うp主の妄想による、息抜きサブストーリー   作:天元突破クローズエボルハザード

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アスナ
SAO(ソードアートオンライン)という名の、デスゲームと化した仮想世界≪アインクラッド≫にて、ハジメはキリト、アスナと共に、圏内殺人事件に関する騒動に巻き込まれた。
そしてついに真犯人と下手人たちを追い詰め、その罪を白日の下に晒すことに成功したのであった。
事件を見事解決し、3人はまた一歩、先へと進んでいくのであった。」
キリト
「今回はアスナが読み上げ役か。ハジメはどうしたんだ?」
アスナ
「なんか、今日は野暮用入っちゃってキャンセルになっちゃったみたい。
申し訳なさそうに謝っていたよ?」
キリト
「そうか……気を遣わせちまったかもな。
今回、アスナと二人っきりなのは久々だし。」
アスナ
「!そっか……それもそうだね///ねぇ、キリト君。今回のお話って何時のこと?」
キリト
「えっ!?あ、あ~、リズと初めて会った時のことだな!」
アスナ
「あぁ、確か鉱石を取りに行っていたんだよね?
連絡がなかったから本当に心配したんだよ?」
キリト
「悪い悪い、今度からはちゃんと連絡するよ。それじゃあ、双剣11、どうぞ!」


双剣11:氷龍住まうNight Cave~鍛冶屋の維持、水晶の秘密~

ある日、俺は48層『リンダース』に来ていた。

前線組の育成ばかり続けていると、自分の休暇がなくなりそうだったので、何処か気晴らし出来そうな場所はないかとアスナに聞いてみたところ、友達の鍛冶屋がいるこの街を紹介してもらった、というわけだ。

鍛冶屋か、丁度いい。最近、生身で使っていた得物が刃こぼれしてきたからな……。

 

ハジメ「ごめんくださーい。」

落ち着いた草原の広がるリンダースの街に建つ水車小屋だとアスナに教えられていたので案外すぐに見つかった。

《リズベット武具店》との看板も上がっていたので、扉を開けてみると入ってみるが店主さんはいなさそうだ。

代わりに立っていたNPCの女の子のキャラに「店主さんは?」と聞くと、裏にいるとのことで呼んできて貰えた。

 

???「はいはーい、すみませ~ん。」

明るくハキハキとした声が聞こえてきて、奥から出てきたのは到底鍛冶屋とは思えぬフェミニンな格好と、ベビーピンクの明るい髪色の女の子だった。

この子が店主のリズベットか。

珍しいっちゃ珍しいが、ここで商売している以上、腕は相当のものだろう。

 

リズ「装備の更新ですか、それとも修理ですか?」

ハジメ「あぁ、修理で。」

愛刀をリズベットに渡す。

リズベットは慣れた手つきで鍛冶スキルを発動させ、残り耐久値を見て驚いた表情になる。

 

リズ「あの……失礼なんですが、これは何をされたんでしょうか……?」

可視モードにされたウインドウには残り耐久値が『18/2000』と表示されていた。

リズベットはそれを観て、ひくついた表情をしている。

 

ハジメ「……やっぱ、ワイバーンの群れ1000体は狩りすぎたかな……。」

リズ「ワイバーン!?それも1000体!?アンタバカじゃないの!?」

リズベットも思わず素が出てしまうくらいには驚いている。いや、だってお肉欲しかったし。

因みに、調理方法はほぼ丸焼き。醤油があればな~。

 

ハジメ「ハハハ、直せますかね?」

リズ「……ん~、因みに、素材はどんなものを?」

ハジメ「55層でドラゴンの肉目当てに狩りをしていたら、たまたまゲットした鉱石ですが……。」

リズ「ちょっと待ちなさい。」

まぁ、流石にツッコミが追い付かないよなぁ……。

因みに、愛刀の名は"魔王剣逢魔"。魔剣どころか聖剣すらもぶっちぎる性能だ。

 

リズ「アンタ、それもしかして……最近情報がでた、55層のドラゴンの金属じゃないの?」

ハジメ「あぁ~、そういえばあったな、そんな情報。そうか、アレだったのか。」

『その金属』の噂が流れ始めたのは10日ほど前のこと。

55層の片隅にある小さな村のおじいさんNPCから発生するクエストで――

 

曰く、西の山に住んでいる白竜は水晶をエサにしており、それを腹の中で精製して純度を高め、貴重な金属として溜め込んでいるらしい。

各ギルドは装備強化のため何体ものドラゴンを討伐したものの、ドロップすることはなく、今も検証が行われているそうだ。

じゃあなんで俺がそれを持っているのかって?

