まさかのハイランダーから参戦とは思わなかったなぁ…
シュポガキが限定、初登場の子が配布となるとスオウはハーフアニバで実装かな?
無名のナニカ様
感想ありがとうございます。
「みなさん、着きましたよ!海です!」
「おお…これが海か」
「海だ!海だ!きひゃはははははあああ!!」
「ツルギ委員長、気合入ってますね」
「ええ。それだけ楽しみだったのでしょう」
ヒフミちゃんが運転する戦車『クルセイダーちゃん』に揺られながら、あたしたちはトリニティの中心部から少し離れた海岸へ到着した。安全に戦車を停車させた瞬間、ツルギちゃんはハイテンションで砂浜を駆けまわっていた。よっぽど来たかったのだろう、心から喜んでいるのが見てわかる。
「海、初めて見る場所だ。だが油断はしない。どこに罠があるかわからないからな」
「”そんなに警戒する必要はないと思うよ…?”」
いつもらしく辺りを警戒するアズサちゃん。でもああ言いながらも翼がピョコピョコ動いているあたり初めての場所に興奮しているんだと思う。
それはそうとウィッシュリストのミッションにも取り掛からなくては。休暇とは言え、このウイッシュリストを達成するのが目的でもあったから。
「ヒフミちゃん、ウイッシュリストだけどまずはどれからにするの?」
「ええっと…色々ありますが、一番簡単な物からやってみようと思います。例えば、『砂のお城と砂風呂づくり』なんてどうでしょう?」
砂風呂のお城に砂風呂か。どっちも夏の定番だな。それに簡単な道具があれば作れるしちょうどいいと思う。
「まずは私が作ってみます。先生はベストタイミングで写真を撮ってください。なるべく楽しそうな感じでお願いします!」
「”なんだか本末転倒のような…”」
確かに楽しむことが目的なのに、作り笑顔じゃ意味ないと思うよ?やっぱり自然な笑顔が良いよね。
「もちろん、純粋楽しみたいのもありますが…失敗して爪は嫌ですので‥‥ミッションもこなさないとですし」
爪って、ヒフミちゃんは正義実現委員会のことなんだと思ってるの‥‥そんなことしないから。しないよね?ツルギちゃん
一見不気味そうな表情のツルギちゃんだけど、海を楽しんでいるのがわかる。誤解されがちだけど、相手のことを気遣える優しい子だから。
見守られながらヒフミちゃんはゆっくり丁寧に砂掘ってはバケツに詰めていく。少しずつ水を加え、砂を固めてバケツをひっくり返し、スコップで整形すると見事な砂のお城が出来上がった。
「できました、完成です!いかがでしょうか…ツルギさん?」
綺麗に作られた砂のお城。ツルギちゃんも笑顔でサムズアップする。
(微笑ましいなぁ~~)
なんて和やかに見つめていると銃声が響き、せっかく作った砂の城が壊されてしまう。
「誰の許可得てここで砂遊びなんかやってるわけだ?あぁん?」
「あははははは!無為ヶ浜は昨日からあたしらのもんだんだよ。ショバ代出しな!」
夏の風物詩というか、キヴォトスの日常というか。
まぁ、いるよねチンピラの1人や2人。水着のチンピラってのはちょっとレアだけど。
案の定お城を壊したのはチンピラたち。どうもこの辺りをシノギの場にしているようだ。
ただこんな舐めた真似をされて黙っていられるわけもなく。砂の城を目の前で壊されたツルギちゃんはチンピラたち目掛けて突貫しに行く。
あっ…終わったなあいつら。
「てめぇらああああ―――――!!」
怒れるツルギちゃんによるラリアット炸裂!たまらずチンピラの何人かが吹っ飛ばされた!
「おい、今吹っ飛ばされなかったか!」
「なんつぅ怪力だよ!?」
慌てているところを悪いけど、まだ終わってないからね?
