オーバータクヤ   作:イグヴァルジ

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※この拓也さんは、ノムリッシュ拓也、ai拓也、悶絶少年専属調教師など複数の性質を併せ持つ♣




冒険者稼業は忙しい!

 

 拓也とのデートを問題なく終えた翌日――宿屋で冒険者に絡まれるという事件もあったが――再び冒険者組合の扉をアインズは押し開ける。

 

 奥に見えるカウンターには、組合の受付嬢が三人笑顔で冒険者らの相手をしていた。左手にある依頼が書かれた羊皮紙の前には、複数人の冒険者の姿があった。

 

 ――そして、幾多の視線がアインズに集まり、次に自身の背後に向けられたのを感じた。それは昨日の広場、宿屋のものと同じ類のものだ。ただ本日は二回目ということもあり、驚きの視線は昨日ほどではない。それでも、こちらを見ながら仲間内で、小声で会話するものは多くいたが。

 

「やはり・・・目立つな」 

 居心地の悪さを感じながらアインズは呟く。

 

 拓也が悪目立ちことは、昨日一日で思い知った。だが、こうも毎回注目されるとうんざりしたような気分になってくる。名声などであれば問題はないが、そうでないことは周囲から漏れ聞こえる会話から明らかだ。

 

「ウッス!すみません!」

 

 申し訳なさそうに拓也が頭を下げてくる。それに対して、気にするなと鷹揚に手を上げながら、アインズは考える。

 

(幻術を使用するか・・・? だが私が使える低位のものは、使い勝手が悪すぎる。いや、しかし乳首だけでも・・・)

 

「もしご命令でしたら、特殊技術を使いましょうか?」

 

 もうこういう異種族なんですと強行しよう思ったアインズに対し、拓也が提案をする。

 

「何? お前に隠密系の能力があったのか?」

 

「ないっす! でも警戒心を減らすことはできると思いまっす。」

 

 話を聞くと拓也の持つ特殊技術である「吐息」を使用することで周囲の人間の感情を操作できるらしい。アウラのもつ特殊技術と同じものだ。そしてその「吐息」を弱め、自身の周囲に拡散することで、弱い魅了状態を与えることができるようだ。

 

 オーラ系の特殊能力を弱めたり、範囲を調節したりするというのはユグドラシルでは不可能だった。少し実験の意味も兼ねてやってみようと思い、アインズは許可を出す。

 

「よし、やってみろ。ただ周囲の者に違和感を与えないように弱めろ。」

 

「ウッス!」

 

 拓也は肺の中で気体構成を組み替える。そして、魅了の効果を含んだ激エロの吐息が薄黒い唇から漏れだす。それは体外に出されると薄く広がり、肉眼では見えなくなった。

 

 

 

 瞬間、「コ゜ッ!」という奇怪な嘔吐き声とともに周囲の冒険者たちが大きく咳き込む。冒険者たちの一人が悪臭の元凶を探ろうと、涙目になりながら、臭いの元を辿ると――『それ』はいた――

 

 

―――乾燥途中の干し柿みたいな渋カッコいい顔

―――野性味あふれる北〇原〇のような肉体美

―――バカみたいにエロい乳首

―――小鳥のような愛らしさを備えた下半身

―――そして、全身からあふれ出る激エロなパフューム

 

 周囲の冒険者―――なお女性は除く―――は、拓也のあまりの美しさに見惚れ黙り込む。圧倒的な美の前には歓声すら許されない。男たちは、息を飲み、じっと美しさを目に焼きつけようとただ拓也を見つめる。

 

―――男達はこの時の光景を生涯忘れることはないだろう―――そして、己はノンケではないかもしれないと悟った男たちはその夜、男娼を求め夜の街へと消えていった―――この出来事を皮切りにエ・ランテルは周辺国家において類を見ない性産業の発展を遂げる―――

 

 

(やり過ぎじゃないのか?)

 

 恍惚とした表情を浮かべる男たちを見て、アインズは内心で冷や汗をかく。またどうやら女性には効果がないようだ。様子がおかしい男性を困惑気に見ている。とはいえ――今までの悪評を思えばこちらの方が多少はマシかもしれない。

 

 得意げにデカい胸を張る拓也を完全に無視し、アインズは羊皮紙のあるボードに目をやる。

 

(やはり、読めない・・・)

 

 仕方なく、横にいる拓也に羊皮紙を手渡す。

 

「拓也、読み上げてくれ」

 

「ウッス!」

 

 拓也の所持するサングラスは、解読の効果を持つマジックアイテムだ。アインズは詳しいことは知らないが、拓也の元となった人物―――確か・・・南〇也といった男性は、文豪として有名で大変な人気があったらしい。100年ほど前の存在だというのにその影響力は凄まじく、数多の模倣者を生み出したと聞く。その再現ということなのだろう。

 

 先程の「吐息」もそうだが、拓也の職業構成や装備品は再現に特化している。そのため同レベルのものと比べて戦闘能力は大分劣る。だが、そんな遊び心が役に立つのだからわからないものだ。

 

「この依頼は、エ・ランテル近郊にいる野盗の調査らしいっす」

 