偶々爺さんの長話聞いていたら、行くことになってたからだよ。

とその時、背後にある店のドアが開かれた。

 

リズ「いらっしゃいませ!」

リズベットが声を掛けた方へ振り返り、やってきた人物を見やると――

キリト「……あ、ハジメ。」

ハジメ「キリト、お前もか。」

どうやら、バトルジャンキー(戦闘バカ)はここにもいたらしい。

 

キリト「ああ、それと……もう一本剣が欲しくてな。」

ハジメ「『エリュシデータ』レベルって……魔剣クラスじゃねぇとダメじゃね?」

50層でレベリング中だったキリトを無理やり連れて挑んだボス戦で、LAを譲った際にキリトがゲットしたレア武器『エリュシデータ』。

切れ味で言えば、逢魔とも打ち合えるレベルだ。

 

キリト「いや、念のため予備が欲しくてな。」

ハジメ「……魔剣クラスの?」

まあ、確かに予備用の剣を用意しておくことはないことはない。

俺にはサイキョージカンギレードがあるが……やはり自分の打った武器は惜しい。

 

リズ「そういうことなら……ある程度具体的なプロパティの目標値を出してもらわないと……。」

キリト「それもそうか。じゃあ……」

キリトは言いかけて、そのまま背中に吊った片手剣をリズベットに差しだす。

 

キリト「この剣と同等ぐらいの性能、ってことでどうかな?」

ひょいっと渡すものだからリズベットも油断していたのあろう。

余りの重さに思わず取り落としそうになっていた。

とはいえ、やはり慣れたものですぐさま鑑定スキルで『エリュシデータ』を鑑定する。

 

魔剣クラスの中でも特段のバケモノ性能を見て、対抗意識を刺激されたらしいリズベットは、剣をキリトに返すと正面奥の壁に掛けられていた一本のロングソードを外した。

鞘から抜かれた刀身は薄い火焔を纏ったように薄赤く輝いている。

 

リズ「これが今うちにある最高の剣よ。多分、そっちの剣に劣ることはないと思うけど。」

キリトはそれを受け取ると、感覚を確かめるために何度かひゅんひゅんと振るが、合わないらしく首を傾げた。

 

キリト「少し軽いかな?」

リズ「……使った金属がスピード系の奴だから……。」

キリト「うーん。」

唸るキリト。しかし、本来のレベルならちょうどいいくらいなのだ。

ただ単に、キリトがSTRバカだから微妙と感じるのだけなのだ。

改めて、キリトはリズベットに視線を戻し、言った。

 

キリト「ちょっと、試してみてもいいかい?」

リズ「試すって……?」

キリト「耐久力をさ。」

そう言って、エリュシデータを左手に持つと、右手の剣をゆっくりと振りかぶる――。

意図を察したリズベットはそれを止めようと慌てて声を掛ける。

 

リズ「ちょ、ちょっと、そんなことしたらあんたの剣が折れちゃうわよ!!」

キリト「折れるようならだめなんだ。その時はその時さ。」

リズ「んな……!」

止めようとするリズベットも思わず息を呑む。

剣を手にしたキリト君の目はそれを本気で言っていると物語っている。

……思わず未来予知をして、結果が見えてしまったので止めようとしたその時、ペールブルーのライトエフェクトが刀身を包んだ。

 

キリト「セイッ!」

一閃、剣と剣がぶつかったときにおこる衝撃音に店内がピリピリと震える。

瞬間、大方の予想通り剣が真ん中からものの見事に折れ、吹き飛んだ――リズベットの打った剣が。

 

リズ「うぎゃああああ!!」

絶叫――それと同時、キリトの右手から剣が消える。

キリト「……修復、不可能。」

ぼそりと漏れた声で、剣が修復不能だということを悟る。

直後、半分になった剣がポリゴンの破片を撒き散らして消滅した。

……なぁ、キリト。お前、ホントそういうとこだよ?ソロのままなの。

 