「よくもヒフミが作った砂の城を壊したな。…許せない、協力するよ正義実現委員会の委員長」
「私たちの目の前で犯行に及ぶとはいい度胸ですね」
「あ、あの…皆さん‥‥?」
あーもう完全にエンジン入っちゃったじゃん。せめて怪我だけはさせないように加減しておくから。
「「へ‥‥?」」
完全に臨戦態勢に入ったあたしたちを前に、先ほどの威勢はどこへやら。すっかり茫然としている。
「きしゃあああああ――――――!!」
◇◇◇◇
トリニティの秩序を担う正義実現委員会の部員。
そんな治安維持組織と真っ向から勝負できる一般生徒。
相対した不良生徒たちの結果は火を見るよりも明らかであった。
派手に大暴れするツルギちゃんを前に不良生徒側の前線は壊滅。おまけに戦い慣れているアズサちゃん、マシロちゃんが的確に潰してくるのだ。日頃か弱い者ばかり相手にししてきた不良たちが敵う通りはない。
「つ、つえぇ…」
「くそっ!覚えてろぉ!」
いかにも子悪党な捨て台詞を吐いて不良生徒たちは去っていった。これで懲りてくれればいいのだけれど。
「お疲れ様。圧勝だったわね」
「当然。あんな戦術も戦略もない動きに負けるわけがない」
「あうぅ…‥どうしてこんなことに…」
これはね、誰でもどこでもこうなるのよ。割り切った方が楽よ?
「夏が、海が、友情が‥‥」
ひと暴れしたツルギちゃんだったけど、落ち着いた後自分がしたことにショックを受けているようだった。
「”ツルギ。君はそれを守ってくれたんだ。ありがとう”」
「ええ。貴女が気に病むことじゃない。しっかり胸を張りなさいな」
ヒフミちゃんが作ってくれた砂の城を壊されたことへの義憤だ。ツルギちゃん自身に責められる非はない。
「あっ…えっと、はい…」
ただ当初の目的であった砂のお城作りは振り出しに戻ってしまった。
そこで今度はみんなで協力して砂のお城を作ることになった。
あたしは砂をかき集めて運搬する係。
設計はアズサちゃんとマシロちゃんが担当することになってるけど、こんなに砂を集めてどうるのだろうか?
とにかく砂を集めて運ぶこと十数分。
お手洗いから戻ったヒフミちゃんと一緒に出来上がった物を見ることに。
「先生。調子はどうですか?アズサちゃんとマシロちゃんはどこに‥‥」
尋ねてみると先生が呆然として一点を見上げていた。
見上げた先にあったのは砂の城。城とは言っても一般的なサイズではなく、『文字通りのお城』だ。1分の1スケールで建築されたそれは、お城と言うよりも要塞といっても過言ではない。
「ど、どうしてそんなに大きくなっちゃったんですか―――!?それ以前に一体どうやって!?」
「注文通りの『砂のお城』だ。これならどんな攻撃を受けても対応できるし、壊されない」
なるほど。そりゃあ砂がいっぱい必要になるわな。しかし、これ本当に砂と海水だけで作ったのか?中にコンクリートでも入れてるとかではなく?
「もちろん。純度100%の砂で出来ています。それに遮蔽物としての機能が果たせる他、こちら側からは狙撃が通しやすい構造になっていてとても良いです」
「マシロさん!?マシロさんものっちゃったんですか!?」
「…ふふっ」
「とても楽しそうでよかったわね」
ロマンの下りといい意外とわんぱく気質なのかもねマシロちゃん。若い子は元気があっていいなぁ
そうだ。ちょっと登ってみよう。
勢いよく助走をつけてアズサちゃんとマシロちゃんがいる場所目掛けて壁のぼりを試みる。
「ふえぇっ!?今走って登りませんでした!?」
うん
っとそこそこ高さはあれどいけない距離じゃないな。
砂を崩さないよう力を調整しながら登り、展望台の寸前にまで到達する。
「まさか上って来るとは…流石は元正義実現委員会の委員長。お見事です」
「だけどそれも対策済み」
もうそろそろで登り切る所でアズサちゃんは用意していたバケツの水をあたしにぶっかけた。しかもめっちゃ冷たい奴。
「ブフォァっ!?」
「籠城戦では高い所にいる方が有利。基本中の基本だ」
「大丈夫ですか!?副先生!?」
「だ、だいじょぶい…」
目に海水が入らなかっただけマシさぁ
そんな一幕がありながらも目的だった写真の撮影には成功した。後は砂風呂の方だ。
「思わぬ形でお2人が意気投合しましたね…」
確かに。もしかしたら波長が合うんじゃないかな?
