正義実現委員会の閻魔様   作:光からの使者

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 筆が乗ったのでサバキ(黒狐のすがた)を描いてみました。
 
 
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2章:友情・ロマン・冒険のミレニアム編
savefile1:冒険の序章


 「先生、お待たせしました」

 

 「”黒狐、来てくれてありがとう”」

 

 シャーレで過ごすようになったある日。

 あたしは先生からのモモトークでミレニアム自治区を訪れていた。

 

 なんでも先生は、ミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部という部活から助けを求められたようで。

 部活の廃部を阻止し、活動を存続させる為、郊外にある『廃墟』へと向かっていた。

 

 「先生、この人は?」

 

 「”ああ。モモイ、ミドリ、紹介するよ”」

 

 「初めまして。モモイさん、ミドリさん。あたしは黒狐と言います

  どうぞお見知り置きを」

 

 「ご丁寧にどうも‥‥私は才羽ミドリって言います。そしてこっちが姉の‥‥」

 

 「才羽モモイだよ!お姉さんの恰好、いいね!

  今後のシナリオの題材に使えるかも!」

 

 「ちょっとお姉ちゃん!」

 

 今の言葉マエストロが聞いたらよろこぶだろうな。

 にしても若い子は元気があっていいね~~。あたしもすっかり19歳だから、元気があるのが羨ましくなるよ。

 

 よ~し、おじさんも一肌脱いじゃうぞ!!

 

 「”それで早速本題なんだけど”」

 

 モモイちゃんによると、かつてミレニアムには伝説のゲームクリエイターがいたようだ。その人物は最高のゲームを作る秘密の方法が記された『G.Bible』なるデータをここ、廃墟に残した。そしてそのG.Bibleを探し出して最高傑作ゲームを作りだすというのが目的らしい。

 

 先生があたしを呼び出したのは、モモイちゃんとミドリちゃんの手助けをする為。

 『廃墟』には謎のロボットたちが辺りをうろついており、非常に危険だ。2人だけでは心もとないため、助っ人としてあたしに白羽の矢が立ったわけである。

 

 目的を説明し終え、奮い立っているとモモイの背後にロボットが現れる。

 

 「…■■■!■■■■■■ッ!!」

 

 「ろ、ロボットッ!?」

 

 「まずいよ!このままじゃ囲まれるッ!!」

 

 「屋外は危険です。早くどこかに隠れましょう」

 

 「”あそこに工場がある。そこに向かおうッ!”」

 

 

 モモイちゃんは、アサルトライフル。

 ミドリちゃんは、スナイパーライフルを駆使してロボット軍団の包囲網から逃れるべく戦う。

 ゲームっぽいネオンカラーの弾丸がロボットたちを蹴散らしていくがそれ以上に、敵の数が多い。全貌が不明瞭な場所であるが、いくら何でもロボット共の数が減らなすぎる。一体一体は『天極と地獄』の掃射でやられるほど装甲は脆いが、倒しても倒しても湧いてくるのだ。

 

 まともに戦えば、じり貧は免れない。

 

 「先生、目標地点まであとどれくらいですかッ!」

 

 「”残り100m。あともう少しだから、頑張ってッ!”」

 

 工場はもう目と鼻の先。けれど、捕まれば一巻の終わり。

 しかたない。

 

 「モモイちゃん、ミドリちゃん。あたしに捕まって」

 

 「「えっ?」」

 

 そう言ってあたしは2人を両腕で抱え、全速力で工場へと走り込む。

 そして入口のドアを思いっきり蹴りつけて閉める。

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 先生とあたしたちが無事、工場にたどり着くと、ロボットたちは追うのを諦め去っていった。

 あのロボットたちについて、色々と謎が多い所ではあるものの。今は全員が無事なのを喜び合う。

 

 すると謎の音声が鳴る。

 

 『接近を確認』

 

 「な、なに?」

 

 「音声が部屋全体に響いてる…」

 

 『対象の身元の確認します。

  才羽モモイ、資格がありません。

  才羽ミドリ、資格がありません。

  ‥‥身元不明。確認できません』

 

 この声、工場のAIなのか?2人のこと知ってるみたいだが、一体何が目的だ?

