「ここ、躓きやすいから足元に気をつけてね」
地下にある日本防衛組織・CANONの基地に向かうべく歩いているのだが...
「ひどすぎる」
歩いているうちに幾つもの建物を見てきたが、どこもかしこも崩れている。
「CANONの上層部の予想によると、メカトリックの目的は、地球の破壊だ」
「この地のものを全て破壊しつくす...まったく、恐ろしいね」
地球の破壊...奴らはそんなことをして何の利益があるというのか、もしかしたらそうするこおで何かとんでもないことになるのかもしれない。星1つの破壊自体とんでもないことだが。
「確かこの辺りに...」
ガチャ
拓海が地面に置いてある大きめの石を動かしていて音がしたと思うと、突然地面に亀裂が入り、深そうな穴が空いた。どうやらこの穴がCANONの基地に繋がる通路らしい。梯子がかかっており、まるで地下水路へと繋がるマンホールのようだ。
「さ、行こうか」
そういうと、拓海は穴に落ちた。梯子を使ったのでは無い、落ちたのだ。
「あの人大丈夫なのかな...」
「た、多分大丈夫なんでしょ」
「...ほら、僕が背負って行くからしっかり掴まって」
「うん!」
颯太が俺の背中に乗ったのを確認し、僕の手で颯太の目を隠した。
「よし、行くぞー」
そうして僕は飛び降りた。
「深いな、まぁそれくらい深くないと奴らの攻撃には耐えられないか」
しばらく落ちていると下の方に光が見えた。恐らく底だろう。
「すぅ、」
グルン、シュタ
「おぉ、着地する瞬間に体を捻って落下の衝撃を和らげたのか、まったく君は凄いね」
「そうでも無い、早く行こう」
「いつの間にか指揮役も取られた」
「取れてない、僕場所は分からないし」
「ははは、ここを少し歩けば本部に着くよ」
「...」
「そう緊張しなくても、うちはいい人ばかりだから大丈夫さ」
本部までの道のりは薄暗く、狭い。ザ・地下って感じだ。大抵の人は、ここを少し気味が悪いと感じるだろうが、僕にとっては少し居心地がいい。ここでずっと寝そべっていたい。否、僕はメカトリック共を殲滅するんだ。ゆっくりしている時間は無い。絶対に奴らに復讐するんだ。僕らから平凡で幸せな生活を奪ったのだから。
「お、扉が見えてきた」
(ゴクリ)
これから共にする人達、一体どんな人達がいるんだろう。日本防衛組織ってくらいなんだからきっと厳しい上官とか真面目な人達ばかりなんだろうな。僕はそんな人達に馴染むことはできるのだろうか。いや、僕にはそんな必要は無い。ただ指示通りに動く殺戮兵器となればいい。最悪の場合、組織から抜けて独りで戦う。それでいい。
「さてと、準備はいい?」
「あぁ、大丈夫だ」
ガチャ
「危なーい!どいてえええええ」
「え」
ドンガラガッシャーン
「うぅ...」
一つ一つ重いダンボールの群れが突っ込んできた。これはかなり効く...
「ご、ごめんなさい!怪我...ないですか?」
可愛らしい女の子、それがこの子の第一印象だ。身長が小さく華奢な体。まもってあげたくなるような雰囲気を放っている。
「...私の顔...何か付いてますか?」
「...あぁ、別に何もない」
思わず見とれてしまった。そんなことより...
「...」
「...というか、どちら様...でしょうか」
先程まで真剣な話し声が聞こえていたがピタリと止み、みんなの視線が僕に注目する。
「あ、えと」
「第2部隊桐谷、任務を完了し帰還しました!」
「生存者2名を連れ帰りました」
「ご苦労であった、桐谷」
「私はCANONのボス、柊 香音だ」
CANONのボスは女性だったのか。日本防衛組織という堅苦しそうな集まりだから、てっきり組織のボスは男性だと思っていた。だが先程ぶつかった女の人のような可愛らしいという感じではなく、クールで少し冷たそうだ。
「あの攻撃の中、無事で何よりだ」
「桐谷、CANONのシェルターに案内してやれ」
「ボス、この男は高い戦闘技術を持っています」
「私が彼を発見した時、彼は素手でメカトリック一体を撃破していました」
「ほぅ...」
「ですから、第2部隊桐谷 拓海はこの男をCANONへの入隊を推薦します」
「...確かに一般人が素手でメカトリックを撃破するということは驚異的なことだ」
「わかった、では簡単な入隊試験をさせてくれ」
「おっと、名前をまだ聞いていなかったな」
「三波 圭、こちらは弟の颯太です」
「圭くんか...拓海、とりあえず弟さんをシェルターへ案内してやってくれ」
「はい、承知しました」
「...それでは圭くん、入隊試験を開始させてもらう」
「まずメカトリックの大規模攻撃を受けた後の経緯について教えて貰えるか」
「はい、当時私は弟と一緒に寝ていて、突然の大きな音に目を覚ますと私の家が崩れ始めました」
「...その後父と合流し、その際に一体のメカトリックと遭遇し......」
「ん、どうした」
「父がそのメカトリックを足止めし、私たちを逃がしました」
「そして父は、父は...そのメカトリックに胴体を真っ二つにされ...殺されました」
「...!」
「それは、お気の毒に...」
「はい...それからは私と弟は安全な場所を捜していまして、ある時に突然地面がひび割れ、一体のメカトリックが出てきたんです」
「それを見た刹那、私は父のことを思い出し殺意が湧き、気づけば私はメカトリックを殴り殺していました」
「その後桐谷さんに出会い、ここまで案内してもらい現在に至ります」
「なるほど...とても過酷なものであったな」
「ほんと、君の話を聞くとますますメカトリック共に対する憎悪が増すよ」
