TS転生精霊女王、神様から自然の再興を任されてしまう 作:ひのかぜ
俺が精霊と言う種族になった事による時間感覚の変化、今暮らしている場所の環境、一緒に居るテウルフや
他にも、
あの日以来、このオアシスに人間の来客が訪れるなどと言ったイベントは起こらず、唯一あった変わった事と言えば、6日前に精霊の生誕が3回も発生したくらいである。
1人目に生まれたのは、袖がちょっと長めの薄い水色の服、何故か足首部分がモコモコしたズボンを履いた、男の子の精霊である。
ご多分に漏れず、俺とそっくりな背丈と顔つきな上に瞳の色も同じで、パッと見違うところは薄い黄緑と水色のメッシュ髪である点だ。
精霊としての力は最初の子とほぼ同等、四季に関する属性の中でも冬……氷属性に最も適性が高いと判明している。
暑さに弱そうにも思えるが、実際には最初の子や俺と殆んど変わらず、普通に生活は可能だと分かった時はホッとしたものだ。
ちなみにだが、寒さには滅法強い。真夜中の砂漠の気温程度なら余裕で耐えるどころか、むしろ元気になってしまう程。
一緒に暮らす仲間もとい我が子が増えてくれるのは素晴らしく、かなり嬉しい事ではあるのだが、最初の子と同等かそれ以上に甘えん坊な性格故に、大変な面も多々ある。
「ちょっと! ねえ、またお母さまを独り占めし過ぎ! きみだけのお母さまじゃないのに!」
「別に良いじゃん。だってぼくが生まれる前は、お姉ちゃんが母さま独り占めしてたんでしょ? ちょっとくらいは問題ないと思うんだけど」
「お姉ちゃん……いやいや、それとこれとは話が別! わたしだってお母さま大好きなのに!」
「ぼくも大好きなんだけど?」
「「むぅぅぅぅ~~!!」」
その最たるものとしては、姉弟同士で俺を取り合うための喧嘩を度々行ってしまう事だ。今のところ、魔法の撃ち合いや殴り合いをする程には過激化はしていない。
ただ、日常生活がままならない程に仲が悪い訳ではなく、何なら普段の仲自体は良い方だと俺は思っている。外で遊ぶ時もほぼ一緒、勉強する時もほぼ一緒、楽しそうにしている様子が良く見られるからだ。
(好いてくれているってのは嬉しい事なんだがなぁ……)
とは言うものの、この喧嘩は必ず止める。可愛らしく膨れっ面をしながら、言葉に意思を込めて言い合うだけの無害なやり取りであってもだ。
俺がもう少し
「はいはい、落ち着いて。ほら、2人ともこっちにおいで」
「「はぁーい!」」
なお、喧嘩の内容が俺に関わる事であった場合、この喧嘩を収めるには2人同時に抱きしめてあげるのが手っ取り早い。現に、さっきまでの膨れっ面がなくなり、ただ単に可愛らしい笑顔だけを見せてくれるようになる。
しかし、この際喧嘩が始まる前みたいにどちらか片方のみに俺の意識が偏り、平等さを欠いてしまうと意味がなくなるため、出来る限り偏らせず平等を意識して構う。
「にゃぁ……お母さま、大好きぃ」
「えへへ……母さまは、ぼくたちの事好き?」
「勿論大好きだよ。何て言っても、私の子供だもの」
「「……ありがと」」
養子を取る訳でもなければ、誰かと結婚する段階を取る訳でもなく、俺の魔力から生まれてくると言う
前世では、俺自身の怠惰もあってか決して抱く事はなかった、自分の子供に対して抱く『愛おしい』と言われる感情。
今になって思うが、これは実に心が暖かくなる感情である。幾千幾万の宝物よりも、価値あるものと言って良い。
「お母様、私の事も忘れないで。私もあなたの子供だから」
「僕も居るよ、母様」
言わずもがな、後に生まれてきてくれた2人の子に対しても、同様の感情を抱いている。
白と薄い桜色混じりの髪に淡緑色の翡翠のような瞳、容姿に合う色合いの着物、桜の枝みたいな形のかんざしを着けた、春に関わる要素が沢山な
紅葉のような色合いの髪に琥珀色の瞳、同じく紅葉をイメージした色合いの着物、紅葉模様の描かれた扇子を手に持っている、秋に関わる要素が満載な
精霊としての力に差は殆んど見られず、前の2人とは違って振る舞いが若干大人びてはいるものの、感じる愛おしさに変化は全くない。
大変な思いをする事は増えるだろうが、その辺は承知の上だ。
「何言ってるの? 我が子の事を忘れる訳ないでしょ……ほら、2人も来たければ来なさいな」
「ほらほら! 譲ってあげるから、きみたちも来て!」
「確かに、独り占めは良くないもんねー」
この調子で精霊たちが増えていくのであれば、いくつかの基準を儲けた上で名前を付けてあげた方が良さそうではある。
しかし、テウルフに対して名前を付けてあげた時とは違い、精霊に対して最初に付ける名前は重要度がこっちの方が断然上だ。
精霊の種族特性の良いところを保ちつつ、1つの生命としての存在を確立させる。
精霊術士の使う、精霊や妖精と心を通わせて力を借りる【
概念寄りの存在であればある程、影響が強くなってしまうこの凶悪な魔法の存在がある以上、後者の要素は外しがたい。
なお、この時に付けられた名前……【真名】が何かしらの理由で露呈した場合、呪言に対する防御を突破されやすくなる。
発動された瞬間詰みなんて事はなく、一定以上の実力者魔法使いによる解呪も可能なため、露呈した瞬間即終了となる程ではないものの、時間がかかり過ぎた場合、解呪後も恒久的な影響が残る可能性が高まるのだ。
「お母さま? そんなに悩んでどうしたの……?」
真名を付ける側にも負担のかかる行為ではあるけど、俺の場合は精霊女王としての潤沢な魔力がある。恐らく数の限界はあるにせよ、4人に付けるくらいだったら問題は全くない。
むしろ、万が一の可能性をなくせると言う意味でも、気を遣った上でなら付けるべきである。そう考えた俺は、今日この場で4人に名前を付けてあげようと決意を固めた。
本小説の用語解説的なものは必要でしょうか?
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必要
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必要ではない
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どちらでも構わない