トリニティ総合学園で繰り広げられるアリウス分校の襲撃。
その実行犯であり桐藤ナギサが探し求めていた『真の裏切者』は同じティーパーティーの聖園ミカであった。
そのミカの口から今まで隠して通して黒狐の正体が明かされてしまった。
「”黒狐が元正義実現委員会の委員長…?”」
ミカさんの言葉を先生と補習授業部のみんなが受け止めるには多少の時間を要した。
そんな中、真っ先に口を開いたのは正義実現委員会の一員であるコハルちゃんであった。
「…嘘よっ!そんな人がいたなんて知らないし、聞いたこともないわっ!」
コハルちゃんの反応に思わずミカさんもキョトンとした表情になる。ただすぐに元の表情に戻ると、優しい顔で微笑み返す。
「そっか…コハルちゃんは知らないか。今の3年生が1年生だった時の話だもん。それにハスミちゃんもツルギちゃんも話したがらないよ。だって死んだことになってる人だもん」
「えっ…?」
できることならずっと隠しておきたかったんだけどなぁ
「私も知った時は驚いちゃったなぁ~~まさか死んだ人が、名前も容姿も変えて生きてたんだから。丁寧にお面なんかもしちゃってさ」
「あたしだってびっくりしてるよ。絶対死んだって思ってたんだから」
未だに驚いた様子の補習授業部のみんな。
ここまで来たのなら、もう正体を隠しておく理由もないだろう。
「副先生…ミカ様が言っていることは本当なんですか‥‥?」
「ええ。全部本当よ。あたしの本当の名前は浄玻サバキ。元正義実現委員会所属の3年生だった。今まで隠していてごめんなさい」
「どうして、正体を隠していたんだ?」
「‥‥過去の人間が今を生きる人の障害になってはいけないと思ったから。特に今はエデン条約が迫ってる。そんな中死人のあたしが戻ってくれば、混乱は避けられない。だからずっと名前と顔を隠してた」
ちなみに容姿が変わったのは故意ではない。
事故の後遺症的なやつだ。
「あたしの正体についてはこれで満足かな?聖園ミカさん。なんでこんなことをしたのか聞かせてもらおうか?」
ミカさんの方に向き直り、その真意を問い詰める。
ナギサさんの陰に隠れ、アリウスと共謀した理由。恐らく和解が関わっているのは間違いないが、凶行に走ったわけを聞きたかった。
「いいよ♪教えてあげる。それはねぇ―――ゲヘナが嫌い、だからかな」
‥‥そうか。
「私は、ゲヘナが心底嫌い。あんな連中と平和条約なんて結べるわけがない。ナギちゃんも甘いというか優しすぎる、いつ背中から撃たれるかわかったもんじゃない。サバキ先輩も知ってるでしょ?トリニティがどれだけゲヘナ学園を憎んでいるか。明るい学園物語なんてものはなくて、ドロドロとした世界か、身に染みてる筈だよ」
知ってるよ。
ずっとこの学園はそうだった。あたしもよく知ってるさ。
「ミカ…アリウスはクーデターの道具だったのか?最初から…和解の話も全て!」
「ああ、白洲アズサちゃんだっけ?うーん、一応クーデターってことになるのかな?でも和解ってことは本当。その前にナギちゃんを失脚させて私がホストの椅子に座るってだけ。だから、ナギちゃんを返してもらえないかな?」
突き刺すような視線が向けられる。
敵対者を排除する。そんな目だ。
アリウスの増援部隊も武器を構える。
「”…みんな、気を引き締めて。来るよ!”」
「それじゃあ、補習授業部のお片付け、始めよっか」
ティーパーティー聖園ミカさん率いるアリウス部隊が補習授業部へ牙をむいた。