リズ「な……な……。」

数秒間の沈黙の後、ゆっくりと顔を上げたリズベットは……

わなわなと唇を震わせ、半分涙目でキリトの胸倉に掴みかかる。

 

リズ「なにすんのよこのーっ!!折れちゃったじゃないのよーっ!!」

キリトもキリトで、まさか折れるとは思わなかったのだろう。

驚きと申し訳なさから変に引きつった表情で答えた。

 

キリト「ご、ごめん!まさか当てた方が折れるとは思わなくて……」

……キリト、前にも聞いたがお前には人の心ってものがないのか?大体、そのまま言葉にする奴があるか。

当然、余計な一言に、リズベットはキレる。

 

リズ「それはつまり、あたしの剣が思ったよりヤワっちかったって意味!?」

キリト「えー、あー、うむ、まあ、そうだ。」

おい、せめてそこはオブラートに包め。こりゃあスペアの剣は難しいかもなぁ……?

 

リズ「い、言っておきますけどね!

材料さえあればあんたの剣なんかぽきぽき折れちゃうくらいのを幾らでもきたえられるんですからね!」

怒りそのまま、勢い任せのリズベットの言葉に「言質はとったぞ」と言わんばかりに、キリトがニヤッと笑う。

 

キリト「――ほほう、そりゃあ是非お願いしたいね。これがぽきぽき折れるやつをね。」

……なぁ、キリト。お前には人の心がないのか?本当にそう思ってしまうぞ?

リズ「そこまで言ったからには全部付き合ってもらうわよ!金属取りに行くところからね!」

キリト「……そりゃ構わないけどね。俺1人の方がいいんじゃないのか?足手まといは御免だぜ。」

心配半分面白半分のキリトの言葉は、しっかりとリズベットの神経を逆撫でしたらしく、両腕バタバタとまるで子供のように抗弁する。

 

リズ「ば、馬鹿にしないでよね!これでもマスターメイサーなんですからね!」

キリト「ほほーお。」

ひゅう、と口笛を吹くキリト。取り敢えず、アスナに連絡入れて、後で説教してもらおっと。

 

キリト「そういうことなら腕前を拝見させてもらおうかな。

――とりあえず、さっきの剣の代金を払うよ。」

リズ「いらないわよ!

その代わり、あんたの剣より強いのができたら、思いっきりふんだくるからね!!」

キリト「どうぞ、幾らでもふんだくってくれ。――俺の名前はキリト。

剣ができるまでひとまずよろしく。」

そう言って手を伸ばすキリト君に対し、リズベットは……。

 

リズ「よろしく、キリト。」

腕を組み、全力でキリトから顔をそらしながら言った。

キリト「うわ、いきなり呼び捨てかよ。まあいいけどさ、《リズベット》。」

リズ「むか!!」

――こうして、印象最悪の金属採集パーティーが組まれたのだった。

勢いそのまま、競うような勢いで55層に向かうべく駆け出す二人。……俺は?

 


 

リズ「びえっくし!!」

リズベット――改めリズのくしゃみが小さな村に木霊する。

第55層のフロア一帯は他の層が初夏の暖かな気候なのに対し、氷雪地帯となっている。

あの後、バイクで全力疾走して追いついた俺は、リズとキリトと共に村に来ていた。

 

ハジメ「大丈夫か?」

キリト「……余分な服とかないのか?」

リズベット「……ない。」

SAOでの温度関連の設定だが、砂漠地帯でもない限り夏になっても現実のように平均湿度が70%を超えたりや気温が連日連夜30℃を超すなどということはない。

冬も冬で、一夜で雪が50cmも一気に積もるなどという馬鹿げた気候ではなくなっている。

勿論、暑いものは暑いし、寒いものは寒い。なので、暖かそうな防寒具を取り出し、リズに着せてやる。

 

リズ「……二人は大丈夫なの?」

キリト「精神力の問題だ、きみ。」

ハジメ「皮装備なら防寒には最適だからな。」

後キリト、一々めんどくさい口調にするのやめなさい。

 