 

 「何で、私のこと知ってるの?」

 

 「私のこともだ‥‥どういうことなんだろう‥‥?

 それにお姉さん、身元不明ってどういうこと?」

 

 「そうだよ!教えて教えてッ!!」

 

 「あ~~、えっと‥それはねぇ‥‥」

 

 話すとややこしくなるんだよなぁ‥‥元トリニティの3年生で、今は死人扱いなんだけど、生きてましたって。

 あまりにもとんちきすぎるというか‥‥ファンタジー過ぎるというか…

 

 曖昧にモモイちゃんとミドリちゃんに、はぐらかしていると、AIは先生の身元を検索し始める。

 

 『対象の身元確認します‥‥

  シャーレの先生…。‥‥資格確認しました』

 

 「どういうことッ!?先生いつの間に仲良くなったの?」

 

 「”私にもさっぱり‥‥?”」

 

 当の先生にもよくわかっていないらしい。

 だが、先生はここの施設のAIにとって問題ない存在のようだ。

 

 『入室権限を付与。

  才羽モモイ、才羽モモイを先生の「生徒」として認定。

  また、先生の同行者にも資格を与えます。承認。

  下部の扉を開錠します』

 

 ‥‥ん?下の扉?そんなのあったか?

 

 「ねぇ、もしかしてだけどさあ‥‥」

 

 「‥‥いやまさかね。流石に違うでしょ」

 

 ‥‥もしかしてだけど。もしかしてだけど。それって地面のことなんじゃないの?

 

 あたしたちの予想通り、ガチャンという音ともに床が消えてしまう。

 

 そういうことかよっ!!

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

 

 

 

 

 底が抜けた床から落下し、あたしたちは工場の下層に居た。

 

 「流石に死ぬかと思った‥‥」

 

 「あれっ!お姉ちゃん、先生!黒狐さんッ!!」

 

 「お姉ちゃん大丈夫?先生と黒狐さんはどこに‥‥」

 

 「ココ‥‥」

 

 「同じく‥‥」

 

 「わわッ!?先生、黒狐さん。どうしてそんなところに!?」

 

 「どうしてって落ちた時2人がクッションになってくれたんだよ?」

 

 「そ、そうだったんだ…ありがとうございます」

 

 全員、怪我がなくてよかった。

 

 ひとまず、立ち上がり辺りを見回す。

 

 先ほどまであたしたちが居た上層とは異なり、どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。

 

 「見て、あれっ!」

 

 ミドリちゃんが何かを見つけたようで、指を差していた。

 ドーム状の部屋、そのど真ん中で日差しに照らされながら、裸の少女が椅子で眠っていた。

 

 「‥‥返事がない。ただの死体の様だ‥‥」

 

 「不謹慎なネタ言わないでッ!!それに死体っていうより、眠ってるって

  感じじゃないかな?まるで電源が入ってないみたいな‥‥」

 

 確かに。人‥‥というよりかは人形と言った方が近いか。

 けど、オートマタ以外でここまで人間に近い姿のものは見たことがない。

 

 「ねぇねぇ。ここ文字が書いてあるよ?…AL-IS‥‥アリス?」

 

 「よく見ると全部ローマ字じゃないみたい。AL-1S、じゃないかな?」

 

 型式番号みたいな物か。だとしたからこの子は廃墟で創られた存在なのか?

