正義実現委員会の閻魔様   作:光からの使者

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既に知っている方もいらっしゃるかとは思いますが、この度伝説の超三毛猫氏の作「HENTAIの野望~キヴォトス同人誌化珍道中~」https://syosetu.org/novel/311789/)とコラボさせていただきました。

 トリニティの魔王こと間島スバルとサバキのエピソード。ぜひご覧くださいませ。
 


新業務8:さあ・・・振り切るぜ!!

 

 先生からのモモトークを受け、あたしは大急ぎで宿を飛び出しアビドス高校を目指す。

 アビドス高校に向かっている途中、町の様子が昨日までと異なっているように感じた。 普段ならにぎやかな雰囲気な町だが今日は重々しい空気が漂っている。

 

 さらに町の住人たちが何かに追われているかのように逃げているのだ。ただ事ではないと感じていると逃げていた住人の一人があたしに駆け寄ってくる。

 

 「お嬢ちゃん、ここは危険だ早く非難した方が良い!」

 

 「一体何があったんですか!?」

 

 「それが…カイザーPMCって連中が急に街を破壊し始めたんだ!」

 

 「なんだって!!」

 

 「連中は今アビドス高校の方角に進行してる。悪いことは言わない、

  お嬢ちゃんも早く逃げてくれ!!」

 

 そういうと住人の方は一目散に去っていった。

 

 (何故、急にカイザーが…?ここまで露骨な行為に出るとしたら…)

 

 ‥‥待てよ。先生から来たモモトークによるとホシノちゃんは退部届を出して姿を消した。んでカイザーがアビドスへ進軍を始めた。この2つから考えられるのは‥‥

 

 …あの馬鹿、連中に自分の身を売ったのか!!

 

 この2日間の間に何があったかはわからないが、きっと借金の返済を条件に自分の身体を担保にしたのだろう。

 現状アビドスの生徒会は形式上旧アビドス生徒会しか認められていない。2年の間にあたしとユメさんが死亡したとなると残っているのはホシノしかいない。そのホシノが生徒会を止めたということは、アビドス高校の所有権が無くなることになる!!

 

 少なくとも約束は守る黒服ならいざ知らず、カイザーがこの機を逃すはずがない!

 

 クソっ!やられた!

 

 

 アビドスが危ない!!

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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 大急ぎでアビドス高校に到着した頃には既にカイザーによる進行が始まっていた。

 

 「対策委員会を発見!」

 

 「了解!!」

 

 かなり学校に侵攻されている…!!蹴散らして先生たちと合流しなくては!!

 

 「第5小隊、これより突入を‥‥ぐわぁッ!?」

 

 「貴様ッ!」

 

 「邪魔だッ!!どけっ!!」

 

 「ぐおっ!?」

 

 背後から『天極』と『地獄』でカイザーの部隊を不意打ちする。

 さすが民間軍事会社のカイザーというべきか、オートマタや兵士、戦車と選り取り見取りとも呼べるほどの軍勢を用意していた。

 

 ロケットランチャーを構えた兵士を壁に向かって蹴り飛ばしながら、校舎内を進む。幸い間取りは以前過ごした時とほとんど変わっておらず、覚えるのもさして苦労はない。

 

 「おらああああッ!!」

 

 「「「ぐあああああッ!?」」」」

 

 

 かなり長いこと戦っていたが校舎に生徒の気配はなさそうだ。となれば先生たちは無事脱出できたと考えていいな。すぐに離脱し町の方面へと駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 やっと有象無象たちを蹴散らし進んでいくと先生たちの姿が見えた。どうやら追いつけたようだ。

 

 だがアビドス生たちの様子がおかしい。全員、なにやら気が沈んでいるような‥‥

 

 「先生!!」

 

 「”黒狐!”」

 

 「ほう、貴様かさんざん我々の邪魔をした犯罪者というのは」

 

 ‥‥その声は。

 

 カイザー理事‥‥!!その無駄にでかい図体と人をイラつかせる話し方は変わってないようで‥‥!!

 

 2年前に受けた仕打ちの数々、忘れてねえからな?

