見つけて、殺す。見つけて、殺す。ただただ敵を殺す。それだけだ。僕は敵を殲滅する殺戮兵器。俺がこの世から敵を殲滅してやる。
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「ただいまー」
「おう、けい、帰ったか!」
野球の実況をテレビで見ながらお父さんが出迎えてくれた。
「…颯太はもう寝たの?」
いつもなら「お兄ちゃんお帰り!」という元気な声で出迎えているのに、今日は部活が長引いて21時を超えているからとっくに寝たのだろう。
「さっきまで目を擦りながらけいの事待ってたんだぞー」
「部活が長引いちゃったんたから仕方ないじゃん」
「ほぅ、今日は部活で何を作ったんだ?」
僕は元々運動神経が良くないので、何となくで料理部を選んだ。後々料理部は料理部で大変だということを思い知ったけどね。
「今日はハンバーグを作ったよ」
「お、ハンバーグと言えばけいの得意料理じゃないか!またけいのハンバーグ食べたいなー」
「はいはい、また今度作るよ」
チーン
「…」
「お母さんただいま」
お母さんは数年前にがんで死んだ。だからお父さんと俺と弟の3人暮らしをしている。
「じゃあけい、お父さんが仕事行ってる間家を頼んだぞ」
「ん、あっ、もうそんな時間か」
お父さんは夜間勤務で工場で働いているからいつも21時過ぎに家を出ている。
「うん、行ってらっしゃい!気をつけてね」
「おう!」
「…さてと。家計簿でも見ようかな」
棚から家計簿を取り出し、ソファに座る。
「うわ、今月も割とカツカツだなぁ」
お父さんが一生懸命働いてくれているのだが、電気代も高くなってきたし貯金に回せるお金も少ない。一度俺がバイトしようかとお父さんに言ってみたこともあったが、
「いや、けいは料理が上手いんだからそのまま部活を頑張りなさい」
と言ってくれた。とはいえ、お父さんも今年で46歳なんだから無理をされて倒れられても困る。(心配するにはまだ早い年齢であろうか)
今度またバイトするって言ってみようかな。
「っと、もう23時か。寝よ」
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ゴオオオオオオオオオオオ
「…ふぁ?」
熟睡してても目覚めてしまうほどの轟音。
「な、なんだぁ?」
直後、家の壁に亀裂が入り、
「う、うわあああああああ!」
天井が落ちてきた。
「…」
「う、うぅ…」
気を失っていたのであろうか、先程まで何かとんでもない事が起きていた気がするのに思い出せない。周りを見渡しても青い空、眩しい太陽があるだけ…
「え、家は?」
段々と脳が回ってくる。それと共に増すとてつもなくまずい予感、冷や汗。
「お、おい、おい、おいおい、おいおいおい、おいおいおいおい!」
「家がっ崩れてるううぅぅううう!」
脳が動いたと思ったがまた止まりそうだ。情報量が多い。否、理解したく無かった。
「あ、あぁ…」
もうダメだ。何も考えたくない。
「そ、そうだ!きっとこれは夢だ!早く目覚めtー」
「…けて、助けてお兄ちゃんちゃん…」
「え?」
声の主を探す、視界に入った色は赤。鮮やかではなく少し黒めの赤。
「…!」
「颯太!」
この赤色は弟の血なのだと脳が判断を下した。
「だ、大丈夫か颯太!今助けてやるからな!」
瓦礫の下敷きとなっている弟を何とかして助けようと試みるが、瓦礫はビクともしない。
「痛いよぉ、お兄ちゃん…」
「颯太…!大丈夫、大丈夫!お兄ちゃんがすぐなんとかしてやる」
だがいくら瓦礫を動かそうとしても動く気配がない。
どうす!ばいいんだ…
「けい!颯太!」
「お、お父さん!」
