ブルアカ転生withハードモード(旧題:僕思うんですよ、キヴォトスに必要なのは装甲戦力じゃ無いかって。)   作:焼け野原主任

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ども、焼け野原主任です。今回はマウス回です。


第九話、砂漠に眠る鋼鉄の鼠。

「…車長……、本当にやるんすね?」

 

「うん、構わないよ」

 

暗い密室、僕と操縦手は互いに声を掛け合い、互いに居場所と感情をやり取りする。

 

「ホントのホントにっすね!?どうなっても知りませんよ!?」

 

「大丈夫、責任は僕が取るから」

 

「責任って…、大丈夫かなぁ…上手くいくかなぁ…」

 

「大丈夫だって、ほら、早く。上手くいくさ」

 

「うぅ…」

 

心配する操縦手にそう諭すように告げかけ、緊張を解きほぐす。

 

「…んじゃ…、いくっすよ…」

 

緊張感がぬぐえぬ面持ちで、操縦手は汗ばむ手で棒を握る。

 

「OK、いくよ…!」

 

 

 

 

 

「「やっ!」」

 

 

 

ガコン!ブロロロロロロ!!!

 

「やったぁ!!かかったぁ!!」

 

マウス内の狭い操縦席の中で操縦手がはしゃぐ、あぶね!当たりそうだったぞ今の…。

 

「こらこらはしゃが無いの、あと狭いんだから僕に当たったらどうするの…」

 

「あ、すみませんっす…」

 

操縦手が僕の言葉に少し…いや、目に見えてしょぼくれる。

 

「ごめんごめん、そこまできつく言うつもりはなかったんだけど…」

 

「そうっすよね!流石車長…、いや!先生っす!」

 

「うんうん…、にしても…この操縦システムどうにかならなかったかなぁ…」

 

実はこのマウス、マーク4に似た二人操縦システムになっていて、めちゃくちゃメンドクサイし使いにくい代物になっている。

なんだよこれ!実用性皆無じゃないかァ!!

 

「うっ…!くっ…!!」

 

自分の方にある操縦桿を動かしながらマウスの右履帯を動かす。

 

「これ…!硬い!」

 

「仕方ないですよ先生、これ、数年前の代物なんですから。逆に動くのが奇跡なレベルっすよ」

 

「そりゃあ…!そうだけどさっ!!」

 

この時ばかりは非力な自分を恨んだ。これ以降、ある程度の筋トレも必要だと肝に銘じ、身体能力が少し上がったのはまた別の話。

 

「とりあえず、このままアビドス迄向かうっすよ。頑張ってください」

 

「ああ!そうするよっ!」

 

ガリガリとさび付いてクソ硬くなったレバーを動かし、車庫の外へと出る。

 

「先生!!!出てすぐに段差があるから!!!気を付けて!!!」

 

外から何か声が聞こえるけど、分厚い装甲版とすぐ後ろのエンジン音で聞こえない。

 

「ん…なんて言ってるんすかね…」

 

ギィと操縦手がハッチをあけ、上半身を車外に出し、器用に足で操縦桿を操作しながら外を覗く、すると、ピンクのスカートというベールに隠された水色と白の縞々の聖域がお目見えしてしまった。

 

「うぇ…!?」

 

車外に出た上半身が外で何かやり取りをしているのが見える。

が、僕はそれ以上にあの聖域が気になって仕方ない。

少しの間まじまじと見ていると、操縦手がどさりとシートに座り、さっきのやり取りの内容を伝えてくる。

 

「なるほど…、先生、すぐ先に段差があるので注意しながら進むっすよ!……先生?」

 

「っえ!?あ、うん…」

 

彼女の何時切ったのかわからない短髪に袖を捲ったタンクジャケット、その髪型と喋り方から凄くボーイッシュな印象を受けるけど、その中に隠された聖域の破壊力は抜群であった。

 

「大丈夫っすか?」

 

「ああ、大丈夫。直ぐに行こう」

 

「オッケーっす!」

 

彼女がそういうと、まだ段差の落差が少ない所を選んで進んでいく。

 

「もうすぐ段差っすよ~!それ!」

 

段差に差し掛かり、その落差を超えた時。

 

 

 

 

 

ドズゥウウン!!