 元々廃墟は謎が多い場所でもある。ビナーみたいなデカグラマトンに似たオーパーツがあってもおかしくない。

 

 考察を巡らせていると、さすがに裸のままにしておくのは可哀想とのことだったので、ミドリちゃんが予備の服を少女に着せていた。

 

 すると少女から電子音が鳴った。

 

 『状態の変化、および接触許可対象を感知。休眠状態を解除します』

 

 そんな電子音と共に眠っていた少女の目が開く。

 どうやら触ったことで起動したらしい。

 

 「状況把握、難航。説明を…お願いできますか?」

 

 「えっと‥‥私たちにも何が何だか‥‥」

 

 「本機の自我、記憶、目的は消失状態であることを確認。

  データがありません」

 

 「私たちにいきなり攻撃したりしないよね…?」

 

 「肯定。本機は接触許可対象への遭遇時、敵対意思は発動しません」

 

 なるほど。プログラム上あたしたちに攻撃することはないわけか…

 しかし…自我も記憶も目的もない完全な喪失状態と来たか。

 休眠状態の時に初期化されたのかもしれないな。

 

 一般的なロボット市民やオートマタとも違い、この子にはヘイローもちゃんとある。

 ますますわからないな…‥

 

 「工場の地下、全裸の女の子、記憶喪失。

  ふふッ‥‥いいこと思い付いちゃった」

 

 うん?モモイちゃん?

 

 「いや、今の言葉の羅列からして嫌な予感がするんだけど…‥」

 

 「良いからいいから。狐のお姉さん、その子をおぶってあげて」

 

 「?ええ、いいけど‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 「ねぇ、ちょっと!?この子部室に連れてきてどうするのッ!?」

 

 「く、首絞めないで‥‥苦しッ…」

 

 どうやら廃墟の探索後、少女を放っておくことができずミレニアムサイエンススクールにまで連れ帰ってきてしまった…

 

 まぁ、放置するわけにはいかないのは理解できる。

 下手したらオートマタたちにやられかねないからね。

 

 それはそうとモモイちゃんはこの子をゲーム開発部の一員にするようだ。

 

 名前はAL-1Sを文字ってアリスにするようだ。

 

 アリスは未だどことなく機械っぽい様子だが、起動してから然程立っていないのだ。無理もない。

 だが、目覚めたばかりのアリスちゃんにとって、ゲーム開発部の部室は未知の領域。部屋に散らばったゲーム機やソフトに興味津々だ。だけど‥‥

 

「私のWeeリモコン口にしないで――ッ!ぺッして、ぺッ!!」

 

 あぁぁ、今度はゲーム機かじっちゃってるよ‥‥。

 

 アリスちゃんは、目についたものを片っ端から口に入れてしまっていた。

 行動原理が赤ちゃんと変わらないのだ。

 まぁ、仕方のないことなのだが。

 

 「…‥。」

 

 「ん?どうしたの?」

 

 そんな興味津々にあたしを見つめて。もしかしてあたしと遊びたいのかい?

 よーし。抱っこしてあげよう。ほら、おじさんのところにおいで。

 

 あたしの呼ぶ声にアリスはトコトコと近づく。

 そしてそのまま抱っこされた。

 

 「フフッ、いいわ。遊びましょうか――

 

  (ガシッ)

 

 って‥‥痛い痛いッ!!仮面を無理やり剝がそうとしないでーーッ!」

 

 取れちゃうぅぅ!!仮面どころかあたしの顔ごと取れちゃうからッ!!

 ってアリスちゃん、今度はあたしの胸元に手を入れて、どうしたの?

 もしかして、着物に興味持っちゃった?

 

 「あっ‥‥あ、アリスちゃんダメッ!?着物の中まで入ろうとしないでーーー!!」

 

 

 廃部を阻止すべく、動いた冒険で新しい仲間、アリスを加えたゲーム開発部。

 けれど、それはまだ冒険の始まりに過ぎない。

 友情とロマン、愛と勇気の冒険譚。

 

 ~GAME START~




余談:
『黒い狐面』
マエストロから送られた黒い狐のお面。
一見、お祭り屋台や神社にあるような普通のお面に見える。
しかし顔を保護する防具としては優秀。大抵の衝撃は吸収してしまう。
反面、装着者が食事、睡眠したいという欲求がない限り外すことはできない。
装着時は強力なロックが掛けてられており、力づくでは外せない。

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