キリト「さて……クエストフラグの長老の家っていうのはどれかなー?」

誤魔化したな。まぁ、村の奥――中央広場の向こうの一際高い屋根の家だろう。

ハジメ「あれかな?」

リズ「あれじゃない?」

キリト「あれだな。」

三人頷き合い、歩き出す。

 

――三時間後。

白ひげ豊かな村長NPCの話はやはり長かった。

幼少期から背年期、果ては熟年期の苦労話を経て、唐突に本当に注意して聞いてなければわからないくらい唐突に「そういえば西の山にドラゴンが~」と言い出したので、とりあえず茅場は殴る。

俺は合間にやっていた内職をして時間を潰せたものの、ずっと聞き続けていた二人はへとへとになり、外に転がり出るころには空は夕景に包まれていた。

その光景は遠くに見える山々の景色も相まってとても美しいものだったが――

 

キリト「……いや、フラグ立てに時間かかりすぎだろ……。」

視線の先には雪で白く染まったそれなりに険しかろう山々。

とは言え、アインクラッドの構造物は階層を重ねているということもあり100mを超すようなことはない。言ってしまえば初心者大歓迎の高尾山(599m)より低いのだ。

 

ハジメ「ドラゴン、夜行性だしな……さっさと行くか。」

リズ「そうね、行っちゃおうか。あんたが泣きべそかくとこ早く見たいしね。」

キリト「そっちこそ俺の華麗な剣捌きを見て腰抜かすなよ。」

ハジメ「喧嘩してないで、さっさと行くぞ。トムとジェリー。」

キリト・リズ「「誰がトムとジェリーだ!(よ!)」」

なんでこの二人は喧嘩腰の会話しかできないんだか……似た者同士だからか?

 

遠くからは相当険しく見えた山々も、踏み込んでしまえばさして苦労することもなく登ることができた。

出現するモンスターもさしたる強さではなく、強力なものでも《フロストボーン》という氷製のスケルトンだったが、氷+骨という打撃に弱い組み合わせゆえ、リズのメイスの敵ではなかった。

 

そうして登ること30分、切り立った氷壁を回り込んでみると、そこはもう山頂だった。

手を伸ばせば届きそうな距離には次層の底部が、辺りには巨大なクリスタルの柱が伸びている。差し込んでくる淡い月光が乱反射し、虹色に輝くその光景は正に圧倒的だ。

 

リズ「わあ……!」

思わぬ絶景に心躍らせているリズだったが、ここはドラゴンの生息地域。

駆け出そうとするところをキリトに襟首を掴まれ、止められる。

 

リズ「ふぐ!……なにすんのよ!」

キリト「おい、転移結晶の準備をしておけ」

そう言うキリトの表情に今までのからかうような雰囲気はなく、ただ真剣そのものだ。

そんな真剣な表情に当てられては、リズも無為には出来ず、結晶をオブジェクト化させ、ポケットに突っ込む。

それを確認したキリトはついで、指示を出す。

 

キリト「それから、ここからは危険だから俺たちでやる。

リズはドラゴンが出たらその辺の水晶の陰に隠れるんだ。絶対に顔を出すなよ。」

リズ「……なによ、あたしだってそこそこレベルが高いんだから、手伝うわよ。」

キリト「だめだ!」

鋭く制すキリト。あの時のもしもを何度も悪夢にみたせいか、トラウマになってしまっているようだ。

 

対し、リズは呆然と立ち尽くしている。

なまじ、レベル上げの大半を鍛冶分で補ってきたから実戦が少なかったのだろう。

しかし、ここは最前線とは言えずとも、レベルは高いが実戦経験の少ないリズでは、道中のザコとは戦えても、ボス級であるドラゴンと戦うのは無茶だろう。

 

こくりと頷いたリズに「じゃあ、行こうか。」と声を掛け、再び進みだす。

しばらく歩き、山頂の中央当たりにまで出るが、ドラゴンの姿はまだない。

暫く上空を警戒する中、ふと足元に違和感を感じ、下を見てみる。すると――

 

ハジメ「アレ?確かここって……。」

見覚えのある穴を見つけた。確か、ここで鉱石を見つけたような記憶が……。

しかし、ぽっかりと、直径は10mはくだらないくらいありそうな、壁面は大気の水分が凍り付いて張り付いたためかつるつるとしていて落ちたら簡単には登れそうにもない。

その上、下は底が知れないほど深く、落ちたら落下ダメで死にそうである。

 

