僕の力を使えば下……いや、貴方の世界へもう一度行ける。だから貴方は今一番したい事をすればいい。貴方が出会ったあの男、あいつは僕たちと同じ。だから貴方に僕の力を貸してあげる。」
そう言って差し出した右手には、光と闇が混ざったような球体があった。
それを朧蒼が受け取った途端姿が変わり、髪が真っ白に脱色し、既にあった尻尾が二つに増え、目がエメラルドグリーンに変わった。
「ッ⁉︎貴方は!……いや何でも無い。さ、そこの扉を開いて下へ落ちればすぐにつくはずだよ。」
「ああ、ありがとう。行ってくる」
朧蒼はそう言って降りて行った
その様子を見ていた神々のうちの一人が、寄ってきた。
「なぁクリエイター。今の奴まさか……」
「分からない。でもなんでだろう。力を渡さなきゃって思ったのは。」
「最高神様……?本当にあいつはクリエイターの半身なのか?」
朧蒼は爆発によって出来たクレーターの中に居た。
容姿は完全に変わっては居るが、力の質は変わって居なかった。
彼はそこでぼーっとして居るわけにもいかず、とりあえず立ち上がり必ず生きて居るはずの奴を探し始めた。
そいつは見回しただけであっさり見つかった。
オレンジの髪に角が2本あり、右手の枷が外れている鬼。
母子鬼神の妹、鬼灯豊魅。
能力は原型を留める程度の能力。
そして、分割を操る程度の能力だ。
しかし倒れているため、核爆発の衝撃で気を失って居るのだろう。
「おい、大丈夫か?」
どうやら声の感じは変わっていないようだ。
普通に一般高校生ぐらいの声だ。
「うっ……ぐ、その声は朧か?見た目が違うのぅ……」
かなり弱っては居るが大丈夫そうだ。
他の妖怪達と一緒に襲ってきた理由は多分、姉を殺された事だろう。しかし、後で判明したが誰もやっては居ないのだ。
とりあえずその話は別の機会だ。今は豊魅を回復させることが先決である。
豊魅を連れて、朧蒼はその場を離れた。
フゥ……マシにはなったかな……