正義実現委員会の閻魔様   作:光からの使者

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 便利屋イベントとっても楽しみ!
 色々と考察しがいもあるし、PVの生徒も期待!

14話
皐月ニシ様

17話
croto様
 感想ありがとうございます!!





 17話
 siro1218420様
 偽ハリー様。

 誤字報告の方ありがとうございます!!


新業務4:銀行強盗はじめました

 

 「便利屋68?」

 

 ブラックマーケットで過ごしていたある日。

 アビドス自治区に便利屋68なる組織がやってきているという噂でマーケット中持ち切りであった。

 

 「なんだ、知らないのか?キヴォトスでも結構名の知れた組織なんだぞ」

 

 宿の店主曰はく『便利屋68』というのはキヴォトスの裏社会界隈の中で飛び切りの有名会社らしい。社長・室長・課長・平社員からなる企業で「金さえ貰えばなんでもする」がモットーらしい。

 

 各地にアジトを転々としては、依頼を遂行する。

 敵対した相手は悉く返り討ちにされているようで、自由と混沌を愛するゲヘナ学園でも一目置かれているとかいないとか。

 

 そんな便利屋68の姿がつい先日、確認されたようで傭兵を引き連れどこかを襲撃したという。

 物騒な話だと思いつつも、あまり心配はなかった。

 何せ先生がアビドスに居るのだ。あの大人がいる以上アビドスは問題ないだろう。

 

 「あんちゃんも気つけなよ。『世直し黒狐』なんて異名が広がってんだ。便利屋に狙われ

  ないようにな」

 

 「ご忠告どうも。頭に入れておくよ」

 

 あたしが宿泊している宿の店主はどうもお節介焼きで世俗に疎いあたしに色々と教えてくれる。今度何か差し入れでもするか。

 

 そう思い宿から出てブラックマーケットに向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 宿を出たあたしは早速、ブラックマーケットを散策する。

 ここで暮らすようになってから、ブラックマーケットについて少しずつだがわかるようになっていた。

 

 まず、市場に出回る品はその都度変わる。それもかなりのハイペースだ。様子を見たら、翌日には売り切れていたなんてざらにある。そのため、ここでの買い物は即断即決が求められる。一目見て欲しいと思ったら即購入。節足ナシだと思うかもしれないが、非常に役に立つ。

 

 次にこの場所はかなり広いということ。

 一日かけて市場を歩き回ったが、出店が端から端まで続いている。どこまでが範囲なのか全くわからない。まるで迷路のような場所だ。こんなにも広く複雑な構造にもなっていれば、連邦生徒会の手も及ばないのは無理もない。それもこのような場所が幾つもあるという話だ。

 

 実態がつかめぬものほど恐ろしい物はない。

 

 最後に治安について。

 かなり無法者が集まるブラックマーケットだが、意外なことに騒ぎを起こそうとするやつは多くない。大抵の連中は市場を守るマーケットガードに鎮圧されるため、下手に騒ごうとする奴はいないのだ。

 仮に騒ぎを起こすような奴がいるとしたら、よほどの恐れ知らずか、素人だろう。

 

 「その制服、お前トリニティのだろ」

 

 「あ、あの‥‥何ですかあなたたちは‥‥?」

 

 「痛い目に遭いたくなけりゃ、大人しくしてな」

 

 例えば、あそこにいる一般生徒に絡んでいるチンピラのような‥‥

 

 って、思いっきり絡まれとるっ!?

 

 チンピラに絡まれてるのは『モモフレンズ?』のキャラクター、たしかペロロとか言ったか。そんなキャラのリュックを背負ったトリニティの生徒だ。

 

 あたしモモフレンズについてはよく知らないが、ペロロはあまり好きではない。

 理由はあのビジュアルだ。目の焦点は合ってないし、舌が力なく垂れてるし、まるで‥‥

 

 っ…、嫌なこと思い出しそうになった。

 

 逆にスカルマンは良いなと思った。ダークヒーローっぽい見た目だ。とてもかっこいい。

 やっぱヒーローっぽい姿はいいな。そう思う。

 

 話が逸れたが、今はあの生徒を助けるとしよう。

 

 

 

 「そこのチンピラ、何してんの?」

 

 「ああん?誰だてめぇ!」

 

 「あたしらの邪魔すんじゃねぇよ!」

 

 いきり立つチンピラたち。ここでしばくのも良いが、下手に争ってはマーケットガードが来てしまう。

 

 だとすれば‥‥

 

 「お!あれなんだっ!!」

 

 わざとおどけた態度で、明後日の方角を指さす。

 

 「あ?」

 

 「ん?」

 

 あたしの指さしに思わずチンピラたちの視線が誘導された。その隙にトリニティ生の手を掴む。

 

 「走るぞ」

 

 「えっ、あっ、ちょっと!」

 

 兵法三十六計、逃げるに如かず。

 

 

 逃げるんだよォ!!

