《華焔の魔女》は憑依転生者   作:紅ヶ霞 夢涯

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書いてる分をさっさと投稿して供養しよっかな…。


四話

 当たり前のように私と同じクラスに配属され、これまた当たり前のように私の隣の席になった天霧綾斗。彼が一日中もの間、ずっと揉みくちゃにされているのを見て、私自身も入学当初はあんな感じだったと思い返していた。

 

(天霧綾斗は私のようにバッサリ言える性格ではないようだからな………あれだと鴨ねぎだな。流石に放課後にもなれば落ち着くだろうが)

 

 全く、どうして野次馬根性丸出しの奴がこうも多いのか。どいつもこいつも暇人か?

 

 放課後。お気に入りの東屋でぼぅと自販機で買った飲み物を飲みながら過ごしていると、モブ生徒とは違う意味で「こいつも暇だな」と思ってる奴が現れた。

 

「ん?あぁ、レスターか。律儀に放課後までは大人しくしていたようだな………待て、をようやく覚えたらしい。次はどんな芸を覚えさせようか」

 

「けっ、言ってろ。次こそ俺が勝つ………孤高のお姫様の現実がこれだと知ったら、どいつもこいつも幻滅するだろうな」

 

「多分、狂喜乱舞して話し掛けてくる奴が増えるだけだぞ?面倒だから広めてくれるなよ」

 

 恵まれた体格に鍛え上げた肉体。見たまんまパワー型の斧使いであるレスター・マクフェイル。現在はこの星導館学園での序列九位だが、かつては五位の座にあった実力者。

 

 それを倒して今の地位に私がいる訳だから、感謝さえしている。

 

「まぁ、外面は保っておくさ。お姫様としての肩書きは面倒なことも多いが、さりとて捨てるには少々惜しいからな………いつまで突っ立っている。自分の身長を考えろ、首が痛くなる」

 

「………ふん」

 

 レスターはどかっと私の隣に腰掛ける。普段なら速攻で決闘を申請してくる筈だが、何か気になることでもあると見た。

 

「………………………どうして新参者と決闘なんざしやがった」

 

「やけに静かだと思えば、そんなことを気にしていたのか?大層な理由はない。奴と私との間に丁度いい落とし所がなく、仕方なしに決闘をしただけのことだ」

 

「わざわざ鳳凰星武祭が迫るこの時期にか。転入直後のどこの馬の骨とも知れんような奴と」

 

 口を噤む。鳳凰星武祭に私が出場を表明していることは周知の事実だ。その大会が間近に迫っているのに決闘をするということは、無駄に私の手札を広めることに等しい。

 

 それを言えばレスターとの決闘も控えるべきなのだが………何だ。彼の場合は大型犬が構って欲しがっているような奇妙な愛着があって、無下にする気も失せる。

 

(ん?まさか、こいつ………)

 

「ふっ、ふははははっ!れ、レスターお前、まさかとは思うが………くくっ」

 

 笑いが溢れる。普段はこんなに表情筋を動かすことがないから、少し顔が痛いような気がした。

 

「な、急になんだ」

 

「ふふっ………拗ねてるのならそう言え。分かり難くいぞ」

 

 この時期、彼以外からの決闘の申請は尽く断っていた。それなのに転入直後の天霧綾斗と決闘をしたものだから、どうにもそれが気に入らないのだろう。

 

「なっ………なっ」

 

「図星か?顔が赤いなぁ………どれ、今日もまた遊んでやるとしようか」

 

「ば、馬鹿にすんじゃねえぞ!」

 

 顔を真っ赤にして立ち上がるレスター。まぁ、それは夕日のせいということにしてやろう。

 

「俺はお前に俺の実力を認めさせてやる…!いいか、絶対にだ!!」

 

「そうか?私はお前の実力を認めているつもりだがな?」

 

 勿体ぶって間を空けて、口元を歪ませる。

 

「私より下だということは、十二分に知っているとも」

 

「っっっ!!本っ当に今に見てやがれ!!!!」

 

「何だ。今日は決闘………ではないな。遊ばないのか?」

 

「わざとらしく言い直すな!気が乗らん!!部屋で休む!!!!」

 

 ズンズンと立ち去るその背中に声を掛ける。

 

「そうか。ならば精々、序列上げに励むといい………鳳凰星武祭が近いこの時期に、私以外に決闘してくれる奴がいるならなー!」

 

 最後の方は少し大きな声で。あー、揶揄った揶揄った。あれくらい単純な奴と話していると、ちょっとした気分転換になる。ずっと単細胞でいて欲しい。

 

「で………いつまで見てる、天霧綾斗。あまり良い趣味とは言えんな」

 

 物陰で見ていたであろう主人公に呼び掛けた。

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