「でも平和なビーチで敵襲なんて、そうそうそんなこと‥‥」
ヒフミちゃん。それ思いっきりフラグよ。
なんて言っていると案の定、再度けたたましく爆発音と銃声が鳴り響く。
「さっきはよくもやってくれたなぁっ!」
「これだけいりゃあ負けやしねぇ、覚悟しろ!」
物音がする方向からはさっき追い返した不良生徒たちが徒党を組んで襲撃してきた。自分たちで言うだけあり先ほどよりも人数が増している。
「3時の方向、水着のスケバンが多数!」
「やっぱりか」
「敵襲、来たでしょう?」
「どうしてこんな目に‥‥」
平地であれば断然あたしたちの方が不利である。数で押し負ける可能性もあるからだ。
しかしあたしたちには先ほど建設した砂の要塞がある。少数VS多数であっても万全に待ち構えられる。
「狙撃手、後ろは頼む」
「お任せください。私の実力をお見せします」
おっ、いいね―ーならあたしも
持ってバッグの中からスナイパーライフルの『黒笏』を取り出す。
「そういえば副先生も狙撃が得意だったな」
本職には敵わないけどね。でも人並みくらいには扱えるかな。
「‥‥ハスミ先輩から聞いたことがあります。サバキ先輩から狙撃を教えてもらったことがあると」
「ええ、そうよ」
懐かしいなぁ。
まだ小さかったハスミちゃんにスナイパーライフルの基礎とか教えたっけ。教えるためにあたしも鍛錬を積んだのは内緒の話。
「同じ狙撃手としてサバキ先輩の実力、見させていただきます!」
「そんな力を入れなくていいわよ~」
肩の力抜いて、気楽に不良狩りとしゃれこみましょうや。
◇◇◇◇
不良生徒たちを難なく撃退できたのは良かったのだけれども砂のお城は崩れてしまった。流石に砂の耐久力では持たなかったのだろう。
「せっかくアズサちゃんとマシロさんが作ってくれたのに…」
しょんぼりと肩を落とすヒフミちゃん。そこにアズサちゃんがフォローに入る。
「ヒフミ。全ては虚しく、形ある物はいずれ壊れる運命にある。でも砂のお城ならまた作り直せばいい。虚しいことばかりの世界であっても抗い、戦い続けることに意味がある」
「アズサさんの言う通りです。悪は常に存在するもの。常に私たちは備え、立ち向かうしかないのです」
当事者なだけあって説得力が違うな。
「ツルギさんはどう思います‥‥?」
恐る恐る感想を尋ねるとツルギちゃんは楽しく笑い声を上げた。
「
「”ツルギも楽しそうだね”」
楽しければよし!(現場猫)
「そうでしたか‥‥ならいいのですが‥‥っと砂風呂の写真がまだでしたね」
「”もう撮ってあるよ”」
「そうなんですか?」
早いな、いつの間に撮ったんだろう先生。
先生の撮った写真を確認すると確かにツルギちゃんと不良生徒たちによる砂風呂の写真であった。
といっても砂風呂よりかは埋められた死体に近いような‥‥事件性高めでしょこれ。〇神家だよ、〇神家。
でもまあ砂風呂と呼べる範疇でもあるわけでウィッシュリストの内2つを達成したのは間違いない。
かくしてあたしたちは次のミッションに挑むのであった…
余談
ツルギとは付き合いがそれなりにあるため奇声を上げていても大体は内容を把握できるぞ。