CANON   作:もぐっち

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第3話 「初任務」

「どうしてこうなった...」

周りには倒れた第2部隊の面々、立っているのは自分のみ。ここでくたばる訳には行かない、奴らを殲滅するんだ...

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「神奈川県西部のメカトリックの殲滅、及び生存者の捜索を第2部隊に命ずる」

「はーい」「はい」 「了解」 「承知しました」 「はい」

神奈川か...数年前に家族旅行で行った以来だな。

「そいじゃ、行こっかー」

「東京から少し離れていますが、どうやって行くつもりですか?」

「ふっ...My car」

「はいはい、CANONが所有する軍用車両ね」

「ちょっとくらい隊長にかっこつけさせてよー、かのっt...」

ギロリ

「かののん...」

「...まぁ良しとしましょう」

いいんだ...

「え、えっと...第2部隊は207番の車両でしたよね」

「そだねー、207、207、207...」

「あった!207番!」

「...」 「...」 「...」 「はぁ...」

「ど、どしたのーみんなぁ」

「隊長、それ、201番です...」

「...あ、ああ、あったー207番ー」

ほんとに大丈夫なのかこの隊長...

「さ、気を取り直してー早く行こう!」

隊長、目がうるうるしている。きっと無理してるんだろうな...

「そうですね、早く行きましょう」

「...ほらー、圭くんもこう言ってるしさ!」

「...」

各々無言で乗り込んだ。やっぱり素直に命令に従うところはちゃんと日本防衛組織らしいな。

「圭くん圭くん」

「?」

「はい」

「アリガト((ボソッ」

「...隊長、無理しなくていいんですよ」

「こらー、そんなこと言われたら...泣いちゃうよぉ!」

「びえええええ」

...泣きながら抱きついて来ないでもらいたいな。

「え、隊長...何泣いてるんですか」

「早く行こうと言ったのは隊長ですよ」

「びええええ」

「...はぁ」

奏音さん困らせたらちょっと面倒なことになりそうだな...僕がどうにかしないと...

ヨシヨシ

「ほ、ほーら大丈夫ですよ...隊長」

「うっ、うっ、ありがとう圭くーん」

「...ふぅ、よーし行こっかー」

切り替え早いな!本当この隊長の考えは読めない。まぁ、何とか立ち直れたみたいだしいいか。

「...ところで隊長、運転ってできるんですか?」

隊長の見た目はせいぜい高校生といったところだ、背が小さめの。

「ふっ、問題なし」

「大ありです、私が運転します」

奏音さん運転できるんだ、さすがと言うべきか。

「凄いですね奏音さん、運転できるんですか」

「...できる」

「くすくす、奏音ちゃーん...免許持ってなきゃ運転しちゃだめだよー」

「え」

「...」

えぇ...もしかして奏音さん、免許持ってないの...

「誰も運転できないねー...仕方ないオートドライブシステムを使うかー」

そんなのあるんだ、最初からそうすればいいんじゃ...どうせ隊長のことだ、自分で運転したかったのだろう。...奏音さんがボケるのはかなり意外だったな。

「奏音さんもボケるんですね」

「なっ、別にボケたわけじゃない!そもそも日本の滅亡の危機だというのに免許がとやかく言ってる場合ですか!?」

「いや、単純に運転技術持ってないと危ないんじゃ...」

「いいえ、私は大丈夫です」

「運転くらい大したことじゃないですよ」

「まぁまぁ、素直にオートドライブシステム使いましょうよ」

「僕達はこれから戦わなきゃいけないかもしれないのに運転で体力を消耗しちゃいけないですし」

拓海、お前凄いよ...奏音さんの運転技術を否定しないように上手く話をまとめた...やるな。

「...わかりました、隊長、それではお願いします」

「はいはーい、目的地をセットして...スイッチオン!」

 ブロロロロロロロ...