◇◇◇◇
先生の指揮の下、補習授業部のみんなはアリウス生の相手をしていた。
あたしも援護をしつつ、数を減らしていると
「やっほー先輩。私と遊ぼうよ?」
友人に向けるような調子で、ミカさんがあたしの前に立ちはだかった。
凛とした姿で堂々と佇む姿は、アリウス生よりも迫力があり、比べ物にならない程の雰囲気を纏っていた。
「ミカさん‥‥」
はっきり言おう。
見ただけでわかる。この子、強い。
「ナギちゃんがサバキ先輩まで呼んだのは計算外だったなぁ。でもナギちゃんの動揺を誘えたのは幸運だったかも。聞いたことあるでしょ、『トリニティの亡霊』の噂」
そういえばそんな話もあったな。
ただの怪談話だと思っていたが。
「あれを流したのは私なんだ☆あなたがトリニティに復讐しようとしてるって内容をアレンジしたんだけど、我ながら上手くいったよね」
道理で、ナギサさんがあたしを警戒するわけだ。
「どこで正体に勘付いたの?」
「割と最初からかな。でも銃を見せてもらった時、確信に変わったの」
あの時か。
何故銃をとは思ったが、正体を探るためだったか。
「おかげで正当性ができたよ。『トリニティへ復讐する為にティーパーティーの暗殺を企てた』ってシナリオがね」
あたしの前で罪を着せますって告白するとはいい度胸してんじゃん。
これでも元は治安組織の人間やぞ。
グッと拳に力が入る。
彼女の凶行は絶対に止めなくてはならない。
「わーお。そんな表情もできるんだね」
「ティーパーティーパテル分派首長聖園ミカさん。『外観誘致罪』、『自治区騒乱罪』、『百合園セイアさんへの襲撃』の罪で貴女に判決を言い渡す!」
「‥‥」
「有罪!!法の下、正しき裁きを受けなさい!」
「へぇーーやってみなよ!」
あたしとミカさんが持つサブマシンガンのマズルフラッシュが光る。
お互いの傍を銃弾が掠める。
夜の体育館にて一大決戦が行われようとしていた。
◇◇◇◇
緊迫した空気の中、両者銃を構える手に力が入る。
そして先にあたしが『天極』と『地獄』を撃った。
「貴女のために祈るね」
ミカさんが何かを念じ、銃を構える。
マズルフラッシュとは違う、星‥‥いや夜空の輝きに似た光を纏って銃弾が発射された。
あたしが発射した弾丸をかき消し、流れ星がこちらに向かってくる。
(‥‥まずいっ!!)
あれをまともに食らうわけにはいかない。むしろ喰らったら死ぬ!
咄嗟に『天極』の銃身を盾にするも、着弾と同時に光が渦を巻く。そして眩い閃光とともに衝撃があたしを襲った。
立ち昇る煙。
ミカの一撃は体育館の床は抉れ、周囲にいたアリウス生も巻き込み吹き飛ばした。
「今のでやられちゃったかな?」
「そんなわけねぇじゃん」
煙の中であたしは立つ。
ただ今ので『天極』がほぼおしゃかになってしまったが。
「そっか~それじゃあ、まだまだ楽しめそうだね!」
その瞬間、ミカさんは跳躍。
あたしを踏みながら背後に立つ。
「おりゃあっ!」
「くっ…はあっ!!」
銃撃戦から一転し、近接格闘を交えた戦いに移行。
お嬢様らしからぬ頑強なフィジカルを武器にミカさんは猛攻を仕掛けて来る。あたしも負けじと格闘戦で反撃を試みるが上手く流されてしまう。
それどころか打撃も銃弾もあまり通用しない。
これまで交戦したホシノちゃん、ツルギちゃん、ネルちゃんとは異なる強さを彼女は持ち合わせていた。
(スタミナはあっちが上。長期戦は無理そうだ…短期決戦でいくしかない!)
