碧陽学園生徒会議事録~•In the hill where the setting sun is beatiful~夕日の綺麗なその丘で~ 作:雨流
徹夜で書いたので変なとこがあるかもしれませんが、宜しくお願いします(笑)
それでは、どーぞ!!
俺は夢を見ていた。
ここが夢の世界だということは勿論自分で認識出来る訳ないので、あくまで目測でしかないんだがな。
それとも俺はあの公園で、誰にも見つけられず降りゆく雪に埋もれ凍死したのだろうか。
今となってはどうでもいいように感じる。
夢の内容は、見ていてとても懐かしく感じられた。
まだ年端もいかない少年と少女が、何処かのお花畑のような場所で鬼ごっこのような事をして遊んでいた。
男の子のほうはくすんだ赤髪と人懐っこい性格が特徴的で、見た目から見ても活発そうな印象が見て取れる。
逆に女の子のほうは、鮮やかな長い茶髪に年相応のリボンで髪を結っておりツインテールにしているが、比較的おとなしそうな印象が強い。
構図としては、男の子のほうが女の子のほうを引っ張っているようだ。
女の子のほうも嫌な顔はしていないので、この男の子の事を信頼しているんだと俺はそう思う。
『無邪気だな』
俺はこの子供達を見てそう思った。
男の子も女の子のほうも、お互い下心等全くないのだろう。
まぁこの歳であったらあったで色々と驚きなんだが。
「はぁっ……ちょ、ちょっと待ってよ! 」
そんな事を考えていると、女の子のほうが男の子のほうに声を掛けた。
女の子を見る限り、息を荒げている辺りからどうやら疲れたようだ。
「なんだよ、もうギブアップか? 」
少年の言葉に、少女は口を尖らす。
「だってもう足が痛いんだもん……」
そういって、拗ねたように下を向く。目元にはうっすらと雫が滲み出ており、少女が半泣きなのが見て取れる。
「っ! ……あぁーもう! 」
少年の言葉に少女の肩が『ビクッ』と跳ねた。そして、そんなのお構いなしのように少年は少女の目の前で片膝をつき、背中を向けた。
「……? 」
え? というような顔をした少女に、少年が「……乗れよ」といって再度背中を少女の方に向けた。どうやらおぶってやる気らしい。
少女は一瞬きょとん、としたような顔をすると、さっきまでの顔が嘘のように明るくなり少年の背中に飛び乗った。
「おわっ……?! ちょ、お前飛びのんなよ?! 」
「えへへ……」
そう言って少女は少年の背中に満面の笑顔でしがみついた。少年のほうもどこか嬉しそうに少女を見て、
「……ったく、しっかり掴まってろよ」
「うんっ!! 」
そう、少女が頷く。
ジッジジッ……
そこで一度、
「わあ……きれい…………」
少女はそう言って少年の背中から降りて、その景色を眺めていた。
「ここは俺のとっておきの場所なんだぜっ!! 」
そう言う少年の顔も、どこか照れくさそうに頭をかいている。少女の横顔でも見て照れたのか……?
そしてさっきの花畑ーーーいや、庭園とでも言った方がいいかもな。
その庭園を抜けた先にあるであろうココは、一言でいうなら『絶景』だ。
そこは、花が咲き誇る丘だった。
季節は見たカンジちょうど夏ーーー夕日が綺麗な季節だと俺は思う。
地平線にゆっくりと沈んでいくおぼろげな太陽に、ポツポツと飛んでいるうみねこの群れが非常に印象深い。
その雲一つない茜色の空に、俺は感動した。
ざざざ……と聞こえる波の音も、心地よく感じる。
そんな中、ふと少女は少年の方に向き直った。
「ねぇ……今日は本当に楽しかった、ありがとねっ」
満面の笑顔でお礼をいう少女に、不覚にもドキッとしてしまった。……うん、いや俺はロリコンじゃないとだけ言っておく。
結構重要なとこだからな、ここ。
そしてドキッとしたのは俺だけじゃなかったらしく、少年も顔を真っ赤にしていた。
恥ずかしさを誤魔化そうとしているのだろう。顔を俯けた少年はしばらく何も喋っていなかった。
「……行くのかよ? 」
不意に少年は呟いた。いや、問いかけたのか?
