いかんな。思わず熱くなって、らしくない言葉を吐いた。少し冷静にならなければ………酷い言葉を吐いたとは思う。少なからず罪悪感も沸く。沙々宮紗夜を私が傷つけたのだと、震える肩から見て取れた。
それでも。
(………悪いな、沙々宮)
誰一人とて、友人と呼ぶ訳にはいかない。そんな資格が私にはないんだ。
「それにしても、また不意打ちか。芸のない奴め」
視界の外から飛来してきた矢を、身を翻して躱す。そして視線を向けた先、噴水の中から矢を放ってきたのは、黒フードで身を隠したクロスボウ型の煌武武装を装備した襲撃者。
片腕を伸ばし、指先から炎を出して十字に形作る。
参考にした技名をそのまま使うと、少しユリス・アレクシア・フォン・リースフェルトのイメージに合わないから、そこだけ変えてみる。
「咲き誇れ、
単に、十字火と言えば分かり安いだろうか。
勢いよく放出した十字の炎は、相手が二射目を放つ前に直撃する筈だった。しかし、間に入った斧型の煌武武装を持つ大柄な黒フードの新手に防がれる。
「虚仮威しの低温とはいえ、防ぐか」
それにしても、どちらの背格好も見覚えがある。襲撃者の狙いが透けて見え過ぎて、黒幕気取りの阿呆がいっそ憐れだ。
「どーん」
直後、大柄な方が吹き飛んだ。それをした沙々宮に目を向ければ、彼女はあまりにも大きな銃を構えている。
「それは?」
「三十八式煌型擲弾銃ヘルネクラウム」
「擲弾銃、グレネードランチャーか。浪漫があるな」
「………リースフェルトもこの良さが分かるのか。《バースト》」
ただでさえ威力のあるグレネードランチャー。それを
答えは吹き飛んだ噴水が教えてくれる。
シャワーのように壊れた噴水から降り注ぐ水を、私と彼女に当たる前に炎で蒸発させる。風邪でも引くと面倒だし、透けたりしてもやっぱり面倒。
「それで、続けるのか?」
「………………………今日の所は、いい。見逃すとする」
「口の減らない奴だな。まぁ、本当に決闘をしたいならいつでも相手をしてやる」
逸らしていた意識を襲撃者らの方に向けるが、グレネードランチャーの直撃を喰らったとは思えないくらいの俊敏な動きで逃げて行く所だった。
「頑丈さが取り柄らしいな。沙々宮、お前が壊したのだから申請はしておけよ?」
「私が?煩わしい………ユリスに委任する」
「私だって面倒だ。仕方ないから天霧綾斗に任せるとしよう」
私とてそんなの煩わしい。天霧綾斗は学園に来たばかりだし、彼もそういう手続きを知るべきだろう。うん。そうしよう。