 

 

 いちいち戦ってられるか!こういう時は逃げるに限る!!

 

 

 「あっ!畜生、騙された!」

 

 「待て!!」

 

 あたしに騙されたことに気づいたチンピラたちが発砲しながら後を追う。

 トリニティ生を連れながら複雑怪奇なブラックマーケットを走り回る。

 

 走り回り、チンピラを撒くため何回目かの角を曲がると大通りに飛び出す。

 チンピラたちはしつこく追いかけて来るが、うまいこと撒かないと連れの体力が持たない。

 

 走っていると見慣れた制服の子たちと先生の姿を見つける。

 

 「おーい!」

 

 「ん、あれは黒狐」

 

 「それに誰か連れてますね」

 

 あたしの声にアビドスの子たちが気づいたようだ。

 

 「悪いんだけど、ちょっと手を貸して!」

 

 「いいですよー☆」

 

 「ん、わかった」

 

 アビドスの子たちの所にまで走ると、狼娘とシニョンの子がチンピラの背後に回る。

 すると瞬く間に美しい程の手刀を決めて気絶させた。

 

 恐ろしく速い手刀。あたしでなきゃ見逃しちゃうね。

 

 

 「”久しぶりだね、黒狐”」

 

 「その節はどうも、先生」

 

 無事、あたしはアビドスと先生に接触することができた。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 先生たちと落ち合うことができたあたしは、諸々の事情を聴かされることになった。

 始めにチンピラから助けた生徒は阿慈谷ヒフミちゃん。トリニティ2年生で、ブラックマーケットに来た理由は限定生産品である『ペロログッズ』を買いに来たらしい。彼女曰はくアイス屋さんとのコラボ品で100体しか生産されていないとのこと。

 

 はっきり言って口にアイスを突っ込まれた鳥にしか見えないのだが‥‥

 

 それはさておき、あたしも改めて自己紹介を済ませる。仮面についても、所属についても深く言及されなかったのは幸いだった。

 

 和気あいあいとした談笑を続けていると、ぞろぞろと足音が響く。

 

 「あいつらだ!」

 

 「よくもやってくれたな!痛い目に遭わせてやるぜ!」

 

 「それにあの黒狐にもぎゃふんと言わせてやる!」

 

 『先ほど撃退したチンピラの仲間のようです!完全に敵対モードです!』

 

 はぁ~~なんでいつもこうなるのか‥‥

 平穏とは儚いものだ‥‥

 

 仕方ないので応戦することになった。

 

 途中マーケットガードやマーケットオートマタまで現れたが、先生の指揮あってかものの数分で鎮圧した。

 

 敵を後退させるも騒ぎを大きくさせないため、ヒフミちゃんの案内でこの場から離れることになった。

 

 「こっちです!」

 

 ヒフミちゃんの後にあたしも続く。

 

 「‥‥おまけでこれも持ってけ」

 

 「ぐぇ!?」

 

 近くの看板を逃げるチンピラ目掛け投げ、そそくさとその場を去った。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 無事、チンピラたちから撒いたアビドス一行。

 近くの売店で買ったたい焼きをほおばりつつ、小休憩を取っていた。

 

 そこで現金輸送車が入っていくのを見つける。

 その様子を見ていたアビドスの子たちは驚いていた。

 

 曰はく毎月の利息を支払っていた銀行員と闇銀行の銀行員が同じであったからだ。

 ヒフミちゃんの話では、今銀行に現れたのはあのカイザーグループの系列店『カイザーローン』の車だという。さらに話を聞くと、怪しい話が出るわ出るわ。

 

 もしかしたら返済金をマーケットガードに横流ししている可能性がある。

 

 あの手つきの慣れよう、そうとうやっていることだろう

 

 ということはユメさんの頃からカイザーにしてやられていたことになる。ぜってぇ許さねえ!!

 

 そこで証拠を集めるべくカイザーローンから集金書類を手に入れようという話になったのだが・‥‥

 

 

 「ホシノ先輩、ここは例の方法しか」

 

 「例の方法?」

 

 「なるほど、あれかー。あれなのかあー」

 

 え、何、ちょっと怖いんですけど。あれってなに!?

