難所である渋谷事変の前に、閑話を差し込む……
そういう「術式」や
【直哉、VRを語る】
最近出来たワイの趣味、それはVRAVや。
VRはカメラの性質上受け身のプレイに偏りがちやが、逆にそれがワイの性癖にベストマッチしとるんやね。
最近のAVはDVDの頃と比べてとんでもない収録時間になっとるの知っとる? 一作600分超えとかやで。映画やったら三部作見れる時間や。初見ではスキップしない派のワイやが、流石に長すぎるから1日1チャプターと決めとる。それでも20チャプターくらいあるマンモスや……。
長尺のお陰か雰囲気作りも丁寧で、30分丸ごと女の子と飯を食うだけとかあるんや。飯のシーンはオカズにならんけど、1日1チャプターの【縛り】を破る訳には行かん。この間は痴漢もので普通に三十分満員電車に揺られとった……。そういう時は途中下車してお気に入りを見返すに限るで。
3DでVRやから、情報量が多くて見返すたびに新しい発見がある……。なんだか名作映画みたいやね……。むかし乗ったイッツアスモールワールドを思い出すわ。
あと、忘れちゃいけないのがレビューやね。VRはサンプル動画が無い事が多くて、レビューを書くユーザーもそれが分かっとるから熱いんや……! 熱の入ったレビューは読ませる内容になっとって、この人なら信じられると言うか……人を信じる事を思い出させてくれるで……!
信じた結果購入本数が500を超えてたのは自分でもびっくりしたけどな。もうパッと見だと商品一覧なのか購入履歴なのか分からんで。模型マニアの部屋がお店みたいになる現象って、電子サービスでも起こるんやね。
最新の技術、VR……。アニメを通じて自らの術式をブラッシュアップしてきたワイからすれば、これは新たな拡張術式への萌芽なのかもしれんやね……。
「おお、直哉。お前が持っとるVRセット、少し貸してくれんか」
「え゛っ」
「扱っとる術式が術式だ、常に映像技術の最先端についていきたいからな。お前もそうだろう?」
「アッ……ワ、ワイのはその……」
「ん? なんだ、違うのか?」
「勿論そうやで!!! でも折角やから新しいのプレゼントしたるわ!!!! 」
「あ? いや別に、お前のを貸してくれれば……」
「そう遠慮せんと!!! ちょっと早い父の日やと思ってくれや!!!!」
「時期外れすぎるぞ*1」
「まあまあまあまあ!!!!!」
「声デカッ」
自分がシコるのに使った道具を父親に渡すとか最悪極まるで!!
悟くん……! 君の
「ふむ、まあいいか」
「ヨッシャッ!!!!!!!!!!」
「そんな喜ぶ?」
悟くん……どうやらワイたちは、親友だったようやね……。
【五条inスナック】
「えー、こんなとこ来て何が面白いの?」
「
コイツ、来て一言目にいう事がそれか?
「いきなり
「えーと、この人は五条いう人で、ワイの職場の……何や? まあ、先輩にあたる人やね」
「フワフワしてるわね……」
先輩、先輩か……? 年を重ねても大人になれるとは限らないって聞いたことあるけど、その見本みたいな男やからな……。
「だってさあ、ここって結局何の店なの? 酒とカラオケくらいしかないじゃん」
「何の店って言われても……まず、私たちがいるじゃない? そこにおじさんがふらっと来るじゃない? そしたら、お酒作って……お喋りして……たまにこっちも一杯ご馳走になって……カラオケ謳わせたりして……」
「…………」
「……帰ってもらう!!」
「そこがメインかのような言い方! 長々喋ってオチはそこかい!」
「考えてみたら私も何の店だか分かんなくなってきたわ……ここって何の店なの?」
「聞き返さないでくれない? 最初に僕が聞いたんだけど」
「疑問が
昔学校の先生に質問したらはぐらかされた時の事を思い出したわ。というか、チーママは一番答えられなアカン人ちゃうんか?
「定義上は一応飲食店だけど……例えるなら、文化系サークルの部室みたいなものよ! 目立った活動は無いけど常に誰かしらいて、ちょっと寄るつもりがついダラダラ長居してしまうみたいな……」
「せやせや。人生に疲れた大人やからこそ、そういう遊び場が必要になるんやね……」
「ふーん……まあ、直哉って人生に疲れてそうだもんね」
「原因第一位が何を言うとんねん……!」
スナックはこう……ダラダラ話すのが楽しいみたいな、そういう店やで。知らんけど。
「まあいいや、折角カラオケあるんだし何か歌う?」
「えー……
「じゃあスナックで直哉がいっつも何話してるのか聞こっか」
「一番禪院直哉!! 今日も張り切って歌うやで!!」
ワイの美声(CV未定)に聞き惚れや!!!
「いっつも下ネタと童貞の話しかしてないわよ」
「ハハッ、ウケる~~~~」
「人の心とか無いんか?」
常連のワイをもっと丁重に扱ってもらってええ?
【周囲の直哉評価~禪院家編~】
禪院直毘人「頭も回るし身体もキレる。術式も俺と同じ。次期当主として申し分なし。
世継ぎに関しては……まあ、最悪俺が適当な家から引っ張ってくれば良いわ」
禪院真依「ずっと家から守ってくれて、お姉ちゃんと一緒に過ごせるようにしてくれた恩人。
気持ち悪いけど。あと、お姉ちゃんと楽しそうに話してて嫌い」
禪院真希「キモい。別にそれだけ」
禪院甚壱「……まあ、次期当主として妥当なんじゃねえの? 気には食わねえけど」
禪院扇「あってはならぬ……私が当主になれぬなど……」
【真依 V.S 直哉】
「あー……い、良い、天気やね……」
「そうね」
「………………………」
「………………………」
「………ねえ」
「ヒッ……! な、なんや……?」
「……別に」
「ア、あ、さ、さよか‥…」
「………………………」
「あ、なんかお茶とか飲む……? この前北海道でルタオいう店*2に行ってやね……」
「……私には、やらないのね」
「あ、な、何がや?」
「……別に。あと、そういうの要らないから」
「あ、そ、そうか……」
「………………………」
「………………………」
「………ねえ」
「ヒッ……!」
「(……ちょっと面白いわね、これ)」
次回、渋谷事変。