 

 『黒狐さん‥‥』

 

 「私たちいったいどうすれば‥‥」

 

 ダメだ。すっかり戦意を失ってしまってる。カイザーめ、変なこと言いやがったな!!

 

 「黒狐、貴様もその子たちの仲間か?無駄な努力を費やし姿を隠してまで

  廃校のために足掻いていたのか?なら傑作だな」

 

 ‥‥お前、越えてはならない線に触れたな?

 元はあんたらの目論見のおかげであたしやユメさんは皆の前にに姿を見せられなくなった。それであの子たちがどんな思いをしたのか‥‥

 

 許せない‥‥お前らだけは‥‥!!

 

 煮えたぎるような怒りが湧いて来る。でも撃ってはいけない。ここで撃ってしまえば開戦の合図になってしまう。

 戦意が削がれている状況で戦うのは無謀だ。アビドス生たちだってただでは済まない。

 

 「くっ‥‥」

 

 怒りを必死に押しとどめようと堪える中突如、耳をつんざくほどの大爆発が起こる。

 どうやら合流予定のカイザーの軍隊が襲われたようであった。

 

 

 「貴女たち、本当にそれでいいのかしら?」

 

 聞きなれた声にヒールの音。まさか‥‥

 

 「目には目を歯には歯を。それがあなたたち覆面水着団のモットーじゃなかった?

  先が見えない?何をすればいいのかわからない?どうすればいいのかわからない?」

 

 

 それがなんだっていうのよ!!

 

 

 べ、便利屋68…!!

 

 「仲間が危機に瀕しているのでしょう?だったらこんなとこでうじうじしてないで

  助けに行きなさい!!奪われっぱなしで納得できるわけないでしょう!!」

 

 「さっすがアルちゃん!そ・れ・に~こんなに可愛い眼鏡っ子ちゃんを泣かせた

  罪は重いよ?だからもう‥‥ぶっ殺すしかないよねっ!?

 

「ふふふ…お任せください。爆弾ならまだまだいっぱいありますので‥‥」

 

「はぁ…ラーメン食べに来ただけだったのに…でもま、そこが社長らしいけどね」

 

 落ち込みかけていたアビドス生たちの前に便利屋68が駆けつけたのだ。

 出会ったのは全くの偶然だったというのに。見てないふりだってできたはず。それなのに彼女たちはあたしたちの応援として渇を入れに来たのである。

 

 ‥‥まさか、あの子たちに教えられるなんてね。

 そうだよね、相手が何と言おうとそれが何だって言うんだ。

 勝手に迷って見失う所だった。カイザーをぶっ飛ばしてホシノちゃんを助け出す。それでいいじゃないか。

 

 頭、鈍ってたな。サンキュー、アルちゃん

 

 「貴様、雇い主をうらぎるつもりか!!」

 

 「うるさいわね!私たちはもとより生粋のアウトローよ!

  裏切られる可能性を考慮しなかったあなたたちが悪いわ!

  それに先生といた方が良かった。ただそれだけの事!!」

 

 「ん、ありがとう便利屋」

 

 「おかげで目が覚めました。私たちに迷っている時間はありません」

 

 「そうよ!今は一刻も早くホシノ先輩を取り戻さないと!」

 

 「その通り!早くホシノさんを助けるよ!」

 

 「くっ‥‥おのれぇ…無駄な抵抗を‥‥!!」

 

 「”…よくも私の大事な生徒を。‥‥ホシノは返してもらうよ!”」

 

 「チィッ!総員戦闘配備!奴らを蹴散らせ!!」

 

 カイザー理事の指示により用意されていた軍勢が続々姿を現す。

 

 

 「”みんな、行くよ!”」

 

 対するこちらも先生の合図とともにカイザーと交戦を開始するのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 早速前線を突っ走るあたしのまえにカイザーのオートマタどもが表れる。

 屈強な体格に盾を構え、堂々と通せんぼしているようだが時間稼ぎにもなりはしないんだよ!!

 

 「うおおおりゃあああッ!!」

 

 勢いを殺さずに、スピードを付けた拳を振るう。こんなちゃっちい盾なんざ『天極』と『地獄』を使うまでもねぇ!シンプルに殴って壊す!これに限る!!