 拓也の説明によると、周辺の野盗の塒を突き止めるために、人手を必要としているらしい。ただ、銅クラスの依頼というだけあって、基本的には荷物持ち、あるいは他の冒険者たちのサポートに回って欲しいという内容だった。

 

「報酬も少ないしつまらんな。戦闘の可能性があるだけ良いかもしれないが・・・」

 

 アインズは僅かに落胆し肩を落とす。現在、二人の持つ金銭は非常に心もとない。そのため、当面は手っ取り早く力を見せつけて稼ぐ必要があると考えていたが、金銭という面でも名声という面でもあまり魅力がある依頼ではなかった。

 

「とりあえず保留。他の依頼文を確認してくれ」

 

 拓也がいくつか見繕って、依頼文を読み上げてくれるが、商人の荷運びなどばかりで他に魅力的なものなかった。

 

「仕方がない。先程の依頼を受けるとしよう」

 

 そう言うとアインズは、羊皮紙を手に取り、受付嬢の方へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 依頼を受注したアインズは、昼頃――約束した時刻に――再び冒険者組合に訪れた。そこで受付嬢に案内され、会議室まで通された。

 

 その部屋にいたのは四人組の男だ。首からは皆、銀のプレートを下げている。つまりはモモン達と比べて先輩だ。時間には余裕をもって来たつもりだったが、彼らを待たせたことは謝罪しなければならないだろう。

 

「遅れてしまったようですね。申し訳ない。」

 

 アインズが頭を下げると、目の前の男―――おそらくリーダーなのだろう―――は苦笑を浮かべた。

 

「いえ、お気になさらないでください。私たちも先程来たところですので」

 

「元々は別の鉄級チームが、引き受けた依頼だったんだよ。それが急に行けなくなったて言うんでさ」

横にいた盗賊風の手足の長い男が、少し不満気に口をはさむ。

 

「まあ、急な依頼に対応すると、組合からの覚えも良くなりますから」

 

 軽装の少年が、苦笑交じりに男を宥める。

 

 「――取り敢えず、お掛けになってください。まずは互いの自己紹介や依頼内容の確認をしたいので」

 

 「はい―――」

 

 

 

 

 

 

 冒険者稼業は忙しい!  投稿者:ビルダー拓也  

 

 昨日のデートはマジ楽しかった!(^^)v でもさあ!デートの最後は宿屋に戻って野獣のように抱かれるんだなって思ってたのに、仕事あるからってセンパイはナザリックに帰っちゃったぜ!マジかよぉ!結局オレのことは「生かさず殺さず」のSのセンパイのペットなんだよなぁ。チョーSだよな!でもセンパイには絶対服従だからさ、素直に「ウィっす!おやすみなさい」と言ってその日はお休み。でも仕事切り上げて、来てくれるんじゃないかって緊張して眠れなかったぜ。

 

 そんなこんなでネムネムの顔で目の前の男たちの自己紹介を聞いている。オレの好みとしてはやっぱりジャニ系が一番だ。かなりのイケメン集団だけど、ジャニ系というには少し筋肉つき過ぎかなとガタイで分析中。でも最後のニニャって子は結構タイプかもね(笑)興奮して思わず、激エロフェロモンを多めに分泌していまったぜ。そしてセンパイの紹介も終わり拓也の番となった。

 

 「ハアハア喘ぎ続ける拓也は、拓也って言いまっす。職業はサーフ系ボデ―――」

 

 「拓也は修行僧です。気で回復もできるので、怪我をした際は相談してください」

 

 センパイが拓也の言葉を遮って続ける。(独占欲ってやつかなぁ?)

 

 「では、協力して仕事をするわけですから、互いの疑問はこの場で解決した方が良いと思いますが、何か私たちに質問はありますか?」

 

 「はい!」

 

 センパイからの問いかけにルくクルットの手が元気よく挙がる。自分以外に質問者がいないことを確認するとやけに真剣な顔でオレに向き直った。

 

「惚れました!一目ぼれです!付き合ってください!」

 

 ってマジかよぉ!どうやらオレの激エロフェロモンが効きすぎてしまったらしい。ニニャ君に向けたはずの「吐息」がルクルットの方に流れちゃったのかなぁ? まだ加減難しいなと思っていると、沈黙をどう受けとったのかルクルットが真剣な表情で言葉を続けたぜ。

 

「拓也さんのプリケツエロい!胸板は分厚いし、肩から腕にかけても筋肉が盛り上がってさらにブットく逞しく “ 軟弱なヤツタはひとひねり “ てな感じで、メンエグなルックスとのギャプがイケてます!」

 

 とかわけわかんねーこと叫びながらコイツ目がイッちゃってる(笑)

 

「ルクルット!? 何を言っているんですか!?」

 

「女好きのお前が・・・どうした急に!?」

 

「拓也さんの爆乳を知ったら、他の女なんてつまらなくなるよ、マジで」

 

 

 

 ―――このあとセンパイに余計なことはするなと、滅茶苦茶叱られてしまったぜ! やっぱり嫉妬なのかなぁ。でも多少焦らすのもオトコの嗜みだぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 依頼の内容は、街道の警備に加えて野盗の塒を調査するということだった。調査の方は銀級冒険者チーム「漆黒の剣」に行い、アインズ達は道中の荷物持ち、そして拠点となる野営地の警備をするという内容だった。