軸足に力を込め、一気に駆け出す。
残ったサブマシンガン『地獄』を手にミカさんの懐へと肉薄した。
「この距離ならどうだ!」
しかし見上げた先であたしが見たのは目を見開き、不気味に笑う顔であった。
「ミカ・パーンチ☆」
気の抜けた掛け声と共にミカの拳があたしの胴体を捉えた。
身体の内側からとてつもない程の勢いでひっくり返されるほどの痛みが襲った。
重いってものじゃない。車に轢かれたような鈍重さ。
到底あの細い腕から放たれたとは考えられない一撃があたしを襲った。
そのまま体育館の壁を突き破り、グラウンドに投げ出された。
「お゛ぅ…ッあ゛ぁぁ…」
内臓がひっくり返りそうな痛みに身体が悶える。
頭がチカチカする…吐き気もだ…
あたしはミカさんの実力を見誤っていた。パテルの長とはいえ、まさかここまでとは
「壁が壊れたっ!?」
「”サバキっ!”」
「副先生ぇ!!」
みんなに余計な心配を掛けさせてしまった。何とか立たないと。
「あれぇ~?どうしたのかな?」
吐き気を堪えつつ立ち上がろうとするも、背後から首根っこを掴まれる。
勢いのまま、何度も何度も地面に叩きつけられる。
狐面のおかげで顔を負傷することはないが、頭を上下に激しく振られているため視界がぶれてしまう。
それに脱出しようにもがっしりと抑えられているため離れることができない。指も喉へ食い込み、呼吸すら危うい。
にこやかにあたしを引き寄せるミカさん。
表情からは余裕の笑みが伺える。
そのにやついた顔、崩してやんよぉ‥‥
とどめを刺そうとミカさんが銃を構える。
刹那、手の力が少し緩まった。チャンスを逃さず、ミカさんの頭に頭突きをかまし強引に脱出した。
「いったぁーー―っ!?やったなぁーー!」
お返しとばかりに銃弾を放つ。
背中の翼を前面へ出し、身体を包む。翼が盾となって銃弾のダメージを抑えた。
(状況はこっちが圧倒的に不利。このままじゃあ、勝てない)
「衰えたね、素直に倒れてくれればこれ以上痛い目に遭わずに済むんだけどなぁ」
「…っ確かにね。でも可愛い後輩が命張ってるんだ、あたしが倒れるわけにはいかないんだ!」
倒れることはいつだってできる。
理由を付けることもできる。
だけど諦める理由にはならない。
再度辺りを見渡せば、補習授業部の奮闘もありアリウスの増援部隊と互角に渡り合っていた。
「ミカさん、1つ聞かせてください!セイアさんを襲撃したのも貴女の指示だったんですか!?」
ハナコちゃんがセイアさん襲撃の真意を尋ねる。
「うん。そうだよ、全部私の指示。セイアちゃんのヘイローを破壊しろとは言ってないよ。卒業するまで檻の中で大人しくしてもらいたかっただけ。私は人殺しじゃない」
人殺しじゃない?
つまりセイアさんを襲った実行犯は別にいる?
ふとミカさんはアズサちゃんの方を向いた。
「それ以上は、当事者に聞いた方がいいんじゃない?私が説明するより早いと思うよ。そうだよね、白洲アズサ?」
えっ?
アズサちゃんが襲撃犯?