 

 オートマタの盾は確かにあたしの拳を受け止めた。だが、あまりにも強すぎる衝撃が盾ごとをオートマタを吹っ飛ばした。

 

 大きく吹っ飛ばされたオートマタは直線状に居た他の兵を巻き込み、壁に叩きつけられた。

 

 「嘘‥‥盾ごと‥‥?」

 

 「やっぱり、すごいわね黒狐さん」

 

 「いつもあんな感じなの?」

 

 『はい。セリカちゃんに聞いた話だとバイクでトラックとカーチェイス

  をしていたという話も‥‥』

 

 「よかったねぇ、アルちゃん敵対しなくて」

 

 「え、ええ‥‥」

 

 なんか引かれたような気がするが、まぁいいでしょう。

 あたしが切り開いた戦線を便利屋68とアビドスが続く。まさに一気呵成の進軍。カイザーなど全く相手にならず忽ち蹴散らされていく。

 

 「ぐぬぬ‥‥こうなったら…ゴリアテを出せ!!」

 

 怒った理事は虎の子でもある戦略兵器ゴリアテを繰り出した。

 他のオートマタやドローンとは違い一際大きい機体。両腕に取り付けられたガトリング砲、背部には砲台といった兵装を搭載した最新兵器である。

 

 

 耐久力も並大抵ではなく、厚い金属で構成された装甲はシロコちゃんたちの一斉攻撃をもってしても中々傷つかない。

 

 「ああもう!無駄に硬いわねぇ!!」

 

 「腐ってもカイザー製、そう簡単にはいかないか‥‥」

 

 

 進軍を続けるゴリアテ。一見難攻不落のように思えたが構造に弱点が見えた。

 

 大砲を打つとき一瞬のラグがあること。そしてガトリングの反動が大きいことだ。

 

 あたしはアルたちに話しかける。

 

 「ねぇ便利屋さん。一つ作戦があるんだけど?」

 

 「‥‥なるほどね。いいわ!やってみようじゃない!!」

 

 今思いついた作戦を先生に話すと先生も首を縦に振ってくれた。

 

 「”いい作戦だね。やってみる価値はあると思う”」

 

 「よし、作戦開始!!」

 

 先発はシロコちゃんのドローンでゴリアテの視線を誘導する。

 当然囮に釣られたゴリアテはドローンを撃ち落とすべくガトリングガンを放つ。その隙にノノミちゃんの一斉掃射で周りのオートマタを薙ぎ払う。カヨコちゃんも加勢し兵士たちを怯えさせた。

 

 次にあたしとムツキちゃん、ハルカちゃん、セリカちゃんの4人でゴリアテの懐に接近する。狙いはもちろん足元だ。ゴリアテの構造上、足元の兵装はなく、重い図体を二本足で支えているのだ。そこを崩す。

 

 あたしとセリカちゃんでガトリング砲の接続部を狙い撃ち、ムツキちゃんとハルカちゃんが爆弾を設置する。

 

 「くふふ。こっちは設置できたよ!」

 

 「こ、こっちもできました。」

 

 「よし!爆破!!」

 

 合図が鳴ると共に爆弾が爆発、ゴリアテの脚部を粉砕する。

 バランスを失ったゴリアテは重さに耐えきれず、膝から崩れ落ちた。

 

 けれど悪あがきとばかりに砲台がこちらに狙いを定めた。

 

 赤熱していく砲身だが、それも作戦の内である。

 

 『アルさん、今です!!』

 

 「”アル!!”」

 

 「ふふふ…私に任せなさい!!」

 

 既に狙撃態勢に入っていたアルはスナイパーライフルの引き金を引いた。

 銃口から火噴いた銃弾は狙い通りゴリアテの砲身に着弾。発射と同じタイミングで熱が連鎖し、盛大に砲台が爆発した。結果カイザーご自慢のゴリアテも跡形もなく爆発四散し使い物にならなくなってしまった。

 

 同時に理事もその爆発に巻き込まれ、傷を負う。

 

 「理事!傷が!!すぐに治療を…!!」

 

 「クソッ‥‥一時撤退だ…この代償、高くつくぞ…!覚えておけ!!」

 