キリト「こりゃあ深いな……。」

キリトがつま先でこつんと小さな氷の欠片を蹴飛ばした。

だが何秒経っても底に落ちた時に起こるであろう反響音すら聞こえてこない。

 

キリト「……落ちるなよ?」

リズ「落ちないわよ!」

ハジメ「フラグ立てるなァ!」

その直後、獰猛な雄たけびが氷の大地に響き渡る。

 

キリト「リズはそこの陰に入れ!ハジメ、行くぞ!!」

ハジメ「結局こうなるんかい!」

前回は空中戦とはいえ、グランドジオウで串刺しにしてきた。なので今回も、グランドジオウで行く。

 

ハジメ「変身!」

『グランドタイム!祝え!仮面ライダーグランドジオウ!』

ハジメ「ってうおっ!?以前に乗り込んだせいか、俺へのヘイト高くね!?」

早速ポップしたドラゴンがこちらへ攻撃を仕掛けてくる。それも何故か俺だけに連続で。

 

リズ「ドラゴンの攻撃パターンは、左右の鉤爪と、さっきの氷ブレスと、突風攻撃だって!

……ふ、二人とも、気を付けてね!」

ハジメ「勿論!対策は完璧だ!」

俺がそう答える一方、キリトは気障ったらしく腕を掲げて答える。

氷のように輝く白銀の鱗を持つ白竜は、実はお肉が珍味なのだ。

鱗も素材に出来るので、前回から何度も通っては遠慮なく素材を剝ぎ取っていったものだ。

 

一度だけ、穴に落ちたおかげで、鉱石を発見したんだったか。

その時は確か……と思い出に浸っている内に、向こうも攻撃を仕掛けてくる。

ドラゴンが大きくその口を開き――

キィィンと耳に着く高音のサウンドエフェクトとともに、ブレス攻撃の予備動作に入る。

 

リズ「ブレスよ!避けて!」

リズが叫ぶが、問題はない。

キリト「任せるぞ、ハジメ。」

ハジメ「合点承知!」

氷の弱点は熱だと、昔から相場が決まっている!

 

『龍騎!』『ダブル!』『オーズ!』『フォーゼ!』『ウィザード!』

 

龍騎サバイブ、ダブル・ヒートトリガー、オーズ・タジャドルコンボ、フォーゼ・ファイアーステイツ、ウィザード・オールドラゴンスタイルを召喚し、もう一度ベルトを回した。

 

ハジメ「行っけ―!」

『フィニッシュタイム!オールトゥエンティータイムブレイク!!!』

『FINAL VENT』『MAXIMUM DRIVE!』『スキャニングチャージ!』『LIMIT BREAK』

『チョーイイネ!サイコ―!』

相手が氷のブレスなら、こっちは炎の応酬じゃあー!!!

 

相反する二つのエネルギーがぶつかり合うが、炎の勢いが強すぎたのか、氷のブレスを飲み込んでは、ドラゴン諸共焼き尽くした。

慌てて横へ転がり、自身の体に纏わりつく炎を消そうと、躍起になるドラゴン。

勿論、その隙を俺達が見逃すはずもなく、同時に駆け出し、一気に畳みかける。

 

キリトは連続技のスキルを立ち上げ、俺はジカンギレードとサイキョーギレードの二刀流で片手剣スキルを同時発動し、HPを次々に削っていった。

攻撃が終わるころには、先程の一撃によるダメージもあってか、ドラゴンのHPはドンドン赤に近づいて行った。

 

しかし、流石に金属の元になる水晶を食べているのは伊達ではなく、かなり硬い。

だが、俺とキリトのコンビネーションに敵う訳もなく、7,8回ほど攻撃を仕掛けた頃には、既に虫の息だった。

と、そんなとき予想よりも早くHPが減るのを見て油断でもしたか、リズが水晶の陰から一歩踏み出していた。

 

キリト「バカ!!まだ出てくるな!!」

ハジメ「その場にしゃがめ!吹っ飛ばされるぞ!」

口々に叫ぶが、リズは点で平気な様子で答える。

 