アリウスのスパイとは聞かされていたが‥‥そんなまさか。
「セイアちゃんがいなくなって、そこからことが大きくなって。もう色々とどうしようもなくなっちゃったんだから、どう思ってるのかな?」
ミカさんのカミングアウトにアズサちゃんの表情が曇る。
「違う‥‥あれは‥‥」
補習授業部の間に重苦しい空気が漂う。
戦場の流れがミカさんの方へと傾きつつある中、突如として爆発音が起こる。
「報告。トリニティの生徒が一部こちらに向かってきています」
アリウス生からの報告にミカさんは不思議そうに首をかしげる。
「ティーパーティーの戒厳令に背く人がいるってこと?そんな人いるはずが‥‥」
「いますよ。ティーパーティーにも命令できない独立組織が」
そう。このトリニティ総合学園は一枚岩じゃない。いくつもの派閥が結集し今の形に落ち着いたに過ぎない。
そのため最低でも一か所はあるわけで‥‥
「大聖堂の方からです!!」
「‥‥まさか、シスターフッドっ!?」
神に仕えし神職であり、長い歴史の中で独立性を保ち続けてきた組織
『シスターフッド』が駆けつけてくれた。
◇◇◇◇
大聖堂からグラウンドに現れるシスターの集団が現着する。
「けほっ…今日も平和と安寧があらんことを‥‥けほっけほっ」
「すみません、お邪魔します‥‥」
「遅れてすみません。シスターフッド、これまでの慣習を破る形になりますが参戦させていただきます!」
威風堂々と佇むシスターフッドの方々は大きく見えた。
「あはは…っあのシスターフッドを動かすなんて。浦和ハナコ、貴女は何を代償に差しだしたの?」
余裕そうであった表情から顔を険しくさせる。
「あなたが知る必要はありませんよ。強いて言えばちょっとした約束ですが」
これがハナコちゃんが用意した秘策。
ティーパーティーのよって正義実現委員会が頼れない状況に陥った際、第3勢力であるシスターフッドを援軍として呼び寄せることだ。
シスターフッドはトリニティ総合学園の中ではティーパーティーに次ぐ権威を有している。なんなら、独自の組織体系であることから全貌を把握するのでさえ難しいとされる。
あたしも驚いてるよ。
個人間の交友だけじゃなく、しっかりとしたパイプを持っていたのだから。
改めてハナコちゃんの底知れなさに脱帽する。
「まぁ、いいや。ホストになったら大聖堂も片付けるつもりだったしちょうどいっか」
興味を失ったのか。はたまた勝てる勝算があるのかは定かではない。ただ戦意を失っていないことだけは確かであった。
視線を再びあたしへ向ける。
シスターフッドとやり合う前に立ち上がれないあたしを片付けるつもりなのだろう。。
ゆっくりと歩を進めミカさんが迫る。
手にしたサブマシンガンの銃口をあたしの頭へと突きつけた。
「じゃあね、サバキ先・輩☆」
覚悟を決め目を閉じ、天命を待つ。
引き金に力が加わる間際、何かがミカさんの眼前に飛び出した。
「伏せてください!!」
「はっ?」
真っ暗な空間の中で何かが弾け、閃光が辺り一面を照らした。
あまりに急な出来事であったため思わずミカさんの目もくらむ。
その隙を突いて、距離を離す。
「ありがとう、スズミちゃん。おかげで助かったよ」
「ご無事で何よりです。黒狐さん。いえ、今はサバキさんとお呼びした方がよろしかったでしょうか?」
うーん…できれば黒狐のままだと嬉しいかな。
「スズミさーん!こっちは全員準備オッケーです!」
ん?ひと際声の大きい子は誰?