 

 道中は、小鬼数匹と遭遇するのみで安全な――ルクルットが拓也に猛アタックを仕掛けていたが―――旅だった。そして、野営の準備が一通り済み、夕日が見える頃、一行は食事をとることにした。宗教上の理由で食事をとることができないと嘘をついたアインズは、少しでもこの世界の情報を得ようと聞き役に徹していた。

 

「・・・皆さん、本当に仲がよろしいんですね。」

 

 何気ない会話の端々に、親しさや互いへの理解を感じる。若干の嫉妬を交えながら、アインズはぽつりとつぶやいた。

 

「まぁ、やっぱり命を預けるからなー」

 

「互いのことは知り尽くしているのである!」

 

「ルクルットの趣味は知りませんでしたけどね・・・」

 

 ニニャが微妙な笑みを浮かべて、続けて語る。

 

「それに、チームとしての目標も、しっかりとしたものがありますからね」

 

「そうですか・・・」

 

 アインズのつぶやきを最後に、話題が尽きたとき特有の沈黙が場を支配する。

 

「では、私はあちらで食べたいと思います。―――失礼」

 

「ウッス、俺もご一緒しまっす。」

 

 アインズと拓也は、野営地の隅に座る。焚火を背にしているため、目の前の風景は真っ暗だ。暗視の効果がなければ、十数メートルも見えないだろう。静寂と暗闇が辺りを支配する。同時にアインズの心中にも影が掛かる。

 

(仲間か・・・俺にはもうできないだろうな)

 

 アインズの胸に言いようのない寂しさが去来する。ナザリックの者は、深い忠義をもってアインズに接してくれる。だが、友人達のような親しみや気安さというものからは程遠いものだ。――ずっと支配者を演じなければならないのだろうか――

 

 そう物思いに耽っているいると横から声が掛かる。

 

「センパイ! 星がすげー綺麗っす!」

 

 横を見ると拓也がアホ面を晒しながら、夜空にくぎ付けになっている。つられて上を見上げると、満点の星空があった。月や星から降り注ぐ青白い光が夜空を照らし、天空には無数の星々が輝いている。

 

「素晴らしいな・・・」

 

 転移初日にも感じたことではあるが、この美しさに慣れることはないだろう。

 

「ウッス! オレ、星空なんて初めて見ました。ずっとブリッジしたんで。」

 

 星空というよりは、干し柿のような笑みを浮かべて拓也は笑う。そこでふと、ずっと疑問に思っていたことをアインズは質問する。

 

「そういえば拓也はナザリックの他の者と比べて気さくな感じがするな・・・いや責めているわけでないぞ」

 

 謝罪しようとするお米のような頭と押しとどめ、アインズは言葉を続ける。

 

「単純に好奇心から聞いたのだ。」

 

「ウッス! オレの創造主である至高の御方々から、アインズ様には親しみをもって接すように(恋人のような振る舞いをしろ)と、創られたからっす」

 

「そうだったのか・・・」

 

 例え会えずとも、友人たちの想いは確かにNPC達に宿っている。そのことを強く感じ、アインズの心は少しだけ救われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 食事を終えた後、漆黒の剣は武装を整える。野盗達の人数は現状不明だ。隠密裏に仕事を進めるために夜間に調査を行うというの至極当然の考えだろう。

 

「では、私たちは調査に向かいます。野営地の防衛、よろしくお願いします。」

「何かあったら大声で知らせるから寝過ごしたりしないでくれよ? 既定の時刻までに戻らなかったら、エ・ランテルに戻って協力を要請してくれ」

 

「はい、お任せ下さい」

 

 最後の確認を終えると、漆黒の剣は最低限の荷物を持ち、野盗の塒があるという場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

「さて、では名声を得るために少し作戦を練るとするか」

 

 不思議そうな表情を浮かべた拓也にアインズは説明をする。

 

「このまま事が進んでも大した名声は得られないだろう―――」

 

 確かに道中、小鬼が出現した際にアインズは戦闘をした。だが相手が弱すぎたために数度剣を振るっただけだ。通常両手で持つべきグレートソードを片手で振るうという離れ業によって、漆黒の剣から多少の称賛は受けたが、英雄と呼ばれるには少々足りないと説明をする。

 

「そこで、野盗達を使って力を見せつけたいと思う。何か理由を付けて戦闘に参加を―――」

 

 

 

 その時、押し殺したような悲鳴をアインズの鋭敏な聴覚が捉えた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 やっぱりさぁ、アインズ様みたいに寂しさを抱えた男性には拓也さんの包容力が必要だと思うんだよね!


 あと「吐息」の特殊技術は、精神系とは似て非なるものだそうです。つまりアンデットにも効くと。でもさすがにアインズ様には効きません。

 でもさあ、四六時中拓也の激エロフェロモン嗅がされてたら、もしかしたら少しずつ影響が出るかもしれないですよね。

 私たちみたいにね!(^^)v
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