振り返ると息を切らしたお父さんが立っていた。
「そ、颯太が!」
「待ってろ颯太!今助けてやる!」
「ふん!おおおおおお!」
僕が動かそうとしてもビクともしなかった瓦礫がお父さんによって動かされた。
「けい!颯太を引きずり出してくれ!」
「う、うん!…んんんん!」
ゴトン
「颯太!」
颯太を引きずり出し、なんとか救助することができた。
「うぅ…お父さん、お兄ちゃん!頭が痛いよぉ!」
頭を見たところ、瓦礫で擦り傷が出来たみたいだ。幸いにも軽傷といったところだろうか。会話もできるみたいだし命に別状も無さそうだ。
安心しようとしたがまだまだ出来なさそうだ。
「そ、そうだお父さん!一体これは何が起こったの!?」
周りの景色が中々に酷い。家々は崩れ、電柱は折れ、地平線がしっかりと見える。
「それが、俺も何が起こったのかさっぱりなんだ」
お父さんの話によると、大きな音が鳴り始めて工場が崩れたらしい。
轟音、建物の崩壊、工場が崩れたのも近所の家が全て崩れた原因はどうやら一致しているらしい。何かが降ってきたとしたても周りに落ちてきたと思われる物は無い。
「あ!お兄ちゃん」
「ん?どうした、颯太」
「ほら!あっち!」
颯太が指さす方を見ると人影らしきものが見えた。
「人かな、そういえば近所の人をさっきから全然見かけてなかったね。あの人と情報交換してみよう」
スゥ、「おおおおい!そこの人おおお!」
とりあえず呼んで手を振ってみた。少しずつ人影は近づいてくる。
「おおおおい!…え」
だんだんと人影がはっきりとしてきた。だがその見た目は人なんてものじゃない。人というより機械?なんだ、あれ。走ってきてる。それもすごい速度で。なにかまずい気がした。
「2人とも!逃げよう!」
2人の手を引っ張り、機械から遠ざかる。
「うわっ!」
しまった!弟が俺の速さに着いてこれずに転けてしまった!追いつかれる!
「うおおおおお!」
機械が颯太に追いつくと思ったその刹那、雄叫びとともにお父さんが機械にタックルした。
「けい!颯太を連れて先に行っててくれ!」
「で、でも…」
「大丈夫!お父さんに任せておきなさい!」
そう言うとお父さんは自身の胸を叩いてニカッと笑ってみせた。
「…じゃあまた後でね!」
僕は急いで颯太をおぶって走った、走った。泣くな、泣くな!お父さんは絶対に約束は破らない。
「あぁ!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…」
「っ!お父…」
バッ
振り返るな、振り返っちゃダメだ。お父さんはやられてなんかいない。胴体を真っ二つにされて血を噴き出していたなんて気のせいだ。颯太の耳を塞ぎ、自分にそう言い聞かせた。隣町まで走った。やはり隣町の建物も全壊。何処へ行けばいいのだろうか。人、人が見当たらないんだ。ずっと歩いてるのに。建物の残骸を見て回っても、赤いインクで塗りたくられているだけ。もしかしたら僕達以外みんな死んじゃったのだろうか。
「お兄ちゃん、お腹空いた…」
うーん、どうしようか。スーパーなんてもちろん営業している訳もなく、なんなら店は潰れてる。(物理)
「…」
人の家の残骸から取る…か。かなり気が引けるがこんな緊急事態だ。仕方ないか。
近くの家の残骸からツナ缶とペットボトルのお茶を少し頂戴した。とても美味しかったが罪悪感で満ちていた。さて、お腹も膨れた事だし、出発…といっても目的地が無いんだった。その時だ。地面にヒビが入り始め、ガタガタと音が聞こえる。そしてその音源が姿を現す。
「…!」
奴だ。
「お、お兄ちゃ…」
「死ィィネェェェェ!!」
「ギギ、ゴゴゴ!」
ゴン!ボン!ゴン!ゴン!バキ!