 

すさまじい揺れと衝撃が車内に音どころか小さな地震として轟き、視界がぐわりと縦方向に揺れる。

 

「うぎゃ!!」

 

「どぅえあ!!」

 

内臓どころか脳ががそっくりそのままシェイクされる様な衝撃に僕らはノックアウトされ、シロコやノノミの手により戦車の中から救助された。

 

 

 

◇◇◇

 

ある電車の中、一人のアロナをそのまま成長させた女性が対面に座っていた。

彼女の左胸からはドクドクと血が流れ出ていて、致命傷だと言うことが一見してわかる。

 

「先生、こんな状態で会う事になって申し訳ありません」

 

「こんなに早くこの状況になるとは、私にとって予想外でした」

 

「たとえ小さくても、たとえ別の人格が入っていても、先生は同じような状況で同じ様な判断をするでしょう」

 

「ですが、この状態、この期間では必ずしもそれが正解なり得るとは限りません」

 

そう長くない時間を消費して、こちらに何かを伝えてくる。

 

「多分、貴方の目が覚める時にはこの会話も覚えていないでしょう」

 

「ですが、貴方には貴方の役目が、そして能力(チカラ)が、絆があります」

 

「もちろん、小さい体で苦労する事もあるでしょう、ですが、楽になる事だってあるのですから」

 

「…あの」

 

彼女…いや、連邦生徒会長へと声をかけようとするが、その言葉は声にならない。

ふと、彼女はよろりと立ち上がって此方に向けてゆったりと歩を進めた。パタタッ、と連続して血が垂れ、こぼれ落ちる。

 

数秒が経ち、こちらのすぐ目の前に来た時、彼女は膝を付いて座ったままの僕を抱きしめた。

 

「御免なさい…、先生…」

 

別れ際に耳に入った声。涙の混ざったその声は、まるで自分の不甲斐なさを申し訳なく思う声でなく、こちらを憐れむような声だった。

僕はその言葉に返す様に彼女の背中に優しく手を回した。

 

その中、僕の意識は微睡の中へと誘われた。

 

◇◇◇

 

 

 

其処から数分後、僕はアビドスの校舎に設置されている保健室のベッドの上で目を覚ました。

ベッドから気怠い体を起こし、伸びをして体を気怠さを紛らわす。

 

「ん〜っ…ふぅ…」

 

子供ゆえの低血圧で朝…と言うか眠たい事は多いが、この気怠さは十中八九、さっきのマウス落着の衝撃の所為だろう。

 

「大丈夫~?」

 

ベッドの近くからけだるげに間延びしたホシノの明るい声が聞こえる。

 

「まぁ…はい、何とか」

 

「ならよかったよ〜小一時間くらい寝たまんまだったからね〜、おじさんそのまま起きないんじゃないかと思っていたよ〜」

 

「そのまま起きなかったらここに来た意味無くなりますけどね…」

 

「まぁそうだね〜、じゃ、私はこれで〜」

 

「あ、ホシノさん」

 

一つ聞きたい事を聞く為、ホシノに声をかける。

 

「ん〜おじさんの事はホシノでいいよ〜、で、何〜?」

 

 

 

…少し、自分の話をしよう。これは、君らに取っては一年前…いや、これから先の事かも知れない。

ある一人の優秀な生徒と、もう一人の…ヤツの話だ。

その生徒が所属する学校は多大な借金を背負わされていて、その額は利子の返済だけで手一杯になる程の借金だ。まぁ、これは借りていた消費者金融が闇金の様な返済形態を取っていたからだが…、まぁそれは今は関係ない。

その生徒はずっとヤツから声を掛けられていた、学校を捨てて自分らの勢力に入れば借金を肩代わりするという条件の元。

原作先生はヤツの所在をなぜか知っていた、ホシノに聞いたのかも知れないけれどそれはわからない。

だけど、僕は知らない、原作ストーリーでも開始以前から奴との交流があった筈、なら、リスクは大きいけど聞く必要があるだろう。

それだけじゃない、行動は早い方がいいだろう、わざわざ、原作の通りに進めようとしなくていいのだ。

 

「あの…黒服の所在を知りませんか?」

 

刹那、その覇気に気怠さが吹き飛ぶのを感じ、彼女の目が警戒と疑念の二色に染まったのを僕は見逃さなかった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

「こんにちは」

 

カチャリとドアノブを降ろし、目の前の大きな戸を引く。

すると、そのドアの先には見覚えのある黒い頭に光る片目、耳元まで裂けた口。そして、黒のスーツ。

 

「おやおや…、こんな所に来られるとは珍しいですね。『先生』」

 

「こちらこそ、初めましてだね。『黒服』?」

 

そう、ヤツ事、先生大好きっ子クラブのゲマトリアのメインキャラクターである、黒服の姿がそこにあった。

 




お読みいただきありがとうございます。

さて黒服の登場です!ぱちぱち~

◇どうやってマウスをアビドス迄運べたの?

舗装路を走りました。
なので通ったところの舗装はボロボロですが砂に埋まることなくアビドス迄自走できました。


◇少し…自分の話をしよう

某大丈夫だ、問題ないのゲームの冒頭分から取りました。それ以上でもそれ以下でもありません。

では、また次回。

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