 そうよくある小悪党おなじみの台詞を吐き捨てカイザー理事と兵士たちは引き上げていった‥‥

 

 

  まったく、情けねぇ台詞まで吐きやがって。今度は必ずぶん殴ってやる。

 

 

 便利屋たちにもお礼を言い、その日は一旦帰投するながれになった

 ホシノは必ず助ける。ユメさんの二の舞にしてたまるか‥‥!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 みんなと解散した日の夜。

 あたしはとある建物の前で先生を待っていた。

 

 「”黒狐”」

 

 「やあ、先生。待ってました」

 

 「”やっぱり君も」

 

 「ええ。恐らく黒服(アイツ)はここにいます」

 

 そうこの建物は黒服が拠点にしている場所。目新しい物に興味を持つ黒服が先生に興味を持たない筈がない。だからこそ2人で待ち合わせをしていたのだ。

 

 

 「”黒狐は黒服と知り合いなの?”」

 

 「ええ。わけあっての腐れ縁ですが…。先生、黒服のことを庇いだてする気はありません

  ですが筋は必ず通す奴です。あの手この手で正当性を主張してきますが、気をつけてください」

 

 「”教えてくれてありがとう。後は大人()に任せて”」

 

 「先生‥‥。ホシノちゃんを、どうかお願いします」

 

 「”うん。必ず助けるから。約束だよ”」

 

 そう言って先生は建物の中に入っていく。

 真剣なまなざしで入っていく先生の背中をあたしはただ眺めることしかできなかった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 先生が建物へ入ってから幾分立った頃。

 再度入口から革靴の音が聞こえ始めた。どうやら話し合いは終わったようだ。

 

 「先生、おかえりなさい」

 

 「”ただいま。黒狐”」

 

 「結果は…?」

 

 そう尋ねると先生は胸元のポケットからメモ用紙をあたしに渡した。

 

 「ここにホシノが居る。対策委員会のみんなと救出に向かうつもりだよ

  作戦開始は翌日。戦力も頼る術がある」

 

 「…わかりました。あたしも手伝います。手伝わせてください」

 

 「”ありがとう。そこで君に頼みたいことがあるんだ”」

 

 

 

 

 

 

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 先生と別れたあたしは早速行動を開始した。

 

 頼まれたのはアビドス砂漠を越えるための乗り物。

 一方先生はカイザーと互角に戦う為、他学園に援軍を頼みに行っている。

 

 そんな砂漠を楽に超えられる乗り物なんて見つかるわけない?なんて思っている方もいるだろう。流石ブラックマーケット。情報と資材だけならピカイチなだけある。

 

 なんと日頃世話になっている宿屋の店主がミレニアム製の乗用車を手配してくれたのだ。

 

 「‥‥あの、こんないい車使わせてもらっていいんですか?」

 

 「ああ。いつもうちに泊まってってくれる礼だ。それにお嬢ちゃん。

  急いでるんだろう?なら遠慮すんな。パーツなんざいくらでも

  流れて来る。ぶっ壊れたって気にすることねえよ」

 

 「ありがとう。それじゃあ遠慮なく使わせていただきます」

 

 

 店主から車を借り、一直線にアビドス高校へと向かう。

 

 到着する頃には先生も準備が終わっていたようでシロコちゃんたちと一緒に校門で待っていた。

 

 「あっ!黒狐さん!!」

 

 「それ、パジェロじゃない!!どこで見つけてきたのよ!」

 

 「中々見ない車」

 

 「ちょっとつてで借りてきたの。それより準備は出来てるわね?」

 

 「もちろん、準備完了です。おやつも十分にあります」

 

 「みなさん。先生が教えてくださった情報によりますとホシノ先輩は

  カイザーPMCの51地区の中央辺りにいるはずです!一番安全で最速のルート

  で案内します!」

 

 「”それじゃあ、出発!!”」

 

 乗車した全員がシートベルトを着用したことを確認したあたしはエンジンを吹かし、アクセルペダルを踏みこむ。

 

 さあ…振り切るぜ!!

 

 

 アクセルを全開にしたパジェロは一行を乗せアビドス砂漠へと三度駆けるのであった‥‥

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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