リズ「なによ、もう終わりじゃない。さっさとカタを……」

その時、ドラゴンが、リズにヘイトを向けた。

両の翼を大きく広げ、それを打ち合わせると同時、ものすごい突風が発生し、リズを吹き飛ばす。

しかも、吹き飛ばした先は、先ほど発見した巨大な穴の真上だ。

 

リズ「うそ……」

助けようにも、すでにヘイトはこちらに向いていた。

キリト「ハジメ!ドラゴンは任せた!」

そう叫んで、キリトはリズをどうにか自身の上に持っていくとそのまま落下していった。

 

ハジメ「!キリト!リズ!」

不味いな……あの穴って、一度入ったら、ドラゴンの背中に乗らなきゃ、登れなかったはず……

ハジメ「……って、いつまでもしつけぇんだよ!どけや、トカゲ!」

さっきからこっちに攻撃してくるドラゴンを一気に掻っ捌いて、ドロップにも目もくれず、二人の元へ向かった。

――それと同時に、衝撃と轟音が穴の中に響き渡った。死ぬなよ、二人とも……。

 


 

ハジメ「!よかった……まだ生きていた。」

ようやく見えてきた穴の底にはキリトとリズの姿が確認できてほっと一息つく。

ハジメ「二人とも、無事……とは言えないか。ホレ。」

ライフは双方とも危険域だが死んではいない。なので、さっさと着地して、回復させる。

 

キリト「お、サンキュー。」

リズ「……あ、ありがと。」

そして、完全回復したころにリズが口を開いた。

 

リズ「あの……、あ……ありがと。助けてくれて……。」

恐らくはキリトに向けての言葉だが、礼を受けた本人は特段気にした様子もなく若干の苦笑いを浮かべ、言った。

キリト「礼を言うのはちょっと早いぜ。」

ちらりと上空に視線を向け、続ける。

 

キリト「……ドラゴンが追ってこないのは助かったけど、ここからどうやって抜け出したもんか……。」

ハジメ「転移無効化空間だしな……前はドラゴンに乗って上がっていったことあるけど。」

リズ「あるの!?この穴の中に落ちたこと!?」

ハジメ「……んで、その時に鉱石を手に入れてな。」

キリト「逸らしたな。」

うるせぇ。

 

ハジメ「たしか、その辺にあったはず……ドラゴンがいるってことは、またポップしているはずだろ。」

リズ「なんでそう思うの?」

ハジメ「……。」

リズ「ねぇ?何で目をそらすのよ?ちょっと!?ねぇってば!?」

……いや、だってさぁ……流石にこれはないと思ったよ?こればっかりは茅場の思考を疑ったよ?

それを説明するとなるとねぇ……。

 

ハジメ「キリト、ちょいこっち。」

キリト「?」

取り敢えず、キリトにだけ真相を話す。すると、キリトはデリカシーもなく言ってしまった。

 

キリト「リズ、例の鉱石はドラゴンの排泄物、つまり〈ピー〉らしい。」

リズ「えっ……!?」

……そういう奴だったな、お前は。うん、知ってた。

 

ハジメ「まぁ、ドラゴンは水晶を齧って、腹の中で精製するって話だったし、大体予想はついていたよ……。

だからこそ、言いたくなかったのに……。」

そう言ってキリトにジト目を向けるも、当の本人はどこ吹く風だった。

 

ハジメ「取り敢えず、鉱石はそこら中を掘り返せば、まだあるはずだ。」

そう言って明かりのカンテラを取り出し、穴底の中央を掘り返してみる。

すると、雪を掻き分けた先に、カンテラの光もあってか銀色に輝く金属素材(インゴット)があった。

 

キリト「おぉ!これが……。」

リズ「噂の、鉱石……。」

一つ一つ丁寧に取り出す。幾らドラゴンの排泄物とはいえ、貴重な素材だ。

本職のリズは食い入るようにインゴットを見ているし、鑑定スキルを使って硬さなんかの数値を見ていたりしている。

 

リズ「名前は……《クリスタライト・インゴット》。

硬さなんかの数値も市場なんかに出回ってるものなんかよりずっといいから――」

キリト「ああ……。これが俺たちの取りに来た金属なんだろうなぁ……。」

双方の顔には釈然としない思いがありありと見て取れる。

 

――まあ、それも当然だろう。

今の今まで散々と白竜を倒しまくって出てこなかったものがこんなところにポンと置かれていたのだ。

詐欺だペテンだのと言われてもしょうがない気がする。俺?直感で掘り当てた。

因みに、俺の愛刀はセフィロトに沿ってインゴットを並べまくったら、ポンと出てきた。何でだろ?

