・グリムロック
『アーサー王伝説』に登場する円卓の騎士の一人で、ダイノボットとも呼ばれている。
その身体は鋼で出来ており、まるで竜の鎧を纏っているように見える事から、『鋼の竜騎士』の異名を持っている。また、その体躯は並の人間の倍以上あったと言われている。
グリムロックの最大の特徴は、その身を竜へと変化させる力にある。その姿は二本の足で走り、鋭い牙の生えた巨大な顎で敵を噛み砕いたと描写されており、現在ではティラノサウルスを彷彿とさせる姿で描かれている。一部の文献では、その口から炎を吐き、何百もの敵軍を焼き払ったとも記されている。
また、人の姿で戦う際は巨大なメイスを振るっていたとされている。
アーサー王率いるブリテンの騎士達とサクソン人との戦いで、グリムロックは登場した。両軍の戦いに姿を現したグリムロックは、その力でサクソン人達を一網打尽にし、その実力をアーサー王に認められて円卓の騎士に迎え入れられた。
その後グリムロックはアーサー王や他の騎士達と共に様々な冒険や戦場を共にし、徐々にその信頼を獲得していった。その中で竜に姿を変え、その背にアーサー王を乗せて戦場を駆け抜けたという逸話は有名所の一つであり、この逸話を再現した絵画がいくつも存在している。また、イギリスでは年に一度、竜の姿のグリムロックを模した山車の上にアーサー王役の女性が跨り、町を練り歩く『グリムロック祭』が開催されている。
グリムロックを語る上で欠かせないエピソードの一つは、ランスロットとの決闘である。その頃ランスロットは円卓最強の騎士と称されていた。ある時グリムロックは、そんなランスロットから自分自身の実力を測るために決闘を申し込まれ、それに応じた。
両者の戦いは半日に渡って続いたとされ、最終的に勝負は引き分けに終わった。
決闘が終わった後、ランスロットは「これほど素晴らしい騎士には出会った事がない」とグリムロックを賞賛し、彼に円卓最強の称号を譲ったという。
そしてもう一つのエピソードは、ブリテンが崩壊した後の彼の生涯である。
ベディヴィエールとガレスと共にアーサー王の最期を看取ったグリムロックは、その後アーサー王の墓を守り続けるようになった。
アーサー王の墓を暴こうとする者達を、グリムロックはその力で一人残らず返り討ちにし、結果彼の存在を恐れて誰も墓に近付かなくなるまで、彼はアーサー王の墓を天寿を全うするまで守り通したという。
このエピソードから、イギリスの一部の王族貴族は竜は王を守護する神聖な生物として扱い、死後自身の墓を荒らされないよう、竜を象った彫像を墓の隣に設置させたという。西洋では竜は邪悪の象徴として扱われる事が多い為、これは珍しいケースと言えるだろう。
新星の如くアーサー王の前に現れ、円卓の騎士の一員となり、王が死んだ後もその存在が貶められる事がないように最期まで守り続けた事から、グリムロックは数多いる円卓の騎士の中でも特に根強い人気を誇っており、彼を題材とした作品は数多く存在する。
今回はここまでです。
今後の一話における文字数は?
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これくらいで良い
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作者の自由に