 

 状況が呑み込めない中、シロコちゃんは鞄から覆面を取り出し被り出す。

 

 「残された方法はたった一つ」

 

 「銀行を襲う」

 

 

 …‥‥…‥はい?

 

 「だよねー、そういう展開になるよねー」

 

 「わあ☆そしたら悪い銀行をやっつけるとしましょう!」

 

 あたしとヒフミちゃんが呆然としていると、アビドスの面々は覆面を既に被りやる気満々である。

 

 「待て待て待て、何を平然と犯罪やる気してるのッ!?」

 

 「しからないよねぇ、こうするしか他に方法ないし」

 

 いやホシノちゃん、そこは止めなきゃ、先輩として。

 ユメさん、草葉の陰で悲しむよ?後輩が嬉々として銀行強盗なんて

 

 あたしの説得なんて聞く耳も持たずに銀行強盗の準備を進める一行。

 覆面を持っていないヒフミちゃんはさっき食べていたたい焼きの袋を被り覆面の代用する。

 

 「黒狐の分の覆面どうしよう」

 

 「元々仮面被ってるし、大丈夫じゃない?」

 

 いや、全然大丈夫じゃないよ!?このお面中々外れないし、お面バレしたら連邦生徒会に指名手配なんてされるかもだから。

 

 「ん、いいのが見つかった。悪いけどこれで我慢して」

 

 そういうとシロコちゃんは近くにあったバケツに穴をあけ、あたしに被せる。ちなみに番号は6番である。

 

 (ごめんなさい。ハスミちゃん、ツルギちゃん。あなたたちの先輩は

  今日初めて犯罪を犯します…)

 

 

 「”それじゃみんな銀行を襲うよ!”」

 

 

 こうして総勢7名による覆面水着団の銀行強盗作戦が幕を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 一瞬の停電と共にあたしたちは銀行に乗り込む。

 

 「ほら、そこ!伏せてってば!下手に動くとあの世行きだよ!」

 

 「皆さん、お願いですからじっとしててください‥‥あうう…」

 

 

 

 

 何故、あたしはこんなことをしてるのだろう‥‥。たまたまトリニティの生徒を助けた。ただそれだけだったのに…

 

 

 ヒフミちゃんも災難である。チンピラたちに絡まれたと思ったら、今は強盗団のリーダーファウストなんて呼ばれているのだから。

 

 てかクリスティーナってなに?ノノミちゃん。それにだお♧って‥‥

 

 一方シロコちゃんは銀行員を脅しつつ書類を受け取っていた。

 ただ銀行員が動揺しすぎて余計な現金まで詰めだしているが。

 

 「グレート、運ぶの手伝って」

 

 グレートってあたしのこと?まぁ、もちろん運ぶけど…

 

 「それじゃ逃げるよー!全員撤収!」

 

 集金書類を手に入れたあたしたちは、先んじて用意していた逃走用の車に乗り込みその場を後にする。

 途中マーケットガードたちに追われるも、振り切りブラックマーケット郊外に逃れるのであった。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 無事、集金書類を手に入れた一行。

 途中、銀行で手に入れたお金は放置することにしヒフミちゃんとも別れた。

 

 しっかし今日は色々と濃い一日のように感じた。

不良から生徒助けたと思ったら、何故か銀行強盗する羽目になったし、目まぐるしいくらいだ。

 それにしても、銀行強盗終わった後、目を輝かせてきたあのゲヘナ生、中々面白い子だったな。なんか純粋そうな目をしてたし、ドラマでアウトローに影響をうけたのだろうか。

 

 大変な目に遭う前に引き際をわきまえておくんだよ。

 

 

 さて、帰りにたい焼きでも買って帰るか。

 店主に差し入れすれば、喜ぶだろう。

 

 




おまけ



「先生」

「”なんだい、ホシノ”」

「あの黒狐って人と知り合いなの?」

「”シャーレに来た時にちょっとね”」

「ふーん‥‥」

「”それがどうかしたの?”」

「なんか、どこかで会ったような気がしてね。多分おじさんの気のせいだと思うけど」

「”シャーレの方で調べてみる?”」

「いやいいよ。気の間違いだし。うへ~。それじゃ、おじさんは寝るとしますかね」


(”アロナに調べてもらったけど該当するような生徒はいなかった。”
  
 ”誰かを襲うような人ではないし、問題はないようだけど…

 ”あの時の動揺の仕方。多分ホシノとは関係があるかもしれない。いつか聞いてみよう”)




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