 

キリト「ま、なんにせよ目標達成って訳だ。これで後は……」

ハジメ「他のドラゴンが帰ってくるまで待つか。あいつ等、夜行性だから朝には帰ってくるだろ。」

リズ「番がいれば、の話だけどね……。」

そう溜息を吐いて、「自分のせいでこんな目に……」と、リズがしょぼくれだした。

そんなリズの肩に手を置き、出来得る限り優しく声を掛ける。

 

ハジメ「まぁ、考えていたってしょうがないだろ。なんでも、心の持ちようだ。」

リズ「でも、さっきのドラゴン以外なかったら、ここに落ちた人が100%死ぬってやつだったらどうすんのよ。」

ハジメ「あ~……大丈夫だと思うよ?」

キリト「なるほど、それもそうだ。」

指摘されて俺は曖昧な答えになり、キリトはあっさり納得して頷く。

それを見たリズはがっくりと脱力する。

 

リズ「あ……あんたたちねえ!もうちょっとなんかないわけ!!」

声を荒げるリズの様子を見て、微笑むキリト君。

キリト「そうそう、その意気だ。リズはしょぼくれてるより怒り顔の方が似合ってるぜ。」

リズ「んな……!」

はい、説教案件もう一丁入りましたー!キリト、帰ったらアスナにこってり絞られてきなー。

 

キリト「さてと、とりあえずはここから抜ける方法だな……。アイデアを募集しよう!」

ハジメ「はい。」

キリト「お、ハジメ!やっぱり何かいい案が「ない。」……え?」

だって、散々前に試したもん。

 

ハジメ「飛行系能力を持った奴に任せたり、ドラゴン召喚して飛んだり、剣刺して登ろうとしたり、超高速で壁走りしたり、色々やってみたけど、結局穴の中に真っ逆さまになった。

見えない障壁とかもあって、厄介なんだよなぁ……。」

キリト・リズ「「…………。」」

いや、そんな絶望的な顔されても、出来ないことはできないぜ?




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

今回はリズベット編前編です。後、オリジナル武器も出しました。
ワイバーンは鉱石とお肉確保のために周回しまくっていたら、こうなっていました。
まぁ、偉大なオーダーでも出てくるモブのようなものなので、強さはそこまで……。
でもこの世界においては、体力と防御と攻撃がバカ高いので、ハジメさんだからこそ1000体狩りができたという訳です。

後、オリジナル武器の制作経緯は、刃王剣十聖刃(はおうけんクロスセイバー)を参考にしてみました。
さて次回、ハジメさん達は無事に脱出できるのでしょうか?
そしてキリトは、どれだけアスナに説教されることやら……。お楽しみに!

次回予告

ハジメ
「洞窟に落ちてしまったハジメ達。
何とか目的の鉱石を手に入れたこともあり、明日の脱出の為に英気を養うことに。
そこで、リズは自分の抱えている悩みを話し出す。感じる熱は、夢なのか、現実なのか。
果たして、洞窟に落ちた3人は脱出できるのだろうか。そして、キリトの抱える秘密とは。

次回 ソードアートオンラインfeatジオウ
双剣12"完成、dual wielding!~確かな温もり、前に進むこと~~」

この先の物語は、何がいいですか?

  • SAO編の続き
  • 推しの子二次創作
  • ISギーツクロス
  • 次はFATEに行ってみようぜ!
  • このすばにぶっこんでみようや
  • ワンピいこうぜ
  • じゅじゅつだいじに
  • ジョジョにまかせろ
  • ブロリーMAD
  • ヒロアカがんばれ
  • ギアスつっこめ
  • あくまのがっこう
  • はめつのおうこくなんてなかった…
  • 超次元GOGO!
  • DIVE to OVERLOAD
  • 東方珍道中
  • ちょび髭の閣下レーン
  • 勇者ヨシヒコと魔王ハジメ
  • いいから本編だ☆
  • うp主め、好きにしろ
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