Fate/Another Verse 虚栄未来都市聖杯戦争 作:たかしマン
「はぁっ……はぁっ………」
男は走り続ける。
身体は限界を迎えようとしているが、それでも走ることを止める訳にはいかない。
背後からガチャガチャとした金属音が聞こえてくる中、男は逃げ続ける。
コンクリートの迷宮とも言える路地を走り抜けていくが、疲労からか足がもつれて転んでしまう。
「ようやく追い詰めたぞ、No2187」
追いかけてきていた男たちはNo2187と呼ばれる男に銃口を向ける。
No2187は後ずさるが、発砲されれば死んでしまうだろうと悟っていた。
遅れて現れたリーダー格と思われる男が拳銃を構えると同時に、男たちも引き金に指をかける。
No2187が思わず目を閉じると同時に、幾つもの銃声が鳴り響く。
銃声が鳴り止み、自身が無事だと気付いたNo2187が目を開くと、リーダー格の前に男が立っており、周囲の男たちは全身を切り裂かれて倒れていた。
リーダー格も突然現れた謎の男に驚いているようで、目に見えて動揺している。
「貴様、何者だ!」
「私はサーヴァント、アーチャーだ」
「勝手に召喚しやがって!」
リーダー格がNo2187に銃口を向けて発砲しようとするが、その寸前拳銃が落下する。
手首を切断されて落下したのだ。
「おっとすまない、まだ引き金を引いていなかった。だが同じことだろう?」
いつの間にかアーチャーの両手にはそれぞれ剣が握られており、リーダー格の手首を切り裂いたであろう右手の剣には血液が付着している。
「貴様、私はソレの主人だ。マスターのマスターである私の命令に従え」
「悪いが、人間関係とかややこしいのは苦手なんだ。だから、私は
アーチャーが剣を向けるとリーダー格は後ずさる。
「これ以上マスターに危害を加えないのならばこの場は見逃そう。実力差が判らぬほど愚かではあるまい?」
「…わかった、誓おう」
リーダー格が後ろを向いて立ち去ろうとすると、背後から衝撃を受けた。
痛む胸を見てみると、背中から突き刺された剣が貫通して飛び出している。
「な、ぜ…」
リーダー格はゆっくりと振り返る。
「…先程のは私の善性の部分としての結論だ。
アーチャーは剣を引き抜き、一瞬にして首を切り落とすとNo2187の方に振り向く。
「マスター、待たせてすまない」
「お前はいったい…?」
「私はアーチャー。聖杯戦争によって召喚されたサーヴァントの一騎だ」
「聖杯戦争…まさかこれが」
No2187が右手の甲を見てみると、赤い紋章が浮かび上がっている。
「ああ、それは令呪だ。それがマスターである証であり、私に対する3回限りの絶対命令権だ」
「なるほど、聖杯戦争については少し知っている。俺とお前で他のマスターとサーヴァントを全滅させれば良いんだろう?」
「その通り、私とマスターで…君の名は番号なのか?」
「ああ。でも俺は聖杯戦争に勝って“あの組織”を滅ぼす。だから番号は捨てる。俺の新しい名は、俺が知る中で最も優れた英雄、『アーサー』だ」