「それでは、しゅっぱーつ!」

遂に初めての任務...無事達成できるだろうか。パトロールという簡単な任務だが、

「うーん、どんな呼び方がいいかなー」

「かののん!」

「...」

「かにょん」

「...」

「狩野英...」

「それは別人です!だいたい、なんで変なあだ名ばかり付けようとするんですか!普通にかのんでいいじゃないですか!」

「いやー、それだとなんか堅苦しいというか...」

「堅苦しいとかそんなのどうでもいいです!」

「堅苦しいとかののんとの距離を感じちゃっていやだなー」

「...そ、そうですか」

可愛いなこの人。

...っていけない。僕は第2部隊に来てから孤独になれてない!もっと孤独になるんだ。じゃないと、じゃないと...

この人達が死んでしまえば僕は悲しんでしまう...もう悲しいのは懲り懲りだ。失うのは懲り懲りだ。そう、もう既に僕の中で第2部隊の人達は大切なものとなっている。まだ出会って数時間程度だが、この人達はみんないい人で、こんな僕を暖かく(?)出迎えてくれた。だから僕はこの人たちを守るんだ。別にメカトリックを殲滅するのは僕である必要はない。だから命を懸けてでもこの人達を守る。きっと僕より強い、この人達を。僕の大切な、この人達を。

「圭くーんどうしたのー、そんな難しい顔してー」

「え、あぁ...なんでもないですよ」

「ただ、僕にとっては初めての任務なのでちゃんと第2部隊の役に立てるかどうか心配で...」

「ふふ、大丈夫だよー、そんなに心配しなくても」

「でもありがとねー...なんかそんな圭くんを見てたらやる気出てきちゃうなー」

「そうですね、でも今回はそんな大した任務じゃないんですけどね」

「まぁでもやる気があるのに越したことはないでしょー」

「ははは、そうですね」

「だいたい隊長はいつもやる気無さすぎなんですよ」

「えぇー!酷いよかののーん」

「事実を述べたまでです」

「うぇーん、かのっ...危ない危ない、かののんが意地悪だー!」

「...ははっ」

「あぁ!圭くんが笑ったー、可愛いじゃーん」

今はこのままでいい、無理に関わらないようにする必要もないか...

「あ、あのぅ...そろそろ着く見たいですよ...」

「えっとこの辺りは...」

「箱根町ですね、温泉街や芦ノ湖などが有名です」

「へぇー、よく知ってるねー圭くん」

「昔家族旅行で箱根町に来たことがあって、その時のことを覚えてただけですよ」

「家族旅行でかー、うちは家族旅行なんて行ったこと無かったなー」

「あの...どうしてこんなところのパトロールを?」

「あぁー、ボスの勘だけどねー、湖に奴らが集まってるって」

「湖に?」

「そそ、なんでだろうねー」

「ボスの勘はよく当たりますからね、奴らの特徴を掴めるかもしれません、急ぎましょう」

「そだねー...みんなー、拓海くんに続いていこー」

しばらく山道を歩いているのだが、今のところ問題は無い。

「ひ、日が沈む頃には帰れますかね」

「このまま何も起こらなければねー」

「うぅ...」

「シッ!静かに」

「奴らだ...」

「よし、戦闘態勢に...」

「待ってください、」

「ん?」

「奴らをよく見て」

「奴らは湖に向かっているようです、やはりボスの勘が当たったようだ」

「後ろからこっそり何をしているのか見てみましょう、隊長、命令を」

「うん、それじゃあこっそり後をつけようか」

「了解」

2,3体といったところどろうか、湖を前にして屈んでいるように見える。何をしているろだろうか。

あれは...