そんな問いに少女は答える。
「……うん。お父さんのお仕事の都合もあるし……ね?」
「そうかよ……」
そこで会話が止まる。
お互いに顔をちらちら見ては、目を合わすまいとまた俯く。
どれくらいたっただろうか。たったの三分だったかもしれないし、もしかしたら一時間くらいたったのかもしれない。
そんな空気の中、今度は少女の方から話を切り出した。
「寂しいの……? 」
「バッ、ベ、別に寂しくなんかねぇしっ! 」
少年の慌てように、少女はくすりっと笑う。
「ホントかなぁ~? 」
そういって少女は、少年の顔を覗き込む。
「バッ?! ちょ、おま顔近いって!? 」
顔を真っ赤にする少年を見て、再度笑う少女。
そして笑顔から一転、悲しそうな、そしてどこかすがるような、そんな顔を少年に向ける。
「私ちゃんと覚えてるら……だから……私のことも忘れないでね……? 」
肩を……そして声を震わせ、少女は少年にそう伝えた。
目は心なしか涙がたまっているようにも見え、泣くのを堪えているのが客観的にみてもわかる。
きっと少女は怖いのだろう。聞いた感じ、新しい学校への不安、家庭の環境等もあるかもしれないがなにより、この少年に忘れられるのが。
「…………忘れねぇよ」
「……え?」
「忘れねぇ。秋がきて、冬がきて、春がきて、また夏がきて……春夏秋冬一年中お前のこと想ってる。忘れたりなんてゼッテーにしねぇっ!! 」
そういって少年は、少女を抱き締めた。
少女の方も我慢の限界だったのだろう。目尻に溜まっていた涙が頬を伝った。
「ホント? 絶対忘れない……? 」
「ああ、絶対だ」
「絶対……絶対だよ……? 」
「ああ。忘れない」
「他の女の子といちゃいちゃしたりしない……? 」
「ああ……目ぇ潤ませてんじゃねーよ。ったく……」
そう言って、少年は少女の顔を自分の胸に押しつけた。
「……このカッコじゃお前の顔見えねえから、好きなだけ泣いてろ」
そういって少年は背中をポンポンっと叩く。
少女も色々あったのだろう。溜まっていたモノを吐き出すように泣き、少年はそれをただただ慰めていた。
「そろそろ冷え込んできたな……」
少年は誰に言ったわけでもなく、ただ一人そう呟いた。
辺りはもう薄暗くなっており、太陽ももう沈みかけている。夏とはいえ、小学生くらいならそろそろ帰る時刻だろう。
二人で座り込み、夕日が沈むのをずっと眺めていた少年達もそろそろ帰るようだ。
少年が先に立ち上がり、少女に手を貸す。
「よっと! 」
「わわっ・・・・・?! 」
二人とも立ち上がり、ポンポンと尻をはたく。
少年は両手を頭の上にあげ、背伸びする。少女の方も、少年と同じ様に背伸びをした。
「・・・・・じゃあ、そろそろ帰ろっか・・・・・? 」
少女がそう切り出す。
本当は少女も帰りたくないのだろう。さっきに比べて心なしか暗いし、何より声が弱々しい。
「あ、その前に・・・・・・」
不思議そうな顔をする少女に、少年は何やら取り出す。そして・・・・・・
「なに、これ? 」
少年が取り出したのは、黒と白のフリルがついたシンプルなリボン。
黒を基本としていて、ちょっとみる限りいい素材を使ってるようだ。
「俺もお前に忘れてほしくなくてさ・・・餞別だ、持ってけよ」
そう言って少女に渡す。
どうやら少年も、少女と考えていることは同じのようだ。なんだかそれが恥ずかしかったのだろう。
「ありがとうっ! 大切にするから! 」
少女は、さっきまでの暗い雰囲気はどこにいったのかといわんばかりに喜んでいた。
少年のほうも、喜んでくれて嬉しいのか満足げな顔をしている。
幸せでなによりだ。
そう思っていると、だんだん意識がなくなってきた。あぁ、俺は一体どうなるんだろうか?
意識はそこで唐突に途切れた。
最後に見たあの少女の無邪気な笑顔が、なぜか俺の頭に残って離れなかった。
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