「はじめまして!トリニティ自警団の宇沢レイサです!」
若い子は元気があっていいわねぇ
ちょっと羨ましいなぁ‥‥
「トリニティ自警団かぁ‥‥地味だし非公認の部活だったから、油断しちゃったな~~もしかして、サバキ先輩の仕業だったりするの?」
っ、もう復活したか。回復力も一流ってか。
「その通りだよ。正直乗ってくれるかは怪しかったけどね」
スズミちゃんを始めとするトリニティ自警団は個人が集まった非公認組織。いわばボランティア団体のようなもの。自治区を脅かすとはいえティーパーティーに真っ向から対立することに賛同するかどうか怪しかった。
そこであたしはハナコちゃんに掛けあい、シスターフッドにバックを受け持ってもらったというわけだ。
それでも来てくれるかはスズミちゃんや自警団の子の気持ち次第であったが。
しかもそれだけじゃないよ。
シスターフッドが到着した最中、学園の正門付近で爆発が起こる。
「今度は何んなのさっ!」
立て続けのアクシデントに流石のミカさんも苛立ちを隠せずにいた。
アリウス生も慌てた様子で状況を報告する。
「申し上げます!学園正門からヘルメットを被った集団が戦車を引き連れ現れました!」
崩壊した正門からヘルメット団が流れ込むと次々にアリウス生と交戦を始めた。
「お待たせしました!この狐坂ワカモ、先生の危機に助太刀致しますわ!!」
戦車から颯爽と飛び出した狐面の生徒。その名は狐坂ワカモ。
矯正局から脱走した7囚人とも呼ばれる危険人物である。
「何故、『災厄の狐』がここにっ!?」
「あたしが呼んだのよ」
「えっ?」
これがあたしが用意した本命の作戦。ちなみにハナコちゃんから頼まれたってのもある。
だって7囚人と人脈があるのはあたしくらいだろうし。
「‥‥ここまでするんだ。元とはいえトリニティは先輩の母校でもあるのに指名手配犯まで使って襲わせるなんてね」
「お生憎様、貴女が
それにワカモとは友人として援軍を頼んだのさ。
ヘルメット団引き連れて来るとは思わんかったけど。
それにここまでの大騒ぎになったのなら‥‥
「一体何の騒ぎですか!それにミカ様、これは一体‥‥」
騒ぎを聞きつけ、ハスミちゃん正義実現委員会の子たちも現場に駆け付けた。
「ねぇ、なんで正義実現委員会がここにいるの?私の戒厳令で第19分校にいるはずじゃあ‥‥」
「正義実現委員会への理解が足りてなかったみたいね。確かにティーパーティーの要請は絶対さ。だけどな?正義実現委員会は本来トリニティ全体の平和と秩序を保つ治安維持組織。ティーパーティーの命令下でも非常事態には事態の鎮静化が優先されるんだよ!」
それに命令自体は破ってないわけだから、彼女たちを罰することもできないよ。
数的有利も戦況も全て逆転した。
アリウス生が勝てる勝率は極めて低い。大人しく投降して。
「ここまで来て、『大人しく降参します』なんてわけにはいかないでしょ?もう…私は、行くところまで行くしかないの」
そう。貴女は後には引けないのね。
いいわ。その覚悟にあたしも応えようじゃない。
両足に力を込めてあたしはミカさんの前に立つ。
「最後まで付き合ってやんよ、ミカさん。‥‥違うな、かかってこいよ聖園ミカァッ!!」
「‥‥ッ!浄玻サバキィィ‥‥ッ!」
ミカとあたしの拳と拳が交わり合う。
時間無制限、1本勝負。
最終決戦の鐘が今、鳴り響いた。
余談
●作戦開始、数時間前
「久しぶりに連絡を寄越したと思えば、先生の救援としてトリニティへカチコミしてほしいとは…正気ですか?」
「ええ。トリニティに行って襲ってくるアリウス生を止めて欲しい。それがあたしからの頼み事だ」
「そのアリウス…でしたっけ?不審な輩が相手なら正義実現委員会で十分ではないかと思います。戦略兵器の剣先ツルギ委員長もいることですし、私の出番必要ありませんよね?」
「‥‥正義実現委員会の手は借りられない。何せ主犯は生徒会、ティーパーティーだから」
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て。お待ちなさいな。ティーパーティーってトリニティを取り持つ最高権力者ですよね?つまり私に『喧嘩を売れ』ということではありませんか?」
「戦線をかき乱してくれればいい。後はあたしや先生が何とかする」
「あのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあのあの、あのですねぇ!何とかするって言っても相手は学園の最高権力者ですのよ‥‥私、『災厄の狐』として世間的にも恐れらえていますが、れっきとした生徒ですわ。しかも、先生が保護観察者として復学の手伝いをしてくださっているのですよ。その先生の面子に泥を塗るなんて、なんと恐れ多い‥‥」
「『襲撃します』」
「だから気に入りましてよ」
余談2
前話でアリウスとアズサちゃんの交戦を教えてくれたのはスズミである。