「...湖の水を、飲んでいるみたいですね」

「水を、飲んでいる?」

「見た目は機械っぽいのに水飲むんだねー」

「一旦この事をボスに連絡するねー」

「...ボス、こちら第2部隊隊長、西瀬 渚」

「現在箱根町西部の芦ノ湖にてメカトリックを発見、そして奴らの特徴をひとつ発見しました」

「奴らは湖の水を飲んでいます」

「ほぅ、水を飲んで...」

「ギギ、ギギギ!」

ドシンドシンドシン

「ん?なんの音だ」

「隊長!メカトリックがこっちに迫ってきています!」

「えぇ!せ、戦闘態勢!」

「はい!」

「ということで報告はまた後でぇ!ボス」

4体も居たのか!勝てるだろうか...いや、勝つんだ。

「かののん・圭くんは前で攻撃、たくみんとねのねのは後方支援でよろしくー!」

「了解!」

コォォォォ

なんだ?冷たい風が吹いてきたような...

「氷よ、貫け」

ザシュ

奏音さんの声がした直後、空から突如氷柱が出現し、一体のメカトリックに突き刺さった。

「なん...だ?」

どうして氷が?分からない。奏音さんが出した?いや、有り得ないでしょ...

「彼らに祝福を!」

《ケレブラートル》

今度はなんだ?いゆりさんの周囲が光ったと思ったら…謎の力が湧いてきた。

「圭くん!ぼさっとしてないで追撃するわよ!」

「は、はい!」

とりあえず今は目の前の敵に集中しよう。

スゥゥゥ

「セイ!」

ボン

あれ、手応えが無…

「ギィゴォォ!」

「やっ…!」

《グラジオラス》

ザクッ

!?

「は、花?」

「ギィ…」

「わわっ!」

ドォーン

メカトリックが、倒れた。一体なんなんだ…さっきからおかしなことばかり起こる。空から氷柱が落ちてきたり、謎の力が湧いたり、花が飛んできたり。

「はぁ、はぁ…」

「ギィゴォォォォ!」

「はぁ…」

あれは、奏音さん…かなり疲れている様子だ。メカトリックの攻撃がくる、どうして奏音さんは避けようとしないんだ?

ー否、

「やめろおおおおおお!」

避けれないのだ。

「あああああああ!」

ボコボコボコボコ…ザシュ

「はぁ、はぁ、はぁはぁ!」

なん、だ…木の影から、黒いものが出てきてメカトリックに刺さった。

「どうして、私なんかを…」

「あなたには、死んで欲しくないから!」

「なっ…」

「はいはい、そこー!」

「いちゃいちゃしなーい!」

!?

「は、はぁ?い、いちゃいちゃなんて…してません!」

「はぁ…終わりましたね…」

「死ぬかと、思いますひた…」

「あはは、は…よし、帰ろう、かぁ」

バタッ

「た、隊長!?」

バタッ、バタッ

「え、…」

「えぇ!2人とも!?」

「ど、どうしよう奏音さ…」

奏音さん、寝てる?

「…どうするべきか」

ピピピピピ!ピピピピピ!

「なんだ?隊長の電話が鳴ってる」

「ボス?」

「は、はい」

「状況はどうだ…って、圭くん?どうして君が…」

「あっ、えっと…実はですね……」

ボスにメカトリックを倒したこと、みんなが倒れたことを伝えた。

「なるほど、大変ご苦労だったね」

「そうだね…近くに宿があるはずだ、そこにみんなを運んでもらえるだろうか」

「え?は、はい…わかりました」

「それでは…」

「ふぅ…」

宿まではおよそ100m…

4人を担いで?無理だ。

「どうする…」

日が暮れてきた。暗くなれば危険だ。そういえば…奏音さんを助ける時、黒いものが出てきたよな…もしかして。

ボコボコボコボコ

「わぁー」

予想的中。黒いものを出したのは僕だ。

「ふーむ」

触れる。どうやらこれは影を実体化されたもののようだ。「影なら自由自在…?」

もしかしたらこれでみんなを運べるかもしれない。

「頼むぞー」

ボコボコボコボコ…

「よし、いい感じ…このまま宿へ運ぼう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ、はぁ…」

なんとか、運べた。妙に疲れたな。

なん、だ…やばい…意識が…




割と早めに3話投稿できました!時間帯も19時くらいってのは初めて。1,2話は0時頃に投稿してましたからね…次も早めに出せたらいいなと思います…
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