「死ね!死ね!死ね!死ね!」
「ギギィ…」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
気が済むまで機械を殴った。殴り追える頃には機械はぐちゃぐちやになっていてピクリとも動かなかった。
「こ、これ…僕が壊した…のか?」
お父さんを意図も容易く殺した、機械を俺は素手で殴って壊した。とても自分の力だなんて信じられなかった。
「…颯太、お兄ちゃんがこの機械を、壊したのか…?」
「う、うんそうだよ…!お兄ちゃんが手から何か出してあいつを壊したんだ…」
「手から?」
一体何が起こっていたんだ…機械を殴っていた時の記憶はなぜか無いし…よく考えてみれば、颯太は錯乱していて変に見えたのかもしれない。きっとそうだ。颯太を怖がらせてしまったな。
「ごめんな颯太、お兄ちゃん、怖かったよな…」
「そ、そんな事ないよ、お兄ちゃん、僕のために必死になって機械と戦ってくれたんだよね!かっこよかったよ!」
なんて出来た弟なんだ。
「ありがとう、颯太」
そう言って颯太の頭をワシワシと撫でた。
「君、なかなかやるねぇ!」
「!…誰だ!」
声の方を向くと、白髪の俺と同年代くらいの男が立っていた。
「失礼、僕は桐谷 拓海、日本防衛組織・CANONの第2部隊に所属している、よろしくね」
「…三波 圭。ただの一般人だ」
「じゃあ圭、君は戦闘に優れている、良ければCANONに所属し…」
「おい、僕はただ避難場所を探しているだけだ、すまないがその誘いは断らせてもらう」
「へぇ〜、じゃあ仕方ないか、じゃあね」
「待て」
「なーに、早く避難場所に行きなよ、まぁそんなものないんだけど」
「…!なに?」
「いいかい?落ち着いて聞いてくれ、さっき機械見たいなのと戦ったよね?あの機械はCANONでは"メカトリック"と呼んでいるんだが、あいつらが地球を侵略しようと企み、こんな事になったって訳なんだが…正直に言うと、CANONの隊員以外は君たちしか生き残れてないと思いよ」
「…は?」
「普通"アレ"に生身で耐え抜く事なんて出来ないよ、僕達CANONの隊員は普段地下に基地を築いていてアレの影響は受けかかったんだ、だが、君たちは耐えきった...あの攻撃に」
「どういうことだ…?」
「君は一体何者なんだい?」
彼は瞬時にどこからか剣を取り出し、僕に向けている。
「何者…ただの人間だ、人間の父と母から生まれている」
「ふむ、まぁ見た感じ人間以外の何者にも見えないからね、人間で間違いないだろう...でもあの攻撃を耐え抜くにはおよそ1500kgのパンチ分の力に耐える必要があるとされている、当然人間がそんな力が体に加わると粉々に体は砕け散る。どうやって耐えたんだい?」
「…知らん、一体自分がどんな力を持っているのかなんて知らない」
「先程の戦いもだ、"能力"無しで機械をあんなに粉砕するなんて凄いことだよ」
「…」
「はぁ…その様子だと本当に分からないんだろうね、まぁそんな事は後々分かってくるだろう…んで、どうする?KONKONに所属するか、ここで体力が尽きて死ぬか...選べ、圭。」
まだまだCANONっていう集まりがどんにのかもはっきりしていない。だが、ここで何もせずに体力が尽きるのを待つくらいなら…
「…案内してくれ、そのCANONって所に」
「はは、その言葉を待ってたよ、さぁ、付いておいで!」
…日本防衛組織・CANON、一体どんな所なのだろうか。そんな事はどうでもいい、ただ僕は
「この世から敵を殲滅する」
初めての小説投稿…とてもドキドキしました!連載ということでどんどん続きを書いて行くのですが、色々忙しくて週一…場合によっては延びる可能性があります。許してください…第1話をご覧頂きありがとうございました!