神人と豊魅は、ノアの治療を済ませた。主に神人の創と滅を司る程度の能力を使ってだが。肋骨とか肋骨とか、かなりボキボキに折れてたがノア自身の生命力が強かったため、何とかなった。疲れ果てた二人は木に寄りかかって寝ることにした。
そして次の日
「ふぁぁぁ……よく寝たのぅ……」
「寝過ぎだ、もう昼だっての。全く、戦闘中も酒飲むからそうなるんだよ。」
ノアは目を覚ましていた。しかし、記憶が無ければ朧蒼が自分にとってどんな人物か思い出せないだろう。
神人はボーっとしているノアにこう言った。
「お前も来いよ。ノア」
その言葉が、面影が、消えたはずの記憶から好きだった誰かと被る。ノアの頬を冷たい何かが流れる。彼女は無意識に泣いていたのだ。
「神人、泣かしたらダメじゃろ。おおよしよし。」
「俺何かしたか⁈」
「私も、着いて行く。着いていきます。」
神人と豊魅とノアの三人の旅が始まった。始まってから長い年月が経ってゆく。かなり人間も増えてきた頃、妖怪も現れ始めた。しかし、妖怪達はいとも容易く人間にやられる程弱かった。集団でかからなければ人間に追い返されるのが関の山だ。
神人達にも襲ってきた奴が居た。しかし一人だけだったが。
「弱ッ!何で襲ってきてカウンターパンチ一発で気絶すんだよ!」
「神人のパンチが強すぎるだけだと思う。」
「ノアに同意じゃな。」
頭にでかいたんこぶを作っている少女が神人の足元に転がっている。気を失っているようだ。しかしちょっとだけ変なのが、この少女が襲ってきたときにはあった妖力が少女から消えたのだ。まさかと思った神人は次元神の力を掌に通して、少女に触れてみた。すると案の定少女はただの人間では無かった。どうやったか分からないが体は人間、力は妖怪という変な体質のようだ。ハーフ?なのだろう。
「一体どうなってやがる……」
「私は多分ハーフだと思う。」
「わしはそうゆうのには疎いから分からんのう。」
とりあえず神人は、その少女を回収して歩き出した。すると、ある大きな国についた。諏訪の国だ。その入り口に門番が二人いる。神人と豊魅は妖力を隠し、神人は尻尾を豊魅は角を隠して門へ向かった。
「止まれ!貴様ら何者だ!」
「俺たちは旅のものだ。通してもらいたい。」
「ダメだな、貴様らが大和の者の可能性がある以上は通すつもりはない!」
じゃあ何で聞いた。通すつもり無いんじゃねえかよ。と心の中でツッコミを入れながら、神人は次元神の力を軽く放出してみた。何故なら何かデカイ神力を感じたからだ。多分そいつがこの国の長だろう。ならば簡単だ。そいつをおびき出して話をつければこの門番も文句ないだろう。
しばらくして、凄いスピードで、神力を持った少女が飛んできて言った。
「お前が犯人か!その力、大和の神だな!八坂神奈子、覚……悟あれ?違う?」
「おー釣れた釣れた。次元神の力ほんっと便利だな。」
「神人……ちょっと強すぎ、頭痛くなってきた。」
「わしも気分が……」
「あ、すまねぇ。抑えるな。」
普通過ぎるやりとりをした神人達に、少女はツッコんだ。
「えぇっ⁉︎無視ッ⁈」
この少女の名は洩矢諏訪子。諏訪の国のちっこい神様である。