「...私は、私達から幸せな日常、大切な家族を奪った奴らが許せません、だから...」
「僕があの忌々しいメカトリック共を殲滅します」
「ほぅ...なかなか大口を叩くじゃないか」
「えぇ、やってみせます」
「...気に入った、三波圭くん」
「ようこそ、CANONへ」
「え...」
「入隊試験はこれで終わりだ、君を...桐谷と同じ第2部隊に配属する」
「...」
「期待しているぞ、圭」
「はい、ありがとうございます」
「あぁ」
「お話の途中申し訳ありませんボス、この後会議が...」
「...すまない圭、詳しいことは第2部隊の者から聞いてくれ、忙しくてね」
「いえ、承知しました」
「では、」
「はい」
...CANONに入ることができた。第2部隊か、僕はどこへ所属しようと誰とも馴れ合わず、命令だけを聞く。それでいいんだ。
「...それよりどこへ向かえば」
「...?どうかなさいましたか?」
「ん、君は確か先程の...」
「あ、はい...さっきはごめんなさい」
「近くで作業していて、貴方の会話きこえてました...CANONに入隊できたんですね」
「あぁ...」
「ところで、何でお困りですか?」
「第2部隊に配属されて...第2部隊の人たちを探してるんだ...」
「えっ、第2部隊!?」
「あ、あぁ...」
「実は...私も第2部隊なんです」
「そうなのか...よければみんなの居るところに案内して貰えるだろうか」
「は、はい喜んでっ!」
「...?あぁ、よろしく頼む」
良かった、丁度第2部隊の人と出会えた。早く任務をこなせるようになるためにも、この施設に慣れておかないとな。
「では、着いてきてください」
「あぁ」
ふむ...食堂や訓練場、シャワー室などがあるのか。施設が充実しているな。CANONは相当財を持っているのだろう。
「えっと、こちらが第2部隊の部屋です」
「なるほど、ありがとう」
「いえ、これから同じ第2部隊ですし...これくらいお安い事です」
よし、入るとしよう。
ガチャ
「せーの、第2部隊へようこそー!」
バンバンドンドン!
「ひぃ!」 「!?」
「うぅ...」
「...」
「あれー?反応薄いねぇ」
「ホントですね」
「あの、どういう...」
「ごめんごめん、三波圭くん?だっけ」
「私は第2部隊の隊長の西瀬 渚、なぎちゃんって呼んでねー」
「ねのねのー、いつまで圭くんの後ろに隠れてるのー」
「な、渚さんがびっくりさせるからです...」
「ごめんねー、だから早く可愛いお顔を見せてよぉ」
「ははは...いや、いきなりこんな事になってごめんね圭くん...僕君と同い年だから圭って呼んでいい?」
「いいよ、拓海」
「ありがとー圭!」
「2人とももう彼と知り合いだったんだねー、うちの部隊もう1人いるんだけど今は居なくてねー」
「...え、第2部隊って5人だけなんですか?」
「そだよー、驚いた?」
「CANONってどれくらいの人が居るんですか?」
「うーん、詳しくは覚えてないけど30人くらいだったかなー」
「えぇ...そんな人数で日本全体を防衛できるんですか...」
「うんー、まぁなんとかなるんじゃない?」
「なっ...」
この人楽観的すぎる...ほんとにこんな人が隊長?まだ拓海の方がしっかりしてる気がする...いや、ねのねの?さんが一番しっかりしてるな。
「そういえば、君の名前聞いてなかった」
「わ、私の名前ですか...寧音 いゆりです」
「いゆりさんか...ありがとう」
ところであと一人...一体どんな人なんだろうか。
「うーん、かのっちまだ帰ってこないなー」
かのっちというのか...かのっち、かの、かの...かのん、香音?ボスの?いや、さすがに違うか...
「あの、私ならさっきから居ますが」
「...え?」
「あと、かのっちじゃなくて奏音です」
「えぇ...!?」
ボ、ボス!?
「えぇー!?ずっと居たんだー!ごめんね気づかなかったかのっち」
ボスが第2部隊?どうなっているんだ
「だからかのっちじゃな...」
「あの、」
「どうしてボスが第2部隊に?」
「え...」
「...」
「あぁ、そっかー」
「かのっちは、ボスじゃなくてボスの双子の姉妹だよー、確かに顔似てるし静かそうなところも似てるもんねー」
「だからかのっ...まぁ後でいいです」
「ようこそ第2部隊へ、圭」
「私は柊 奏音、よろしく頼む」
「は、はい...よろしくお願いします」
コク
「それにしても、双子だったなんて...驚きました」
「私も最初はびっくりしたよー、ボスが2人も居るーって」
「似すぎなのよねー、そのせいでCANONに長年いる人でもよくボスとかのっちを間違えることがあるんだよー」
「なるほど...」
「だ、から...かのっちじゃないって言ってますよねぇ?」
「あ、あぁー」
「かのっちじゃなくて柊か奏音で呼んでください!」
「あわわ、この双子の大きく違うところは...呼び方で怒ってくるかこないかかなー!あはは」
「隊長が変なあだ名で呼んでくるからですよ!」
「ごめんごめんー、でも苗字や名前で呼んでも2人とも同じなんだからややこしいじゃーん!」
「じゃあせめてもっとましなあだ名に...!」
「うわわわわわ」
「こらこら、2人とも喧嘩は...」
「はぁ...」
第2部隊...これは慣れるには相当苦労しそうだな。
数週間ぶりの投稿...遅くなりました.....いや、忙しくて(言い訳)
次は頑張ります...近頃は外も冷えてきたので皆様お体を大事にしてくださいね。